お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Ζガンダム』ちょっとした感想 Ζ-10(第28~30話)

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今回は、機動戦士Ζガンダム』の感想記事第10回目です。

 

物語を折り返し地点を過ぎ、後半戦に突入。今回は、単発回を挟みつつ、エゥーゴ側のレコア、そしてティターンズ側のジェリドが、それぞれ重要な経験をする一編が出てきます。登場人物たちの揺れ動く心に着目してドラマを生み出しているのが、とても興味深く感じました。

 

なお、前回(第25~27話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第28話「ジュピトリス潜入」

1985年9月14日放送
登場した敵他:戦艦ドゴスギア、木製輸送船ジュピトリス、ハイザックメッサーラ

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「あの男…、私の正体を知っているの!?」


STORY:シロッコの脅威を問題視していたブライトたちは、彼の乗るジュピトリスにスパイを送り込む作戦を発案。そのスパイ役に志願したのは、レコアだった。カミーユたちの心配をよそに出撃していく彼女は、上手く潜り込むことに成功するが、シロッコとの出会いがその心をざわつかせる。一方、レコアの後方支援に当たるカミーユΖガンダムは、サラのメッサーラの襲撃を受ける。カミーユとレコアは、無事生還することができるのだろうか?


戦艦アーガマの諜報担当として、ジャブロー潜入などの危険な任務をこなしてきたレコア。今回は彼女が主役となり、シロッコのもとへの潜入と、シロッコに心動かされるさまを描いた一編です。Ζガンダムメッサーラの戦闘も描かれますが、ストーリーにはあまり関係ない戦闘。今後のレコアがティターンズに寝返る展開を見据え、そのキッカケを描く一編になっていました。


戦艦アーガマ内で広がる、ジュピトリスへの潜入作戦と、その担当がレコアであるという噂。その真偽を確かめるべく、カミーユはレコアに会います。自ら志願し、そしてやる気に満ち溢れているレコアに対し、カミーユはなんとかこの任務から降りるよう説得。しかし、彼女はそれを聞き入れず、ファもカミーユを抑えようとします。彼がレコアを引き留めようとする理由は、ある一抹の不安があったからでした。アポロ作戦で戦果を挙げるなど、戦艦アーガマ内でもその脅威が知られつつあるシロッコ。彼とその船:ジュピトリスを調べるための潜入作戦が立案され、レコアがこれに志願します。今回のエゥーゴの作戦は、敵を知るといううえで必要な作戦。でも、そのスパイとしてレコアをチョイスするのはどうなのかなぁ。確かに彼女は諜報担当だし、自ら志願したけど、ジャブロー潜入作戦の時に捕まって顔がバレているはずなんだけど…。そんな彼女を一番心配し、そして危惧しているのはカミーユ。彼はレコアに直接会って説得したり、それに反対するファと口論してもレコアを止めようとしたりするなど、なんとしても彼女のジュピトリス行きを止めようとします。カミーユがここまで引き留めにこだわったのは、彼女の戦いに向かおうとする意識を危険視したため。のちの展開から考えるに、レコアがシロッコと会うことに強い危機感を覚えていたのでしょうか。


レコアはモビルスーツマニアとして、改造したゲルググに乗ってジュピトリスへ出発。カミーユΖガンダムが後方支援に回り、さらにブライトの指示で、ファのメタスが遅れて出撃します。ファはブライトたちの指示に不満を持ちながらも、しぶしぶ出撃。一方のティターンズ側では、戦艦ドゴスギアがモビルスーツゲルググ)1機を捕捉。シロッコの役に立ちたい一心のサラは、ほぼ独断でメッサーラに乗り出撃します。レコアの設定は、サイド2コロニー在住のモビルスーツマニアというもの。のちに彼女がジュピトリスに着艦した際に、ゲルググに乗っていること自体を不審がられることはありませんでしたから、『Ζガンダム』の世界ではこうしたマニアが実際在し、そして認知されていることが窺えます。さて、そんな彼女の後方支援に回るのが、カミーユとファ。特にファは、ブライトから指示されたことによる、不本意な出撃でした。カミーユがレコアを引き留める理由を、「女であるから」にあると勝手に思い込んでいたファは、当初はカミーユが後方支援に回ること自体に反発。レコアを1人で行かせるべきだと主張しますが、シャアの言葉とブライトの出撃指示で、何とか落ち着きます。カミーユもアレだけど、ファもどことなく思い込みの激しいところがあるよなぁ。今回のカミーユの行動に、レコアが女性だからなんて理由はこれっぽっちもなかったのに…。


