今回は、『機動戦士Ζガンダム』の感想記事第13回目です。
シャアの演説、レコアの裏切り―。フォウとの別れとその際の激戦を経て、ある程度ひと段落したカミーユのお話と、じょじょに勢いづいてきたエゥーゴ。今回ご紹介の3話では、そんなエゥーゴにスポットが当たったお話が多くなります。シャアのダカール演説は、個人的にかなりインパクトがあった印象。その一方で、レコアの裏切りについては、以前から伏線が張られていたので、そこまで驚きはなかったなぁ。
なお、前回(第34~36話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
第37話「ダカールの日」
1985年11月16日放送
登場した敵他:ガルダ(メロウド)、アッシマー、バイアラン、ハイザック、マラサイ
「すべての人たちと今日考えられる時代が来たら、死んでいった人たちにも、どこかで巡り合える。そんな気がするんです。」
STORY:キリマンジャロを制したカラバが次に向かったのは、ダカール。その目的は、地球連邦議会において、シャアに演説をさせるためであった。先行して潜入していたベルトーチカの尽力で壇上に上がったシャアは、演説を行い、やがてそれは支持を集めていく。同じ頃、議会上空に到達したジェリドは、演説を妨害すべく通信基地の破壊をもくろむ。しかしそれは、カミーユやアジス・アジバの抵抗で、ティターンズにとって最悪の結果を招いてしまう…!
前回の戦いを経て、クワトロの名前を捨て、再び本名を名乗ることとしたシャア。今回はそんな彼が、ダカールの地球連邦議会で演説を行うさまと、その裏で繰り広げられていた戦闘が描かれるお話です。シャアの演説のシーンは間違いなく見逃せない他、今回でティターンズは悪手を打ち(大体ジェリドのせい)、大衆の支持を失っていくのもポイント。珍しく、カラバおよびエゥーゴは完全勝利ともいえる結果を残しています。
キリマンジャロから脱出した、アウドムラ。カミーユたちの次なる目的地は、地球連邦議会の開かれているダカールでした。シャアたちが演説の準備を進める一方で、ベルトーチカは先発隊としてダカール基地に潜入。そこで偶然ティターンズの将校:アジス・アジバと出会い、彼を車に乗せるのでした。同じ頃、ジェリドはメロウドに乗ってアウドムラを追いかけていて…。カラバの今回の作戦は、地球連邦議会を制圧しシャアに演説を指せるというもの。Aパート前半では具体的な作戦内容はほとんど明示されていませんが、ハヤトたちの様子から「シャアが今回の作戦の中心であること」、そしてそれが「シャアにしかできないこと」であるなど、彼がこの作戦にいかに重要であるかがクローズアップされており、それが視聴者の興味をそそらせます。このように上空ではシャアを中心とした準備が進められる中、地上ではベルトーチカが報道関係者の名目で議会場に潜入。途中軍の検問に引っ掛かりますが、それはティターンズのアジス・アジバのおかげで乗り切ります。彼を基地まで乗せたベルトーチカ、その後議会場へと向かうのでした。ティターンズの青年将校の1人:アジスが登場。今までのティターンズの軍人といえば、傲慢で過激な連中ばかりでしたが、アジスはそんな彼らとは真逆の、温厚で誠実な軍人として描かれています。一応、「人々をまとめるためには強い軍隊が必要」と語るなど、ティターンズの思想に一致するものは持っているようですが、それを加味してもティターンズの中ではかなり異質なタイプである彼。今回の演説を機にその思想にも迷いが生じてるし、なんで彼がティターンズに入ったか本当に不思議だ…。
