今回は、『機動戦士Ζガンダム』の感想記事第9回目です。
フォン・ブラウン市の戦いでティターンズに辛勝したものの、戦局面としては実質的に敗北したエゥーゴ。今回ご紹介の3話では、そんな彼らの巻き返しとも言うべき新たな戦いが描かれます。ガンダムMk-Ⅱの新合体形態であるスーパーガンダム(Mk-Ⅱディフェンサー)の登場や、シャアが地球から帰還する他、ティターンズ側ではついにジャマイカンが退場。物語は、さらに動いていきます。
なお、前回(第22~24話)の感想記事は↓コチラです。
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第25話「コロニーが落ちる日」
1985年8月24日放送
登場した敵他:サイド4コロニー27バンチ、戦艦アレキサンドリア、ギャプラン、ハイザック、ムサイ改
「あなた、優しいのね。会えてうれしかったわ。皮肉じゃないのよ、カツ。好きよ…。」
STORY:突然、白旗を持って戦艦アーガマへの着艦許可を求めてきたハイザック。それに乗っていたのは、シロッコ配下のサラだった。彼女はジャマイカンのコロニー落とし作戦の密告にやってきたと主張し、カミーユやブライトは彼女のもたらした情報とは別に、その内心に疑いの目を向けるが、カツだけは彼女のことを全て信じようとしていた。そんな中で始まる、コロニー落とし作戦の攻防。カミーユたちが出撃する中、サラはカツを利用し、行動を開始する―。
エゥーゴの手により、アポロ作戦が失敗に終わったジャマイカン。今回は、彼がその名誉挽回を図るべく、グラナダ破壊のためのコロニー落とし作戦を実行するお話です。その攻防もさることながら、コロニー落とし作戦を密告しに来たサラ、そしてその情報に対するカミーユたちメンバーなど、各キャラと反応が生き生きと描かれており、割と楽しんで観ることができました。
戦艦アーガマに接近する、白旗を持ったハイザック。「ティターンズの作戦に関する重要な情報を持っている」という通信を受けたブライトたちは、そのハイザックの着艦許可を出します。そして、中から降りてきたサラから、ジャマイカンの計画しているというコロニー落とし作戦の概要を知らされるのでした。彼女のことを信じようとするカツに対し、カミーユは慎重な姿勢を見せます。今回は、サラがいきなりハイザックで戦艦アーガマにやってくるところからスタート。結局、最後の最後まで彼女がなぜわざわざ敵であるエゥーゴにジャマイカンの作戦を漏らしたのか、明確に描かれずじまいでした。おそらく、シロッコがジャマイカンを妨害するために、サラを利用して差し向けたってことなんだろうなぁ…。そんなサラは、戦艦アーガマに降り立った後、ブライトたちと面会。さらに、モニター越しにウォンとも出会います。彼女はジャマイカンのコロニー落とし作戦を語りますが、カミーユをはじめとするメンバーのほとんどは、慎重な姿勢。解散後彼女の部屋に向かったカミーユは、その真意を聞き出そうとしますが、全てを引き出すことはできませんでした。カミーユやブライトの反応で興味深いのは、彼らはサラの語るジャマイカンのコロニー落とし作戦のこと自体は信用しているけれども、彼女の人格までは信用していない点。既に彼らもシロッコなどの存在を知り、ティターンズが一枚岩でないことを把握しているようですから、サラがシロッコの指示で戦艦アーガマにやってきてるのではないかと疑ってるんですね~。ここでさらに鋭い反応をして見せたのが、カミーユ。今回の彼は、割とまともな軍人として描かれていました(普段がまともじゃないってわけじゃないけど!)。
サラの言葉通り、ジャマイカンはコロニー落とし作戦を既に実行段階へと移行。戦艦ラーディッシュに移動していたエマは、ヘンケンとともにそのコロニー:サイド4の27バンチをキャッチします。同じ頃、戦艦アーガマではブライトたちが戦闘前の食事中。カミーユがさらに対し尋問まがいのことをしたと聞き、ファは怒るのでした。Aパート後半では、戦闘前のひと息つくシーンとしてか、各メンバーの性格やしぐさが如実に現れる描写が散見。「ああ、このキャラはこういう反応するんだな」と感じると同時に、なんとなくほほえましく感じましたね。まず戦艦ラーディッシュの方では、エマとヘンケンがサイド4の27バンチコロニーを発見。エマはそのコロニーの方向を変えるため出撃準備に入るのですが、それに対してやたら心配するヘンケンがちょっとかわいいです。