お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『仮面ライダーギーツ』第19話 ちょっとした感想

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マスク割れの末掴んだ大金星!

 

 

 

お前に問題だ。誰かを疑わせるか、それとも信じさせるか、最後に勝つのはどっちだと思う?今回の『仮面ライダーギーツ』は、ジャマーボール戦の完結編。仲間たちからの信頼を回復した景和/タイクーンが、最後の最後でチームの勝利に貢献し、チームの信頼を回復するお話に。それと同時に、姑息な手で彼をハメようとしていた大智/ナッジスパロウは、投票の結果脱落する形になりました。

 

以前の最初の景和の大活躍回は、彼の退場回でもあったので、「今回もそうなるのかな…」と心配になりましたが、フタを開けてみればそんなことはなし。大智が脱落するという流れも、順当な感じでした。道長の件等、引き続き不穏な要素はありますが、今回は割と安心して観られる一編だったのではないでしょうか。

 

なお、前回(第18話)の記事は↓コチラです。

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前回、ジャマトが武の姿になるのを目の当たりにして以降、全く戦えなくなってしまったタイクーン。ギーツ/英寿たちの努力により、なんとか後半戦ドローで延長戦に持ち込むことに成功しますが、このままでは、景和が投票による脱落は必至。そんな、マズい状況に置かれた彼に、面会希望者が現れます。その正体は…。今回は、既にタイクーンがチーム内から疑われているところから、お話がスタート。タイクーン抜きでも、ギーツたちは必死に食い下がって同点に持ち込みますが、本当にギリギリの状況でした。前回の時点で、既にやりたい放題だったジャマーボール内でのジャマトたちでしたが、今回は、交代要員は発生するわ、肩のキャノン砲(のようなもの)をつかってアクロバティックゴールを決めるなど、「そんなのアリ!?」というようなものが連続していました。ギーツたちも一応武器は使えるんだけど、全部が全部ジャマーボールに向いているものではないからなぁ…。その後、景和は初めてケケラ(の人形)と面会。以前のデザイアグランプリから、ずっと自身を支援してきたスポンサーだという事実に、景和はビックリするのでした。今回のこのシーンで、景和とケケラは本当に初対面の様子。巷で噂されていた、「今回のデザイアグランプリに召集される前にケケラと会っていた」説は、これで否定されましたね。

 

夜の街で、道長と再会した英寿。彼は道長からの話を聞き、脳内で景和の話と結びつけます。そのまま戻った英寿は、景和に夜食を振る舞いながら、道長との話を共有。彼の話ぶりから景和は英寿が自分のことを信じてくれているのだと確信しますが、当の本人はそれをはぐらかすばかりでした。中盤では、英寿×道長と、英寿×景和のやり取りが、それぞれ挿入。前者のやり取りは、話されている内容が視聴者的に既出の情報ばかりだったので(前回描写されているため)、後者のシーンの方がインパクト大だったように感じました。英寿が夜食としてステーキを作れるのはスゴいけどさ、まさか道長/バッファの話をするためだけに、それを作ったわけじゃないよね?そんな英寿の話を聞いた景和は、英寿は自分をデザスターだと考えていないであろうことを直感。対する英寿の答えは、肯定も否定もしない、いつも通りのはぐらかした口ぶりでした。英寿がこうした反応を見せたのが、今回の興味深いところ。大体彼がこうした反応を見せる時って、本心を突かれたときなんですよね。

 

ジャマーボールの延長戦が開始。まだチーム内での景和への疑惑が解けていない中、ギーツは皆の目の前でジャマトを同時に攻撃し、人間の姿をしたジャマトの正体は、コピー体であることを看破します。これにより、戦意とチームからの信頼を回復したタイクーンは、ニンジャレイズバックル等の支援を受け、ほぼ単独でゴールに向かって一直線。点を先取してチームの勝利に貢献します。そしてラスト、投票の末脱落することになったのは…。終盤では、ギーツの助けを借りて、トラウマを払拭しチームの信頼を回復するタイクーンの大活躍っぷりが描写。主人公(ギーツ)のアシストで、ハメようとしていたヤツ(ナッジスパロウ)が一転して窮地に追い込まれるさまは、ベタな展開だなとは感じたものの、やはり痛快でしたね。そして、ロポ/冴からニンジャレイズバックルを返してもらったタイクーンは、ここから怒涛の反撃を開始。周囲のジャマトの排除はチームに任せていたものの、自分に向かってくるジャマトたちを自力でなぎ倒し、最後はマスク割れさせながら勝利をもぎ取ります。このマスク割れ、合成で表現しているのかと思いきや、なんと実際に作っていたらしい。CG合成を載せすぎて、思ったほど目立っていないようにも感じましたが、制作陣の気合いは十分に感じ取れました。そしてラスト、今回のゲームと投票の結果を踏まえ、脱落することになったのは大智。しかし、彼はデザスターではないと、英寿もジーンもケケラも踏んでいました。大智がデザスターじゃないだろうなというのは、まあ予想通りの展開。今回の素振りから見ると、景和もデザスターっぽくないし…、やっぱりデザスターは、祢音/ナーゴなのかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デザイアグランプリ第3戦は、時限爆弾ゲーム。どこかに送り届けられる、恐怖の宅配便を探し出せ!手がかりがほとんどつかめない中、その宅配便は、沙羅のもとに届いてしまうのか!?

 

次回描かれるゲームも、なかなかエンタメ性の高いもの(参加してる側から見たらとんでもないものですが)。沙羅が爆発に巻き込まれてしまうような描写があったけど、あれは景和が想像したイメージなのでしょうか。それとも…?

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…というワケで、記事は「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン45話 ちょっとした感想」に続きます。

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『ウルトラマンデッカー』第25話(終) ちょっとした感想

皆でつかむ、彼方の光!

 

 

 

悲しい未来は避けられない?だったら、その悲しみを乗り越えてやる!俺たちは、前へ、未来へ、進むんだ!!いよいよ、『ウルトラマンデッカー』も最終回。マザースフィアザウルスの撃破がドラマの中心となるのですか、マザースフィアザウルスの脅威よりも、それに立ち向かい打ち勝とうとするカナタたちの奮闘にスポットが当てられており、『ダイナ』オマージュも多分に含んだ、『デッカー』らしい最終回になっていました。

 

カナタたちの奮闘に描写を注力したぶん、他の展開がやや巻き気味でしたが、そこはお話のアツさとテンションの高さで突貫。「時間さえあれば、もっといい形に出来たんじゃないか」とも感じましたが、概ね上手くまとめられていたと言えるでしょう。カナタたちは間違いなく、笑顔で、“彼方の光”をつかみ取ることができましたね。

 

なお、前回(第24話)の感想記事は↓コチラです。

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◎ストーリー面

マザースフィアザウルスに打ち勝とうとする、カナタたちGUTS-SELECTの活躍にスポットが当てられ、アツいドラマを生み出していた今回。大筋の流れは、『ダイナ』最終章に似ているのですが、スポットスポットで独自展開や解釈が挿入されており、『デッカー』らしい最終回となっていました。とにかく、カナタも火星の人たちも無事でよかったよ。

 

