お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-7(第19~21話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第7回目です。

 

物語の舞台は、再び宇宙へ。ヒイロたち主人公側は、現状を打開するためにあれこれ工作活動を行うことになりますが、そのために大半のメンバーがOZに潜入することから「ヒイロたちのことを描いているのに、描写はOZ側が中心」という、面白いドラマ構成になっているのが興味深いです。その一方で、若干ちぐはぐだなぁと感じる描写も散見。はてさて、このままドラマはどのような方向へ進むのか…。

 

なお、前回(第16~18話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

第19話「バルジ強襲」

1995年8月11日放送

登場した敵他:リーオー、トーラス

「仲間を見殺しか…。こんなに敵が汚く大きく見えたのは、初めてだ。戦える!お前たちみたいな汚いヤツらが強いとな!」

 

STORY:気を失っていたゼクスを助けたのは、マイク・ハワードという元OZの技師だった。OZへの反逆者となったゼクスは、彼の言葉に従い、宇宙に上がることになる。だがその宇宙では、OZの支持層が着実に増えつつあった。勢いに乗ったOZは、デュオの乗るロケットを捕捉し、ガンダムデスサイズごと回収。デュオ自身も自分に始末をつけることになってしまい、捕まってしまった。これに対して、ヒイロがいち早く行動に出る。彼の真意は、デュオの暗殺か、それとも救出か。そして、難攻不落の宇宙要塞:バルジからの脱出方法はあるのか!?

 

OZの宇宙での拠点:バルジが初登場し、そこを舞台とする激しい戦闘が展開された一編。戦局的にヒイロたちは圧倒的に不利な状況ですが、なんとか仲間であるデュオを救出したり、完璧と思われたモビルドールを同士討ちという形で自滅させたりと、厳しい状況の中でも(彼らからの視点で)希望が見える構成になっています。今回だけで、現在宇宙でまともに活動できるガンダムガンダムヘビーアームズとシェンロンガンダムのみとなり、戦力面でもヒイロたちはかなり追い詰められた状況。ですがこれは、おそらく各ガンダムの強化形態登場の布石なのでしょう。

 

前回、OZの部隊との戦闘から離脱し、どこかの島へと漂着していたゼクス。彼が目覚めると、サルベージ屋のハワードという男の店にいました。元OZ所属の技術者だったという彼は、密かにトールギスも回収し、大気圏離脱ができるようパーツを補強。OZに反発するハワードに指示されるがまま、ゼクスも宇宙へと発ちます。しかし、そんなハワードの思想とは逆に、OZは各コロニー内で着実にその勢力を伸ばしつつありました。前回、その姿は映っていたものの生死不明だったゼクスは、早い段階でその生存が確定。さらにトールギスも回収&修理がなされており、本人の身体さえ回復すればいつでもストーリーに戻ってこれる状態になっていました。ゼクスは今回、ハワードの言葉のまま宇宙に飛び立っていったけど、もうこのままOZには戻らず、第3勢力の立ち位置でいくのかなぁ。宇宙に出る際、自分をひいては人間のことを自嘲気味につぶやいていたあたり、そんな感じがするぞ。こうしたゼクスの行動やハワードの思いとは逆に、OZは宇宙での勢力を拡大。力ではなく理解の名目で支配を強める彼らに、市民の多くは騙され、そしてヒイロたちはどんどん孤立していくことになります。OZのやり口は実に巧妙。視聴者はその裏の部分を知っているので、市民たちの支持は間違っているとわかりますが、当の市民たちはそんなこと知らないので、そりゃOZを支持したくなるよねぇ。

 