ジュピトリスに着艦したレコアは、思ったよりもスムーズに潜入することに成功。彼女はモビルスーツの開発現場などを見回って情報を集め、その中でシロッコと初めて出会います。二言三言会話しただけなのに、彼女は彼に対し、引き込まれるような感覚を覚えるのでした。同じ頃カミーユΖガンダムは、サラのメッサーラと交戦中。シロッコの役に立ちたいというその気迫の前に、意外にもピンチに陥ります。身体検査もクリアし、何の疑いもなくジュピトリス内に立ち入ることができたレコア。ちょっとうまくいきすぎてて、地球連邦軍の一般兵士たちのセキュリティがガバガバすぎるなとも感じちゃいました。そんな一般兵士たちに対し、驚くべき鋭さを見せたのがシロッコ。彼はレコアと偶然出会ってから一言会話したのち、反発されて頬を平手打ち。その後、彼女の内面を見透かすかのように質問をして、去っていきます。シロッコはこの時点では何も言っていませんでしたが、後の描写から、この時点でレコアがエゥーゴのスパイであると気づいていたのは明らか。彼には、人の心の内面を見透かす能力でもあるのでしょうか…?一方の宇宙では、カミーユΖガンダムがサラのメッサーラと交戦中。カミーユメッサーラに乗っているのがシロッコではないと気づきますが、また違った気迫の前に、ピンチに陥ります。サラの攻撃の前に苦戦を強いられるΖガンダムメッサーラの攻撃力は確かに強いけど、ここまで押されるとは思わなかったなぁ。そういえばビームサーベルを吹っ飛ばされてたけど、Ζガンダムって手持ち武器を吹っ飛ばされたり破壊されたりするの、多いよね。


ピンチに陥るΖガンダムでしたが、ここでファのメタスが応援に駆け付けたため、難を逃れることに成功。ビームサーベルメッサーラの脚部を破壊し、撤退に追い込みます。潜入任務を終えたレコアも、管制官を気絶させムリヤリハッチを開き、ゲルググで脱出。カミーユたちと合流し、3人は無事戦艦アーガマへ帰還します。集めた情報をまとめ、ブライトに手渡すレコアでしたが、どうしてもシロッコのことを報告できずにいました。Ζガンダムのピンチを救ったのは、ファのメタス。今までは戦闘の足を引っ張り気味だった彼女が、今回大活躍することになりました。戦闘スタイルはかなりムチャやっているところもありましたが(メッサーラに馬乗りになるなど)、よく頑張っていたなぁと感じましたね。また、ジュピトリスにいたレコアも、管制室を占拠してハッチを開け、ゲルググで脱出することに成功。今回の潜入作戦は完全成功に見えましたが…。レコアも無事脱出に成功しますが、それをシロッコが知らないはずはなし。彼は、「スパイ1人にかまってられない」としてわざとレコアを逃がしますが、同時に「好きになれそうだ」とも発言。この時点で彼は、彼女がシロッコ側に寝返ることを予想していたのでしょうか…。そんなレコア自身も、ブライトにモビルスーツの開発現場の様子を伝えますが、シロッコがその場にいたことまでは伝えられず。シロッコの存在が、彼女の心に入り込んできていることがよくわかります。

 

 

 

第29話「サイド2の危機」

1985年9月21日放送
登場した敵他:戦艦アレキサンドリア、ガブスレイ、ハイザック

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「俺は死んでいった者たちに代わって、怨念返しをするだけなんだ!」


STORY:エゥーゴの勢いを食い止めたいティターンズは、見せしめにするために親エゥーゴ派のコロニー:サイド2の攻撃作戦を立てた。そこで使用されるのは、禁忌とされる猛毒のG3ガスだ。ティターンズの襲撃を知りサイド2の上層部で混乱が起きる中、同じく情報をキャッチしたブライトたちは、現地へ向かう。そして、出撃するカミーユたち。彼らは、このティターンズの卑劣な作戦を阻止することができるのだろうか?


