今回は、『機動戦士Ζガンダム』の感想記事第14回目です。
物語も、とうとう40話台に突入。最終回も近づいてきたことから、いよいよその展開に関わる単語や要素などが劇中でも登場し始め、それに比例して戦いの規模も大きくなっていきます。また、前回再登場したロザミアは、再びティターンズのもとへ。ああ、強化人間って、いろんな意味で不安定なんだなぁ…。
なお、前回(第37~39話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
第40話「グリプス始動」
1985年12月7日放送
登場した敵他:戦艦ドゴスギア、メッサーラ、パラス・アテネ、バーザム、ムサイ改
「なんで…生きてる間に、こんな出会い方をしなくちゃならないんです?敵になるっていうのは、殺し合うことでしょう!?」
STORY:グリプス2を完成させたバスクは、コロニーレーザーの発射実験を行おうとしていた。これに対し、グリプス2の偵察に向かったカミーユたちは、メッサーラとバーザム隊に遭遇する。バーザム隊を撃破した彼らだったが、メッサーラから感じた気配、そしてその通信から、そのパイロットがレコアであること知り、驚愕するのだった。やがて、コロニーレーザーがサイド2の18バンチコロニーに向けて発射。壊滅的被害を出し、それはカミーユたちを戦慄させるのだった…。
物語も40話台に突入。今回は、実はレコアが生存しティターンズに寝返っていたことをカミーユたちも知り、さらにコロニーレーザーによるティターンズの破壊活動を許してしまうというさまが描かれることになります。カミーユとレコアの1対1の会話シーンは、割と時間が長めに取られており、カミーユの大人になりきれないある種の優しさと、レコアの本心が丁寧に描写。そしてこのお互いに存在する優しさが、戦いのむなしさを引き立てています。
前回、戦艦アーガマにやってきたロザミア。彼女の無邪気な行動や情緒不安定さはさらに増しており、エマは彼女に疑いの目を向けるようになります。そんな中で、戦艦アーガマはグリプス2でのティターンズの動きをキャッチ。その調査を行うため、カミーユのΖガンダム、エマのガンダムMk-Ⅱ、アポリーのリック・ディアスが、それぞれ出撃していくのでした。初登場時点で少々おかしいところのあるロザミアでしたが、今回はそれがさらにヒートアップ。シンタとクムと遊ぶ際はまるで17歳とは思えないほどの幼稚さと無邪気さを見せ、カミーユたちを呆れさせます。このシーンで、エマはロザミアと初めて顔をあわせますが、あっという間に彼女から嫌われてしまうことに。まあエマはきつい性格だからね、ロザミアみたいな人からは間違いなく嫌われるよね…。そんなロザミアをファに任せたカミーユとエマは、作戦室へ。ブライトたちの説明もとにグリプス2の状況について把握し、コロニーレーザーについての偵察を行うことになり、彼らはそれぞれ自分の機体で飛び立っていくのでした。エマが今回偵察部隊に加わっているため、、久しぶりにガンダムMk-Ⅱが登場。大体6話ぶりくらいの登場でしょうか。
グリプス2付近に待機していた戦艦ドゴスギアは、接近して来る複数のモビルスーツ(Ζガンダムたち)を確認。シロッコの命令でこちらに来ていたレコアに、バスクから直々に出撃命令が下ります。レコアはメッサーラに乗り、バーザム隊とともに出撃。Ζガンダムたちと戦闘を繰り広げますが、やがてバーザム隊は全滅してしまいます。残るメッサーラを倒そうとするガンダムMk-Ⅱでしたが、メッサーラからレコアの通信が入ったことにより一瞬怯んでしまい、その逃亡を許してしまいます。Ζガンダムたちは、ダミー隕石を盾にして密かに接近していましたが、その存在自体はあっという間に戦艦ドゴスギアのレーダーでキャッチ。その後レコアたちが出撃し、レコアがΖガンダムの足がはみ出ているのを発見したのをきっかけに、その正体がバレて戦闘が勃発します。カミーユたちが戦闘に巻き込まれるきっかけが若干お粗末な気がしないでもないですが、その分Aパート後半で描かれているのが、レコアの心情。