前回、マザースフィアザウルスに完全敗北した、カナタ/デッカーとケンゴ/トリガー、そしてGUTS-SELECT。状況は絶望的でしたが、それでもカナタは、勝利をあきらめておらず、自分とケンゴがウルトラマンであることを利用した最終作戦を提案します。そして、ムラホシ隊長らにそれを進言する際、とうとう―!OPをオミットした、アバンタイトル&前半では、意外にもマザースフィアザウルスの脅威はほとんど描かれず(冒頭での前回の振り返り程度)、そのマザースフィアザウルスを倒すために、カナタたちがあれこれ作戦を立てる描写が中心。ここでは、『ダイナ』最終章におけるクラーコフ内でのスーパーGUTSのやりとりのシーンをベースとしていますが、カナタが主人公らしいムーブを見せると同時に、彼を後押しするソウマ、心配しているがゆえに待ったをかけるイチカと、各メンバーの個性と『デッカー』らしさが、バッチリと出ていましたね。特にイチカの、「私、決めてないよ」というセリフは、ピリッとシーンを引き締めていて、グッときたな~。そうした中で見逃せないのが、カナタが自発的に、「俺がウルトラマンデッカーです」と告白するシーン。今まで、仲間内から追及される等、やむを得ない事情からなし崩し的に、自分の正体を語ることはありましたが(『ダイナ』もそのパターンですよね)、作戦遂行のためという事情があるとはいえ、ほとんど迷わずに自分の正体を明かすというのは、新鮮に感じましたね。「ウルトラシリーズ」における、新たな正体バレのパターンだよなぁ。このシーンもこれまたグッと来たんだけど、そのあと、カナタたちのサプライズによって、ケンゴの正体もついでに明かされたのには、笑っちゃいましたね。

 

全てを了解したムラホシ隊長とカイザキ副隊長は、作戦実行を許可。ガッツファルコン・ガッツホーク・テラフェイザーと、使用可能な戦力を全て投入し、作戦が始まります。そして、トリガーの決死の作戦により、カナタはウルトラディーフラッシャーを取り戻し、デッカー ダイナミックタイプとなってマザースフィアザウルスに応戦。しかし、あと一歩力およばず、GUTS-SELECT全員とともに、スフィアに飲み込まれてしまいます。中盤では、マザースフィア相手にとにかく奮闘する、カナタ&ケンゴ、そしてGUTS-SELECTの面々が、存分に描かれていた印象。皆それぞれの持ち場で全力を出し切っていましたが、一番インパクト大だったのは、ケンゴでしたね。何気に初めてのグリッタートリガーエタニティへの直接変身を見せた後に、マザースフィアザウルスのコアへと直接攻撃を加え、自身の力とエタニティコアの力を使って、ウルトラディーフラッシャーをよみがえらせてしまうとはなぁ。しかも、こうしたドラマにすることで、トリガーの株をまったく落とさずに、このあとの戦いでトリガーが出てこない合理的な理由を付加しているのがGoodです。一方で、よく考えてみると、なぜそれらの力でウルトラディーフラッシャーが復活するのか不明なのですが(現状、エタニティコアやトリガーとデッカーの関係性は、何も証明されていない)、激アツなシーンだったのでヨシとしましょう。そうそう、カナタとケンゴが空ですれ違うシーン、あれ絶対『A』のウルトラタッチを意識してたよね?

 

スフィアの中で、初めてマザースフィアの声と目的を耳にしたカナタたち。全生命体の統一を図るマザースフィアに対し、カナタたちは真っ向から反論してみせます。そして、その強い思いは、彼らをマザースフィアの呪縛から解放。エネルギーが回復していたデッカーは、GUTS-SELECT全員からの援護を受け、渾身のセルジェント光線で、ついにマザースフィアザウルスを打ち破ります。これにより、スフィアバリアも消滅。カナタはウルトラディーフラッシャーを失ったものの、宇宙から多くの人々が帰還し始めており、その中には、彼の両親もいました。終盤で、初めてマザースフィアがカナタたちと会話。マザースフィアザウルスの鳴き声とは正反対の、落ち着いたボイスでしたが、言ってることは『ダイナ』のグランスフィアと酷似したものでした。『ダイナ』のときは、グランスフィアの論理に対して、ヒビキ隊長が静かにアツく反論する形でしたが、『デッカー』の場合は、マザースフィアの論理に対して、カナタたちが「うるせぇ!」と言わんばかりに、自分たちの思いを吐露しながら反論して突破口を開くという形に。大まかな構図自体は、両者共通しているのですが、反応の仕方の違いだけでここまで印象が変わるものかと、非常に面白く感じました。論理で攻めてくる相手に論理で返すのもいいけど、「やかましいわ!」と感情むき出しでねじ伏せるという展開も、いいものですよね。そんな形で、マザースフィアを文字通り黙らせたカナタたちは、そのままマザースフィアから解放され、怒涛の反撃を開始。デッカーの渾身のセルジェント光線と、全戦力を投入したGUTS-SELECTの攻撃の雨あられが、マザースフィアザウルスを破ります。ラストの戦闘シーンは、OPがBGMとして流れることもあり、興奮は最高潮へ。「なんでカナタたちがこんなにピンピンして復活できたんだ?」という疑問は残りましたが(多分エタニティコアのおかげ?)、そんなことはどうでも良くなるくらい、アツいバトルになっていましたね~。そして、EDでは、戦いのその後が挿入。スフィアバリアのせいで、今まで地球に帰れなかった人々が宇宙から戻ってくるさまが描かれました。「皆すぐに帰って来れすぎたろ」というのはさておき、ここでは、しっかりとカナタとウルトラディーフラッシャーの別離を描いていたのが見逃せないところ。来月公開の劇場版で帰ってくるのはわかっているのですが、こうしたシーンを挿入することで、物語の区切りをキチンとつけており、「ああ、『デッカー』の物語は一旦完結したんだな」と、感じさせてくれるものになっていました。

 

 

 

◎特撮面

上でも何度も触れている通り、カナタとケンゴそしてGUTS-SELECTが、人間として全力を出し切り、マザースフィアザウルスに挑むさまが描かれていた今回。最終回ということもあって、特撮描写にも気合いが入っており、多様なカラーリングを使用したCG合成、マザースフィアザウルスの猛攻を表現する火薬爆破、激戦を印象付けるアクションと、見どころ満載でした。本当に、総力戦って感じだったよなぁ。

 

カナタとソウマが中心となって立案された、マザースフィアザウルスのコアの破壊作戦。その第一段階は、カナタのデッカーへの変身能力の奪還。ソウマ・イチカは、それぞれガッツホークとガッツファルコンを駆ってマザースフィアザウルスまで最接近し、ケンゴを投下することに成功。グリッタートリガーエタニティに変身した彼もまた、エタニティコアの力を取り出すことに成功し、それが再び、カナタをデッカーの姿へと変身させます。前半にて展開される戦闘シーンは、ミニチュアセットと実景を合成させる、あるいは交互にシーンを挿入することで、作戦遂行時のマザースフィアザウルスの攻撃の苛烈さを表現。特に、ビル街を縫って飛ぶガッツファルコン&ガッツホークと、空き地を全力疾走するカナタの姿は、迫力満点でした。後者については、若干CG合成が浮いていたけど、実際の火薬爆破も使用していたので、カナタの必死さは十分に伝わってきましたね。

 

デッカー ダイナミックタイプへの、奇跡の再変身を遂げたカナタは、そのままマザースフィアザウルスに応戦。ハネジローのテラフェイザーや、ムラホシ隊長たちのナースデッセイ号の援護を受けながら攻撃を叩き込みますが、それでもマザースフィアザウルスはひるみません。そんな状況がしばらく続いたのち、デッカーたちはスフィアに飲み込まれて…。中盤、ダイナミックタイプが登場してからは、ミニチュア特撮が中心に。既に街が破壊されていることから、新規のビル破壊等は挿入されず、それよりも巨大感を維持してアクションを撮ることに重きが置かれた映像に仕上がっていました。これが坂本監督演出だと、スピーディーさを重視しすぎて巨大感が薄れてしまうのですが、今回のような武居監督演出では、そうした違和感が幾分か軽減されていました。ケンゴもきちんと戦っていたのはGoodだったけど、アサルトライフルだけってのはちょっとかわいそうだったなぁ。もう少し強力な武器を貸してあげればよかったのに…。

 