いや、確かにコロニーには核パルスエンジンが積まれており、うかつにそれを爆破してしまえば被爆の危険性があるため、危険な任務であることは明白。心配するのも当然なのですが、ちょっと心配の方向がね…。ヘンケンはエマに好意を寄せていますが、もう「結婚前提のお付き合いを考えてるだろ!」っていう感じ丸出しの反応になっています。これに対して、エマはそれほど気にしていない様子。エマが鈍感でよかったね。いや、ヘンケンにとっては逆にマイナスか…?次に戦艦アーガマの方では、カミーユたちが食事中。カミーユのサラに対する行為を聞き、ファは激怒します。ここでのファの怒りは、カミーユに対する忠告というよりも、嫉妬によるもの。カミーユとサラが一時的に2人きりになったというだけで、えらく疑いの目を向けてきます。このシーンでの彼女の怒りは、ちょっと異常さも感じますが、まあそれだけカミーユに対し好意を寄せているってことなんでしょうね。
ジャマイカンのコロニー落とし作戦は、ついに本格化。ヤザンらの部隊にも出撃命令が下り、戦艦アーガマ側もカミーユたちを出撃させていきます。一方のカツは、未だ出撃命令が降りず、サラに非常用のスーツを貸し出す役割に。彼が自分に好意を寄せ始めていることに気づいたサラは、それを利用して自分のハイザックまで連れ出してもらうことに成功。ギャプランの弱点を述べ、ハイザックで脱出していきます。戦艦アーガマは、この時点ではコロニー落とし作戦の目標地点(グラナダもしくはフォン・ブラウン市)の絞り込みに苦戦していましたが、とにかくコロニーの方向を変えるためにカミーユたちに出撃を指示。目標地点の候補地である2都市の混乱を抑えるために尽力していたのは、ウォンでした。金は出すが口もうるさいイメージのあるウォンでしたが、今回はエゥーゴの立場、そしてブライトたちの戦略を考え、全面的にバックアップ。2都市の市長と話をつけ、混乱を抑え込みます。なんだよウォン、やる時はやる男なんだな。さすがエゥーゴの最大の支援者と言うべきか…。こうして戦艦アーガマなどエゥーゴ側もジャマイカンらティターンズ側もてんやわんやしている中、艦内の部屋に閉じ込められ続けていたのがサラ。彼女はカツが自分の部屋にスーツを持ってきたことをきっかけに、彼を利用して戦艦アーガマからの脱走を図ります。彼女の言葉や行動にすっかり乗せられてしまったカツは、ほいほい彼女をハイザックまで連れ出してしまい、そのまま脱出を許してしまうことに。その代わり、ギャプランの弱点を訊きだすことに成功します。完全にサラに翻弄されてしまった感のあるカツ。でも、彼女が彼と別れる最後に言い残したセリフは、どこまで本心だったのかなぁ。
出撃したカミーユたちは、ヤザンの部隊と交戦。ハイザックを次々に撃墜していきますが、ヤザンのギャプランが強敵として立ちはだかります。カミーユは苦戦を強いられますが、その時ファからカツの訊きだしたギャプランの情報を得、死角から攻撃することに成功。ヤザンを撤退に追い込みます。一方のエマは、ガンダムMk-Ⅱでサイド4の27バンチコロニーへ接近。ハイザック隊を退け、コロニーの別核パルスエンジンを作動させることに成功。これによりコロニーの方向は変わり、月の安全な場所に着弾。こうしてジャマイカンのコロニー落とし作戦は、失敗に終わるのでした。カミーユのΖガンダムは、ヤザンのギャプランと応戦。性能的にはΖガンダムの方が上のはずですが、思いのほか苦戦を強いられます。ギャプランは2クール序盤から出てきているモビルアーマーなので、性能的にはΖガンダムよりも良くないはず。それなのに互角に立ち回って見せていたのは、ヤザンの腕がいいからでしょうか。しかし、そんなギャプランにも、真下が死角になっているという弱点が。これを知ったカミーユは、真下から攻撃して損傷を与え、ヤザンを撤退に追い込みます。「見えない!見えない!」と言って、初めてこの弱点に気づいた様子を見せるヤザン。いや、以前から彼この機体に乗ってるんだから、気づいてそうなもんだと思うんだけど…。同じ頃エマは、ガンダムMk-Ⅱでコロニーへ接近。追ってくるハイザックを排除して、核パルスエンジンを点火。コロニーの方向を変えさせることに成功します。ガンダムMk-Ⅱの活躍シーンでは、コクピット内のエマが頻繁にカットイン。これにより彼女の心情変化がよくわかると同時に、戦闘に緊迫感を与えてくれていました。
第26話「ジオンの亡霊」
1985年8月31日放送
