お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-9(第25~27話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第9回目です。

 

今回ご紹介の3話で、『W』前半の物語は実質的に完結。それに伴い、ウイングガンダムゼロの件につきある程度の決着が着くほか、今までの戦いの振り返りも挿入されていく形になりました。詳細は後述しますが、やはり一番見どころが多いのが、第26話「燃え尽きない流星」。サブタイトルのセンスも、群を抜いて秀逸ですよね〜。

 

なお、前回(第22~25話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第25話「カトルVSヒイロ

1995年9月22日放送

登場した敵他:ウイングガンダムゼロ、メリクリウス、ヴァイエイト、ビルゴ、リーオー、トーラス

「カトル…俺は逃げない。俺の後ろには、コロニーがある。」

 

STORY:依然としてその態度を変えないカトルに対し、ヒイロは戦いを決意した。コロニーを後ろにして激しく戦う両者の間で、うっすらとながら「なぜ自分たちは戦わなければならないのか」と考えるうちに、トロワのヴァイエイトが介入。ヒイロのメリクリウスをかばい、自身はヴァイエイトとともに宇宙に散った。それと瀕死のヒイロを見て、カトルは、ついに正気を取り戻すのだった。一方地球では、ロームフェラ財団の意向に反発したトレーズが失脚。それを知ってか知らずか、レディ・アンもまた似たような道をたどり、それがデュオと五飛に脱出の機会を与えた!

 

トロワの一時退場、カトルの復活、トレーズ&レディ・アンの失脚、そしてガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムのデビューと、ドラマが大きく動き内容もてんこ盛りとなった一編。ですが、1話として成り立たせるには少しドラマの分量が少なかったのか、その辺りはトレーズの回想という形で一部総集編のような形も取られていました。敵であったはずのトレーズらがロームフェラ財団に反発したことで、予期せぬ反撃の機会を得たガンダムパイロットたち。このまま、時代の風向きは少しずつ彼らの追い風となるのでしょうか?

 

前回より続く、メリクリウスとウイングガンダムゼロの戦闘。前者のビームシールドが限界寸前であることに気づいていたヒイロでしたが、戦局は決して彼にとって不利ではありませんでした。一方で、ヒイロたちから一切連絡が入らないため、現地での戦局が全くつかめていなかったのが、宇宙要塞バルジ。一般兵たちは部隊が全滅したのではないかと思いますが、対するレディ・アンは、コロニーが未だほぼ無傷で残っていることから、ヒイロたちの奮闘を確信していました。序盤では、前回に続きメリクリウスとウイングガンダムゼロの戦闘が描写。メリクリウスにヒイロが乗っている&主人公補正がかかっているからか、予想以上にメリクリウスが善戦していたのには驚かされました。後述するとおり、途中でカトルが正気を取り戻していく形になりますから、メリクリウスそのものの耐久性がもっと高ければ、ガチでウイングガンダムゼロを破ってたかもしれませんね。そんなメリクリウスは、限界を迎えつつあるとはいえ、今回も何度もツインバスターライフルの攻撃をビームシールドでガード。コロニーを一発で破壊できる攻撃を何度もガードできるなんて凄まじいけど、やっぱりパワーバランスおかしいよ…。このようなヒイロたちの戦闘は、誰一人宇宙要塞バルジに連絡を入れていなかったため、レディ・アンたちは戦局をつかめずじまい。OZ一般兵らは、部隊全滅を予想しますが、レディ・アンの見立ては真逆でした。レディ・アンの見立ては結局正しかったというのはいいけど、いつの間にか構図的に彼女らもヒイロたちを応援する格好になっているのは面白いところ。これじゃあ、どれが敵勢力かわからんな…。

 