準備が完了したシャアたちは、アウドムラから出撃。今回は戦闘が目的ではないため、最低限の装備で降下します。彼らの襲撃に気づいたダカール基地とメロウドは、それぞれ戦闘態勢を整えて応戦。アジスのアッシマー隊はΖガンダムと戦いますが、カミーユに戦闘意思がないことを知り驚きます。同じ頃シャアは、無事地上に降下して議会場に突入。壇上に駆け上がり、演説を始めるのでした。上述のとおり、シャアたちの今回の目的は、演説を通じてティターンズの横暴を訴えるというもの。地上では既にベルトーチカを中心とした先発隊が工作を行って準備万端であるため、戦う必要もないのでΖガンダムとディジェのみが出撃していきます。今回は戦闘シーン自体はそこそこあるものの、「カミーユたち側から手を出した」というのは、この直後のアジス隊のアッシマー1機の撃墜と、後半におけるハイザック1機の撃墜程度。これだけΖガンダムが戦わないというのも珍しい展開です。現に、アジスはカミーユから「戦闘意思はない」という通信が入って驚いていましたしね。ちなみに、先ほどから何度か出している通り、今回は敵モビルスーツとしてアッシマーが久々に登場。ギャプランやガブスレイなどに比べると旧式感のあるアッシマーが、このタイミングで再登場するのは意外ですが、一応「ダカールに配備されている戦力は小規模だから(ジェリドの発言より)」という理由付けがなされていました。理由自体はわからなくもないけど、地球連邦議会のある街の軍隊がなんでこんなに装備が貧弱なんだろう?普通、その周辺に大規模基地とか建設しそうなものだけどなぁ。
ティターンズの攻撃が激化する中、演説を続けるシャア。最初こそヤジが多かった議員たちも、次第に彼の演説に耳を傾けていきます。そしてその演説は、アジスの心をも動かすのでした。一方ジェリドは、演説を妨害すべく通信施設の破壊を画策。これにいち早く気づいたアムロは追撃しますが、ハイザック隊の抵抗を受けます。議会場に攻撃が迫る中、ベルトーチカはティターンズの横暴を証明すべく、自ら外に出てその戦闘を映すのでした。Bパート前半で注目すべきは、シャアの演説。最初は議員の多くがヤジを飛ばし、警備もシャアを退席させようとしていましたが、じょじょに皆彼の演説に聞き入っていきます。シャアの主張は、一言でまとめればエゥーゴのもとからの思想を、自分なりに少しアレンジしたもの。そのため視聴者にとっては真新しい情報や考え方はほとんどありませんが(エゥーゴの思想は断片的に以前から何度も語られてきているため)、そのぶん演説の仕方・話し方にはかなり注目させられます。「人が宇宙(そら)に出たのは、地球が人間の重みで沈むのを避けるためだった。そして、宇宙に出た人類が、その生活圏を拡大したことによって、人類そのものの力を身に付けたと誤解をして、ザビ家のような勢力をのさばらせてしまった歴史を持つ。それは不幸だ。もうその歴史を繰り返してはならない」―。最初は自分の生い立ちや一年戦争時代のことを語り、そこからエゥーゴへの思想へと話をつなげて一般大衆にもわかるような話にもっていく…という構成になっているんですよね~。シャアの演説センスはなかなかのもの。さすが、ジオン・ズム・ダイクンの子というべきか…。ちなみに、このシーンではセイラも登場。ラジオ中継でシャアの演説を聞くさまが描写されていました。
アムロと同じく、通信基地防衛のため引き返したカミーユのΖガンダム。その中でハイザック1機を撃破しますが、実際は倒しきれておらず、スキを突かれて拘束されてしまいます。さらに現れたジェリドのバイアランにより、カミーユは大ピンチ。それを救ったのは、アジスのアッシマーでした。アジスの妨害により、バイアランのビームは議会場に命中。これをシャアは演説に利用し、さらにこのさまが全世界に中継されたことにより、大衆のティターンズへの反感が高まっていきます。依然Ζガンダムの打倒に燃えるジェリドでしたが、上層部からの命令により、やむを得ず撤退するのでした。ジェリドの部下の1人は、いわゆる死んだふり戦法でΖガンダムのスキを突くことに成功。ジェリドはこれでカミーユを倒せると確信していましたが、アジスの介入が最悪の結果を招きます。シャアの演説を聞きティターンズへの疑問を抱いたアジスは、自らの意思でバイアランを妨害。ジェリドはそんなアジスを排除しますが、アッシマーの延長線上に議会場があったことで、ビームが議会場にも命中。「ティターンズ支持派の議員もいるのに、ティターンズは議会を攻撃した」として、これがティターンズ失墜の原因となってしまいます。偶然が重なった結果とはいえ、完全にやらかしてしまった感のあるジェリド。さすがにここは、ちょっとジェリドもかわいそうかなと思っちゃいました。まあ、戦局をちゃんと見ずにビームを放った彼が悪いといえば、それまでかもしれないけど…なんだかねぇ。
