お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-8(第22~24話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第8回目です。

 

物語も、そろそろ折り返し地点。ヒイロの話よりも、デュオやゼクス等彼を取り巻く人々の話の深掘りがなされる一方で、いよいよ、本作後半の主役機ともいえるウイングガンダムゼロが、その姿を見せ始めます。しかし、その登場の仕方、そして立ち位置は、今までの作品とは全く異なるもの。こうした面白いひねり方を時々挿入してくるところが、『W』の面白いポイントと言えるでしょう。

 

なお、前回(第19~21話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第22話「独立を巡る戦い」

1995年9月1日放送

登場した敵他:トールギス、リーオー、トーラス

「この世から戦いはなくならん。ならば、常に強者が世界を治めれば良い。」

 

STORY:トールギスで宇宙へあがったゼクスは、本名ミリアルドを使ってレディ・アンらと接触。地球の親善大使として彼女の信頼を勝ち取るが、唯一彼女の部下であるニコルは、ゼクスの正体と真意を見抜いていた。ゼクスの言葉、そしてトレーズの考えにレディ・アンの精神が揺れる中、ニコルは実質的な指揮権をわがものにし、コロニーD120に立てこもる連合軍残党の殲滅にかかる。その戦闘の中に、連合軍側として身を投じるゼクス、逆にOZ側としてトーラスで出撃するレディ・アンの攻撃入り乱れる中で、レディ・アンは、世の中が戦いを求める流れの中にいることを知るのだった。

 

本編中にはヒイロがその声どころか姿すら見せず、ゼクスとレディ・アンを中心に、戦いに身を投じることになった兵士たちの悲哀を描く、実質的な単発回。今回だけ見れば、登場人物の行動や心の動きから深い何かを感じ取れますが、今までの『W』の物語からのつながりを考えると、「?」が浮かぶシーンが少なくありませんでした。レディ・アンが兵士として非情になるというのはいいんだけど、こう、なんというか…全体的に皆どこか、フワフワした感じになっちゃってるんだよなぁ。

 

前回、レディ・アンに捕捉されたゼクストールギス。彼は本名ミリアルドを使い、地球のピースクラフト王国からの親善大使の名目で、彼女と接触します。彼の言葉を受け、また敬愛するトレーズとの考え方の相違に気づかされたレディ・アンの心は、激しく揺れます。一方のゼクスは、続いてコロニーD120へと接近。そこには、かつてのセプテム将軍の息子:ギンター率いる連合軍残党がいました。今回の主役は、ゼクスとレディ・アンであり、序盤から彼らのやり取りが中心。Aパート前半では、ゼクスゼクスだと気づいていない(ガチでミリアルドという別人だと思っている)レディ・アンが、彼の言葉やトレーズの言葉を受け、自分の方向性に迷い悩む様子が描かれます。ゼクスに心突き動かされ、また敬愛していたトレーズの、自身との方向性の違い―。レディ・アンに物語上の試練を与えるのは良いですし、面白い試みであると感じますが、いかんせんそこまでの過程がややちぐはぐな印象を受けます。まあ、百歩譲ってミリアルドの正体がゼクスと気づかないのはいいとして(特徴的だった仮面も無いし)、なんでかつての敵の機体を駆ってやってきた相手を、ホイホイと信用出来るんだ?しかも、また、ゼクスは「ピースクラフト王国を再興中」と語り、レディ・アンは「そうですね。あのピースクラフト陛下ですか」という形で話が進んでいますが、彼とリリーナによるピースクラフト王国再興って、まだ始まったばかりじゃなかったっけ?なんかいつの間にか話が進んでいて、それを視聴者置いてけぼりですっ飛ばしちゃってるんだよなぁ。

 