コロニーを背にしたことで逃げ場がなくなり、このままではウイングガンダムゼロのツインバスターライフルの餌食になりそうになってしまったヒイロのメリクリウス。彼を、その身を挺して救ったのは、トロワのヴァイエイトでした。攻撃を受けて爆散したヴァイエイトを見て、さすがのカトルも動揺。それでもなお態度を変えないヒイロの攻撃によって、カトルはだんだんと正気を取り戻していきます。そして、メリクリウスもが大破し、ヒイロが気を失ったとき、ついにカトルは完全に元に戻るのでした。前半最大のクライマックスは、ヴァイエイトの大破。これによりトロワは一時戦線離脱(途中の描写で生存は確定している)し、カトルは正気を取り戻しはじめます。トロワの行動はカッコいいんだけど、散る際に言い残したモノローグがちょっと謎。「コロニーがOZという存在を受け入れ、自分たちがお払い箱になったのなら、兵士としてその現実を受け入れるしかない」という論理自体はわからなくもないですが、それを言うのなら、ヒイロたちは無駄な抵抗をやめてOZに屈するのが最善策という結論になっちゃいますよね。しかし実際はそうではなく、ヒイロたちはもちろん、トロワ自身も、OZに反逆しコロニーを救う気満々。発言と行動が矛盾しています。意図的にこうした真逆の演出をして、トロワの本心をにおわせようとしているのかもしれないけど…それを狙ってるにしても、ちょっと極端すぎるかなぁ。こうしたトロワの犠牲により(本人は死んでないけど)、カトルはじょじよにいつもの調子に。ヒイロもそのことに気づいていましたが、あえて彼に戦争の厳しさを教えるべく、態度を変えずに当たり、本当にウイングガンダムゼロを大破寸前にまで追い込みます。ここでのヒイロの真の感情は、本人がもともと本心を語らないため、トロワのモノローグでそれをにおわせているのがGoodでした。

 

地球のロームフェラ財団は、今後の戦闘をモビルドールメインとし、その量産を決定。それをどうしても承認できないトレーズは、自ら財団と決別し、幽閉される道を選びます。このようなトレーズの行動と時同じくして、レディ・アンもまた、ツバロフ技師長の行動に不信感を抱き、月面基地への攻撃を敢行。モビルドールのゲームのような戦争ではなく、生きる兵士としての道を選んだ彼女は、その身体をなげうって、デュオたち脱出の機会を与えるのでした。後半からは、どちらかといえばトレーズ&レディ・アンをメインに描写。モビルドールという存在を嫌悪し、その量産という財団の意向を承服できない彼らは、偶然にも時同じくして財団との決別の道を歩み始めます。ここでは、両者の持つ兵士としての矜持がごっちゃになっているので、若干わかりにくいですが、「戦争を決してゲームにしてはならない」という強い信念がアピールされているのがポイント。この主張、普通の作品なら主人公側か彼らを取り巻く人々が言いそうなことだよね。もうトレーズたち、いっそヒイロたちと合流してもいいのでは?…まあ、実際はそんな展開ありえないでしょうけどね。こうした考えを持ち、さらに月面基地の様子を不審に思ったレディ・アンは、宇宙要塞バルジそのものを囮にして、基地の制圧作戦を敢行。ツバロフ技師長の手からデュオたちを救うべく奔走しますが、最終的にツバロフ技師長の銃弾に倒れます。ここでの、ツバロフ技師長に対するレディ・アンの発言も、なかなかグッとくるところ(今まで散々なことやってきて、これを言うのかというのはあるけど)。ただ、最後の最後で、戦場に生きる兵士が必要な理由を、「それが兵士の生き方だからだ」みたいな感じでボンヤリまとめてしまったのは、非常に残念てした。こここそ、数話前でドクターJなどが言っていたように、「人を殺める責任を、その身をもって感じるためだ」と結論づければ、ツバロフ技師長を完全論破できていたように思いますね。

 

ツバロフ技師長「レディ・アン嬢、あなたは甘すぎた。」

レディ・アン「兵士としてはな。だが、人間として厳しく生きたつもりだ!」

 