マザースフィアの身勝手な論理を、自分たちの未来を希求する力で打ち破ったカナタの思いは、そのままデッカーの力へと昇華。スフィアに捕らわれていた全員を解放し、怒涛の反撃を開始します。ガッツグリフォンのハイパーソーンレーザー、ナースデッセイ号のナースキャノン、テラフェイザーのTRメガバスターが次々に叩き込まれ、最後はデッカーの渾身のセルジェント光線!不可能かと思われたマザースフィアザウルスのコアは破壊され、マザースフィアザウルスは消滅。これによりスフィアバリアも消滅し、カナタたちはスフィアに完全勝利をおさめます。終盤では、「◎ストーリー面」でも語った通り、ドラマ面での盛り上がりが最高潮を迎えているため、それに応じて特撮描写も迫力たっぷり。これでもかというほどCG合成を付加し、セットのあちこちを爆破させる等、双方の攻撃の激しさを存分に表現していました。特に、爆炎の中をものともせずに走り切るデッカー、あれはカッコいいと感じると同時に、『ダイナ』のVSネオジオモス回を想起させるものになっていましたね。こうした過程を経て、ラストはセルジェント光線でフィニッシュ。偶然にも『Z』最終回と同じような構図になりましたが、これはその『Z』よりも、『ダイナ』最終回をオマージュしたものなのでしょう。「そのままスフィアの消滅の中にデッカーが巻き込まれちゃうんじゃないか」と心配になったけど、そうはならず生還してくれて、良かったよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光の国に保管されていた「ウルトラヒーローの記録」が、何者かに消されてしまった。未来から送られてきたアイテム:ディメンションナイザーは、ウルトラマンゼロにどんな道を示してくれるのか?今こそ、ニュージェネレーションヒーローズの歴史を掴み取れ!

 

次回より、新番組『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』がスタート。以前の記事でも触れた通り、総集編商法が進化していることから、どのようなドラマ展開がなされるのか、とてもワクワクしています。とりあえず第1話の感想記事は作るとして、その後は…ドラマの面白さ次第かなぁ。

 

 

 

 

 

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『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-8(第22~24話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第8回目です。

 

物語も、そろそろ折り返し地点。ヒイロの話よりも、デュオやゼクス等彼を取り巻く人々の話の深掘りがなされる一方で、いよいよ、本作後半の主役機ともいえるウイングガンダムゼロが、その姿を見せ始めます。しかし、その登場の仕方、そして立ち位置は、今までの作品とは全く異なるもの。こうした面白いひねり方を時々挿入してくるところが、『W』の面白いポイントと言えるでしょう。

 

なお、前回(第19~21話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第22話「独立を巡る戦い」

1995年9月1日放送

登場した敵他:トールギス、リーオー、トーラス

「この世から戦いはなくならん。ならば、常に強者が世界を治めれば良い。」

 

STORY:トールギスで宇宙へあがったゼクスは、本名ミリアルドを使ってレディ・アンらと接触。地球の親善大使として彼女の信頼を勝ち取るが、唯一彼女の部下であるニコルは、ゼクスの正体と真意を見抜いていた。ゼクスの言葉、そしてトレーズの考えにレディ・アンの精神が揺れる中、ニコルは実質的な指揮権をわがものにし、コロニーD120に立てこもる連合軍残党の殲滅にかかる。その戦闘の中に、連合軍側として身を投じるゼクス、逆にOZ側としてトーラスで出撃するレディ・アンの攻撃入り乱れる中で、レディ・アンは、世の中が戦いを求める流れの中にいることを知るのだった。

 

本編中にはヒイロがその声どころか姿すら見せず、ゼクスとレディ・アンを中心に、戦いに身を投じることになった兵士たちの悲哀を描く、実質的な単発回。今回だけ見れば、登場人物の行動や心の動きから深い何かを感じ取れますが、今までの『W』の物語からのつながりを考えると、「?」が浮かぶシーンが少なくありませんでした。レディ・アンが兵士として非情になるというのはいいんだけど、こう、なんというか…全体的に皆どこか、フワフワした感じになっちゃってるんだよなぁ。

 

前回、レディ・アンに捕捉されたゼクストールギス。彼は本名ミリアルドを使い、地球のピースクラフト王国からの親善大使の名目で、彼女と接触します。彼の言葉を受け、また敬愛するトレーズとの考え方の相違に気づかされたレディ・アンの心は、激しく揺れます。一方のゼクスは、続いてコロニーD120へと接近。そこには、かつてのセプテム将軍の息子:ギンター率いる連合軍残党がいました。今回の主役は、ゼクスとレディ・アンであり、序盤から彼らのやり取りが中心。Aパート前半では、ゼクスゼクスだと気づいていない(ガチでミリアルドという別人だと思っている)レディ・アンが、彼の言葉やトレーズの言葉を受け、自分の方向性に迷い悩む様子が描かれます。ゼクスに心突き動かされ、また敬愛していたトレーズの、自身との方向性の違い―。レディ・アンに物語上の試練を与えるのは良いですし、面白い試みであると感じますが、いかんせんそこまでの過程がややちぐはぐな印象を受けます。まあ、百歩譲ってミリアルドの正体がゼクスと気づかないのはいいとして(特徴的だった仮面も無いし)、なんでかつての敵の機体を駆ってやってきた相手を、ホイホイと信用出来るんだ?しかも、また、ゼクスは「ピースクラフト王国を再興中」と語り、レディ・アンは「そうですね。あのピースクラフト陛下ですか」という形で話が進んでいますが、彼とリリーナによるピースクラフト王国再興って、まだ始まったばかりじゃなかったっけ?なんかいつの間にか話が進んでいて、それを視聴者置いてけぼりですっ飛ばしちゃってるんだよなぁ。

 

ギンターらと接触したゼクスは、彼らの思いと、宇宙に住む者たちの持つ弱さともろさを実感。そんな中、ついにOZによるコロニーD120への攻撃が開始されます。しかしこれは、レディ・アンが命令したものではなく、彼女の部下であるニコルが、彼女をたぶらかして敢行した作戦でした。彼に心の迷いを付け込まれたレディ・アンは、あろうことかトーラスで自ら出撃するハメに陥ります。かつて、トレーズたちに接近したものの最終的に用済みとして消されたセプテム将軍の息子:ギンターと、彼の祖父(セプテム将軍の父親)が登場。将軍本人はなかなかゲスい立ち回りをしていましたが、その息子や祖父は、それなりに覚悟と矜持を持つ軍人であり、戦乱の世に突入しつつあるこの世界において、自分たちはどう立ち回るかを、彼らなりにしっかりと考えていました。以前のセプテム将軍の立ち回りから考えると、本当に同じ家族なのか!?と思っちゃうくらい、人間ができていたギンターたち。しかし、彼らもまた時代の流れを読みきれないでおり、また自分たち連合軍残党が、いつまでもOZに抵抗が出来ないこともまた知っていました。ここで興味深いのが、人間が、そして『W』の世が招いた軍拡の現実は、宇宙に住む人々の不安から生まれたという考え方。地球と違って、コロニーはその環境全てが人工的なもの。それは人の手によって管理されていますが、地球とは違い何かの事情でその管理サイクルが崩れれば、一瞬にして崩壊するという脆弱性をはらんでいました。考えてみれば当たり前なのですが、今までの「ガンダムシリーズ」ではあまり見られなかった解釈を持ち込んでいるのがGood。「このタイミングでこのセリフ入れるのか?」という感じもありましたが、悪く無かったですね。

 