シャアの演説も成功し、当初の目的を達成したカミーユたち。カラバ内の士気も上がり、パーティーが開かれます。その中で、アムロとシャアは酒を酌み交わすのでした。パーティー会場から少し離れて、2人きりで会話するアムロとシャア。ここでの2人のやりとりが絶妙でしたね。
アムロ「君のお陰で、エゥーゴもカラバも、今までになく盛り上がっている。」
シャア「しかしな、これで私は、自由を失った…。」
アムロ「地球に居残った人を、宇宙に上げようというのだ。こんな大仕事に、1人や2人の人身御供はいるよ。」
シャア「私は人身御供か?」
アムロ「人身御供の家系、かもな。」
第38話「レコアの気配」
1985年11月23日放送
登場した敵他:ガルダ(メロウド)、戦艦アレキサンドリア、バイアラン、バーザム、ハンブラビ
「地球の重力を振り切った時、人は新たなセンスを身につけた。それが、ニュータイプの開花へとつながった。そういう意味では、宇宙(そら)に希望はあったのだ。」
STORY:ジェリドたちの追撃をかいくぐり、アウドムラから宇宙へと旅立ったカミーユとシャア。大気圏を抜け周回軌道上に乗ったはいいが、目指すべき戦艦アーガマは戦艦アレキサンドリアの激しい攻撃にさらされていた。シャトルから急遽Ζガンダムと百式で飛び立った彼らは、応援に駆け付けファやアポリーたちを支援。メガバズーカランチャーで戦艦アレキサンドリアを狙うも、ギリギリのところで回避されてしまう。その原因は、ティターンズに寝返ったレコアにあった…。
アウドムラに別れを告げ、宇宙へ戻ったカミーユたち。彼らを待ち受けていたのは、再びギリギリの戦闘でした。今回はカミーユたちの宇宙への帰還と、戦艦アーガマと戦艦アレキサンドリアの戦闘が描かれるお話。後者の方に比重が置かれており、「カミーユたちは戦艦アーガマの応援に間に合うのか」という緊張感が、物語をビシッと引き締めてくれています。また、今回レコアがティターンズに寝返っていたことも正式に判明。しかし、その事実をカミーユたちが知るのは、まだ先になりそうですね。
戦艦アーガマに戻るため、シャトルの準備を行っていたカミーユたち。このまま予定通りにことは運ぶ予定でしたが、ジェリドたちに発見されたことにより、彼らはまたも戦闘に巻き込まれます。ジェリドらに対してはアムロが挑み、徹底的に防戦。ジェリドはΖガンダムと百式が出てこないことから、「カミーユたちは宇宙に戻ろうとしている」と気づいたものの攻撃はかなわず、カミーユたちは無事宇宙へと旅立ちます。今までカミーユなどの主要メンバーが宇宙に戻る際は、毎回かなり本編時間を割きつつドラマが描かれていましたが、今回は後半の展開もあるためか割とあっさり。ジェリドもなかなかの抵抗を見せたものの、カミーユたち自身はそれほど苦労することなく宇宙へ飛び立っています。アウドムラもネモを何機か撃破されているとはいえ、メチャクチャ大きな被害までは出ず。これにはアムロのディジェの活躍が大きいですね。だって彼、1人でメロウドを落としちゃうんだもん…。こうしたカラバ側の活躍が目立った一方で、ちょっとかわいそうだったのがジェリド。最初こそアウドムラを真っ先に発見し、迅速に戦闘態勢を構築するなどの手際の良さを見せたものの、出撃後はメロウドに「体当たりしてもアウドムラを落とせ」などとムチャな指示を出す始末(しかも、メロウドの乗組員から半ば呆れられている)。カミーユたちの脱出に気づくもバイアランでは追いつけず、ド・ダイから滑ってきりもみしながら転落。しかもそれをアムロのディジェに狙い撃ちされ消えてしまいます。ド・ダイから滑落してからのシーンは、本当に情けなさMAXな展開が連続。ジェリド、お前なんか報われねぇな…。