登場した敵他:戦艦アレキサンドリア、ギャプラン、ハイザック、戦艦グワジン
「プレッシャーは感じない…。ただ強いだけだ!」
STORY:ジャマイカンの作戦に反感を抱いたヤザンは、独断でエゥーゴへの攻撃準備を開始。さらには戦艦ラーディッシュを捕捉し、勝手に出撃してしまった。攻撃を受けた戦艦ラーディッシュはガンダムMk-ⅡとGディフェンサーを出撃させるが、途中でカツがピンチに陥り、漂流していた戦艦グワジンに逃げ込んだ。やがてΖガンダムも加勢し、ヤザンのギャプランとの戦いが勃発。その戦いの末、ヤザンはわざと戦艦アレキサンドリアまで逃亡した。そう、彼の真の狙いは…。
序盤からティターンズの幹部の1人として登場してきたジャマイカンの、退場回。前回の作戦を間接的に妨害していたのがシロッコでしたから、彼に何か謀られるのかと思いきや、実際にジャマイカンを死においやったのは、ヤザンの謀略でした。今回のヤザンは、戦闘狂だけでなくしたたかな一面も見せるように。相変わらずギャプランでΖガンダムをなかなかのところまで追い詰めていますから、ジェリドと同じかそれ以上のライバルになりそうな予感をさせてくれていました。
コロニー落とし作戦が失敗に終わったジャマイカン。彼は次なる一手を考えるべく航行していましたが、その中でヤザンが勝手に戦闘準備を開始。忠告をしたものの、彼がそれを聞き入れることはありませんでした。その後、ヤザンは戦艦ラーディッシュを捕捉して攻撃を開始。敵の襲撃を受けた戦艦ラーディッシュからは、エマがガンダムMk-Ⅱに乗って出撃します。本編開始早々、ジャマイカンの意思に反して戦闘準備を始めるヤザン。この時点で、彼は前回のジャマイカンの作戦に不満を持っていること、そしてジャマイカンをなんとか亡き者にしようとしていることが明かされます。ヤザンは初登場以降戦闘シーンばかりで、ちょっと戦闘狂のイメージがありましたが、今回はそれとは別に彼のしたたかな一面も見られるように。ちゃんと自分なりの考えや作戦を持っているんですね。しかも、上に対しては反発しまくりなのに対し、部下に対してはなんだかんだで面倒見がよさそう。この雰囲気だと、彼は部下たちからはそこそこ慕われてそうですね。そんな彼は、戦艦ラーディッシュを捕捉するや否や、いきなり出撃して攻撃を開始。対する戦艦ラーディッシュは、エマがガンダムMk-Ⅱで出撃します。その後カツが勝手にGディフェンサーで出撃しますが、ヘンケンはそれを許すのでした。ガンダムMk-ⅡとGディフェンサーの合体は、まだ最終調整段階で本格的なテスト等は行っていない状態。今回の出撃の際、ヘンケンがエマに対し本当に申し訳なさそうにしている姿が、彼の艦長としての思いと、エマに思いを寄せる一個人としての思いが入り混じっており、興味深いです。
エマのガンダムMk-Ⅱは、ヤザンのギャプランにつかまり、その追撃から逃れるのに苦戦。やがて戦闘空域は、かつての一年戦争の残骸が残るエリアへと移動していきます。Gディフェンサーがようやく追いついてガンダムMk-Ⅱを救いますが、操作に不慣れなカツは、その能力を十分に発揮できずじまい。それでもガンダムMk-Ⅱへの合体には成功しますが、直後コアファイターが被弾し戦艦グワジンの残骸に着陸します。同じ頃、エマの危機を察知したカミーユは、ブライトに許可を得、Ζガンダムで出撃するのでした。何とか戦列に加わりたいの一心で出撃したはいいものの、Gディフェンサーのことについては、最低限の操縦以外の知識はさっぱりだったカツ。ヤザンのギャプランをガンダムMk-Ⅱから引き離したものの、その後ハイザックに追われることになり、ピンチに陥ります。苦し紛れに彼はボタンを押しますが、それによって放たれたのは照明弾でした。Gディフェンサーからかなり大規模なミサイルが発射されたので、「これは強力な兵装だな!」と思ったら、なんと照明弾だった。カツにとっては笑えない状況ですが、ちょっと笑っちゃいました。えらく発射シーンはこだわって描写されてたのに、その結果はこれかい!って感じです。でも、結果としてこの照明弾がヤザンたちを一瞬だけひるませたから、無駄だったわけではないんですよね。そしてこの後実現するのが、ガンダムMk-ⅡとGディフェンサーの合体:スーパーガンダム(Mk-Ⅱディフェンサー)。どことなくΖガンダムと雰囲気が似ていますが、よりゴツい兵装になりいかにも強そうな見た目になっているのが特徴的です。搭載しているライフルで、後述するようにジャマイカンの戦艦アレキサンドリアを一発で撃沈していますから、かなりの威力ですね。
