お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『勇者指令ダグオン』ちょっとした感想 Command-17(OVA編)

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今回は、勇者指令ダグオン』の感想記事第17回目。本編放送終了後に発売された、OVA「水晶の瞳の少年」を取り上げます。

 

勇者シリーズ」のOVA発売は『ファイバード』の時から企画や要望があったようですが、正式に発売されたのはこの『ダグオン』が初めて。いかにこの作品が高年齢層の人気も獲得していたかがよくわかります。発売当時は炎と竜によるCMも放送されてたみたいだけど、その掛け合いが抜けてて笑うんだよな…。

 

 

 

 

OVA勇者指令ダグオン 水晶の瞳の少年(前編)」

1997年10月22日発売
登場した敵他:デアンドゾル(ケンタ)

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「心配すんなって、ヤツらが襲ってきても、俺が守ってやっからよ。」


STORY:ジェノサイドとの戦いから1年後。メンバーたちは各々充実した毎日を過ごしていたが、そんなある日、炎は桃色の髪の毛の少年と遭遇。「ケンタ」と名乗る彼を保護した炎は、海たちに助けを求めるも失敗。その日は自宅で面倒を見るが、翌日何者かの手により自宅が消滅してしまった!ただならぬ事態だと確信した炎は、海たちを呼び集めるが、彼らの前に雷も現れる。ケンタに向けられる雷の銃口。ケンタの抱える秘密とは、いったい何なのか!?


『ダグオン』のテレビシリーズが終わってから、約半年後に発売されたOVA。これが「勇者シリーズ」初のOVAとなり、その内容は、ケンタという少年がもたらす謎や秘密に、炎たちがかかわっていくという形になりました。玩具展開等の縛りもないため、前編である今回は巨大ロボの登場はなく、炎たちキャラクターのやり取りにスポットが当てられることに。キャラクターデザインを柳沢テツヤさんが担当しているため、テレビシリーズよりもシャープな顔つきになっているのも注目です。


炎たちがダグオンの力を失ってから、1年後のある日。レンタルビデオを返却しに自転車を飛ばしていた炎は、その道中で桃色の髪の毛をした少年に遭遇。ケンタと名乗る彼に注意する炎でしたが、彼が何者かに追われていることに気づき、自転車を飛ばして彼とともにその場から離れます。ケンタのボロボロの服装を何とかするため、まずは真理亜の家に向かう炎でしたが…。OVAにおいて最も重要となる登場人物が、このケンタ。今回の前編段階ではその正体は不明ですが、誕生経緯らしきものは描かれることになりました。そんなケンタと最初に遭遇したのは、炎。翼のマンションの前を通って十字路に差し掛かった彼は、突然飛び出してきたケンタに衝突しそうになり、何とか回避します。ここまでのシーンで、翼と激の姿が登場。激は高校卒業後地元の酒屋に就職したようですが、翼は受験勉強の傍ら、犯罪スレスレの研究を独自で行っているようです。後半の描写を踏まえると、彼の行っていた実験はクローンネズミの培養とその生体実験。えぇ、翼ってこんなマッドサイエンティストみたいなキャラだったっけ…?ケンタと出会った炎は、彼に注意した後そのまま別れようとしますが、不審な男たちが取り囲んできたため、自転車でその場から脱出。真理亜の家に駆け込み、学の服を借りてとりあえずケンタの身なりをまともなものにするのでした。炎が追手から逃げるシーンで、森と竜の姿が登場。森は英里加にデートをドタキャンされており、竜は工事現場のバイトに精を出していました。竜が美奈子の手作り弁当を持ってきているあたり、彼女の病状はだいぶ良い方向に向かっているんでしょうね。そして、真理亜の家を訪れた炎は、彼女が出てこないため家に侵入しようとしたところを、下着泥棒に間違えられて鎌で真理亜に襲われることに。なんで家にナチュラルに鎌があるんだよ、真理亜!?


ケンタを保護できる場所を探していた炎は、海のもとを訪れるも門前払いを食らうハメに。やむを得ずケンタを自宅に連れていき、シャワーを浴びさせたり食事をとらせたりします。様々なことをするにつれて、徐々に兄弟のような関係になっていく炎とケンタ。それと同じ頃、密かに地球にやってきていた雷は、何者かに指令を出していました。炎が真理亜の家に続いて向かったのが、海の家。彼の家は豪邸ですが、海は受験勉強で忙しかったため、炎のことを門前払いしてしまいます。このシーンで、一瞬ですが海の妹:渚が登場。CDドラマ等では登場するのですが、映像作品でも出番があったのですね。こうして海に断られてしまった炎は、やむを得ずケンタを自宅に連れていくことに。彼をまず風呂場へ連れていきますが、彼は日常生活全般のことが何もできないことが判明。炎は彼に、シャワーを浴びせたり一緒に食事したりゲームしたりするうちに、兄弟のような関係になっていきます。中盤で長く描かれるのが、この炎とケンタの交流。どれもまあ2人でしてもおかしくない行動ではありますが、シャワーシーンだけ無駄に濃密で長く描かれています。ああそうか、このOVA、そういうのが好きな人向けにも作られてるもんね…。そうやって炎とケンタが平和な時間を過ごしている間に、地球に潜入していたのは雷。果たして、彼が地球に来た目的とは?