カラバの尽力により、宇宙へと飛び立ったカミーユたち。地球の衛星軌道上に乗り、あとは戦艦アーガマとの接触を待つのみでしたが、目指す先には戦闘の光が。戦艦アーガマは、実戦艦アレキサンドリアと交戦中でした。カミーユたちが援護のための準備を進める一方、戦艦アーガマ内ではファが相変わらずシンタとクムに手を焼いていました。カミーユたちが宇宙へ向かうシーンは、今回において唯一平穏なシーンであり、同時に今までの戦いを乗り越えたことによる、シャアとカミーユの強い信頼が垣間見えるシーン。数話前まではシャアに対してかなり感情的になることもあったカミーユでしたが、今回の彼は非常に落ち着いており、シャアと会話を重ねます。このシーンにおける2人のやり取りが、しっとりしているというか、先述した信頼が感じられていいんだよな~。まあ、シャアの語るニュータイプ論はイマイチよくわからなかったけどね…。あの理論だと、「一度でも宇宙に出なきゃニュータイプになることはできない」ってことでいいのかな?そうこうしているうちに、カミーユたちは宇宙へ到達。ここから戦艦アーガマとの接触を待つだけでしたが、向かった先には戦火の光が。ここで彼らは、戦艦アーガマが攻撃を受けていることを知ります。戦艦アーガマは戦艦アレキサンドリアからかなり攻撃を受けており、まともに修理も補給も受けられていないため船体はボロボロ。おまけにΖガンダムと百式が不在で、メタスはここぞという時に出すために出撃させていないことから、リック・ディアス隊とネモ隊のみで応戦していました。アポリーみたいな優秀なパイロットがいるとはいえ、戦力不足感は否めないなぁ…。
ファはシンタとクムをようやくなだめて、艦橋へ移動。ブライトに出撃許可を求めますが、それは却下されてしまいます。そんな中で、シンタとクムが勝手にメタスに搭乗してしまうというトラブルが発生。再度彼らをなだめに行ったファは、そのままメタスでの出撃を強行します。彼女はヤザン隊のハンブラビに苦戦するアポリーのリック・ディアスを救いますが、自分の機体の破壊を許してしまいます。Bパート前半では、ファの活躍が多め。シンタとクムの母親役として、また戦艦アーガマに残っている数少ないパイロットの一員として奔走しています。シンタとクムをなだめた彼女は、艦橋へ移動。出撃許可を求めるも却下されてしまいますが、その時メタスの格納庫でトラブルが発生します。メタスに勝手に乗り込み、ファの代わりに出撃しようとしていた彼ら。こんな非常事態の時にトラブルを起こすなといいたいところですが、このシーンではブライトのファに対する信頼が厚くなっていることを感じられる場面でもあり、意外に見逃せないシーンになっています。そんなファは、シンタとクムをなだめた後、メタスで出撃。ヤザン隊のハンブラビに挑みアポリーのリック・ディアスを支援しますが、メタスを破壊されてしまうというミスを犯します。破壊されてしまったメタス。ブライトの言い方から察するになかなか量産できない機体のようだけど、もう劇中では登場しないのでしょうか?
ようやくファたちのもとへ駆けつけたΖガンダムと百式が支援に回ったことで、戦局はやや好転。戦艦アレキサンドリアを落とすため、シャアはメガバズーカランチャーの使用を要請します。しっかりと狙いを定めたシャアですが、彼自身やカミーユが発射直前に謎の気配を感じ、さらに戦艦アレキサンドリアが突如後退したことにより、メガバズーカランチャーはやや狙いがそれて不発。敵の撤退を許してしまいます。全ての原因は、レコアの存在にありました。再び登場、メガバズーカランチャー。今まで何度か出てきたものの、あまり命中率が良くないので今回はどうなるかな…と思っていたら、またしても外してしまいました。不遇だなぁ、メガバズーカランチャー…。今回シャアが外してしまったのにはちゃんと理由があり、それは彼とカミーユが感じた謎の気配と、戦艦アレキサンドリアの突然の後退。どちらもその原因は、レコアの存在にありました。ティターンズに寝返ったレコアは、ガディのもとで今回の戦闘に参加。彼女はメガバズーカランチャーの存在に気づき、ガディに後退を進言。またシャアとカミーユは、死んだと思っていた彼女の気配を感じ取っており、これらがメガバズーカランチャーの発射に影響を与えていました。死んだはずのレコアの気配をなぜ感じたのかと、不思議がるカミーユ。エゥーゴがレコアの生存&ティターンズへ寝返りを知るのは、もう少し先のことになりそうですね。
第39話「湖畔」
1985年11月30日放送
登場した敵他:ハイザック・カスタム、ガザC