Ζガンダム』の世界でも、親エゥーゴ派と親ティターンズ派のコロニーがあるらしく、サイド2は前者に当たるコロニー。今回は、ティターンズエゥーゴの勢いとその支持を抑え込むために、半ば見せしめの形でサイド2を襲撃するお話です。やろうとしていることは壮大ですが、作戦の意図が劇中からはイマイチわかりにくいうえに、肝心の作戦自体も割とあっさり失敗。お話もほぼ単発回のノリで全体ストーリーに絡むことはほとんどなく、ティターンズもなんか無駄な骨折ったなぁって感じでした。


ティターンズの活動も落ち着いており、戦闘の無い日が続く戦艦アーガマ。ファを除くカミーユたちパイロットは、モビルスーツの整備に勤しんでいました。その中でファの姿が見えないことに気づいたカミーユは、彼女がいるという風呂場へ直行。そこには、シンタとクムの世話で四苦八苦するファがいました。一方艦橋では、ブライトが戦艦アレキサンドリアの不審な情報を知らされており…。Aパート前半で描かれるのは、戦いの無い日の戦艦アーガマの日常。カミーユなどはモビルスーツの整備を行い、ファはクワトロ=シャア離脱後のシンタとクムの面倒を見ていました。今回のお話には直接関係ない描写が続きますが、こうした描写こそ、各キャラクターの性格やしぐさ等が如実に出る面白いパート。決して見逃すことはできません。特に、カミーユが風呂場に入ろうとした際のファとのやり取りが面白かったなぁ。ここ最近はギスギスしていた彼らですが、今回は第1話のような、いやそれ以上の仲の良い幼馴染っぽいやり取りを披露。シンタとクムの面倒を見ることを通じて、ファも人間性を取り戻してきたみたいですね。こうしたほんわかするシーンが続きますが、それに水を差すように出てくるのが、戦艦アーガマの諜報班がつかんだ情報。それは戦艦アレキサンドリアが行動を開始し、毒ガス補給船との接触をしたというものでした。現実世界と同じく、戦争における毒ガスの使用は国際条約により禁止されている『Ζガンダム』の世界。しかし、ティターンズはそんなことお構いなしのようです。まあ、彼らは過去にサイド1の30バンチコロニー事件(第6・7話)を起こしてるからなぁ…。


G3ガスの散布作戦が決まった戦艦アレキサンドリアでは、ジェリドがその指揮を任されることに。彼は全員に向かって作戦概要を説明しますが、その最中自ら作戦を降りたヤザンが乱入してきます。その後、作戦の実行段階に入った戦艦アレキサンドリアは、隕石にカモフラージュしてサイド2へ侵攻。これを知ったサイド2の上層部はパニックに陥り、錯乱した市長はティターンズへの降伏を要望します。禁忌ともいえる毒ガス作戦の指揮を執るのは、あのジェリド。彼もえらく出世したなぁと感じると同時に、ちょっと意外だなと感じました。この毒ガス作戦は、直接エゥーゴを倒すものではなく、しかも卑怯な作戦。Ζガンダム等との直接対決を望む彼のポリシーに反するものですからね。でも彼、説明の中で「この戦争を終わらせるために必要な犠牲」とも言っていましたから、この作戦で成果を挙げて成り上がり、またそれによって憎きエゥーゴを倒すきっかけにしようとしていたんでしょうね…。そんなジェリドに対し、自分のポリシーを変えずに作戦を降りたのはヤザン。今回の彼の出番はこのシーンのみですが、こちらは非常に彼らしいなと感じました。そんなジェリドの説明も終わり、戦艦アレキサンドリアは侵攻を開始。これを知ったサイド2上層部はパニックに陥り、ティターンズへの降伏へと舵を切ろうとします。サイド2の上層部には早い段階から情報が行っていたようで、戦艦アレキサンドリアの侵攻開始時点で、市長自らが管制室で指揮を執っている最中。しかし、刻一刻と迫る毒ガス攻撃と、数千万人の市民の安全という二重の重圧の前に、彼はパニックになっていきます。途中からいきなりティターンズに降伏するしか道はないとし、意見する職員には部下に発砲させて黙らせる強硬手段を取る市長。ああ、こりゃダメだ…。