ギンターらと接触したゼクスは、彼らの思いと、宇宙に住む者たちの持つ弱さともろさを実感。そんな中、ついにOZによるコロニーD120への攻撃が開始されます。しかしこれは、レディ・アンが命令したものではなく、彼女の部下であるニコルが、彼女をたぶらかして敢行した作戦でした。彼に心の迷いを付け込まれたレディ・アンは、あろうことかトーラスで自ら出撃するハメに陥ります。かつて、トレーズたちに接近したものの最終的に用済みとして消されたセプテム将軍の息子:ギンターと、彼の祖父(セプテム将軍の父親)が登場。将軍本人はなかなかゲスい立ち回りをしていましたが、その息子や祖父は、それなりに覚悟と矜持を持つ軍人であり、戦乱の世に突入しつつあるこの世界において、自分たちはどう立ち回るかを、彼らなりにしっかりと考えていました。以前のセプテム将軍の立ち回りから考えると、本当に同じ家族なのか!?と思っちゃうくらい、人間ができていたギンターたち。しかし、彼らもまた時代の流れを読みきれないでおり、また自分たち連合軍残党が、いつまでもOZに抵抗が出来ないこともまた知っていました。ここで興味深いのが、人間が、そして『W』の世が招いた軍拡の現実は、宇宙に住む人々の不安から生まれたという考え方。地球と違って、コロニーはその環境全てが人工的なもの。それは人の手によって管理されていますが、地球とは違い何かの事情でその管理サイクルが崩れれば、一瞬にして崩壊するという脆弱性をはらんでいました。考えてみれば当たり前なのですが、今までの「ガンダムシリーズ」ではあまり見られなかった解釈を持ち込んでいるのがGood。「このタイミングでこのセリフ入れるのか?」という感じもありましたが、悪く無かったですね。

 

レディ・アンの部隊とギンターの連合軍残党部隊の交戦は、激しさの一途をたどり、ゼクスもそれに介入。ギンターたちは劣勢でしたが、決して押されっぱなしでなかった一方、彼ら自身は宇宙に、力を求めることの愚かさを伝えるべく、時代の捨て石になろうとしていました。そして、ニコルによる宇宙要塞バルジのビーム砲が、コロニーD120を捉えますが、トロワの工作により攻撃は失敗。またその攻撃に巻き込まれそうになったレディ・アンもゼクスによって救われ、これによりあの眼鏡をかけた時の強気な女性の人格が戻ります。Bパートからは、戦闘が描写の中心に。この戦闘はレディ・アンの意図したものではなく、彼の部下であるニコルが彼女の弱っている心につけこみ、そのスキにけしかけたものでした。ニコルはOZの一般軍人(ある程度の階級にいるみたいだけど)でありながら、なかなか有能なヤツ。トロワが宇宙要塞バルジに来た際に真っ先に彼を疑ったほか、今回もミリアルドの正体がゼクスたと見破るなど、コイツの意見をある程度聞いておけば、そこまでレディ・アンも悪手を打たなかったんじゃないかと思われます。ただ、変に野心を持っていたのがいけなかった。それがなければ、OZで着実に昇進できた気がするけどね…。そんな彼にのせられ、トーラスで出撃することになった彼女。ろくに反撃もできず、あわや宇宙要塞バルジのビーム砲に巻き込まれそうになった彼女を救ったのは、ゼクストールギスでした。「レディ・アンをこの段階で殺すわけにはいかない」という制作側の意図はわかるけど、他の機体は攻撃1発で爆発四散しているのに、彼女の機体だけリーオーからメチャクチャ攻撃食らってもほぼ無傷なのは明らかに変。ここまで露骨だと、逆にネタ的な意味で面白いです。なんだよ、レディ・アン専用機だけマグネットコーティングか何かでもしてるのか?そんな彼女を救ったゼクスと時同じくして、トロワもニコルのたくらみを阻止すべく、宇宙要塞バルジの軌道を変えて、コロニーD120の破壊を阻止。こうして、『W』の世界で歴史上初めて起きるかに思われた、戦争によるコロニー破壊は回避されました。ギンターたちは覚悟を決めて、時代の捨て石になる気でいたけど、生き延びちゃいましたね。このあとどうするんだろう―。

 

戦いの中で目覚めたレディ・アンは、宇宙要塞バルジに帰還すると、すぐさまニコルを拘束し指揮権を奪還。そして、トレーズのために兵士として生きることを不完全ながらも受け入れ、今後もOZの一員として動くことを決意します。同じ頃、宇宙に上がったツバロフ技師長のシャトルを発見した五飛/シェンロンガンダムは、急速に接近。しかし、彼は攻撃をすることはなく、ツバロフ技師長たちに拘束される道を選びます。それには、とある目的がありました。もともと二重人格の気があったレディ・アンでしたが(今まで、二重人格とも単なる気質のどちらともとれる感じだったが、トレーズの発言により前者であることが確定)、今回の一件を通して、地球でよく見せていた強気な性格が露呈。ニコルを拘束し、指揮権を奪還します。その一方で、トレーズへの忠誠心と愛は変わっていない様子。てっきり今回を通じて、トレーズと決別するのかと思っていましたが、むしろ繋がりを深めるとはなぁ。このまま彼女は、OZの一員として、引き続き『W』の世界で動いていくのでしょうね。こうした一連の戦いがあった頃、レディ・アンの要請を受け月に向かっていたツバロフ技師長を捕捉していたのが五飛。しかし、彼はシェンロンガンダムで攻撃しようとはせず、そのまま拿捕・拘束される道を選びます。どうやらシェンロンガンダムは既に限界を迎えており、攻撃するだけの余力もなかった様子。機体と自分の未来の去就を敵に託すとは、なかなか五飛らしいやり方です。そして、その結果が拿捕と拘束。なるほど、これがシェンロンガンダムの機体パワーアップのキッカケになるってことか…!