「無謀な!中立コロニーで、ゲリラ戦をしようというのか!?」
STORY:サイド2の13バンチコロニーに、修理と補給のため寄港した戦艦アーガマ。その間カミーユたちは、シンタとクムのお守りを兼ねた休みをもらうが、そんな中で出会ったのは、カミーユの妹を自称するロザミアという女性だった。彼女もつれて観光を楽しむ彼らだったが、宇宙ではティターンズのゲリラ戦が展開されており、百式がそれに遭遇してしまう。やがて、偶然居合わせたハマーンたちの誤解もあり、事態は難しい方向へ向かってしまう…。
ストーリー展開の都合上、Ζガンダムが一切登場しない異色の一編。強化人間であるロザミアの再登場と、次回より本格的に動き出すグリプスの描写がその中心であり、全体的に落ち着いた雰囲気が流れています。しかしその分、後半からの戦闘の展開が迅速。ハマーンらアクシズが居合わせたことにより、ただのティターンズのゲリラ戦が複雑な要素を持つようになり、少しややこしい事態へと発展していくのが面白いです。
シャアの演説を受け、旗色が悪くなってきたティターンズ。早急にエゥーゴを叩く必要があると考えたジャミトフとバスクは、コロニーレーザー:グリプス2の開発を急がせることを決断。さらに、シロッコを戦艦ドゴスギアから降ろさせ、バスクが自らそれに乗り込み、戦艦アーガマを叩くことになります。これに伴い、シロッコは「ゼダンの門(かつてのア・バオア・クー)」の警備に当たることになりますが、彼が特に文句を言うことなどはありませんでした。第37話におけるシャアの演説は、やはりティターンズの支持の低下を招いたようで、珍しくジャミトフもバスクも焦り気味。彼らの様子から、いかにティターンズが追い詰められているかがわかります。そんな彼らが打ち出したのが、エゥーゴを叩くための、戦艦アーガマの破壊とグリプス2の開発。戦艦アーガマを叩くためには戦艦ドゴスギアの力が必要と考えたバスクでしたが、シロッコが信用できないため彼を別任務に転任させ、自らが戦艦ドゴスギアに乗ることにするのでした。戦艦ドゴスギアにこだわるバスク。戦艦アーガマを落とすためなら戦艦アレキサンドリアとかでもいいじゃないか…とも思いましたが、戦艦アレキサンドリアはきっと別空域を航行中で、すぐにこちらまで引き戻せなかったんだろうなぁ。こうしてバスクは戦艦ドゴスギアに乗ることになり、シロッコは艦を降りることが決定。彼は新たにゼダンの門の警備任務を与えられますが、それに対し一言も文句を言うことはありませんでした。バスクの狙いが自分外しにもあることは、シロッコもすべてお見通し。やっぱり、バスクよりシロッコの方が一枚上手ですね。
修理と補給のため、中立地帯であるサイド2の13バンチコロニーに寄港した戦艦アーガマ。この時間を利用して、カミーユとファは、シンタとクムのお守りを兼ねた休暇を出されます。13バンチコロニーを観光する彼らでしたが、突然カミーユのことを兄と呼ぶロザミアという女性が出現。当然そのことを否定するカミーユでしたが、ずーっとついてくるためやむを得ず一緒に観光を続けることにするのでした。サイド2の13バンチコロニーは、中立地帯。内部には農業プラントや観光地が広がっており、多くの人でにぎわっていました。『Ζ』の世界って、けっこうこうした中立地帯コロニー多いよね。基本的に農業関係や観光業関係があるところは、(特に前者は)人の生活にも密接にかかわるため、中立地帯扱いしているのでしょうか。そんな13バンチコロニー内で、観光を楽しむカミーユたち。アルプス山脈のような環境が作られた地域を訪れ、思いきり楽しみますが、その時突然カミーユを兄と呼ぶ女性が現れます。彼女の名はロザミアでした。実はこのロザミア(ロザミィ)、アムロ登場編(第14話頃)でギャプランを操縦していたあのロザミアと同一人物。すっかり性格が変わっているのでしばらく気づきませんでしたが、その名前と特徴的な髪の色から、同一人物であることは間違いありません。ティターンズの強化人間改造や精神操作は、ここまで人間を変えてしまうのか…。そんな彼女は、本気でカミーユを兄だと思っているらしく、カミーユと一緒に写った写真も所持。幼馴染であるファも最初はかなり反論していましたが、ロザミアがあまりにもしつこいせいか、次第にそのトーンは弱まっていくのでした。悪い人には見えないけれども、怪しさMAXのロザミア(現にティターンズの人間なんだけど)。彼女がカミーユを兄と思い込んでいる理由は…。