レディ・アンの部隊とギンターの連合軍残党部隊の交戦は、激しさの一途をたどり、ゼクスもそれに介入。ギンターたちは劣勢でしたが、決して押されっぱなしでなかった一方、彼ら自身は宇宙に、力を求めることの愚かさを伝えるべく、時代の捨て石になろうとしていました。そして、ニコルによる宇宙要塞バルジのビーム砲が、コロニーD120を捉えますが、トロワの工作により攻撃は失敗。またその攻撃に巻き込まれそうになったレディ・アンもゼクスによって救われ、これによりあの眼鏡をかけた時の強気な女性の人格が戻ります。Bパートからは、戦闘が描写の中心に。この戦闘はレディ・アンの意図したものではなく、彼の部下であるニコルが彼女の弱っている心につけこみ、そのスキにけしかけたものでした。ニコルはOZの一般軍人(ある程度の階級にいるみたいだけど)でありながら、なかなか有能なヤツ。トロワが宇宙要塞バルジに来た際に真っ先に彼を疑ったほか、今回もミリアルドの正体がゼクスたと見破るなど、コイツの意見をある程度聞いておけば、そこまでレディ・アンも悪手を打たなかったんじゃないかと思われます。ただ、変に野心を持っていたのがいけなかった。それがなければ、OZで着実に昇進できた気がするけどね…。そんな彼にのせられ、トーラスで出撃することになった彼女。ろくに反撃もできず、あわや宇宙要塞バルジのビーム砲に巻き込まれそうになった彼女を救ったのは、ゼクストールギスでした。「レディ・アンをこの段階で殺すわけにはいかない」という制作側の意図はわかるけど、他の機体は攻撃1発で爆発四散しているのに、彼女の機体だけリーオーからメチャクチャ攻撃食らってもほぼ無傷なのは明らかに変。ここまで露骨だと、逆にネタ的な意味で面白いです。なんだよ、レディ・アン専用機だけマグネットコーティングか何かでもしてるのか?そんな彼女を救ったゼクスと時同じくして、トロワもニコルのたくらみを阻止すべく、宇宙要塞バルジの軌道を変えて、コロニーD120の破壊を阻止。こうして、『W』の世界で歴史上初めて起きるかに思われた、戦争によるコロニー破壊は回避されました。ギンターたちは覚悟を決めて、時代の捨て石になる気でいたけど、生き延びちゃいましたね。このあとどうするんだろう―。

 

戦いの中で目覚めたレディ・アンは、宇宙要塞バルジに帰還すると、すぐさまニコルを拘束し指揮権を奪還。そして、トレーズのために兵士として生きることを不完全ながらも受け入れ、今後もOZの一員として動くことを決意します。同じ頃、宇宙に上がったツバロフ技師長のシャトルを発見した五飛/シェンロンガンダムは、急速に接近。しかし、彼は攻撃をすることはなく、ツバロフ技師長たちに拘束される道を選びます。それには、とある目的がありました。もともと二重人格の気があったレディ・アンでしたが(今まで、二重人格とも単なる気質のどちらともとれる感じだったが、トレーズの発言により前者であることが確定)、今回の一件を通して、地球でよく見せていた強気な性格が露呈。ニコルを拘束し、指揮権を奪還します。その一方で、トレーズへの忠誠心と愛は変わっていない様子。てっきり今回を通じて、トレーズと決別するのかと思っていましたが、むしろ繋がりを深めるとはなぁ。このまま彼女は、OZの一員として、引き続き『W』の世界で動いていくのでしょうね。こうした一連の戦いがあった頃、レディ・アンの要請を受け月に向かっていたツバロフ技師長を捕捉していたのが五飛。しかし、彼はシェンロンガンダムで攻撃しようとはせず、そのまま拿捕・拘束される道を選びます。どうやらシェンロンガンダムは既に限界を迎えており、攻撃するだけの余力もなかった様子。機体と自分の未来の去就を敵に託すとは、なかなか五飛らしいやり方です。そして、その結果が拿捕と拘束。なるほど、これがシェンロンガンダムの機体パワーアップのキッカケになるってことか…!

 

 

 

第23話「死神に戻るデュオ」

1995年9月8日放送

登場した敵他:トールギス、メリクリウス、ヴァイエイト、キャンサー、リーオー、トーラス

「お互い、自分の信じられる道で精いっぱい生きようぜ!そのくらいバカじゃなかったら、兵士なんかになれやしないよ。」

 

STORY:ツバロフ技師長により拘束された五飛は、ヒイロとともに月面基地に護送されることになり、これによりガンダムパイロットの大半がOZの手に落ちた。そんな中、唯一自由の身だったデュオは、単身月面基地の破壊に乗り出すが、その中でOZ志願兵のヒルデ・シュバイカーと出会う。コロニーを思う気持ちは同じなのに、戦いあうことになってしまう2人。しかし、デュオの月面基地潜入への突破口を開いたのも、また彼女だった!そんな形で月面基地に乗り込んだ彼が、目の当たりにしたものは一体何か。ガンダムパイロットたちの反撃の準備は、着実になされていたのだ。

 

最近主役になることがなかった、デュオをメインに置いたお話。ゲストキャラクターであるヒルデとの交流を通じ、コロニーを思う気持ちは同じなのにすれ違ってしまう両者、そして戦争のはかなさを描き出そうというのは、Goodな試みであると感じました。ですが、いかんせん各々のシーンがぶつ切り状態で、それをムリヤリくっつけた感じでドラマが進むため、お話の全体的な流れは、割としっちゃかめっちゃか。もったいない感が否めない一編でもありました。ヒルデの生死は不明のまま終わっちゃったけど、今後再登場はあるのかなぁ。

 

前回、ツバロフ技師長に拘束されてしまった五飛。彼は月面基地へ向かう護送船に移送され、ヒイロとともに現地へ向かうことになります。一方地球では、サリィとそのゲリラ組織が、ウイングガンダムの機体の回収に成功。OZのキャンサー隊をも退けるその力は、OZの他、一部のコロニー指導者の耳にも入っていました。序盤では、ヒイロと五飛の様子が描写。今まで全く気にしたことなかったけど、このシーンで初めて、彼らは似た者どうしなんだなということに気づきました。どちらも基本的には冷静で、どこか斜に構えたカッコつけかたと冷めたものの見方をする、上はタンクトップスタイルの少年と、属性がけっこう被っています。お互い強烈なキャラなうえ、顔を合わせるシーンがほとんどなかったから、全然気づかなかったなぁ。そんな2人は、OZのシャトルで護送中のため、何も動けずじまい。代わりに地球た動いていたのは、サリィ率いるゲリラ部隊でした。以前、五飛を助けたときは中国でゲリラ活動をしていた彼女ですが、その後その勢力を着実に拡大している様子。この前ガンダムサンドロック鹵獲の際とは違い、多数の部下(傭兵)を率いて大々的に調査を行ってウイングガンダムを発見し、さらに近づいてきたOZのキャンサー隊を撤退に追い込むだけの強さを見せます。水中調査の際は、本来OZの機体であるはずのパイシーズを使用。複数機稼働させていることから、サリィが脱走時に持ち出したものではなく、何らかのルートで大量に仕入れたものだと推測されます。初登場時では、こんなに行動的でちゃんと成果も出す女性だとは思わなかったぞ(ほめてます)。そりゃあ、コロニー指導者の耳にもその名が伝わるわな…。

 