出撃前の彼女とシロッコとのかかわりや、出撃後Ζガンダムやリック・ディアスを発見した際に一瞬報告をためらうところなどから、彼女がティターンズに寝返った理由が垣間見えるのが興味深いです。彼女が寝返った理由は、ティターンズの思想に共感したというよりも、エゥーゴに自分の求める居場所もそれを慰めてくれる(癒してくれる)人間がおらず、いわば安息の地をティターンズに求めたからなんですね。立場は完全に敵側だけれども、その心は揺れ動き続けている―。ある意味中途半端になってしまっているレコアの立ち位置ですが、それがドラマに深みを与えていると感じますね。
カミーユのΖガンダムは、エマの指示でグリプス2方面へ直行。しかし、途中でメッサーラが追いつき、妨害してきます。Ζガンダムはビームサーベルで左腕を切り落としますが、その時レコアの通信が入り、彼女が生きていたこととティターンズに寝返ったことを知り驚愕します。2人は戦いをやめ宇宙空間で話し合いますが、それは決裂。レコアはグリプス2の情報をわざと漏らし、カミーユから離れていくのでした。宇宙空間で再会するカミーユとレコアこそ、今回最大の見どころ。レコアから見ればカミーユは非常に子供っぽい理屈を並べていますが、その純粋な優しさが、彼女の心を揺さぶります。カミーユは、レコアが自らの意思でティターンズに寝返ったことを信じることができず、「なんで…生きてる間に、こんな出会い方をしなくちゃならないんです?敵になるっていうのは、殺し合うことでしょう!?」や「僕じゃ不足でしょうけど、護るくらいのことならできます!それじゃいけないんですか!?」と発言。子供としてのカミーユの、マジメさや純粋さを強く感じる印象的なシーンです。でも、レコアにとってはカミーユの純粋さも、逆に負担になったんだろうなぁ…。結果的にカミーユとレコアの話し合いは決裂に終わってしまいますが、レコアは最後に「グリプス2のコロニーレーザーは完成した」という情報を残して撤退。これはフェイクではなく事実でした。あえてカミーユに事実を伝えたレコア。これは彼女の心がまだ揺れ動いているというよりも、彼女なりのカミーユへの優しさだったのでしょう。
戦艦アーガマに帰還したカミーユは、当初はレコアのことを言い出せなかったものの、最終的にはブライトなど一部の人間には話します。隠そうとしていたカミーユをエマが批判する一方で、シャアとブライトは彼経由でレコアがもたらした情報は真実と判断。戦闘態勢を急いで構築しますが、既にコロニーレーザーは実験発射段階に入っており、サイド2の18バンチコロニーに向けて発射。そこは壊滅的な被害を受け、カミーユたちはコロニーレーザーの威力に戦慄するのでした。戦艦アーガマに帰還したものの、なかなかレコアのことを報告できなかったカミーユ。エマがレコアの通信を聞いていたのをきっかけに、彼はついにその重い口を開きます。なかなか口を開かないカミーユに対し、未だかつてないくらいの苛立ちを見せたのはエマ。今までも彼女は彼をひっぱたくことはありましたが、今回は短時間に2回もひっぱたくという実力行使っぷりを見せています。しかもこれ、カミーユの考え方を正すというよりかは、カミーユに指摘されたことを言い返せなくてひっぱたいている感が否めないのが、何とも言えないんですよね。カミーユの論理も賛同できるものではありませんが、エマの反応は悪手だったように感じます。そんな2人を止めて、レコアのもたらした情報を信じることにした、シャアとブライト。戦闘態勢を整えますが時既に遅く、実験のためのコロニーレーザーが発射。それはサイド2の18バンチコロニーを直撃し、甚大な被害を出します。出力40%で、コロニー1個を完全に破壊してしまうコロニーレーザー。「いくらティターンズの支持が低下してるからって、力を誇示して制圧しようなんてムチャだ」と思ったけど、そういえばこの人たち、過去に毒ガス作戦とか何度もやって、あちこちのコロニー壊滅させてたね…。
第41話「目覚め」