宇宙に建設された宇宙要塞バルジは、宙域を漂流するロケットを発見。シンガポール基地から発進したガンダムの1つだと確信したレディ・アンは、攻撃と中のパイロットおよび機体の回収を指示します。そのロケットの中にはデュオ/ガンダムデスサイズが乗っており、満身創痍の状態で彼は最後の抵抗を試みますが、身体も機体もボロボロな彼がモビルドールの反応速度についていけるはずもなく、ガンダムデスサイズは大破しデュオは拘束。ヒイロやトロワは、その事実をTVのニュースで知るのでした。Aパート後半では、デュオのガンダムデスサイズの戦闘シーンが挿入。彼の奮戦虚しく、彼は機体ごとOZに拘束されるハメに陥ります。このシーンでは、モビルドールの脅威がしっかりと描写。前回では「有能なAIが搭載され十分な戦力になりうる」程度しか描かれていませんでしたが、今回はその反応速度が卓越した技術やセンスを持つガンダムパイロットたちすら上回っており、ストーリー上としても十分な脅威であることが描かれました。デュオは今回ずっと不調だったとはいえ、この分だと普段のときでも戦いに難儀しただろうなぁ。AI系の強敵は、様々な作品で時々見られますが、このモビルドールに関しては、それらとはまた違った恐ろしさや強さを感じましたね。そして、このような戦闘を経て、OZの手に落ちてしまったデュオ。そのことを素早く察知したのは、トロワとヒイロでした。このシーンでは、トロワが「ヒイロなら場所も近いし、すぐ動くだろう」と、トロワがヒイロのことをある種信頼していることが窺えるセリフが挿入されているのがポイント。今まであまり人間味を感じなかった彼ですが、カトルやヒイロ、そしてキャスリンと過ごすうちに、そうしたものを身に着けはじめていることがわかります。

 

トロワの推測通り、デュオに対していち早く行動を起こしたのはヒイロ。彼は定期貨物便に紛れて宇宙要塞バルジに潜入し、大量のリモコン爆弾をセットしながら、デュオのいる独房にたどり着きます。最初こそデュオ暗殺を考えていたヒイロでしたが、彼と対面したことでその方針を変更。ガンダム等の機体が一切ない状態で、宇宙要塞バルジからの脱出を図ります。その場にある設備を利用しながら、着実に出口へと向かう彼らは、ドック内で待機するトーラスとリーオーを見て、あることを思いつくのでした。Bパートからは、ヒイロの活躍が目立つ形に。宇宙に出るのに邪魔だとして、ウイングガンダムを放棄してきていた彼らは、文字通り自身の肉体のみで単身宇宙要塞バルジへと潜入をはかり、デュオのもとにたどり着きます。一連の鮮やかな行動は、さすがヒイロといったところ。しっかし、「邪魔だから」という理由だけで愛機を捨ててくるなんて、とんでもない判断だな。いや、状況判断的には正しいけど、修理されたばかりの機体なのにもったいないなって…。そんなヒイロは、デュオを暗殺する気でいましたが、その場で気が変わったのか、あるいは本当は殺す気がなかったのか、デュオとともに脱出する方針に変更。最低限の脱出路を確保していた彼らは、着実に出口へと向かっていきます。ヒイロの脱出路確保の方法はかなり乱暴で、ありったけの設置済みリモコン爆弾を次々に起爆し、バルジ内を混乱させつつルートを作り出すというもの。そうした行動を、表情一つ変えずにやるんだから、デュオが「おとなしいヤツに限って、やることがハデなんだよなぁ…」とドン引きする気持ちもよくわかります。

 

宇宙要塞バルジの外では、五飛/シェンロンガンダムが、リーオーの部隊と交戦中。相手のビーム砲の攻撃も読み、敵を次々になぎ倒していきますが、レディ・アンの声を耳にして戦局が硬直したこともあり、やむを得ず撤退をはかります。一方のヒイロたちは、シャトルやリーオーを使って堂々と脱出。しかし、護衛についていた無人のトーラスは、どういうわけか味方であるはずのリーオーやOZの兵士たちを襲い始めます。これはすべて、ヒイロたちの作戦でした。こうして脱出を果たした彼らは、自身で次の任務を設定します。それは…。終盤で、ちょこっとだけ五飛のシェンロンガンダムでの戦闘シーンも挿入。偶然モビルドールが出てこなかったので、いつもどおりの戦いを進めていましたが、レディ・アンの言葉が彼を惑わせます。宇宙に出て以降、要人と会う際はメイクと声のトーンを変えている彼女。てっきり演技かなと思っていましたが、今回のOZ一般兵による「どちらのあなたを信じればよいのですか!?」というセリフが気になります。え、二重人格の可能性もあるってこと?そんなレディ・アンのシャトルのことを知らないヒイロたちは、ドック内にあったシャトルとリーオーを使って脱出。本来であると無人トーラス等のモビルドールの追撃がありそうなものでしたが、ヒイロの行動によりリーオー、そしてOZのアストロスーツを敵だとインプットさせられた無人トーラスたちは、バルジ内で味方を攻撃し始め、部隊に大きな打撃を与えます。このシーンでは、バルジの戦力が削がれたというだけでなく、モビルドールの弱点がしっかりと描かれているのが注目ポイント。無敵かと思われたモビルドールにも、倒すチャンスがありそうです。こうして脱出を果たしたヒイロとデュオ。しかし彼らには、次の任務が待っていました。それは、OZに拘束されているドクターJらガンダム開発者たちの暗殺なのです―。