月周辺のコロニーで、月面基地への侵入の機会をうかがっていたデュオは、偶然ヒルデという志願兵の少女と出会い、彼女から教えてもらった志願兵の移送船に紛れて月面基地に乗り込むことを画策。しかし、彼女に見破られてしまったため強硬手段に出ます。ヒルデ程度の兵士相手に、本来であれば苦戦するはずがないデュオでしたが、同じコロニーを思う者どうしが戦っているという状況、そしてOZの味方(ヒルデ)を巻き込んでもデュオを倒そうとするその姿勢に惑わされ、結果ヒルデに拘束されてしまうハメになるのでした。この前はヒイロに介抱されっぱなしだったデュオですが、今ではすっかり回復。いつもの調子で市民生活に溶け込んでいる際に出会ったのが、ヒルデという女性志願兵でした。ヒルデは典型的な、やる気は一人前だけど実力はまだ伴っていないタイプの軍人。コロニーのためを思ってOZに入り、一兵士として活動しようとしていましたが、デュオから見ればそれはむしろコロニーにとって悪影響でしかないものでした。ここら辺のやり取りは、なんともデュオらしいもの。でもさ、彼女に見られれば自分の月面基地潜入がバレる(直近の月面基地行きの志願兵の募集が締め切られていると、彼女の口から聞いているため)ってわかってるのに、なんでわざわざ目立つような行動をとったんだ?意図的にバレたかったわけでもなさそうだし…。そんなデュオを、月面基地行きのシャトルで発見したヒルデは、彼の乗るリーオーを追撃。やたらめったらに仕掛けてくるその攻撃に怯むデュオではないはずですが、彼女の純粋さと、背後に構えられていたビーム砲が、彼の行動を鈍らせます。デュオの心に迷いが生じるのはわからんでもないけど、この辺のシーンは、このあとのBパートでのデュオとヒルデのやり取りをさせたいがために、デュオを弱体化させている感が否めません。彼ならスパッと退避するか、あるいはヒルデをかばってそのまま姿を消す(別のコロニーに潜り込む)くらいのことはできると思うんですけどね。


ヒルデに拘束され、月面基地へ向かうシャトル内で彼女の尋問を受けるデュオ。しかし、それに屈する彼ではなく、むしろ彼の表裏のない言葉が、ヒルデの考え方を変えさせる結果となります。その後、デュオはスキを突いて脱走し、リーオーを使って再び宇宙へ。しかし、今度はモビルドールのトーラスの攻撃の雨あられを食らい、本当にまずい状況に陥ります。死を覚悟したデュオを救い、そして彼の月面基地潜入を助けたのは…!今回の肝は、このBパート前半におけるデュオとヒルデのやり取り。自分の行動がコロニーのためになっていると信じて疑わない彼女に対し、「なぜコロニーを思う者どうしが戦わなければならないのか」と一石を投じます。ここでのデュオの話が面白く、「(自分の道を一途に信じるくらい)バカじゃないと兵士なんかやってらんない」というセリフは、『W』における名ゼリフの1つと言っても過言ではないでしょう。そして、この言葉にあからさまに突き動かされたヒルデは、再びデュオがリーオーを使って月面基地へ潜入しようとした際、モビルドールのトーラスを自ら撃破し、さらに隔壁を破壊するというアシストを披露。デュオはこれに助けられ、無事月面基地への潜入を果たします。ヒルデがデュオの言葉をキッカケに心変わりするのはいいんだけど、いくらなんでもすぐに心変わりしすぎ。これをやりたいのなら、デュオとのシーンと彼を救うシーンの間に、ヒルデのOZに対する信頼が揺らぐシーンか、あるいはデュオの言っていることが正しいと気づくシーンが必要でしょう。せっかくセリフとともに名シーンになりそうだったのに、(尺の関係かもしれないけど)描写不足でヒルデとの話を終わらせてしまったのは、実にもったいないなと感じましたね。

 

月面基地に潜入したデュオは、着実に深部へと侵入。そうした中で偶然飛び込んだのは、ドクターJらの秘密の格納庫でした。そこにあった新型機:ガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムを目の当たりにしたデュオは、ドクターJらが完全にOZに屈したわけではないことを確信。老師Oたちの芝居に付き合い、自らOZに拘束される道を選びます。デュオまでもが投獄され、万事休すかという感じのヒイロでしたが、デュオはそんな不安など全くありませんでした。Bパート終盤で、ようやくデュオは月面基地へと潜入。しかし、あまり戦果を挙げられず拘束されてしまいます。それもそのはず、彼はヒイロたちよりも先に、自分たちの新型機をドクターJたちが開発していることを知ったから。デュオは彼らの言葉を信じ、あと1ヶ月粘ることにします。次回以降連続する、各ガンダムの強化機登場への布石が、ここで登場。「あと1ヶ月」というのが、販促を意識してるんだなぁと感じてちょっと面白かったです。こういう表現は、『勇者特急マイトガイン』でもありましたよね。こうした一連のことを知ったデュオは、月面基地を破壊しないため、またこのガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムの開発をバレないようにするため、老師Oの芝居に付き合うことに、ハデにやられた彼は、そのまま投獄されるハメになります。「ヤツら(OZ)にバレてはイカン!」ということで、なんとかOZの一般兵たちが突入するのを阻止したドクターJたち。今のところOZにはバレてないみたいだけど、決して広くない月面基地で、勝手に格納庫を占領し、そこで反逆者扱いの科学者5人が定期的に集まって何かやってるなんて、いつバレてもおかしくないと思うんだけど…。『W』の物語は変なところでガバガバなのですが、ここ最近それが顕著になってきたように感じますね。

 

 

 

第24話「ゼロと呼ばれたG(ガンダム)」

1995年9月15日放送

登場した敵他:ウイングガンダムゼロ、リーオー、メリクリウス、ヴァイエイト

「怖いんだね、死ぬのが。だったら…戦わなければいいんだよ!」

 

STORY:OZが開発中の資源衛星を、一瞬で消滅させた驚異の敵。それは、カトルの乗るウイングガンダムゼロだった。しかし、穏やかな気質だったはずの彼は、すべての敵や武装を消滅させるという極端な思想に染まっており、宣戦布告の上コロニーまでをも破壊し始める。OZ側として動くハメになっていたヒイロとトロワは、宇宙でカトルと相まみえるとき、その狂気を知るのだった。一方、宇宙要塞バルジに残されたデュオたちとドクターJらは、ツバロフ技師長の工作により、酸欠の危機に陥る。新型ガンダムを目の前にして、彼らは死ぬしかないのか!?

 

ヒイロの後半の乗機であり、ウイングガンダムの上位機体であるウイングガンダムゼロの初登場回。その内容は『Ζ』~『G』とは大きく異なっており、新型機が味方(カトル)含めて敵側になり、ヒイロら主人公側がその脅威を思い知るというお話になっていました。パワーアップ機を主人公以外が使うのは、『Ζ』や『V』でもあったけど、あれは別のところからの輸送のため等のやむを得ない事情ゆえだったから、完全に主人公が扱えない状態で出てくるのは、この『W』が初めてですね。カトルもすっかりイカれてるみたいだし、ここからどうやってヒイロたちのもとに復帰するんだろ…?

 

コロニーへの支配を強めるOZは、自ら資源衛星の開発に着手できるまでに力を増大。その資源衛星に近づく、1つのシャトルがありました。何度呼び掛けてもそれは応答しないため、現地の部隊は攻撃を開始しますが、そのシャトルはびくともしなかったうえ、なんとガンダムに酷似した機体へと変形。その圧倒的な攻撃力の前に、部隊は一瞬にして玉砕し、資源衛星も消し飛ばされてしまうのでした。強化機体の登場というのは、次回予告等で登場が明らかであってもギリギリまで伏せられるイメージがありますが、今回はそれを覆すかのように、序盤からいきなり登場。リーオー部隊の攻撃などものともせず堂々と変形し、ツインバスターライフルで一瞬にしてその部隊を灰にしてしまいます。ウイングガンダムゼロの最大にして最強の武装と言えるのが、このツインバスターライフル。ウイングガンダムもバスターライフルを装備しており、かなりの火力を誇っていましたが、このツインバスターライフルは、名前の通りバスターライフルの2倍の火力を備えており、かつ真ん中で分割し2丁にすることも可能であるため、扱いやすさが増しています。これはかなり心強い武器だよなぁ。でも、本気出せば資源衛星もコロニーも1発で破壊できちゃうなんて、ちょっとオーバースペック過ぎる気がするけど…。そんな驚異のスペックを持つウイングガンダムゼロに乗るのは、ヒイロ…ではなくカトル。彼は今までのような穏やかさ捨てており、戦いに支配されるようになっていました。ヘルメットの中からチラッと顔が見え、ボソッと一言つぶやくことにより、中にいるのがカトルであることが判明。以前のお話で父親が死んだから、それで狂っちゃったのかなと思われるけど、どうやらそれだけでもなさそうです。