ティターンズはサイド2の降伏無線を受信していたものの、それを握りつぶして侵攻。ジェリド率いるガブスレイとハイザック隊が出撃し、サイド2の25バンチコロニーにG3ガスのタンクを設置します。その時、ようやく戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュが、サイド2の空域に到達。戦艦アーガマからカミーユΖガンダムとレコアのメタスが出撃し、その後戦艦ラーディッシュからは、エマのガンダムMk-Ⅱとカツのネモが出撃します。サイド2の市長からの、降伏の無線を確認していた戦艦アレキサンドリア。しかし、彼らは既にサイド2がティターンズ側につくかどうかよりも、この作戦を通じてエゥーゴへの支持を弱めることを優先事項としていたため、それを握りつぶして侵攻を続けます。このシーンにおけるガディたちは、本作戦の正当性を自分自身にも言い聞かせるような感じで発言・行動をしており、ちょっと常軌を逸した感じに。彼らも追い詰められていることが窺えます。こうして、降伏無線も握りつぶされピンチのサイド2ですが、そこにようやく駆け付けたのが戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュ。それぞれΖガンダムモビルスーツ部隊を出撃させ、ティターンズの作戦阻止を図ります。Ζガンダムは今回、初めてハイパーメガ・ランチャーを装備して出撃。ロックオンできるかどうかのギリギリの超遠距離射撃で、戦艦アレキサンドリアを撃ち抜き、そのカモフラージュを破壊していたのには素直に「スゲェ!」って思いました。


Ζガンダムは、ジェリドのガブスレイに捕まりそのまま彼との一騎討ちへ。さらにマウアーのガブスレイも加勢し、ピンチに陥ります。一方のエマたちは、順調にハイザック隊を撃破してG3ガスのタンクへ接近。ネモで出撃していたカツが、とうとうその撃破に成功します。勢いづいたカツは、そのままΖガンダムのもとへ駆けつけ、脱出をアシスト。彼らを追おうとするマウアーでしたが、作戦失敗を悟ったジェリドは、それを引き留めるのでした。Bパート前半ではハイパーメガ・ランチャーによるファインプレーを見せたΖガンダムですが、今回におけるその後の活躍はあんまりいいところなし。鬼気迫るジェリドの攻撃にディフェンサーをやられ、また肩関節部に張り付かれたことで一時的にハイパーメガ・ランチャーのトリガーを引けなくなる事態に。その後その状態を脱しますが、ハイパーメガ・ランチャーが弾切れを起こし、さらにはマウアーも襲ってくるためピンチに陥ります。ジェリドが今回かなり気合を入れていたということもあるとはいえ、かなり追い詰められてしまった感のあるΖガンダム。なんだかカミーユガンダムMk-Ⅱに乗ってる時よりΖガンダムに乗ってる時の方が、ピンチに陥る確率高くないか?その一方で、目覚ましい活躍を見せたのがカツ。彼はハイザック隊の防衛ラインを突破して、G3ガスのタンクを破壊。さらにΖガンダムのもとに駆け付けてその脱出をアシストし、カミーユを救います。今までは命令違反等で足を引っ張り気味だった、カツの大活躍。彼も成長した…と言えるんでしょうか。彼の破壊したG3ガスのタンクは、今回のティターンズの作戦ひいてはお話のカギとなるアイテムのはずですが、えらくその破壊描写はあっさりしてたなぁ。

 

 

 

第30話「ジェリド特攻」

1985年9月28日放送
登場した敵他:戦艦アレキサンドリアギャプランハイザックマラサイ、ガブスレイ

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「守ってみせるって言ったろ、ジェリド…。」

 

STORY:戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュを叩きたいガディは、ヤザン隊をもおとりとし、廃コロニーに追い込んで一網打尽にする作戦を立てた。廃コロニーでの伏兵に抜擢されたジェリドとマウアーは、その闘志を燃やす。その後戦闘が始まり、ガディの作戦通り戦艦アーガマは追い詰められて大ピンチに!Ζガンダムたちも必死に応戦するが、そこへジェリドの気迫が襲い掛かる。やがて逆に追い詰められるジェリド。捨て身の戦法で彼を救ったのは―!