 

 

 

第20話「潜入、月面基地

1995年8月18日放送

登場した敵他:メリクリウス、ヴァイエイト、リーオー、トーラス、トラゴス

「ずる賢いヤツが認められるところ、それがOZだ。」

 

STORY:月への異常なまでのガンダニウム合金の搬入を察知したヒイロは、そこにドクターJらガンダム開発者がいることを確信。デュオを待機させつつ、自身は単身月面基地に乗り込んだ。そこで目撃したのは、ドクターJらの開発した新型モビルスーツ:メリクリウスとヴァイエイト!彼らの暗殺を狙うヒイロは、スキを見て未完成のヴァイエイトで攻撃を仕掛けるが失敗、ある兵士に銃口を突き付けられてしまう。その正体は、何とトロワだった。一方地球では、ガンダムサンドロックの大破を知ったサリィが、OZに確保される前に爆破解体することを画策。しかし時同じくして、カトルを慕うマグアナック隊が、機体奪還のために潜入していた。そして出会う両者。銃を突きつけ合う互いに、分かり合う時は来るのか!?

 

OZ側モビルスーツとしては久々の新型となる(今回時点では未完成だけど)、メリクリウスとヴァイエイトのデビュー回。それに合わせて、OZが占拠した旧連合軍の月面基地の様子も描写されます。サブタイトルだけ見ると、月面基地での描写が中心になるような印象を受けますが、実際は現地での描写の比重は、お話の中の3分の1程度。あとは地球だったり、トロワの宇宙での訓練だったりに割かれていました。だんだんと、OZのやり口に違和感を覚える者も出始めたコロニー市民たち。これが、今のOZの支配体制からの突破口となる…のか?

 

前回、デュオを連れて宇宙要塞バルジから脱出に成功したヒイロ。彼は既に、大量のガンダニウム合金が月面基地に搬入されたという情報をつかんでおり、月へ直行。デュオを安全な場所にかくまい、自身は単身潜入をはかります。同じ頃、ドクターJらはヒイロの読み通り月面基地におり、新型モビルスーツの開発中。攻撃と防御にそれぞれ特化したそれらの名は、メリクリウスとヴァイエイトでした。序盤では、ヒイロとデュオのやり取りが挿入。相変わらず感情があまり感じられず、直球な物言いをするヒイロですが、なんだかんだでデュオの身体をいたわったり、その後の生活について手配したりと、彼なりの優しさが感じられる描写が散見されます。第1話時点の彼ではまずありえないような配慮だったし、彼の心も変わり始めている証拠と言えるのかな。そんな彼らの一方で、月面基地にて新たなモビルスーツ開発に取り組んでいたのがドクターJたち。前回あたりの発言、そしてOZに反発するスタイルから、OZに協力するフリをしてガンダムの新型でも開発するのかな…と思ってたら、そんなことはなく、ガッツリOZのために新型モビルスーツ:メリクリウスとヴァイエイトを開発していました。どちらの機体も、少し『0080』に登場したケンプファーを思わせるようなデザインをしているのが印象的。これが次回以降、ヒイロたちの強敵になるのかなぁ。いやいや、なんかドクターJらの思惑には、まだ裏がありそうな気がするけど…。

 