 

資源衛星を破壊したカトルは、続いて宇宙要塞バルジに対して別コロニーの破壊を宣戦布告。これを重く見たレディ・アンは、トロワ経由でガンダムパイロット1人の出撃を命令し、トロワはヒイロを選びます。OZ内部からもたらされた情報により、敵の正体がカトルであり、新たなガンダムに乗っているということであれば、OZへの反撃のチャンスではないかと捉えるトロワでしたが、対するヒイロの見立ては厳しいものでした。Aパート後半で良い動きを見せたのが、トロワ。レディ・アンからの指示を受けながら、ドクターJらの独房の門番をしていた彼は、情報をつかむや否やいち早く彼らにそのことを伝達。そのうえで、ヒイロたちのもとを訪れ、ヒイロを違和感なく連れ出したほか、残されることになったデュオと五飛にもきちんと新型ガンダムガンダムデスサイズヘル&アルトロンガンダム)の情報をもたらすなど、常にきちんとヒイロたち側に資する動きをしているのがGoodです。さすが工作員という感じの働きっぷりでしたね。その一方で、なんだかトンチンカンな感じだったのがレディ・アン。いくらこの後の展開の都合があるとはいえ、自身もガンダムパイロットではないかと疑っているトロワをドクターJらの門番につけたり、敵がガンダムであるとわかっていながら、主力機体をすべてガンダムパイロットに使わせたりというのは、いくらなんでも相手を信用しすぎです。一応、後者については「メリクリウスをまともに操れるのはヒイロだけ」という事情があったり、そもそも「OZのもとにいるから下手な動きはしないだろう」という前提があったりという理由付けはされているものの、それでもやっぱり無理がありますよ。宇宙に出てから無能感増してきたな、レディ・アン…。

 

デュオたちが、トロワからもたらされた情報で、自分たちの強化機体の詳細情報を知っていた頃。ヒイロたちはカトルの指定したコロニーへ向かっていましたが、それは既に彼の手により消滅。続いて指定されたコロニーが、偶然自分たちの航行する宙域の近くであったことから、ヒイロたちは急転直下・戦闘準備に入ることになります。そして、とうとう現れたカトルのウイングガンダムゼロは、リーオー部隊を一瞬にして撃滅。トロワの呼びかけにもほとんど応じずヴァイエイトを大破させ、まともに戦える機体はヒイロのメリクリウスのみになってしまいます。後半からは、ヒイロたちによる戦闘が中心に。なんだかんだでカトルのことを知っており、彼のことを信頼したいと考えているヒイロ&トロワに対し、そんなことお構いなしに、宇宙の全面武装解除のために武器を持とうとするすべての存在を破壊しようとするカトルとのすれ違いが描かれます。ここでもウイングガンダムゼロの圧倒的な強さが描かれており、肩部のバルカン砲だけでリーオー部隊をほぼ全滅させるわ、ツインバスターライフルでヴァイエイトに痛手を負わせるわと、かなりの活躍を見せます。でも、半分くらいは以前のお話からの映像流用だったし、コロニー1つ消滅させられるツインバスターライフルを、直撃は避けたとはいえほぼ真正面から食らったヴァイエイトがなんとか形を保ってるって、なんか変じゃね?そして、このように部隊の大多数が撃破されたため、まともに動けるのはヒイロのメリクリウスのみに。さあ、ヒイロはどう戦うのか―?

 

レディ・アンの判断を不服とするツバロフ技師長は、彼女が不在の間にガンダムパイロットと開発者たちの抹殺を計画。牢屋の酸素を切り、酸欠による死を狙います。その意図に気づきつつも、脱出することができないドクターJらやデュオは、半ばあきらめていましたが、五飛だけは、この状況下でも新型ガンダム=アルトロンガンダムの情報を確認。その行動には、彼の強い意志が隠れていました。ヒイロたちの戦闘に隠れて、コソコソと工作をしていたのがツバロフ技師長。彼の行動する根拠はよくわかるのですがガンダムパイロットや開発者が信用できないので、用が済んだらさっさと消してしまおうというのは無理のない発想)、だからってこのタイミングでこの行動に出るのは、いささか大胆すぎます。このままじゃ、絶対レディ・アンに粛清されるぞ…。このようなツバロフ技師長の工作に気づかないデュオたちではありませんでしたが、いかんせん脱出路が無いため、わかっていても何もできない状態。しかしそんな中でも、五飛だけは決してあきらめず、今できることをやろうとしていました。彼がやっていたのは、アルトロンガンダムの構造を徹底的に頭に叩き込むこと。これと牢屋からの脱出がどう関係あるのか?次回へ続く―!

 

五飛「何かが起こった時のために、今できる最良のことをやっているだけだ。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第25話から第27話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。反体制の象徴としてのガンダムと、それに連なる全ての勢力を消滅させたい財団は、ヒイロたちの処刑を決定した―!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

新機動戦記ガンダムW』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

ガンダムW』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『獣人雪男』ちょっとした感想

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「あれは、見たこともない動物だった。強いて言うなら、“雪男”かな―。」今回は、1955年8月公開の映画『獣人雪男』のレビューです。

 

映画内の鮮烈な描写からか、日本国内では未ソフト化となっており、『ウルトラセブン』第12話と並んで、特撮界の封印作品としてその名が知られている本作。しかし、映画館での期間限定上映はちょくちょく行われており、今回はラピュタ阿佐ヶ谷で行われていた上映会にて視聴。貴重な体験をすることができました。

 

確かに鮮烈な描写はありましたが、正直「そんなに慎重になってソフト化を避けるほどか?」と思えるものでした。日本特撮の黎明期を感じ取る作品として、『ゴジラ』等と並んで、もっと評価や研究が進められるべき作品だと感じたけどなぁ。

 

※今回は、敬称略でお送りします。

 

 

 

STORY:飯島高志(宝田明)・武野道子(河内桃子)らK大学山岳部のメンバーは、正月休みを利用しての日本アルプス登山中、武野(岡部正)ら一部メンバーが遭難してしまう。翌朝、地元民で結成された捜索隊とともに雪山を探した結果、発見したのは、破壊された山小屋と、熊以上の大きさを誇る足跡だった。この山には、得体の知れない何かがいる。雪解け後、仲間と謎の動物を探すため、飯島らは再び日本アルプスに入る。そこで彼らが見たものは―!?