レディ・アンの部隊は、月面基地にてロールアウトしていたビルゴの攻撃に苦戦。しかし、そんな彼らを救い、猛攻を仕掛ける2体のモビルスーツがありました。乗っているのは、デュオと五飛。そう、彼らの駆る機体とは―!レディ・アンの部隊は練度が高く、また月面基地の戦力は把握しているため、やや有利に戦闘を展開。しかし、彼女らが宇宙要塞バルジに向かったあとにロールアウトしたビルゴが、激しい抵抗を見せます。ビルゴはリーオーの発展機のような機体で、イメージ的には『ガンダム』のドムみたいな感じ。見た目的にも武装的にもモリモリマッチョマンなそれは、モビルドールとしての容赦のなさも相まって、怒涛の強さを見せます。トールギスほどではないけど、こいつもなかなかの強敵になりそうだな…。そんなビルゴの攻撃で、ピンチに陥るレディ・アンの部隊を救った2つの影。それらこそ、脱出したデュオたちが乗り込んだ、ガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムでした。ラストでガンダムデスサイズヘルとアルトロンガンダムがデビューし、その戦いっぷりが描写。1分にも満たない活躍シーンでしたが、ビルゴを圧倒するさまはとてもカッコいいものでした。ウイングガンダムゼロもいるし、これだけの戦力があればなかなかのもの。ヒイロたちの反撃のときも、近いな―!

 

 

 

第26話「燃えつきない流星」

1995年9月29日放送

登場した敵他:ビルゴ、メリクリウス、ヴァイエイト、エアリーズ、リーオー

「そのガンダムはひとりぼっちなんだ。1人で戦っちゃいけないんだ。1人では、目標を見失ってしまうんだ!」


STORY:OZ内部がロームフェラ財団派とトレーズ派に分かれ、前者が「オペレーションノヴァ」と称して少数派狩りを行う中で、ヒイロとカトルは、ウイングガンダムゼロごとツバロフ技師長の手に落ちた。しかし、彼の部下であるトラントがウイングガンダムゼロに興味を示し、また月面基地内のトレーズ派の工作により、ヒイロたちは救われドクターJらと再会するとともに、ウイングガンダムゼロに搭乗する機会を持った。人の戦闘意識を高め、戦うマシンと化させるそれを前に、ヒイロもそれに取り込まれてしまう。戦場には、本当に人間の心は必要ないのか?カトルの叫びがヒイロの耳に届くとき、ヒイロの心が、ウイングガンダムゼロに打ち勝った!

 

ウイングガンダムゼロのデビュー回の完結編。初めてヒイロがそれに搭乗することになり、また乗りこなせそうな感触を見せますが、なんとその結果機体を放棄し、カトルとともに(正確には、カトルに連れられる形で)地球へ向かう決断をする結果になりました。本編を通して描かれ、視聴者にも問われていたのは、ウイングガンダムゼロの能力と脅威を通しての、「戦争に人間の心は必要か?」、そして「ヒイロたちは何と、何のために戦っているのか?」ということ。そのテーマは非常に興味深く、「ガンダムシリーズ」としても掘り下げがいのあるものであると感じましたが、それに対する制作側の答えは、ちょっとぼんやりしてるかなぁとも感じました。なんというか、惜しい感じがするんだよね。

 