カツはコアファイターから降り、戦艦グワジン内で武器になりそうなものを捜索。それを、ハイザックのパイロットであるアドレが追いかけます。コアファイターとハイザックを発見したエマは、自らもそこに降り立ってカツと合流。しかし、その直後アドレに追いつかれてしまいます。外ではΖガンダムとギャプランの戦いが続く中、エマとカツは武装を奪われ、ピンチに陥りますが…。カツが戦艦グワジン内に入ったのは、武器を探すため。しかしめぼしい武装は見当たらず、エマが途中で合流してくれるも、アドレに追いつかれて窮地に立たされます。アドレは今回のみ登場するヤザンの部下。その様子から察するに、まだ新米パイロットのようです。そんな彼はエマたちに銃を突きつけ、彼女たちから武器を奪い取ることに成功しますが、エマの言葉に惑わされます。アドレはエマたちを脅迫するも、その銃口は震えまくり。まだ戦闘になれていないことから、ビビってるんですよね。それを察知したエマは彼を説得しようとしますが、効果は上がらずじまい。平行線の両者に変化をもたらしたのは、戦艦アレキサンドリアから放たれたビームでした。ジャマイカンは戦艦ラーディッシュを落とすため、ヤザンらがいることを承知で主砲の発射を決断。その一発がグワジンの艦橋に命中し、アドレを吹っ飛ばします。味方がいるのにぶっ放すなんて…と思いますが、この直前ジャマイカンは、ヤザンらがいることを知らされ「ヤツなら帰ってくる」と発言してますから、まあなんだかんだで彼も、ヤザンのことを信頼していたんでしょうね。
Ζガンダムとギャプランの戦いは激しくなり、やがて戦艦グワジン内へもつれ込むことに。ギャプランの攻撃の前に、ビームライフルや一部武装を失ったΖガンダムは、窮地に立たされます。その時、カツが放棄されていたゲルググを発見し、無理矢理動かしてビームライフルの発射に成功。これにギャプランがひるんだことをきっかけに、Ζガンダムの反撃が始まります。その場から逃亡したギャプランは、そのままΖガンダムとスーパーガンダムを引き付けて戦艦アレキサンドリアへ。わざと自分をロックさせ、ライフルからビームが発射された直後に離脱。こうしてビームは戦艦アレキサンドリアに命中して撃沈。ジャマイカンも死亡するのでした。今回のギャプランは調子が良かったのか、今まで以上に強く、Ζガンダムを本当に撃破する直前まで追い詰めることに。カツのアシストが無ければ、負けていた可能性もありました。カミーユは、ヤザンの強さを実感していましたが、一方でシロッコなどのようなプレッシャーは感じずじまい。「プレッシャーは感じない。ただ強いだけだ!」として、戦い続けます。「ただ強いだけだ!」ってセリフ、ものすごいインパクトあるよなぁ。ただ強いだけでも、相当な脅威のはずなんだけど…。そんなカミーユは、カツのアシストで窮地を脱出。ビームサーベルでギャプランの左腕を落とし、撤退に追い込みます。ギャプランはそのまま抵抗せずに逃亡を続けますが、これはヤザンの作戦でもありました。戦線離脱することになったヤザンは、これとスーパーガンダムらの武装を利用し、戦艦アレキサンドリアを落とすことを画策。わざと戦艦アレキサンドリアを背後にして逃げ、自分をスーパーガンダムに捕捉させることに成功。ビームが発射された際に上へ離脱し、戦艦アレキサンドリアはスーパーガンダムの攻撃の前に撃沈するのでした。このジャマイカンの死亡シーンは、ヤザンの策略の巧みさと同時に、スーパーガンダムの武装の協力さを同時に描写しているシーンに。1つのシーンに複数の要素が盛り込まれており、面白いと感じましたね。
第27話「シャアの帰還」
1985年9月7日放送
登場した敵他:戦艦アレキサンドリア、ギャプラン、ハイザック、マラサイ、ガブスレイ
「あなたについていくつもりで来たのよ。死にはしないわ。あなたが、守ってくれるから…。」
STORY:戦災孤児のシンタとクムを連れ、戦艦アーガマへ帰還しようとしていたクワトロ=シャア。ブライトたちもその準備を進めるが、ティターンズがそれを察知していないはずがなく、修復された戦艦アレキサンドリアが出撃する。ΖガンダムやガンダムMk-Ⅱは、シャトルを回収する戦艦アーガマを守るべく敵を引き付けるが、それをサラのハイザックが狙っていた!放たれる強化ハイメガランチャー。クワトロ=シャアは、無事に戦艦アーガマに帰ってこれるのか!?