ジェリド慟哭、マウアー散る!今回はサブタイトルからもわかる通り、ジェリドに焦点を当てたお話。彼の登場するシーンが多い他、戦艦アーガマも今までで一番と言っていいほど追い詰められるため、ティターンズ側のドラマが中心になっています。サブタイトル通りジェリドは特攻をしますが、戦果を挙げて名誉の戦死を遂げるというわけではなく、逆に極限までやられて撤退するという結果に。おまけに戦闘でマウアーも失ってますから、今回の彼、とても「報われねぇなぁ…」って感じでしたね。


戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュを、なんとしても落としたいガディ。彼は航行中のそれらに対し、ヤザンギャプランハイザック&マラサイ隊を差し向けます。この作戦から外されたことで、ガディに意見するジェリド。しかし彼には、マウアーとともに別の任務がありました。Ζガンダムと相まみえることを期待するジェリドは、その闘志を激しく燃やします。前回の毒ガス作戦が失敗したからか、今回はやたらと戦艦アーガマと戦艦ラーディッシュの撃破にこだわるガディ。まあこの2隻はエゥーゴの中核を担っているのでガディひいてはティターンズ固執するのは当たり前なのですが、なんかここ最近のティターンズ、若干行き当たりばったりな作戦が続いているような気がするなぁ。単発回だから仕方ないのかもしれないけど…。そんなガディの立てた作戦は、ヤザン隊に2隻を真正面から襲撃させるというもの。一見すると単純な作戦に見えますが、これには裏があり、実際は戦艦アーガマを廃コロニーまで追い込んだ後、伏兵としてそこに待機しているジェリドとマウアーがとどめを刺すという作戦がさらに組まれていました。廃コロニーへの追い込み以降の作戦は、ヤザン隊には知らされておらず、ジェリドとマウアーのみがその事実を知ることに。まあこれはジェリドたちを特別扱いしているというよりも、ヤザンにもしこのことを知らせたら「俺たちは鉄砲玉か?」とか言い出して露骨にやる気無くすから…なんでしょうね。こうして作戦の一番重要な役割を任されたジェリドは、やる気と闘志を爆発。カミーユに対する対抗心を燃やしまくり、マウアーに冷静になるよう言われてしまうのでした。「俺は、カミーユを倒さない限り、一歩も進めない男になっちまった。あいつは…俺にとって壁なんだ!」と言うジェリド。第1話で殴り飛ばした青年にここまで怒りや対抗心を燃やすことになるとは、本人も思ってもみなかったろうなぁ。


モビルスーツの整備に勤しむカミーユとファは、走り回るシンタとクムに手を焼くことに。そんな中、ヤザン隊と戦艦アレキサンドリアの攻撃が開始されます。すぐさまカミーユΖガンダム、エマのガンダムMk-Ⅱ、アポリーのリック・ディアス、ファとカツのネモがそれぞれ出撃。その他の部隊もどんどん出撃します。やがて戦闘はガディの想定していた通り進み、戦艦アーガマは廃コロニーへ。そこで待ち受けていたのは、ジェリドとマウアーのガブスレイでした。ヤザン隊の襲撃に驚いたブライトとヘンケンは、それぞれΖガンダム等主要モビルスーツにまず出撃を指示。その後、戦艦アレキサンドリアの攻撃により戦闘が苛烈化したことで、残っている手持ちのモビルスーツを全て出撃させます。今回の戦闘は、特に戦艦アーガマの被害が半端なく、ビーム攻撃を受けて各部損傷、特に居住区付近の被害が甚大で、内部での消火作業が追いつかないほどでした。かなりてんやわんやする戦艦アーガマの船内。そういえば、今までの戦いで戦艦アーガマは何度も苦戦を強いられてきましたが、戦艦アーガマ自体が甚大な被害を受けるといったことはほとんどなかったんですよね。ガンダム』のホワイトベースは、頻繁に撃沈寸前の攻撃を食らってたのに…。そんな戦艦アーガマは、ガディの読み通り廃コロニー付近へ撤退。そこには、ジェリドとマウアーのガブスレイが待機しており、襲撃を開始します。完全に彼らの攻撃は予想外だったブライト。今回はガディの術中にはまってしまった感がありましたね。