前回、ロームフェラ財団の決定に反旗を翻したトレーズ。それにより彼は幽閉されることになりますが、彼の思想に賛同する者は多く、自ら「トレーズ派」と名乗り、財団の意志に抵抗する姿勢を見せていました、これを快く思わない財団は、「オペレーションノヴァ」を敢行し、抵抗派の抹殺を計画。それでもなお抵抗運動は止む気配を見せませんでしたが、その戦力は確実に削がれつつありました。OZの創設者であり、もとからカリスマ性の高かったトレーズですが、前回彼が幽閉されたことを受けて、今回では彼に共感する者たちが自ら袂を分かってトレーズ派として抵抗していることが描写。これを見過ごす財団ではなく、月面基地で量産体制を確立した各モビルスーツを活用し、「オペレーションノヴァ」と称してその鎮圧に乗り出します。オペレーションメテオに対してオペレーションノヴァという作戦名は、なかなか皮肉が効いているというかセンスある命名だなと感じましたが、ここではそれ以上に、「OZって内部分裂ばっかりしてるな」という感じが強い印象。本作序盤から連合軍残党と小競り合いをしており、やっとそれも終わりが見えてきたと思ったら、今度は内部の別の敵と交戦だよ。まだ『Z』のティターンズとかのほうがまとまりがあったぞ?なんだか、ストーリーの都合のために、新たな火種をムリヤリ作ってるような気もするよねぇ。そんな内乱状態のOZですが、戦力的にはやはり財団派のほうが上。早速前回ロールアウトしたビルゴを地球へも投入し、圧倒的な強さを見せます。確かにこれなら、トレーズ派の一掃も時間の問題かもしれないけど、地球やコロニーの一般市民にはどう説明するつもりだ…?

 

ツバロフ技師長の下で、ウイングガンダムゼロごと拘束された、ヒイロとカトル。カトルがヴァイエイトの残骸を見て、トロワを生死不明に追いやったことを後悔している間に、月面基地内のトレーズ派が乱入。護衛を制圧し、ヒイロたちをドクターJらのもとへ連れ出します。こうして彼らと再会したヒイロたちは、ウイングガンダムゼロの機体構造とその性能を初めて知ることに。大きな驚きを見せなかったヒイロに対し、カトルは、その機体コンセプトに疑問を抱き、さらにそれは、自分たち兵士の存在意義への疑問へと発展していきます。Aパート後半より、ヒイロたちが登場。今回は珍しくこのあとずっと彼らが出ずっぱりになり、お話を展開していきます。そんな彼らがまず遭遇したのが、月面基地内に潜伏していたトレーズ派と、匿われていたドクターJたち。そこでヒイロたちは、ウイングガンダムゼロの機体の概要について知らされることになります。このシーンでは、視聴者と同じくウイングガンダムゼロのことをほとんど知らないヒイロとカトルに、ドクターJらが説明するという形で、ウイングガンダムゼロのことが正式に紹介。それは戦闘力を単にパワーアップさせただけでなく、パイロットの脳や心に作用し、戦闘本能を高める機能が搭載されていました。しかし、その作用もダイレクトなものではなく、本人の最も高ぶっている感情に作用するというシステム。そのため、戦闘に特化した兵士であれば、安定的に戦闘本能を引き出せますが、雑念があればそれに引っ張られ、機体とパイロット自身の暴走の危険性がありました。この設定は、とても興味深いナイスなもの。これにより、比較的優しい=雑念を持ちすぎているカトルが暴走しやすいのに対し、基本的に無感情で任務に忠実=雑念がほとんどないヒイロは最適なパイロットであり、同時に彼の専用機にふさわしいことへの意味付けを行っています。「ウイングガンダムの発展機だから」といってそれほど理由なくヒイロに引き渡しちゃうよりも、とても面白いですよね。しかし一方で、パイロットの戦闘本能を機械の力で引き出すというのは、パイロットを戦闘マシンにすることであり、それはOZのモビルドールと大差ない発想。人間をある種信じ続けたドクターJらの行き着く先が、背に腹は代えられぬとは言えこれでいいのか?このテーマは、物語後半のカギの1つになりそうです。

 