1985年12月14日放送
登場した敵他:戦艦ドゴスギア、メッサーラ、ハイザック
「死んだら、許すも許さないもないだろう?」
STORY:バスクから、サイド2の21バンチコロニーへの毒ガス作戦の指揮を命じられたレコア。密かにエゥーゴが阻止するのを期待していた彼女だったが、戦艦アーガマはロザミアの起こしたトラブルのせいで出撃が遅れ、カミーユたちが駆けつけたのは、既に毒ガスが散布された後だった。失望するレコア、怒りに燃えるカミーユ。そんな中、突然ロザミアが、カミーユを追ってやってきた。そして戦いの中で、彼女は強化人間としての本性を表してしまう…。
ティターンズによる毒ガス作戦が敢行され、その中でロザミアの強化人間としての本性が覚醒してしまう一編。やむを得ない事情があるとはいえ、今回の戦艦アーガマは常に対応が後手後手に回る結果になってしまい、それがレコアの失望と、カミーユの怒りを生む結果になります。人の死や、人の心の変化にもスポットが当てられており、ここら辺が丁寧なのは、最終回の展開に向けてなのかなぁ…とも感じました。
シンタとクムの説得をもってしても、なかなか検査を受けようとしないロザミア。彼らからの呼び出しを受けたカミーユは、直接ロザミアを説得し、何とか彼女に検査を受けさせることに成功します。同じ頃、ティターンズの戦艦ドゴスギアでは、レコアがバスクに呼び出されており、サイド2の21バンチコロニーへの毒ガス散布作戦の指揮を拝命。しかし、内心彼女にはこの作戦に抵抗がありました。ロザミアの情緒不安定さは、回を重ねるごとにひどくなっていく一方。今回はシンタとクムがむしろ彼女のお守り役となり、検査を受けさせようと必死に説得します。Aパート前半では、なかなかの活躍を見せるシンタとクム。この時点では「やるじゃないか」と思いましたが、のちのちロザミアとともにトラブルも起こしてるので、プラマイゼロになっちゃった感があるなぁ。もったいない…。一方同じ頃、レコアはバスクに呼び出され、サイド2の21バンチコロニーへの毒ガス散布作戦の概要説明を受けることに。彼女はその指揮を任されることになり、内心迷いを生じさせながらも、それを引き受けることを決めます。レコアのティターンズへの忠誠心を試すために、あえて様々な意味で危険な任務を命じたバスク。ここで彼が「ティターンズも平和のために戦っているのだ」と発言しているのが、悪い意味で印象に残ります。どの面下げて言ってるんだよって感じですよね。そんなバスクの命令を受けるレコアですが、彼女がティターンズに寝返ったのはその思想に共感したからではないため、心の中では迷いが。彼女は密かに、「エゥーゴが食い止めてくれる」と願っていました。
ティターンズの不審な行動を察知し、戦闘態勢に入る戦艦アーガマ。ロザミアの検査を担当するハサン医師からその進捗状況を聞いたカミーユは、その後Ζガンダムに乗り込みます。いよいよ出撃の時が迫りますが、ロザミアがシンタとクムにそそのかされ、勝手に医務室から脱走。その捜索にシャアが駆り出されることになってしまい、カミーユたちはエマの指揮のもと、不完全な状態での出撃を余儀なくされてしまいます。そしてこうしている間も、ティターンズの作戦は進み続けていました。カミーユの説得により、なんとか最後まで検査を終えたロザミア。ここまではいいのですが、その後「自分はモビルスーツを操縦できる」という発言をきっかけにシンタとクムにそそのかされてしまい、ネモを強奪して出撃しようとしてしまいます。シンタとクムの行動の原因は、いたずら等ではなく、純粋にカミーユたちに加勢したかったから。しかしそれは、彼らの足を引っ張るという真逆の結果を生み出します。Aパート前半ではいい活躍見せたのに、このシーンでの彼らは完全に大失態をやらかしてるよなぁ。悪気はないのは間違いないですが、カミーユたちの言いつけは聞かないわシャアたちを翻弄するわ、しかもこれが結果的にエゥーゴの作戦の足まで部分的引っ張ることになるわでいいことなしです。今回ばかりは自習室送りにした方がよかったんじゃねぇのかなぁ…。このような状況で、出撃を余儀なくされたカミーユたち。全速力で21バンチコロニーへ向かいますが、その際カミーユとファは、猛烈な不快感を覚えます。そう、もう21バンチコロニーは…。