第24話から、一時的に地球に滞在していたシャア。今回は、その彼が戦艦アーガマに帰還する際の、エゥーゴとティターンズの攻防を描くお話です。戦闘シーンも多めですが、頻繁にコクピット内でのカミーユたち各パイロットの描写が挿入されているため、戦闘よりも人間ドラマに力が入れられていたなぁという印象が強め。各人物のアップに次々と移り変わるため、それが攻防の緊迫感の演出にもつながっていました。
パイロットであるカミーユとファは、相変わらず顔を合わせてはいがみ合ってばかり。そんな彼らの“レクリエーション”を知り、ブライトは頭を抱えます。一方ジェリドとマウアーは、修復された戦艦アレキサンドリアに乗艦。戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュの追撃任務に当たりますが、その最中格納庫でトラブルが発生します。その原因は、ヤザンが勝手にハイザックを廃棄しようとしていたからでした。第21話で再会して以降、いがみ合いまくりのカミーユとファ。ブライトたちは、その関係を修復しようとしますが、匙を投げてしまいます。アポリーは話を聞くも一言だけアドバイスして去り、ブライトは「やっぱりカミーユの父親役にはなれないな」と、カミーユたちを諌めるべき大人たちは皆投げやり状態。今回のお話は「カミーユとファが自力で関係を修復する」というのも要素の1つになっているので、その前段階としてこの展開が必要なのはよくわかるのですが、いくら何でも投げやりすぎるでしょ…。一方同じ頃、ジェリドとマウアーは戦艦アレキサンドリアへ乗艦。艦長ガディ・キンゼーの下戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュの追撃任務に当たりますが、そんな中ヤザンがトラブルを起こします。前回大破したと思われた戦艦アレキサンドリアでしたが、どうやらジャマイカンのいた艦橋部のみが大破しただけで、その他の部分は無事。修理を行いながら戦線復帰しています。あれだけの攻撃食らったのに、まだ撃沈してなかったんだなぁ。そんな戦艦アレキサンドリアの中で、トラブルを起こしたのがヤザン。彼はいきなり「旧式のモビルスーツはいらない」と言い出し、ハイザックを放り出そうとします。気に入らないだけで、独断で装備を捨てようとするヤザン。ちょっと情緒不安定すぎないか?というか、『Ζガンダム』って情緒不安定なキャラ多いよね。このようなトラブルにおいて、上手く立ち回ったのがジェリド。このシーンでは、彼の精神的成長の他、マウアーとのラブロマンスも描写されます。でもこの分だと、マウアーはあと数話で退場するパターンだな…。
地球軌道上に到達した、戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュ。ティターンズの妨害が入ることを想定していたブライトたちは、戦闘準備を進めます。その読みは当たり、戦艦アレキサンドリアからはヤザン隊が出撃。これに応戦し、戦艦アーガマから引き離すために、ガンダムMk-Ⅱとネモが出撃します。同じ頃、クワトロ=シャアはアウドムラからのシャトル発進を待っていました。以前、カミーユたちを回収する際に妨害を受けたことから、今回もティターンズの妨害を予想していたブライトたち。カミーユたち戦艦アーガマ側のパイロットたちはギリギリまで出撃させず、少し離れて待機している戦艦ラーディッシュのエマたちが、ガンダムMk-Ⅱなどで出撃。ヤザン隊の陽動に当たります。ヤザン隊がガディの命令を無視して勝手に出撃するなどのイレギュラーな事態がありましたが、この時点ではおおむねエゥーゴの作戦通りに事が進行。エマたちもしっかりヤザン隊を引き付けます。でも、やっぱりガンダムMk-Ⅱ単独でモビルアーマーを相手にするのはキツくなってきてる感があるな…。これと同じ頃、クワトロ=シャアはアウドムラからシャトルの発進を待っている最中。ハヤトからミライのブライト宛の手紙を託され、シャトルに乗り込みます。