 

同時期の『ゴジラ』や『空の大怪獣ラドン』が、「怪獣という明らかに人知を超えた未知なる生物との遭遇」という、娯楽性も多分にあるドラマづくりであるのに対し、本作は途中まで(主役であるはずの)雪男が登場せず、比較的淡々としたドラマで進行。「あくまでもドラマを主体として、そこに特撮描写を織り交ぜる」という形に。まだ『ゴジラ』が生まれて間もない頃にこうした発想とドラマづくりがあったことに、非常に驚かされます。

 

登場する雪男のスーツも、非常に完成度の高いもの。特殊メイクもかなり凝られており、近影で見ても、パッと見着ぐるみであることが全くわかりません。デジタルリマスターされていない本当にそのままのフィルム上映だったこともあるのでしょうが(画質が粗いので特撮の粗も分かりにくくなる)、それを加味しても、雪男の着ぐるみの出来は、オーパーツかと言いたくなるような素晴らしいものでした。

 

 

ただ、その一方で、残念なのがドラマ。本作は大きく分けて「飯島らが友人を探す」・「悪徳興行師大場(小杉義男)との競争」・「部落民チカ(根岸明美)の叶わぬ飯島への恋」・「雪男の怪奇と悲哀」の4つの要素が盛り込まれていますが、これらをこなすためには上映時間95分は短すぎ。そのため、全体的にちぐはぐになってしまっています。

 

しかも、オマージュのつもりか興が乗ったのか、途中から明らかに『キングコング』を意識した描写とドラマが展開。一応、ドラマ内において必要な描写ではあるのですが(大場たちの因果応報につながる)、ここで時間を食うため、余計にドラマに割ける時間が無くなっちゃってるんですよね。スクリーンプロセスやミニチュア等、確かに特撮描写は頑張ってたけど、ドラマ的には遠回りしてた感があるかな。

 

また、部落民チカの恋も、描写不足で唐突な感じは否めない印象。彼女が飯島との仲を優先したばかりに、悪手を打って、大場に騙されるわ雪男の怒りを買って村を壊滅させられるわと散々な目に遭うことになりますが、彼女の心情の移り変わりをややすっ飛ばしているせいで、全然彼女に共感できません。「あれだけ部落の掟に逆らえば怒られるし、雪男の怒りもあんたが招いたことだよね」としか感じられませんでした。道子と並んで本作ノメインヒロインと言えるのに、あんまり活用できてなかったなぁ。

 

そんな本作のラストは、チカが道子を救おうとして、雪男とともに誤ってマグマに転落するというもの。雪男は散々人間に翻弄されて死ぬという、なんともかわいそうな役回りになっています。マジで雪男って、終盤で道子を誘拐したこと以外悪いことしてないんだよなぁ。本当、被害者だよ…。

 

 

ちなみに、様々なムック本等で言及されている「部落にかかる描写」は、本当に存在。チカを除けば障害者だらけの村という描写になっており、これはおそらく、「閉鎖環境下で近親相姦を繰り返したことによる遺伝子異常」の暗喩なのでしょう。

 

実は、雪男を主として祀っていることから、雪男の正体に迫るうえでは、ドラマ上意外に重要な位置にあるこの部落。差別表現出まくりのシーンが連続し、確かに現代的価値観で観ると「ちょっとこれは…」となるものですが、ソフト化に慎重になるほどのものかな、とも感じました。

 

こうした描写になってるのは、おそらく差別するためというよりも、「制作側のイメージした未開の部落をそのまま具現化したから」なのでしょう。なので、「この描写を挿入して意図的に差別してやろう」なんて意識は、当時の制作側にはなかったと思われます。こういった表現は、大小問わなければ、他の昔のドラマにだっていくらでもあるじゃないですか

 

時代とともに価値観は変わる。でも、だからといって、今の価値観に逆に囚われ、昔の作品をある種ジャッジするのは、非常に愚かしい行為だと感じます。

 

今の価値観だって、未来永劫絶対じゃないのだから、「この時代はこうした文化だった/こうした考え方だった」でいいじゃないですか。なんでそんなに敏感かつ慎重になるのか、私には全く理解できませんね。

 

 

 

 

全体的にちぐはぐ感は否めないものの、自然の表現を特撮でやろうとしたり、ドラマ面で様々な試みが挿入される等、間違いなく意欲的作品だったと言える『獣人雪男』。できるだけ早くに、この作品がソフト化等され、多くの特撮ファンの評価の俎上に乗ることを願うばかりです。

 

そういや、この映画のキャッチコピーが「魔か原始人か? 怪力と戦慄の巨獣人、これが雪男だ!」なのに、全然大きく見えなかったな。メインキャストである宝田明河内桃子が、当時の日本人にしてはかなり大柄だったからかなぁ…(それぞれ182cmと170cm)。

 

 

 

 

 

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セブン!セブン!セブン!『モノ・マガジン』2022年11月16日号

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今回は、昨年(2022年)11月2日に発売された、「『モノ・マガジン』2022年11月16日号」のレビューです。

 

定期的に「ウルトラシリーズ」を取り上げるようになった『モノ・マガジン』から、いよいよ『ウルトラセブン』55周年記念号が発刊。これの前に発売された同年7月16日号は、割と内容が淡白だったのでスルーしましたが、今号は、そこから巻き返すぞと言わんばかりの中身の濃さであり、立ち読み後「気に入った!」と感じて購入してきました。

 

ちなみに、紹介が遅れた理由は、もう既に当ブログで取り上げたと思っていたから。記事を書いた気でいたけど、よく確認したら、下書きすら作ってなかったよ…。

 

なお、昨年購入した『モノ・マガジン』2021年8-16.9-2合併号のレビューは↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

特集誌面の構成は、過去の『モノ・マガジン』のものとほぼ同じ。作品に関する紹介やファンの寄稿ののち、当時の関係者やキャストへのインタビューが挿入。そして最後にかけて、関連商品の紹介がなされています。

 

前回の内容が淡白だったからか、それとも『セブン』55周年ということで制作陣の気合いが入ったのか、キャストへのインタビューがかなり充実していたのがGood。森次さんやひし美さんといった鉄板の相手ではなく、『平成セブン』の山崎勝之さんと鵜川薫さん、『SEVEN X』より与座重理久さんと、いつもと違ったアプローチになっていたのが、非常に興味深かったですね。

 

山崎さんや鵜川さんは、比較的最近になって露出が増えてきた印象があるものの、まだまだ聞いたことのなかった『平成セブン』の思い出が盛々。個人的に一番印象に残ったのは、けっこうガチめに、メインキャスト全員のオーディションをやっていたんだなということでした。あの頃の円谷プロは、「低予算で作品をたくさんつくる」という方向に舵を取ってたから、てっきりそうしたことはやってなかったのかと思ってたよ。

 

また、『SEVEN X』の与座さんのインタビューは、そのほとんどがかなり新鮮。オーディション時の思い出や、キャラクターづくりのときに注力したこと、そして初変身等々…、興味深いお話がこちらも盛りだくさんでした。与座さんが台湾に活動の主を移してからしばらく経ちますが、Zoomを使うことでインタビューを実現。こうしたことができるのも、現代ならではですよね。

 

その他の記事にも、興味深いお話はチラホラ。さすがに、各話の見どころや特撮等については、「もう知ってるよ」というところが多かったですが、それでも楽しむことができました。

 

 

 

気合いの入った誌面構成になっていた、『モノ・マガジン』2022年11月16日号。今後も定期的にこうした特集をやってくれると嬉しいけど、次は2026年の「ウルトラシリーズ」60周年記念までお預けかな。

 

いや待てよ、2023年は円谷プロ創立60周年だ。こりゃもしかすると、今夏に何かあるかもしれないぞ―!