 

 

 

第23話「死神に戻るデュオ」

1995年9月8日放送

登場した敵他:トールギス、メリクリウス、ヴァイエイト、キャンサー、リーオー、トーラス

「お互い、自分の信じられる道で精いっぱい生きようぜ!そのくらいバカじゃなかったら、兵士なんかになれやしないよ。」

 

STORY:ツバロフ技師長により拘束された五飛は、ヒイロとともに月面基地に護送されることになり、これによりガンダムパイロットの大半がOZの手に落ちた。そんな中、唯一自由の身だったデュオは、単身月面基地の破壊に乗り出すが、その中でOZ志願兵のヒルデ・シュバイカーと出会う。コロニーを思う気持ちは同じなのに、戦いあうことになってしまう2人。しかし、デュオの月面基地潜入への突破口を開いたのも、また彼女だった!そんな形で月面基地に乗り込んだ彼が、目の当たりにしたものは一体何か。ガンダムパイロットたちの反撃の準備は、着実になされていたのだ。

 

最近主役になることがなかった、デュオをメインに置いたお話。ゲストキャラクターであるヒルデとの交流を通じ、コロニーを思う気持ちは同じなのにすれ違ってしまう両者、そして戦争のはかなさを描き出そうというのは、Goodな試みであると感じました。ですが、いかんせん各々のシーンがぶつ切り状態で、それをムリヤリくっつけた感じでドラマが進むため、お話の全体的な流れは、割としっちゃかめっちゃか。もったいない感が否めない一編でもありました。ヒルデの生死は不明のまま終わっちゃったけど、今後再登場はあるのかなぁ。

 

前回、ツバロフ技師長に拘束されてしまった五飛。彼は月面基地へ向かう護送船に移送され、ヒイロとともに現地へ向かうことになります。一方地球では、サリィとそのゲリラ組織が、ウイングガンダムの機体の回収に成功。OZのキャンサー隊をも退けるその力は、OZの他、一部のコロニー指導者の耳にも入っていました。序盤では、ヒイロと五飛の様子が描写。今まで全く気にしたことなかったけど、このシーンで初めて、彼らは似た者どうしなんだなということに気づきました。どちらも基本的には冷静で、どこか斜に構えたカッコつけかたと冷めたものの見方をする、上はタンクトップスタイルの少年と、属性がけっこう被っています。お互い強烈なキャラなうえ、顔を合わせるシーンがほとんどなかったから、全然気づかなかったなぁ。そんな2人は、OZのシャトルで護送中のため、何も動けずじまい。代わりに地球た動いていたのは、サリィ率いるゲリラ部隊でした。以前、五飛を助けたときは中国でゲリラ活動をしていた彼女ですが、その後その勢力を着実に拡大している様子。この前ガンダムサンドロック鹵獲の際とは違い、多数の部下(傭兵)を率いて大々的に調査を行ってウイングガンダムを発見し、さらに近づいてきたOZのキャンサー隊を撤退に追い込むだけの強さを見せます。水中調査の際は、本来OZの機体であるはずのパイシーズを使用。複数機稼働させていることから、サリィが脱走時に持ち出したものではなく、何らかのルートで大量に仕入れたものだと推測されます。初登場時では、こんなに行動的でちゃんと成果も出す女性だとは思わなかったぞ(ほめてます)。そりゃあ、コロニー指導者の耳にもその名が伝わるわな…。

 