ピンチに陥る戦艦アーガマ。そんな中、カミーユΖガンダム・エマのガンダムMk-Ⅱ・ファのネモが駆けつけます。エマとファは戦艦アーガマの防戦に当たる一方、カミーユはジェリドと戦うことに。ジェリドのその鬼気迫る攻撃の前にカミーユは猛烈なプレッシャーを感じます。やがて戦いはカミーユの優勢となり、Ζガンダムはこのままいけばガブスレイを撃破できるという段階に。死を覚悟したジェリドでしたが、それを身を挺して防いだのは、マウアーでした。戦艦アーガマのピンチに、何とか駆け付けることができたカミーユたち。しかし、カミーユはジェリドとの戦いにかかりっきりになり、ファは消火作業の途中でシンタとクムのことを心配し、ネモを降りて戦艦アーガマの中へ。実質エマのガンダムMk-Ⅱが単独で戦艦アーガマを守り続けます。1人でヤザンギャプランやらハイザックなどを相手にしていたエマ。今回の戦いで一番頑張ったのって、彼女じゃないのかなぁ。ジェリドに捕まってしまったカミーユは、戦艦アーガマを守る余裕がなく、彼と戦わざるを得ない状況に。ジェリドの勢いはすさまじく、Ζガンダムも一度は押されてしまいます。押されたΖガンダムは、態勢を立て直すため廃コロニーの中へ。その時、鋭い勘でファの危機に気づいたカミーユは、危険を承知で飛び出します。「ピンチになるΖガンダム→建物の中へ避難」という構図は、第26話でヤザンに追い詰められた時にとった行動と同じパターン。やっぱりカミーユΖガンダムに乗り換えてからピンチになる頻度高くなった気がするぞ…。しかし、廃コロニーから飛び出した後は、ファのもとに駆け付けたいという思いもあってか、ジェリドを圧倒。撃破寸前まで追い込みます。その時マウアーのガブスレイが飛び出してジェリドをかばい、その命を散らすのでした。思いを寄せたマウアーが、自分をかばう形で死んだ―。戦争のせいでもあるとはいえ、2度も思いを寄せた人をカミーユのせいで死なせてしまうなんて、ジェリドもいたたまれんな…。


悲しみと怒りに包まれ、さらにマウアーの幻影に勇気づけられたジェリドは、ガブスレイでの特攻を決意。両脚を破壊されても突撃しようとしますが、Ζガンダムらの猛反撃の前に撤退を余儀なくされます。損害を出しながらも窮地を乗り越え安堵する戦艦アーガマの面々でしたが、カミーユだけはジェリドなどから感じた強いプレッシャーを思い出しており、その表情は暗いのでした。ガブスレイでのまさかの特攻を決意するジェリド。普段の彼ならここまでムチャな攻撃はしないような気がしますが、それを決意させたのは、やはりマウアーを失った悲しみと怒りがそれだけ強かったからなのでしょう。特攻を決意する直前にマウアーの幻影を見たのも、その気持ちのせいだろうからなぁ。しかし、そんなジェリドの行為も、カミーユたちの猛反撃の前に防がれてしまうことに。ガブスレイの右腕と両脚を破壊されたジェリドは、やむを得ず撤退。戦艦アレキサンドリアに戻る前にマウアーが死んだ地点へ向かいますが、そこに浮かんでいたのはガブスレイの残骸だけでした。自分の渾身の行動が失敗に終わったうえに、改めて突きつけられる「マウアーが死んだ」という現実。この時ジェリドは慟哭します。そりゃあここまで追い詰められたら、涙したくなるよね…。一方の戦艦アーガマでは、ティターンズの攻撃を退けたことで一息ついている最中。しかし、カミーユの表情だけは暗いままでした。カミーユが感じた、マウアーの存在とジェリドのプレッシャー。カミーユは、戦闘の中で散っていった命(マウアー)と、渦巻いていた感情(ジェリド)を敏感に感じ取っていたんですね―。


カミーユ「しかし…俺は見たんだ。死んでいった者に、涙はないんだよ。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第31話から第33話をご紹介予定です。『機動戦士Ζガンダム』。君は、刻(とき)の涙を見る―。

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ガンプラ Pick Up!

Ζガンダム』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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