ウイングガンダムゼロに強い興味を示すツバロフ技師長の部下:トラントは、その命令を無視して、密かに機体の解析を強行。さらに、ガンダムパイロットによる機体性能の引き出し具合をどうしても知りたくなった彼は、基地内に潜伏しているヒイロたちを包囲し、ドクターJらを人質に取る形で、ヒイロとカトルにテストへの協力を迫ります。これに応じたヒイロは、表情一つ変えずにテストに参加。ドクターJらが人質に取られたくらいで動揺する彼ではありませんでしたが、搭乗直前にカトルから投げかけられたある言葉が、彼の心をかき乱し始めます。Bパートにて、成り行きの結果初めてヒイロウイングガンダムゼロに搭乗。あまり感情を出さない彼は、最初こそ問題なく操縦できていましたが、直前にカトルに投げかけられた「自分たちは一体何と戦っているのか?」という疑問への答えを考えるうちに、その心にスキが生まれ、じょじよに暴走を始めます。ヒイロの暴走はかなり静かなものであり、パッと見では気づかないほど。しかし、段々と彼の言動や行動が極端かつ過激になっていくことから、彼もまたウイングガンダムゼロにのまれかけていることが窺えました。このあたりの段階的な描写は、丁寧でGoodでしたね。一方で、終始行動がお粗末だったのがトラント。ツバロフ技師長の命令を無視してウイングガンダムゼロの解析を進めているだけでもアレなのに(ヒイロたちからすると良かったけど)、ウイングガンダムゼロが暴走するやいなや、真っ先に逃げ腰状態。部下がツバロフ技師長に報告しようとすると、自分の失態がバレるのを恐れて、ムリヤリ止めさせます。いやいや、基地内であれだけハデな爆発と破壊が起こってりゃ、誰でも何かあったって気づくでしょ。トラント、技術屋としては腕があるのかもしれないけど、人間としてはバカだったな…。

 

ヒイロ「俺の敵は何だ?俺の敵は、俺の命を狙う者…そして、俺の命をもてあそぶ者!」

 

心にスキが生まれたため、ウイングガンダムゼロのシステムにのまれてしまったヒイロ。機体そのものも暴走をはじめ、ビルゴですら全く歯が立たない状況であるため、カトルがメリクリウスに搭乗して出撃を強行します。激しい戦闘を繰り広げる中、カトルの呼びかけが胸に刺さったヒイロは、その行動を停止。自らウイングガンダムゼロから降ります。その彼をカトルが抱きかかえたとき、大破したメリクリウスは爆発し、それに巻き込まれ月面基地もほぼ壊滅。カトルはヒイロとともに地球へ向かう選択をし、ロケットに乗り込みます。そのとき、ウイングガンダムゼロは―。ヒイロウイングガンダムゼロを止めるために立ち上がったのが、カトル。その乗機として選んだのは、以前ヒイロが乗り込んでいたメリクリウスでした。メリクリウスとウイングガンダムゼロのバトルが再び実現。ヒイロとカトルの関係と立場が前回と逆転しており、かつ一度暴走を経験しているカトルが、ヒイロを止める立場として活躍しているのが、お話の構図として素晴らしいです。カトルはヒイロとは違い、防御のために戦うものの、基本的には対話を重視。これによりヒイロは正気を取り戻し、ウイングガンダムゼロからなんとか脱出を果たします。カトルの優しさと人間性が、ヒイロを救った瞬間。この前後での彼のセリフを加味して考えると、制作陣のこの作品を通して訴えたいことが感じとれるように思えました。でも、それに対する答えが、ちょっとぼんやりしてた感じもするけどね…。こうしてカトルはヒイロを救出し、彼との再会を喜んでいたのもつかの間、メリクリウスが爆発。これにより月面基地は壊滅状態に陥り、カトルはヒイロを連れて地球へ脱出。ウイングガンダムゼロについては、「存在してはいけないモビルスーツ」として、自ら放棄していきました。主人公の強化機を放棄するという、大胆な展開をかましてきた『W』。こればっかりは、かなり意表を突かれました。ここからどうやって、ウイングガンダムゼロヒイロの正式な乗機になるんだろう?それも気になるんだけど、同じくらい気になってしょうがなかったのが、メリクリウスの爆発による被害。デュオが月面基地に強行突入した際は、リーオー数機が爆発してもあんまり被害なかったのに、メリクリウス1機の爆発で壊滅するって!どういうことなのよ?この作品、とりあえず何かあったら、敵味方問わずモビルスーツを爆発させて無にしようとするよな…。

 

カトル「トロワも言ってた。モビルスーツパイロット1人で、暴走したってダメだって。排他的な戦いじゃ、この戦争は決して終わらないんだ!」

 