モビルスーツの量産を各コロニーの主産業にせんとするOZの方針に、コロニー首脳陣の一部が疑問を持ち始めていた頃、地球ではガンダムサンドロックの残骸をめぐる争いが勃発。OZの基地に潜入し、それを破壊しようとしていたのは、サリィでした。彼女は大量の爆薬をセットし爆破を試みるも、機体の破壊に失敗。それどころか、偶然ガンダムサンドロックを奪還し修理しようとする勢力と遭遇し、彼らとの戦いも強いられることになります。ですが、その勢力の正体はマグアナック隊。やがてお互いOZに反目しガンダムパイロットを知る者だと理解し、サリィは彼らに機体を任せ、その場を去っていくのでした。Aパート後半では、ちょろっとだけコロニー首脳陣の様子が挿入。非常に短かったですが、個人的には見逃せないシーンであると感じました。ここで彼らは、レディ・アンがコロニーの主産業をモビルスーツ量産とすると発言したことをきっかけに、今まで全幅の信頼を寄せていた彼女に疑問を呈し始めているんですよね。これが、上述した通りOZの支配からの脱却の突破口になるかもしれないなぁ。でも、レディ・アンを指示するわけではないけど、コロニー首脳陣たちも発想がかなりお花畑な印象。戦争はそりゃない方がいいけど、過去の戦いのトラウマが強すぎて、アレルギー反応起こしてる感が凄まじいな…。そして、宇宙がこのようになっている頃、地球のシンガポール基地にて水面下で活動していたのが、サリィとマグアナック隊。彼女らは各々ガンダムを思うが故OZに反発する行動をしており、最初こそ敵だと勘違いして銃を突きつけ合いますが、最終的には和解します。マグアナック隊、久々の登場。カトルと別れてからもう出番無いのかなと思ってたから、これは嬉しかったですね。サリィとのラストのやり取りも粋だったけど、唐突な感じは否めなかったかな。

 

メリクリウスとヴァイエイトの開発状況を確認したレディ・アンは、そのパイロットを広くコロニーの市民たちから集めるという方式を打ち出し、実際にメンバーを5人ほど選抜。彼らをトーラス部隊に実際に組み込み、模擬戦をさせます。その中で、異常なまでの好成績を上げる若者が1人。その正体は、何とトロワでした。ガンダムパイロットかもしれないという疑いがあるのを承知で、彼を採用したレディ・アンは、彼と対面。何かしらの思惑があったのかもしれませんが、実際は逆に彼の言葉により精神的攻撃をされ、まいってしまいます。後半から、トロワの行動がメインに。彼も彼なりにOZの破壊を画策していたらしく、OZのパイロットの募集に応募して巧みに入り込み、しかも偶然レディ・アンと直接会える機会を持てたことから、彼女の精神を攻撃して揺さぶりをかけます。ここではトロワのやり口もしたたかだと感じますが、それよりもOZ、そしてレディ・アンの行動が若干お粗末な印象。まず、「メリクリウスとヴァイエイトのパイロットを市民から広く募集する」という企画の意図がイマイチ意味が分かりませんし、トロワがガンダムパイロットかもしれないとわかっていながら、特に策もなく彼と1対1で会おうとするなんて、あまりにも無謀すぎます。本当、何がしたかったんだろう?そしてレディ・アン、彼女は二重人格というよりも、軍服と眼鏡をまとってないと、強気になれない性質なのね…。

 

実際にメリクリウスとヴァイエイトの前に連れてこられたトロワは、表情一つ変えずにドクターJらと対面。機体の説明を受け、搭乗しようとしますが、そのとき突然未完成のヴァイエイトが動き始め、ビームライフルを乱射し始めます。しかし、それらはメリクリウスのバリアによりガードされ、さらに出てきた搭乗者はトロワによって拘束されます。その搭乗者の正体は―。メルクリウスとヴァイエイトは、冒頭で述べた通り未完成であるため、その戦闘シーンも今回最低限。そんなヴァイエイトを操縦し、メリクリウスの破壊とドクターJらの抹殺を狙ったのは、ヒイロでした。ラストで再び出てきたヒイロ。トロワが銃を突き付けてきたことに一瞬ビックリしていましたが、その後すぐに状況とその理由をなんとなく理解したようであり、おとなしく彼に連行されていきます。お互い知らない仲じゃないから、次回以降協力し合って月面基地を破壊・脱出していく感じなんですかね。そんな彼らの一方で、デビュー回にもかかわらず大破してしまったのが、メリクリウスとヴァイエイト。これ、次回以降も出てくるのか?