クワトロ=シャアを乗せたシャトルは、アウドムラから発進。それを確認した戦艦アーガマは、Ζガンダム、リック・ディアス、メタスを出撃させ、ヤザン隊と戦闘を繰り広げます。一方、戦艦ラーディッシュの攻撃で被弾した戦艦アレキサンドリアは、ジェリド・マウアー・サラに出撃を指示。強化ハイメガランチャーを携えたハイザックで、戦艦アーガマやΖガンダムを亡きものにしようとします。クワトロ=シャアのシャトルが向かっていることを確認し、ついに出撃命令が下るカミーユたち。カミーユがΖガンダムに、アポリーがリック・ディアスに、ファがメタスに乗って、それぞれ戦闘に参加します。今までの戦いでは足を引っ張り気味だったファですが、今回はそこそこ善戦。彼女も戦闘経験が増えてきたので、モビルスーツの操縦もうまくなってきたのでしょう。一方の戦艦アレキサンドリア側も負けてはおらず、ジェリドたちに追加で出撃を指示。彼らが持つ最大の武器は、配備された強化ハイメガランチャーでした。強化ハイメガランチャーは、モビルスーツ2機が協力してようやく持てるほどの巨大な砲台。後方の1機(マウアー機)はエネルギータンクの役割を果たすため、爆発の危険性もありました。このシーンでは、マウアーとサラの2人を気遣うジェリドの姿が印象的。彼も第1話のから大分成長しましたね。
クワトロ=シャアの乗るシャトルは、戦闘空域に差し掛かっているため減速。しかし、どうしても戦艦アーガマへの帰還を強行したいクワトロ=シャアは、シンタとクムを連れ、ボートで戦艦アーガマへ向かいます。一方のカミーユは、Ζガンダムで戦う中で、サラのプレッシャーを察知。そのスキを突かれヤザンに追い詰められますが、そのカミーユの感覚はサラにも伝わり、彼女は予定より少し遅れて強化ハイメガランチャーを発射。それは少し狙いがズレ、クワトロ=シャアの乗っていたシャトルに命中。シャトルは消滅してしまうのでした。Bパート後半での戦闘において一番の見どころは、強化ハイメガランチャーを発射するまでのカミーユとサラのプレッシャーの交錯。彼らがお互いのプレッシャーや感情を察知することにより、スキが生まれてピンチに陥ったり、この戦闘自体の緊迫感を演出したりなどしています。カミーユは前回の戦いに続き、スキを突かれて一気にヤザンに追い詰められてしまうことに。何かを察知した瞬間完全に行動停止してしまうのが、彼の弱点ですね。一方のサラも、プレッシャーに負けかけて強化ハイメガランチャーの発射を遅らせてしまうことに。結果当初の目標を撃破できず、撤退を余儀なくされます。強化ハイメガランチャーの名前は伊達ではなく、当たった物体は爆発するどころか跡形もなく消滅させてしまうほどの威力。これがΖガンダムや戦艦アーガマに当たってたら、ヤバかったなぁ…。
先行してシャトルから脱出していたことにより、生還したクワトロ=シャアたち。彼はブライトに、ミライからの手紙を渡します。1人部屋でそれを開封したブライトは、元気な家族の姿を目にし涙するのでした。手紙の中にはビデオメッセージが入っており、そこには元気に暮らすミライたちの姿が。「お父さん頑張ってね」というハサウェイたちの言葉と、それに対し静かに涙するブライトの様子が、じんと来ましたね。
今回はここまで。次回は、第28話から第30話をご紹介予定です。『機動戦士Ζガンダム』。君は、刻(とき)の涙を見る―。
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☆ガンプラ Pick Up!
『Ζガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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