月周辺のコロニーで、月面基地への侵入の機会をうかがっていたデュオは、偶然ヒルデという志願兵の少女と出会い、彼女から教えてもらった志願兵の移送船に紛れて月面基地に乗り込むことを画策。しかし、彼女に見破られてしまったため強硬手段に出ます。ヒルデ程度の兵士相手に、本来であれば苦戦するはずがないデュオでしたが、同じコロニーを思う者どうしが戦っているという状況、そしてOZの味方(ヒルデ)を巻き込んでもデュオを倒そうとするその姿勢に惑わされ、結果ヒルデに拘束されてしまうハメになるのでした。この前はヒイロに介抱されっぱなしだったデュオですが、今ではすっかり回復。いつもの調子で市民生活に溶け込んでいる際に出会ったのが、ヒルデという女性志願兵でした。ヒルデは典型的な、やる気は一人前だけど実力はまだ伴っていないタイプの軍人。コロニーのためを思ってOZに入り、一兵士として活動しようとしていましたが、デュオから見ればそれはむしろコロニーにとって悪影響でしかないものでした。ここら辺のやり取りは、なんともデュオらしいもの。でもさ、彼女に見られれば自分の月面基地潜入がバレる(直近の月面基地行きの志願兵の募集が締め切られていると、彼女の口から聞いているため)ってわかってるのに、なんでわざわざ目立つような行動をとったんだ?意図的にバレたかったわけでもなさそうだし…。そんなデュオを、月面基地行きのシャトルで発見したヒルデは、彼の乗るリーオーを追撃。やたらめったらに仕掛けてくるその攻撃に怯むデュオではないはずですが、彼女の純粋さと、背後に構えられていたビーム砲が、彼の行動を鈍らせます。デュオの心に迷いが生じるのはわからんでもないけど、この辺のシーンは、このあとのBパートでのデュオとヒルデのやり取りをさせたいがために、デュオを弱体化させている感が否めません。彼ならスパッと退避するか、あるいはヒルデをかばってそのまま姿を消す(別のコロニーに潜り込む)くらいのことはできると思うんですけどね。


ヒルデに拘束され、月面基地へ向かうシャトル内で彼女の尋問を受けるデュオ。しかし、それに屈する彼ではなく、むしろ彼の表裏のない言葉が、ヒルデの考え方を変えさせる結果となります。その後、デュオはスキを突いて脱走し、リーオーを使って再び宇宙へ。しかし、今度はモビルドールのトーラスの攻撃の雨あられを食らい、本当にまずい状況に陥ります。死を覚悟したデュオを救い、そして彼の月面基地潜入を助けたのは…!今回の肝は、このBパート前半におけるデュオとヒルデのやり取り。自分の行動がコロニーのためになっていると信じて疑わない彼女に対し、「なぜコロニーを思う者どうしが戦わなければならないのか」と一石を投じます。ここでのデュオの話が面白く、「(自分の道を一途に信じるくらい)バカじゃないと兵士なんかやってらんない」というセリフは、『W』における名ゼリフの1つと言っても過言ではないでしょう。そして、この言葉にあからさまに突き動かされたヒルデは、再びデュオがリーオーを使って月面基地へ潜入しようとした際、モビルドールのトーラスを自ら撃破し、さらに隔壁を破壊するというアシストを披露。デュオはこれに助けられ、無事月面基地への潜入を果たします。ヒルデがデュオの言葉をキッカケに心変わりするのはいいんだけど、いくらなんでもすぐに心変わりしすぎ。これをやりたいのなら、デュオとのシーンと彼を救うシーンの間に、ヒルデのOZに対する信頼が揺らぐシーンか、あるいはデュオの言っていることが正しいと気づくシーンが必要でしょう。せっかくセリフとともに名シーンになりそうだったのに、(尺の関係かもしれないけど)描写不足でヒルデとの話を終わらせてしまったのは、実にもったいないなと感じましたね。

 

月面基地に潜入したデュオは、着実に深部へと侵入。そうした中で偶然飛び込んだのは、ドクターJらの秘密の格納庫でした。そこにあった新型機:ガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムを目の当たりにしたデュオは、ドクターJらが完全にOZに屈したわけではないことを確信。老師Oたちの芝居に付き合い、自らOZに拘束される道を選びます。デュオまでもが投獄され、万事休すかという感じのヒイロでしたが、デュオはそんな不安など全くありませんでした。Bパート終盤で、ようやくデュオは月面基地へと潜入。しかし、あまり戦果を挙げられず拘束されてしまいます。それもそのはず、彼はヒイロたちよりも先に、自分たちの新型機をドクターJたちが開発していることを知ったから。デュオは彼らの言葉を信じ、あと1ヶ月粘ることにします。次回以降連続する、各ガンダムの強化機登場への布石が、ここで登場。「あと1ヶ月」というのが、販促を意識してるんだなぁと感じてちょっと面白かったです。こういう表現は、『勇者特急マイトガイン』でもありましたよね。こうした一連のことを知ったデュオは、月面基地を破壊しないため、またこのガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムの開発をバレないようにするため、老師Oの芝居に付き合うことに、ハデにやられた彼は、そのまま投獄されるハメになります。「ヤツら(OZ)にバレてはイカン!」ということで、なんとかOZの一般兵たちが突入するのを阻止したドクターJたち。今のところOZにはバレてないみたいだけど、決して広くない月面基地で、勝手に格納庫を占領し、そこで反逆者扱いの科学者5人が定期的に集まって何かやってるなんて、いつバレてもおかしくないと思うんだけど…。『W』の物語は変なところでガバガバなのですが、ここ最近それが顕著になってきたように感じますね。