 

 

 

第21話「悲しみのカトル」

1995年8月25日放送

登場した敵他:トールギス、メリクリウス、ヴァイエイト、リーオー、トーラス

「誰かに認められるために、戦ったわけじゃないよ。でも信じてるんだ。きっといつか、皆わかってくれる…。」


STORY:OZに拘束されたヒイロは、トロワの計らいのおかげで、メリクリウスのパイロットに抜擢され、そのトロワとともに宇宙に出撃することになった。宇宙を飛ぶ謎の閃光。その正体はゼクスの乗るトールギスであり、ヒイロたちは彼を拘束、ゼクスも彼らの行動の真意を察し、それに従った。一方、リーオーで漂流し続けていたカトルは、とある父ウィナー所有の資源衛星にたどり着き、そこのイリア医師により救出。彼女は彼の姉だった。父との再会と姉との対面に、家族としてのつながりを取り戻すカトルだったが、父との考え方はすれ違ったままであり、その父の思想に反して、資源衛星の人々はOZとのつながりを深めていく。その果てに、ウィナーの取った行動は…。

 

ヒイロとトロワがゼクスとの再会を果たすと同時に、カトルの家族や彼の過去、そしてガンダムサンドロック誕生の経緯が判明するお話。お話の展開の都合上、回想シーンのみでしかガンダムは登場しませんでしたが、そのぶん戦争やそこに渦巻く人々の思いを描き出そうという気概は十分に感じられました。ウィナーの思想と行動、それらに対する市民たちの考えとの矛盾は興味深いものですが、それらを踏まえてのウィナーの行動や発言は、極端というか、首尾一貫していない印象。彼は最後まで戦争を好まなかったけど、平和主義だけじゃあ戦争は終わらせられないということを、本当はわかってたのかなぁ。

 

ヒイロの行動により、大破したメリクリウスとヴァイエイト。その修理が急ピッチで進められる中、レディ・アンのもとにある航跡の情報が入ります。リーオー部隊の攻撃をぶっちぎり、コロニーへ突入しようとするそれが、ゼクスの乗るトールギスだと推測した彼女は、すぐさま対応の検討を開始。そんな中で、トロワはそれを叩くためのある作戦を考案します。メリクリウスとヴァイエイトを使うこの作戦。彼とともにそれらに搭乗することになったのは…。Aパートで終始重要な動きとナイスな立ち回りをするのがトロワ。彼の話術と実力が、レディ・アンすらも取り込み、その部隊の主導権を実質的に握り始めます。ここで面白いのが、トロワの話しっぷり。彼の発言は、もはや自身がガンダムパイロットでなければ知り得ない情報も含まれていましたが、「OZの一員としてシステムを調べればすぐわかる」の一点張りで押し通し、その流れでヒイロをメリクリウスのパイロットに抜擢してしまいます。しかもレディ・アンは、そんな彼を疑いつつも、一切の作戦指揮を委譲しちゃう始末。いやいや、いくら彼がガンダムパイロットと疑っている一方で、「今の段階ならヘタな動きはしないだろう」という予測があったとしても、ちょっと高リスクな行動とりすぎじゃないかなぁ。最新型モビルスーツを全部敵だと思われる(実際にOZから見れば敵)彼らの手に渡すって、誰がどう考えてもマズいと思うんだけど。そのモビルスーツで基地を破壊されたらどうすんのさ…?

 

メリクリウスとヴァイエイトにそれぞれ搭乗した、ヒイロとトロワは、モビルドールのトーラスを破壊しながら飛翔体へと接近。やがて、それがトールギスであることを確認します。中に乗っているのがゼクスだと知っている彼らは、あえて彼を殺さないように立ち回りながら、残りのモビルドールのトーラスを破壊しつつトールギスを攻撃。そんなヒイロたちのことを悟ったゼクスは、本名を名乗り、素直に彼らに拘束されるのでした。Aパート後半では、前回あまり描かれなかった、メリクリウスとヴァイエイトの戦闘シーンが存分に描写。ゼクストールギス相手にも全くひるまず攻撃を叩き込むその姿は、さすが最新型モビルスーツ、そしてさすがヒイロとトロワだなと感じました。でもさヒイロトールギス接触する前からモビルドールのトーラスを破壊しまくるのは、かなりマズいと思うぞ。OZへの反抗の意思丸出しってことが、レディ・アンたちにバレバレじゃないか…。そんな彼らに苦戦を強いられていたのがゼクス。彼はメリクリウスとヴァイエイトの性能に驚きつつ、中から出てきたパイロットがヒイロとトロワであることを確認し、彼らが何らかの目的を持ってOZに潜入していることを察知。そのため、あえて彼らに言われるがまま拘束され、レディ・アンのもとへと向かいます。ここでゼクスは、本名である「ミリアルド・ピースクラフト」の名を使用。ゼクスの名前を使わなくなったのもまた、OZと決別したからゆえなのでしょう。