13バンチコロニー周辺における、エゥーゴ機連続撃墜事件を調査していたシャア。その犯人は、ティターンズのハイザック・カスタムで構成されたゲリラ部隊でしたハイザック・カスタム隊の攻撃を巧みに回避するシャアでしたが、流れ弾がコロニーに着弾し被害が発生。さらに、あろうことかハイザック・カスタム隊はコロニー内に侵入し、シャアはやむを得ず中立地帯での戦闘を強いられます。2機のうち1機は撃破したものの、もう1機はカミーユたちのいる地域へ逃亡。シャアは百式で追いかけます。13バンチコロニー寄港後は平穏だったかに見えたエゥーゴですが、実はその周辺でエゥーゴ機が連続して撃墜される事件が発生。既に9機もやられており、シャアが百式で調査に乗り出します。突き止めた犯人の正体は、ティターンズのハイザック・カスタム隊でした。ハイザック・カスタム隊は、戦艦アーガマが13バンチコロニーに寄港してからずーっと農業用コロニーの一角に潜伏。単独で行動しているエゥーゴのモビルスーツなどを密かに撃破し、じわじわと被害を出していました。ティターンズがエゥーゴを叩きたいのはよくわかるのですが、今回のこの作戦を立てた理由がイマイチよくわからないんだよなぁ。たしかに、中立地帯での戦闘はご法度なので「バレないように戦う=ゲリラ戦を展開する」というのは理解できますが、そのやり方が「通りがかったエゥーゴ機1機ずつ撃破する」って、えらく気の長い作戦じゃないか!?大規模攻撃に打って出れないのはわかるけど、それなら「ドックに侵入して戦艦アーガマに爆弾を仕掛ける」とかの方が効率的なんじゃないかなぁ。このような作戦を展開するティターンズですが、シャアの百式によりそれがバレてしまうことに。ハイザック・カスタム隊が抵抗してきたことにより、やむを得ず戦闘に突入するシャアでしたが、それは主にハイザック・カスタム隊のせいでどんどん悪い結果を生んでいきます。ハイザック・カスタム隊は、百式を撃ち損じてコロニーを誤って損傷。これだけならまだマシですが、あろうことかその後コロニー内に自ら逃げ込み、戦闘を展開した挙句さらに被害を出すという悪手を打ちます。ティターンズの支持をさらに低下させかねない行動。本当にコイツら、何がしたかったんだ…?
カミーユたちと少し離れている間、ロザミア・シンタ・クムは、偶然この地を訪れていたミネバと遭遇。ボート遊びに興じます。そんな時に、シャアの百式とハイザック・カスタムが乱入。これらを偶然目撃したハマーンたちアクシズは、エゥーゴがミネバ誘拐を企んでいたと思い込み、ガザCで百式を攻撃します。百式はやむを得ず両方を撃破し、戦闘は終結。カミーユたちは、ロザミアを連れて戦艦アーガマに戻るのでした。なぜか13バンチコロニーに潜伏していた、ハマーンたち。彼女らがなぜここにいたのかは不明ですが、彼女らが存在し、そしてロザミアの行動やシャアたちの戦闘を目撃することで、3つの勢力がそれぞれ絡み合うややこしい方向へ向かっていくのが、お話を面白くさせてくれています。エゥーゴのことを誤解したハマーンの部下は、ガザCを出撃させ百式に応戦。シャアはやむを得ず、ハイザック・カスタムと併せてガザCも撃破し、撤収するのでした。シャアが戦艦アーガマに戻ると、そこにはカミーユたちの他に、ロザミアの姿が。うーん、疑いの目を捨てていないとはいえ、彼女を戦艦アーガマに乗せるのはマズいと思うんだけど…。
今回はここまで。次回は、第40話から第42話をご紹介予定です。『機動戦士Ζガンダム』。君は、刻(とき)の涙を見る―。
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☆ガンプラ Pick Up!
『Ζガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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