 

 

 

第24話「ゼロと呼ばれたG(ガンダム)」

1995年9月15日放送

登場した敵他:ウイングガンダムゼロ、リーオー、メリクリウス、ヴァイエイト

「怖いんだね、死ぬのが。だったら…戦わなければいいんだよ!」

 

STORY:OZが開発中の資源衛星を、一瞬で消滅させた驚異の敵。それは、カトルの乗るウイングガンダムゼロだった。しかし、穏やかな気質だったはずの彼は、すべての敵や武装を消滅させるという極端な思想に染まっており、宣戦布告の上コロニーまでをも破壊し始める。OZ側として動くハメになっていたヒイロとトロワは、宇宙でカトルと相まみえるとき、その狂気を知るのだった。一方、宇宙要塞バルジに残されたデュオたちとドクターJらは、ツバロフ技師長の工作により、酸欠の危機に陥る。新型ガンダムを目の前にして、彼らは死ぬしかないのか!?

 

ヒイロの後半の乗機であり、ウイングガンダムの上位機体であるウイングガンダムゼロの初登場回。その内容は『Ζ』~『G』とは大きく異なっており、新型機が味方(カトル)含めて敵側になり、ヒイロら主人公側がその脅威を思い知るというお話になっていました。パワーアップ機を主人公以外が使うのは、『Ζ』や『V』でもあったけど、あれは別のところからの輸送のため等のやむを得ない事情ゆえだったから、完全に主人公が扱えない状態で出てくるのは、この『W』が初めてですね。カトルもすっかりイカれてるみたいだし、ここからどうやってヒイロたちのもとに復帰するんだろ…?

 

コロニーへの支配を強めるOZは、自ら資源衛星の開発に着手できるまでに力を増大。その資源衛星に近づく、1つのシャトルがありました。何度呼び掛けてもそれは応答しないため、現地の部隊は攻撃を開始しますが、そのシャトルはびくともしなかったうえ、なんとガンダムに酷似した機体へと変形。その圧倒的な攻撃力の前に、部隊は一瞬にして玉砕し、資源衛星も消し飛ばされてしまうのでした。強化機体の登場というのは、次回予告等で登場が明らかであってもギリギリまで伏せられるイメージがありますが、今回はそれを覆すかのように、序盤からいきなり登場。リーオー部隊の攻撃などものともせず堂々と変形し、ツインバスターライフルで一瞬にしてその部隊を灰にしてしまいます。ウイングガンダムゼロの最大にして最強の武装と言えるのが、このツインバスターライフル。ウイングガンダムもバスターライフルを装備しており、かなりの火力を誇っていましたが、このツインバスターライフルは、名前の通りバスターライフルの2倍の火力を備えており、かつ真ん中で分割し2丁にすることも可能であるため、扱いやすさが増しています。これはかなり心強い武器だよなぁ。でも、本気出せば資源衛星もコロニーも1発で破壊できちゃうなんて、ちょっとオーバースペック過ぎる気がするけど…。そんな驚異のスペックを持つウイングガンダムゼロに乗るのは、ヒイロ…ではなくカトル。彼は今までのような穏やかさ捨てており、戦いに支配されるようになっていました。ヘルメットの中からチラッと顔が見え、ボソッと一言つぶやくことにより、中にいるのがカトルであることが判明。以前のお話で父親が死んだから、それで狂っちゃったのかなと思われるけど、どうやらそれだけでもなさそうです。

 