 

 

 

 

 

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変身!生誕50周年記念 THE仮面ライダー展

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今回は、2022年12月23日~2023年1月15日の日程で、東京の池袋サンシャインシティにて開催されていた、「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」のレポートです。

 

一昨年2021年に、シリーズ放送開始50周年を迎えた「仮面ライダーシリーズ」の、史上最大規模とも言える展覧会が、名古屋→福岡→札幌を経て、東京に上陸。展示内容の濃さという面では、それほどではありませんでしだが、展示物の多さは確かに史上最大規模と言える、カメラ撮影の捗る展覧会になりました。

 

「いつ行っても絶対混んでるだろうなぁ」と思って、ギリギリまで行くかどうか迷っていたのですが、先週ふとチケット販売サイトを見ると、最終週の土日に余裕で空きがあったので、行くことを決意。しかし、それでもかなり会場内に人がおり、おそらく私が行った14日(土)午後の時点で、600人くらいはいたのではないかというくらいの混雑っぷりでした。いくら一時期に比べて落ち着いたとはいえ、まだ新型コロナウイルス感染拡大の状況は、終息してないんだけどなぁ…。

 

※今回は、敬称略でお送りします。

 

 

 


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展示の構成は、「歴代仮面ライダー1号の紹介」→「石ノ森章太郎仮面ライダーのデザイン誕生のひみつ」→「歴代昭和ライダー」→「歴代平成ライダー」→「令和ライダー」→「劇場版or配信のみ作品」→「シン・仮面ライダー」の順番。仮面ライダーの歴史」を、ほぼ時系列順に追っていくという形でした。

 

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展示物にはかなり力が入れられており、どの作品も最低1つは展示物が存在。平成ライダー以降は、一部実際の撮影に使用されたであろうプロップが展示されていたほか、昭和ライダーはわざわざレプリカを新造して展示するなどしていました。

 

昭和のときは、プロップ等の管理が杜撰でろくに当時品が残っていなかったであろうことを考えれば、よくやってるなという印象を受けましたね。なんだよ、東映もやればできるじゃん。

 

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中でも唸らされたのが、『仮面ライダー(新)[スカイライダー]』の展示。「私がファンだから」ということもそうですが、チョイスされていたのが「がんがんじいのスーツ」と「改造人間FX777のプレート」だったのが、渋いなと感じました。これチョイスした担当者は、まあまあわかってるな…!

 

その一方で、展覧会としての情報量については、かなり物足りない感じ。仮面ライダーのデザイン誕生過程の話は、今まで何度も何度も様々な書籍で触れられてきた情報・資料の展示のみであり、各ライダーの紹介は、登場人物の関係図程度。正直、真新しい情報等は一切ありませんでした。まあ、一般人や平成ライダーシリーズのみのファンがサラッと見るには、これくらいのほうがいいのかな。

 

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最後に、ギャラリーとして、いくつか画像をペタペタ。本当に展示物はかなり充実していたので、上述したとおり、写真を撮るための展覧会という感じでもありましたね。響鬼のスーツをこんなにも美しく感じたの、マジで人生初めてだったなぁ―!

 

 

 

 

 

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好評のうちに終わった、「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」。今後も静岡や大阪で開催予定ですので、行きたくても行けなかった人は、まだまだチャンスがあるので、ぜひ一度顔を出してみてはいかがでしょうか。

 

そんな本展覧会では、物販もある程度充実。というワケで、次回以降では、購入商品を取り上げていくことにしましょう!

 

 

 

 

 

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『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン44話 ちょっとした感想

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他のドラマが濃すぎてスルーされた初6人変身

 

 

 

番組は変わって、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』です。

 

話すな…来るな。二度とお前には、会いたくない!今回は、ずーっと期待されていた、ドンブラザーズの6人全員の一斉変身が実現するお話。しかし、翼とつよしの話やソノニの葛藤、そして異常なまでの『バイオマン』オマージュ等、周囲のドラマが濃すぎたため、6人変身がまさかの全然目立たないという、なかなかの展開になっていました。

 

翼関連のシリアスなお話と、明らかにお話から浮いている『バイオマン』要素が同居している異常さが、かなり面白いところ。しっかし、今回を通して、翼とつよしの間のわだかまりは解消された…のかなぁ?

 

なお、前回(ドン43話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

また、同日放送の『仮面ライダーギーツ』の記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

獣人のことを知るために、翼を呼び出したタロウたち。しかし、お互いがその正体を知らないため、話はあまり進展せず終わります。その後、ソノニに会った翼は、みほを倒すことこそ夏美を取り戻すことだと改めて吹き込まれ、つよしに無断で外出していたみほと対峙。上手いことニンジャークソードを使い、みほを倒すあと一歩のところまで行きますが、それを妨害したのは―!序盤、タロウたちとのやり取りが描写されたあとは、基本的に翼メインでお話が進行。ソノニに改めて獣人にかかる偽情報(みほを倒せば夏美が戻る)ということを吹き込まれた彼は、迷いなくみほを追い詰め、ニンジャークソードで倒すまであと一歩というところまで追い詰めます。このシーンでのアクションは、イヌブラザーVSみほ→翼VS獣人と、必ずどちらか一方が人間態で戦っているのが興味深いところ。変身態どうしの戦いとはまた違った魅力が引き出されていましたね。そうそう、順番ば前後しますが、この直前のタロウとみほのやり取りも見逃せないところ。獣人よりも人間味がないとされてしまったタロウは、どうなるのか―。

 

自身がウソをついていたことを告白し、処刑を覚悟していたソノニ。脳人の掟に従おうとするソノイとソノザでしたが、人間に近づき過ぎた彼らもまた、それが出来ないでいました。一方、迷いの果てに喫茶どんぶらに戻ってきた翼は、そこで介人からの言葉を受け、つよしの元へ。つよしはみほを傷つけられたことに激怒しており、キジブラザーに変身して翼を襲います。中盤における、ソノイとソノザがソノニを処刑しようともできない描写こそ、今回の見どころの1つ目。セリフがじょじょにうわずり、またアバンタイトルでの描写から、「ソノイたちもまた、人間に近づき“すぎてしまった”」ことを表現できていたのがGoodでした。しかし、だからこそ、剣をおもむろに振りかざそうともできないという描写は、ちょっとオーバー過ぎてマッチしてなかったかなぁとも感じましたね。あれがなくても、ソノイたちの葛藤は十分伝わったと思うんだけど…。その後、ドラマは翼とつよしのぶつかり合いへ。お互い変身してまで戦うという、『ジェットマン』の「爆発する恋」以上の激突っぷりを見せますが、ここでつよしが、翼に対して何も言い返せていないのが見逃せません。本当はつよしも、とっくにわかってるんですよね。みほは獣人であり、人間としては存在しないって―。

 

劣勢に追い込まれるイヌブラザー/翼。彼を救ったのは、またもソノニでした。つよしがそれに動揺している中、今度は超電子鬼が介入。しかしこれは、駆けつけたタロウたちの協力もあり、割とすんなり倒されます。ですが、ソノニは依然傷ついたまま。雪上でとうとう力尽きて倒れる彼女を見た翼は、現れた介人に―。終盤でようやく、今回のヒトツ鬼=超電子鬼がドラマに介入。しかし、ドンモモタロウ/タロウとドンドラゴクウ/ジロウの手で、あっさり倒されます。冒頭でも述べたとおり、今回は『バイオマン』オマージュが異常なほどたっぷり。新帝国ギア感あふれる職場、わざわざ大泉の西友を使ってのロケ、襲われる人々が皆バイオマンの名乗りポーズをするなど、意図的に設定・挿入しなければできないようなことばかりでした。スタッフの中にかなりのファンがいた…のか?そんな超電子鬼は、ソノニに致命傷を与えており、それによりソノニは雪上で死亡。翼のキビポイントの力により奇跡的に復活しますが、2人の関係が元に戻ることはありませんでした。ロケーションは違えど、翼がソノニの元に駆けつけるシーンは、『ジェットマン』のグレイ退場回にそっくり。意識して描いたのかなぁ。グレイとは違い、ソノニは生き返りますが、その代わり翼との精神的離別という“代償”をしっかり設定していたのが、いい塩梅でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジロウの故郷である、華果村を訪れたタロウたち。しかしそこには、なぜか人っ子一人いやしない。そして現れる、新たなる脳人の影。ジロウの故郷の秘密が、今暴かれる!?

 

次回は、久しぶりにジロウをメインに据えたお話。しかし、今回の描写等から考えるに、もう不穏すぎる要素しかありません。何もかもが虚構なのか?もしそうなら、ジロウはここで、どうやって暮らしてたんだ…?

 

やあやあ、ドン45話の感想記事は↓コチラだ!ここはブログ、リンクを踏んで記事を読んでくれ!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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