21バンチコロニー上空に到着したカミーユは、G3ガスのタンクを発見し破壊。しかし、既にガスは注入された後でした。レコアはその状況に戦慄しますが、ハイザックを撃破しつつ自分のメッサーラに迫るΖガンダムを前に、エゥーゴへの失望を込めて応戦。やがて、ロザミアのネモを追いかけてきたシャアの百式とも戦います。ロザミアのネモに少し助けられたΖガンダムは、そのまま21バンチコロニーに突入。逃げ込んだハイザック隊を探します。Bパート前半で特に注目したいのが、ティターンズの作戦に対するレコアの戦慄と、エゥーゴの対応の遅さに対する彼女の失望。この二重の感情が、彼女をより過激な方向へと向かわせます。カミーユとの通信でもろくに話を聞かず、自分の理論を振りかざして戦いに没頭していくレコア。ここでの彼女は、ティターンズに対してもエゥーゴに対しても、その信頼を失ったのでしょうね。ということは、もう彼女が心のよりどころとすべきなのは、シロッコしかいないということなのか…。そんな彼女に対し、カミーユは、Ζガンダムで応戦。途中一時的に劣勢になりますが、ネモで追いかけてきたロザミアのおかげで巻き返します。やがてΖガンダムは21バンチコロニーへと突入し、シャアの百式が代わりにメッサーラに応戦。しかし、彼のビームライフルはなかなかメッサーラに当たらないのでした。命中率の悪さに困惑するシャア。もちろん彼の中にある心の迷いもあるだろうけど、それ以前に機体の性能差も大きくかかわってると思うぞ…。
21バンチコロニーに突入した、カミーユのΖガンダム。そこで彼は、怒涛の勢いで残っていたハイザック隊を次々に撃破していきます。しかし、21バンチコロニーの惨状とΖガンダムの戦いは、ロザミアの中に眠っていた強化人間の本性を表させ、彼女はネモに乗り込み、敵としてカミーユの前に立ちふさがることに。その直後バスクから撤退命令が出たことで、彼女はレコアたちとともに戦艦ドゴスギアへと戻っていくのでした。21バンチコロニーに入った後のΖガンダムは、まさに獅子奮迅の活躍。コロニー内は既にG3ガスのせいで壊滅していたこと、そしてカミーユ自身が激しい怒りに駆られていたことが、Ζガンダムにそうした戦い方をさせていました。Ζガンダムはいくつもの戦いを潜り抜け、その中でカミーユが怒っていることも多々ありましたが、今回は今までで一番荒っぽい戦い方をしていたのではないでしょうか。戦闘パートの時間自体が短いこともあり、よりカミーユの怒りが引き立っていたと思います。こうして戦いを終えたカミーユは、ネモから降りて待機していたロザミアのもとへ。しかし彼女は21バンチコロニーの惨状とΖガンダムの戦いを見て、自分の正体=ティターンズ所属の強化人間であること思い出し、覚醒。ネモに乗ってカミーユの前に立ちはだかり、そのまま去ってしまいます。レコアが離れ、さらにロザミアも離れてしまうことになってしまったカミーユ。さらに「大多数の人の死」を目撃した彼の心は、どんどん不安定になっていきます。
第42話「さよならロザミィ」
1985年12月21日放送
登場した敵他:戦艦ドゴスギア、サラミス改、バウンド・ドック、バーザム、ハイザック
「なぜだ…。誰が君をそんな風にしたんだ?もう、アーガマには帰ってこないのか?」
STORY:グラナダがティターンズへの徹底抗戦の構えを見せる中、入手した情報を頼りに、サイド2へと向かったカミーユたち。そこにはティターンズの艦隊がおり、またも毒ガス作戦を観光しようとしていた。出撃し戦闘を繰り広げるカミーユたちだったが、その中でカミーユは、見慣れない機体を発見。中から感じた気配とその通信から、パイロットがロザミアであることを知る。彼女を正気に戻そうとするカミーユだったが、サイコミュシステムがそれを許さなかった…!
