
誰も予想していなかった、ガボラの飛行能力とそのスタイル

怪特隊には優秀な人がたくさんいるのに、先生は、博士号を持ってない私みたいなのを選んでくれた。だからこそ、これ以上先生の評判は落とせない!今回の『ウルトラマンオメガ』は、サブタイトルの通り、ゲストキャラクターである雷音寺誠の登場回。敵怪獣としてはガボラが登場し、事前の視聴者の予想をはるかに超えるトリッキーな攻撃を見せてくれました。
雷音寺は見た目も所作もハデで高圧的ですが、どうしても演じる福澤さんのもともとの穏やかそうな雰囲気が根底にあるからか、ソラトたちに対し確かに厭味ったらしいことをしてきているんだけど、そこまで反感は覚えなかった印象。それよりも、ガボラのヒレを使った多彩な技に驚かされ、注意をそっちに持っていかれてしまいました。ヒレを閉じたり、それでドリル攻撃をしたりはまだわかるよ。開いたまま回転させて飛ぶって、何をどう考えたらそんな発想が出てくるのよ!?
なお、前回(第20話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面

冒頭でも述べたとおり、サブタイトル通りゲストキャラ:雷音寺が登場するお話。厭味ったらしくて高圧的ではありましたが、そこまで反感を覚えるような感じではなかったかな。むしろ、押しつけてくる自著に書いてあることをちゃんと覚えていたり、律儀に自前のボラード(波止場にあるアレ)を持ってきたりと、どこか憎めないオチャメさすら感じました。
サユキ不在の怪特隊で、班長代わりとして張り切るアユム。そんな中、事前に聞かされていた、サユキ不在の間班長を務める雷音寺誠がやって来ます。見た目も態度もハデな雷音寺は、サユキへの対抗心バチバチで、ソラトたちに自著を読むよう強要。そんな中、発電所付近に怪獣らしきものが出現し、ソラトたちは出動。雷音寺はそれをイッカクキングと名付け、対応に当たろうとしますが…。今回は序盤のドラマ展開が非常に早く、アバンタイトルの時点で雷音寺が登場。その後OPを挟んでまもなくするとガボラ出現の報せが入り、雷音寺とソラトたちは現地に向かうことになります。雷音寺は見た目も言動もハデで横柄であり、明らかにサユキのことを目の敵にしていてそれをソラトたちにぶつけているのですが、不思議と厭味がそれほど感じられないのが面白いところ。演じる福澤さんの元の柔らかな印象も影響しているのでしょうが、雷音寺のやっていることがみみっちいこともあるのでしょう。そんな雷音寺は、ガボラのことを勝手にイッカクキングと命名し、近くの発電所の音がうるさいことから、あれこれ難癖をつけて止めることに成功。しかし、そのうるさい音こそがガボラを抑制していたのであり、ソラトが気付いたときには時すでに遅く、ガボラはひれを開いて暴れ出し、別のところへと向かっていくのでした。冒頭でも触れましたが、ヘリコプターの要領で、ひれを回転させて飛ぶガボラの姿は衝撃的。いや、閉じたひれをドリルのように回転させて攻撃できるから(これもオリジナルにはなく、『シン・ウルトラマン』で初めて見られた攻撃ですよね)、確かに出来そうっちゃあそうなんだけど…ねぇ?
ソラトの記憶やアユムの観察から、彼らが雷音寺と異なる見立てを出す中、イッカクキングが暴れ出し逃亡。ソラトたちの意見を聞かずに、怪獣が暴れ出した原因を決めつけた雷音寺は、現地に彼らを残して予測した次の出現地点へと向かいます。雷音寺の態度にコウセイが文句を言う中、ソラトの記憶とアユムの『ライオネル・メソッド』の読み込みが、イッカクキングもといガボラの、真の生態と次の出現地点を導き出します。中盤では、ソラトたちと雷音寺の対立は決定的に。サユキの代理で班を率いているのだから、ガボラ逃亡の責任は雷音寺も負うべきなのですが、彼は一方的にアユムたちにそれを押し付けようとし、アユムはこれを受けて、彼に対する闘志が燃え上がります。ここでは、アユムの観察眼&知識と、ソラトの怪獣への記憶がマッチして、より正確な推論を導き出す流れになっているのがGood。コウセイが若干グチを言うだけのポジションになってしまっていたのはもったいなかったですが、怪獣への理解&知識面では2人には及ばないので、まあ仕方ないでしょう。ちなみにここでは、ガボラが出現した原因についても言及。『マン』のオリジナル個体はウランを食べる怪獣でしたが、今回はカエン102という架空の物質を食べるという設定に変更されていました。こうした変更をしたのは、昨今のコンプライアンスの関係なのでしょうか。「だったら、二つ名の「ウラン怪獣」を変更したり、思わせぶりに原子力発電所(わざとアメリカっぽいデザインにされている)の施設を映したりしないでよ」とも思いましたが、改めて考えてみると、あれは制作側のささやかな「ガボラは本来こういう怪獣なんですよ」というアピールだったのかもしれませんね。そうそう、雷音寺が「電気を食う」という誤った予測を立てていたのも、お話づくり的には、ガボラのスーツ改造の元がネロンガであることの小ネタですよね。
ガボラはソラトたちの予測通り、発電所から東に5kmの地点に出現。雷音寺が右往左往する一方、ソラトたちは現地に向かっており、オメガに変身して応戦します。ガボラの、ヒレを使った特異な攻撃に苦しめられながらも、オメガはヴァルジェネスのアシストを受け勝利。今回の件でソラトたちに借りが出来た雷音寺は、バツが悪そうに去って行き、ウタ班としてのメンツを守れたソラトたちでしたが…?終盤では、ソラトたちがガボラを止めるために奮闘。ガボラは確かにパワー系怪獣ではある一方、「ヴァルジェネスアーマーを使わないと倒せないほどか?」と思っていましたが、なるほどあれだけ様々なトリッキー攻撃を仕掛けてくるのなら、ヴァルジェネスアーマーの力も必要でしたね。そんなオメガの活躍を経て、事件は解決。雷音寺は結局自分の見立てが完全に外れたこともあり、すっかり恐縮してアユムたちの元から去ることになり、再びソラトたちに平穏が訪れますが、ソラトが1人になったとき、もう1人のソラトが背後から現れます。まるで『セブン』のセブン上司かのように、ここ数話でヌッと現れるようになった、もう1人のソラト。彼が警告する事情等が判明するのは、そう遠くはないでしょう。
◎特撮面