資源衛星を破壊したカトルは、続いて宇宙要塞バルジに対して別コロニーの破壊を宣戦布告。これを重く見たレディ・アンは、トロワ経由でガンダムパイロット1人の出撃を命令し、トロワはヒイロを選びます。OZ内部からもたらされた情報により、敵の正体がカトルであり、新たなガンダムに乗っているということであれば、OZへの反撃のチャンスではないかと捉えるトロワでしたが、対するヒイロの見立ては厳しいものでした。Aパート後半で良い動きを見せたのが、トロワ。レディ・アンからの指示を受けながら、ドクターJらの独房の門番をしていた彼は、情報をつかむや否やいち早く彼らにそのことを伝達。そのうえで、ヒイロたちのもとを訪れ、ヒイロを違和感なく連れ出したほか、残されることになったデュオと五飛にもきちんと新型ガンダムガンダムデスサイズヘル&アルトロンガンダム)の情報をもたらすなど、常にきちんとヒイロたち側に資する動きをしているのがGoodです。さすが工作員という感じの働きっぷりでしたね。その一方で、なんだかトンチンカンな感じだったのがレディ・アン。いくらこの後の展開の都合があるとはいえ、自身もガンダムパイロットではないかと疑っているトロワをドクターJらの門番につけたり、敵がガンダムであるとわかっていながら、主力機体をすべてガンダムパイロットに使わせたりというのは、いくらなんでも相手を信用しすぎです。一応、後者については「メリクリウスをまともに操れるのはヒイロだけ」という事情があったり、そもそも「OZのもとにいるから下手な動きはしないだろう」という前提があったりという理由付けはされているものの、それでもやっぱり無理がありますよ。宇宙に出てから無能感増してきたな、レディ・アン…。

 

デュオたちが、トロワからもたらされた情報で、自分たちの強化機体の詳細情報を知っていた頃。ヒイロたちはカトルの指定したコロニーへ向かっていましたが、それは既に彼の手により消滅。続いて指定されたコロニーが、偶然自分たちの航行する宙域の近くであったことから、ヒイロたちは急転直下・戦闘準備に入ることになります。そして、とうとう現れたカトルのウイングガンダムゼロは、リーオー部隊を一瞬にして撃滅。トロワの呼びかけにもほとんど応じずヴァイエイトを大破させ、まともに戦える機体はヒイロのメリクリウスのみになってしまいます。後半からは、ヒイロたちによる戦闘が中心に。なんだかんだでカトルのことを知っており、彼のことを信頼したいと考えているヒイロ&トロワに対し、そんなことお構いなしに、宇宙の全面武装解除のために武器を持とうとするすべての存在を破壊しようとするカトルとのすれ違いが描かれます。ここでもウイングガンダムゼロの圧倒的な強さが描かれており、肩部のバルカン砲だけでリーオー部隊をほぼ全滅させるわ、ツインバスターライフルでヴァイエイトに痛手を負わせるわと、かなりの活躍を見せます。でも、半分くらいは以前のお話からの映像流用だったし、コロニー1つ消滅させられるツインバスターライフルを、直撃は避けたとはいえほぼ真正面から食らったヴァイエイトがなんとか形を保ってるって、なんか変じゃね?そして、このように部隊の大多数が撃破されたため、まともに動けるのはヒイロのメリクリウスのみに。さあ、ヒイロはどう戦うのか―?

 

レディ・アンの判断を不服とするツバロフ技師長は、彼女が不在の間にガンダムパイロットと開発者たちの抹殺を計画。牢屋の酸素を切り、酸欠による死を狙います。その意図に気づきつつも、脱出することができないドクターJらやデュオは、半ばあきらめていましたが、五飛だけは、この状況下でも新型ガンダム=アルトロンガンダムの情報を確認。その行動には、彼の強い意志が隠れていました。ヒイロたちの戦闘に隠れて、コソコソと工作をしていたのがツバロフ技師長。彼の行動する根拠はよくわかるのですがガンダムパイロットや開発者が信用できないので、用が済んだらさっさと消してしまおうというのは無理のない発想)、だからってこのタイミングでこの行動に出るのは、いささか大胆すぎます。このままじゃ、絶対レディ・アンに粛清されるぞ…。このようなツバロフ技師長の工作に気づかないデュオたちではありませんでしたが、いかんせん脱出路が無いため、わかっていても何もできない状態。しかしそんな中でも、五飛だけは決してあきらめず、今できることをやろうとしていました。彼がやっていたのは、アルトロンガンダムの構造を徹底的に頭に叩き込むこと。これと牢屋からの脱出がどう関係あるのか?次回へ続く―!

 

五飛「何かが起こった時のために、今できる最良のことをやっているだけだ。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第25話から第27話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。反体制の象徴としてのガンダムと、それに連なる全ての勢力を消滅させたい財団は、ヒイロたちの処刑を決定した―!

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