前回、カミーユ達の前から姿を消したロザミア。今回はそんな彼女が彼らの前に明確に敵として現れ、新型モビルアーマー:バウンド・ドッグを駆り、Ζガンダムの前に立ちはだかります。ロザミアを前にしたカミーユの葛藤も注目すべき点ですが、驚くべきなのは、今回の一連の事件および作戦が、すべてティターンズのエゥーゴ陽動作戦に過ぎなかった点。ティターンズの目的が、打倒エゥーゴからスペースノイドの殲滅(?)に移行しかけている点も見逃せません。
ロザミアの検査結果から、彼女が強化人間であることを改めて思い知らされたカミーユたち。その後彼らは、つかんだ情報をもとに、サイド2へ向かいティターンズの艦隊との戦闘準備に入ります。同じ頃ティターンズ側では、バスクがある作戦を計画中。ティターンズに戻ったロザミアは、同じ強化人間であるゲーツ・キャパとともに、バウンド・ドックの訓練に励んでいました。ロザミアの検査結果を発表するシーンで、初めて強化人間が具体的にどんな強化をさせられているのかが判明。ロザミアの場合、対放射能特性や神経系が改造されており、その方法は薬物投与によるもの。見た目では判別できませんが、彼女は想像を絶するくらい薬漬けの状態でした。強化人間への改造って、やっぱりドーピング的な感じでやってるんですね。ティターンズの研究班は「強化人間は精神的に不安定なのが欠点」とか言ってたけど、それ完全に薬物過剰投与の影響なんじゃないかな?あ、でも天然の(?)ニュータイプであるカミーユとかも精神面では若干不安定だし、もしかしてニュータイプと精神の不安定さって密接な関係があるのか?まあそれはさておき、こうした話を踏まえ、カミーユたちは会議室に移動。先にブライトやヘンケンが集まっており、戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュは。サイド2へ針路を取ることに決定します。ティターンズがサイド2へ攻撃を仕掛けるという情報をつかみ、コロニーを守るべく急行するカミーユたち。サイド2、いくらなんでも狙われすぎでしょ…。
エゥーゴの本拠地:グラナダで、コロニーレーザー攻撃に備えた市民の避難が行われていた頃、サイド2の空域に到達したカミーユたち。そこで彼らは、大量のG3ガスのタンクを輸送するハイザック隊を目撃します。出撃したカミーユたちは、ガスタンクやハイザック隊、バーザム隊を次々に撃破。しかし、見慣れない機体がΖガンダムの目の前に現れた時、カミーユは強い気配を感じるのでした。グラナダにはエゥーゴの本拠地があり、当然ティターンズのコロニーレーザー(グリプス2)に狙われてもおかしくない都市。市内の避難設備は完成しており、多くの市民が既に避難を完了しましたが、一方で「ティターンズへの徹底抗戦」を掲げあえて避難しない市民たちもいました。なかなかの気概を見せる一部の市民たち。これに対して、市長などの上層部は相変わらずおどおどしっぱなしでした。なんで市民より中枢部である市長たちの方が頼りないんだよ?まあ市長の方は、部下から「ティターンズに降伏しましょう」といわれても突っぱねてたから、若干成長したといえなくもないけど…。同じ頃、サイド2の空域にカミーユたちは到着。カミーユはΖガンダム、シャアは百式、エマはスーパーガンダム、ファはメタスでそれぞれ出撃。その直後彼らが目撃したのは、大量のG3ガスのタンクを輸送するハイザック隊と、その護衛に当たるバーザム隊でした。G3ガスのタンクを運んでいることから、ティターンズが禁忌の毒ガス作戦を敢行しようとしているのは明らか。もう堂々とやってるあたり、国際条約違反という批判とか市民からの反発とかは、一切気にしてないんでしょうね。なんかティターンズがより暴走してきちゃってる印象だなぁ。そんなガスタンクは、シャアなどの活躍により次々に撃破or使用前に停止。最悪の事態は回避されます。