ガボラのトリッキーすぎる攻撃に、最後の最後におけるオメガの反撃と、アクション面で特に見どころの多かった、今回の特撮パート。ガボラは『マン』と『パワード』にしか登場していないにもかかわらず、知名度が高い一方で、オーソドックスだがかなり地味な怪獣という印象でしたが、今回でガボラに対する認識がガラリと変わりました。なんというか、本当に自由だったな…。





タケノコを模したお菓子のごとく、突然地中から生えてきた謎のツノ。雷音寺はイッカクキングと命名しますが、その正体はひれを閉じたガボラでした。行動を阻害していた発電所の音が消えたことにより、暴れ出したガボラは、持ち前の獰猛さとひれを駆使して、周囲をめちゃめちゃにして地中に逃げ込みます。ガボラ初登場シーンで度肝を抜くのが、やはりひれを回転させて飛ぶシーン。マジでこんなことをするとは予想もしてませんでしたね。これにGOを出した辻本監督もすごいよ…。そんなガボラの飛行ばかりに注意が行きがちですが、この直前のガボラが暴れるシーンでは、ちゃんとオリジナルに似た怪獣らしい暴れ方をしてくれているのがGood。しっかりガボラ感が出ていました。







アユムたちの予想通り、ガボラは発電所から東に5kmの、隕石保管庫付近に出現。現地には既にソラトとコウセイが待機しており、ソラトはオメガに変身し、コウセイはヴァルジェネスを放って応戦します。正面からガボラに挑むオメガでしたが、もともとの突進力や、ひれの開閉を巧みに使うガボラに翻弄されます。後半の戦闘シーンで、オメガとヴァルジェネスが登場。出来るだけガボラと距離を詰めて、馬乗りになったり各当選に持ち込んだりするオメガの戦闘スタイルは、オリジナルを意識しているのだなと気づきグッと来ました。皆さんご存知の通り、『マン』のVSガボラ戦は本当にプロレスですからね。そんなオメガに対し、ひれを駆使して応戦するガボラ。オリジナルでも確かに開閉することはありましたが、こんなにも頻繁にそれを行って攻撃に転用することはなかったので、特撮技術の進歩と制作陣の発想の柔軟さを感じました。






ガボラのトリッキー攻撃に苦しめられたオメガとヴァルジェネスでしたが、ヴァルジェネスアーマーをまとってからは形勢逆転。ヴァルジェネスハルバードを振るい、そこから巻き起こされるエレメントの力によって、ガボラはひれを切除された挙句、首筋にたたきつけられて爆散するのでした。終盤では、ヴァルジェネスアーマーが大活躍。そのままエレメントの力でガボラを翻弄できたはずですが、わざわざひれを切除するというワンクッションを置いていたのが面白かったですね。『マン』において、えりまきを引っぺがされたジラースをイメージしたのでしょうか。まあ、ガボラは顔もネロンガから改造されているので、ひれがとれても「ネロンガだ!」とはならなかったけどね。

怪獣災害に対抗するため、怪特隊を超える国際的組織の発足が現実化する中、ソラトたちは謎の信号に導かれ、ある地点にやって来た。しかしそこにいたのは、怪獣ではなく、ソラトが地球に来たばかりのとき助けてくれた人物からの、重大なメッセージだった!
次回からいよいよ、『オメガ』の物語は最終章へと突入。ついにソラト/オメガの失われている記憶の一部が判明しそうです。カギとなる人物を演じる螢雪次朗さんも、次回から登場するのかな。
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