リーオーでそのまま漂流し続けていたカトルは、ある資源衛星のイリア医師によって救出。そこは父ウィナーの所有するものであり、彼とも再開したことで、イリアが自分の実の姉であることを知ります。久しぶりに戻った実家でしばし休みながら、ガンダムサンドロックのことを思い出すカトル。戦いに猛反対するウィナーと、カトルの身を案じるイリア。彼らの一方で、カトル自身は、まだまだガンダムで戦う気でいました。後半からは、サブタイトル通りカトルが主役に。連合軍残党の手で命拾いした彼が、偶然故郷にたどり着き、そこで家族と再会・初対面するさまが描かれます。カトルを救った女医のイリアは、彼の姉の1人。その正体を、彼女が自ら言うまでカトルがそれを知らなかったのは、彼の家庭環境ゆえでした。たくさんの資源衛星を持つウィナー家は、その各地に自身の子供(カトルから見れば全員姉)を配置しており、中にはカトルが今まで会ったことのない人間もいるらしい。なんか、妙にムチャクチャな家族関係だなぁ。そんなウィナー家を束ねるカトルの父:ウィナーは、根っからの平和主義者。カトルがガンダムサンドロックに搭乗する際も最後まで反対しており、その考えは今でも変わっていませんでしたが、同時に戦いに出た息子を心配する優しさも、そのまま持ち続けていました。武器を持つことすら嫌うウィナー。しかしその一方で、H教授と彼の開発したガンダムサンドロックを匿い、間接的にカトルがガンダムに乗るキッカケを作ったのも、また彼でした。H教授を匿うという行動は、彼の思想に反するようにも感じますが、おそらくそれも彼の優しさ、そして「話し合いで争いは解決出来る」という考え方ゆえのものだったのでしょう。


ウィナーの思想に反して、コロニーはOZに言われるがままが軍需産業を拡充。コロニーの発展に資すると信じて疑わない彼らとの間に溝ができ始め、やがてウィナーは、独裁者としてのレッテルを貼られるハメになります。どうあがいてもこの流れを覆すことができないと悟った彼は、死を覚悟して資源衛星の分離を開始。これをコロニーへの反逆とみなしたOZと市民たちは、全会一致で資源衛星の破壊を決議。カトルとイリアの目の前で、ウィナーの資源衛星はビーム砲の前に爆散してしまうのでした。終盤では、ウィナーの意思に反してコロニーが軍拡の道を選択し、平和を訴えていた彼を反逆者として市民たちがOZに彼を抹殺させるさまが描写。これにショックを受けたカトルは、OZと時代の流れへの憎悪を深めます。お話の流れ自体はいいのですが、最終的にそうした構図に持っていきたいという制作陣の意図が丸見えであり、そのためにウィナーの行動がちぐはぐになっているなぁという印象。コロニー議会での演説以降、悪手を打ちまくってる感じが否めません。そして極めつけは、死の直前の発言。彼は結局、最後までその平和主義を貫き通しましたが、当該発言を聞いてると、「でもそれは現実的には無理だよね」と自分で告白しているようにも感じました。いや、最期の最期で、自分の思想に反する行動をとっているカトルを肯定するのか?もしかすると、カトルの未来を案じたことからの発言だったのかもしれませんが、かなり消化不良感のあるラストだったのが残念でした。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第22話から第24話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。ガンダムに酷似したモビルスーツが、武装するコロニーを次々と攻撃する。トロワとヒイロは、強力な新型モビルスーツに立ち向かっていくが、それに搭乗していたのは、冷たい怒りと深い悲しみに満ちた、カトルだった―!

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