バウンド・ドックから、知っている気配を感じ取ったカミーユ。その後入った通信で、そのパイロットがロザミアであることを確信します。最初こそ打倒Ζガンダムに燃える彼女でしたが、カミーユの説得により落ち着きを取り戻し、流れ弾により空いた穴から13バンチコロニーに侵入。お互いモビルスーツから降り、カミーユはロザミアを戦艦アーガマへ連れ戻そうとします。一方シャアは、その13バンチコロニーに穴が開いているのを目撃し、ミネバのことを心配して潜入。彼女がハマーンとともに脱出したことを知り、安心します。バウンド・ドックに搭載されたサイコミュシステムの影響もあり、現れた当初は敵意むき出し。しかし、カミーユの説得でじょじょに落ち着きを取り戻していきます。個人的にちょっと見逃せなかったのは、この時のロザミアがΖガンダムを敵として認識している一方で、カミーユが兄であるという認識もまだ残っている点。つまり、この時点での彼女は「Ζガンダムのパイロット=カミーユ」という認識が、まだできてないということがわかります。普通ならニュータイプ研究所か訓練の過程で教えられそうなもんだけど、ティターンズはあえて伏せ続けていたのでしょうか。その割には「カミーユは兄」という偽の記憶を植え付けてるし、よくわからんな…。とにかく、カミーユの説得で落ち着いたロザミアは、流れ弾で空いた穴から、Ζガンダムとともに13バンチコロニーへ。かつて(第39話)で訪れた湖のほとりで、2人は再会します。このまま精神が安定し戦艦アーガマに戻るのかと思われたロザミアですが、カミーユがその話を切り出したり、バウンド・ドックから引き離そうとしたりした際、彼女は激しくおびえるのでした。
ロザミアの精神も落ち着き、気を許すカミーユ。しかしその時、ゲーツの乗るバウンド・ドッグが現れ、ロザミアの精神を刺激。彼女は再び強化人間としての人格に支配されてしまいます。バウンド・ドックに乗り暴れる彼女を前に、カミーユはΖガンダムに乗り込むも発砲できずじまい。シャアの百式の助けを借りて撤退し、その後ロザミアたちにも、バスクから撤退命令が出るのでした。同じ強化人間であるゲーツが乗っていたのは、白いバウンド・ドック。色的に試作機なのでしょうか。それとも、バウンド・ドックは他の機体と違って、専用機ごとに全部カラーを変えてるのかな?そんなゲーツにより強化人間として再び目覚めてしまったロザミアは、カミーユのことも認識できなくなり、バウンド・ドックに乗って大暴れ。カミーユもΖガンダムで応戦を試みますが、どうしても発砲することができませんでした。強化人間としての人格が出てきた際、通常時の記憶を一切忘れ、戦いに没頭してしまうのはフォウと同じ。しかしロザミアの場合、それにプラスして凶暴性が増しているため、より厄介な敵になっています。さらに普段は今まで述べてきたとおり子供っぽい性格で下から、カミーユにとってはこの戦いはとてもやりづらかったろうなぁ…。結局、サイド2での戦いは、双方に撤退命令が出たことで終息。ティターンズの毒ガス作戦を阻止したのでエゥーゴの勝利…かと思われましたが、それは大間違い。実は今回の一連の作戦はバスクの陽動作戦にすぎず、本命であるグラナダへのコロニーレーザー発射準備は、着々と進められていました。囮作戦として毒ガス作戦をわざわざ計画するなんて、スケールがデカすぎるぞおい!
今回はここまで。次回は、第43話から第45話をご紹介予定です。『機動戦士Ζガンダム』。君は、刻(とき)の涙を見る―。
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☆ガンプラ Pick Up!
『Ζガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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