 

 

第27話「勝利と敗北の軌跡」

1995年10月13日放送

登場した敵他:なし(総集編)

「あれからどれほどの時が流れ、過ぎ去っていったのかしら。彼(ヒイロ)と出会ってから―。」

 

STORY:サンクキングダム再興を目指すリリーナは、一人屋敷の中にいて、家族写真を見たことをきっかけに、今まで起きた出来事を思い出す。ドーリアンとともに乗っていたシャトルで目撃した、オペレーションメテオ。それがヒイロとの出会いであり、そしてすべての始まりだった。彼を中心とした多くのガンダムパイロットと出会い、そしてOZとの戦いに巻き込まれていった彼女は、完全平和主義の達成を目指す中、一体何を思うのだろうか?

 

サブタイトルからも明らかなとおり、今までの『W』の物語を振り返る総集編。久しぶりにリリーナが登場し、彼女が回想するという形がとられていました。次回も実質的な総集編回で、主に後半を取り上げるからか(次回予告だとそんな雰囲気)、今回では前半の振り返りが中心。第1・2話あたりの、まだ人間味の薄いヒイロのとがった姿が、なんだか懐かしく感じました。

 

サンクキングダム再興に奔走するリリーナは、冷たい秋風の吹く日、ふとドーリアンと写る家族写真に注目。それを手に取り、初めてヒイロと出会ったときのことを思い出します。彼女にとって彼は、まさに出会い方も存在的にも“流星”そのものでした。序盤では、主に第1〜3話のことを回想。ヒイロのことを「コロニーに願いを込めた流星」と例えていたのは、非常にロマンチックでした。若干BGMを変えて、ヒイロとリリーナが登場していたシーンが、リリーナのナレーションとともに挿入されてたけど、やっぱり序盤のヒイロってかなりイカれた少年って感じだよなぁ。デュオたちと親交を深めた今と比べると、かなりとがっていたというか、いろんな意味で飛ばしてたなぁと感じました。

 

リリーナの回想はさらに続き、各ガンダムパイロットのことや、ドーリアンを殺しコロニーを実質的に手中に収めたOZのことへ。彼女の脳裏に刻まれていたのは、時代に翻弄され、何度も苦しい戦いを強いられながらも、兵士として精いっぱい生きているヒイロたちの姿でした。中盤からは、どこからどこからともなくヒイロもナレーションとして介入し(主人公なので当たり前っちゃあそうだけど)、リリーナの知らない記憶や、ガンダムパイロットたちの感情を補完。『W』の物語前半の振り返りを、より深いものにしてくれていました。改めて物語前半のことを考えてみると、確かにヒイロたちは、多くの戦闘に勝利したりピンチを乗り越えたりはしていますが、戦局的に勝利している(自分たちがついているコロニー側の優勢を作り出した)ことはほとんどないんですよね。そのコロニーからも見捨てられ、本当に、ヒイロたちはなんのため戦っているんだろう。そしてこれからも―。それはきっと、今後彼ら自身が、戦いの中で見つけ出していくのでしょう。

 

今まであったことをひと通り回想したリリーナは、改めて荒涼とした外の景色を見渡し、ただじっと空を凝視。そして、ヒイロの帰還を誰よりも待ち望んでいました。直近であった、ヒイロたちが本格的に宇宙に上がってからのことは、リリーナ自身がそれをほとんど目撃していないこと、また次回で触れる予定であることから、淡白にまとめられて終了。今回はこれで幕を閉じました。それにしても、リリーナによるサンクキングダム再興をバックアップしているのって、一体誰なんだろう。ゼクスやノインが関わっているのは明らかだけど、ゼクスは宇宙だしノインの力にも限界があるし、他の何かがいそうですね。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第28話から第30話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。戦うことで全ての解決を見ようとする気運に、疑問を持つカトル。そのカトルは、完全平和主義を掲げ抵抗する、国家の存在を知るのであった―。

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