翌日、寝坊したため学校を休み、ケンタのために食糧の買い出しに出た炎。しかしその間にも、ケンタを狙う何者かの活動は続いており、コンビニでバイトしていた竜の指摘で、炎はそれに気づくことに。さらに彼らの手によって、炎の家が丸ごと消滅させられてしまいます。尋常じゃない事態であることを確信した炎は、飼っている犬を真理亜に預け、途中合流した激の車で、ケンタとともに山海高校へ。風紀委員の部屋に乱入した彼らは、海に助けを求めるのでした。目覚まし時計を見ると午前11時頃になっており、頭を抱える炎。確かに、こりゃもう遅刻ってレベルじゃないよなぁ。その後、ケンタの虫を殺しまくる異常行動を注意した炎は、食糧買い出しのためにコンビニへ。同じく学校をサボっている竜にレジをしてもらいますが、彼の言葉で追手が迫っていることを察知。急いで自宅に戻ってみると、なんと自宅が何者かの手によって消滅させられていました。炎の自宅が消滅してしまったのは、宇宙人が地雷のような兵器を使ったため。これだけ強硬的な手段に出てくるということは、彼らにとってケンタはかなりの脅威のようです。こうした事態にただならぬものを感じた炎は、激の車に乗って山海高校へ。海のいる風紀委員の部屋に乱入し、彼を自分たちに合流させるのでした。ワルガイア三兄弟の攻撃で半壊した山海高校の校舎ですが、OVAでは再建が完了。風紀委員の部屋も新築されたようですが、そこに炎たちが車ごと文字通り突撃してきて、扉が破損してしまいます。普段なら激昂しそうな海ですが、この時は意外にも冷静な表情。おそらく、炎たちの表情を見て、本当に危機が迫っていることを察したからなのでしょう。


放課後、一緒に行動していた森と翼は、雷の姿を発見。彼がなぜ地球を訪れたのかを聞き出そうとしますが、その時ケンタを連れた炎が現れたことで、雷の表情は一変します。サンダーライへと変身し、ケンタに銃口を向けるライ。炎ら仲間たちの制止を振り切って、ライは銃弾を発射します。最終回で地球を離れた雷が、地球を再度来訪。当然彼が戻ってきた理由が知りたいと思ったため、森と翼が彼に詰め寄ります。森は雷に対してヘッドロックなどをするというまだまともな行動をしていますが、これに対して翼が取り出したのが、なんとお手製の自白剤!だから、翼ってこんなキャラじゃなかったろう?一体この1年の間に何があったっていうんだ…。その後、炎が連れてきたケンタを見て、表情を変える雷。彼はいきなり変身してケンタに銃口を向け、炎たちの制止も聞かずに発砲します。その弾丸に巻き込まれそうになる炎。果たして炎の運命は?そして、雷のいう極秘任務の内容とは!?

 

 

 

OVA勇者指令ダグオン 水晶の瞳の少年(後編)」

1997年12月28日発売
登場した敵他:デアンドゾル(ケンタ)

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「神様ってさぁ、俺はいねぇと思うんだ。だってそうだろ?もしいるんだったら、こんなひでぇこと、するはずねぇよ。」


STORY:ライの銃撃からケンタを守り、負傷した炎。彼らは駆けつけた竜のアシストにより、山の中の洞窟へ逃げ込むことに成功した。ケンタを守るべく、ライたち宇宙警察機構への抵抗を誓った炎たちは、各自ダグコマンダーを再装備して変身。ライの配下であるカファール隊と激戦を繰り広げる。やがて明かされる、ケンタの正体。ケンタが敵へと成長してしまい、宇宙警察機構の通常装備では勝てない!エンたちは奇跡を起こし、勝利をつかみ取れるのか!?


前編がキャラクターの活躍中心だったのに対し、戦闘パートが多く挿入されるようになった後編。前回まで漂っていた空気は一変し、重くつらいお話が展開されていきます。リニューアルされたダグテクターが登場したほか、新ロボ:ファイナルダグオンもわずかながら登場。炎たちの、ケンタそして仲間を思う気持ちが、奇跡を起こすことになりました。


前回、ケンタに向けて発砲したライ。それを炎が身を挺してかばい、負傷してしまいます。なおも追撃しようとするライの前に、竜が登場。彼が変身して戦っている間、炎たちは洞窟へ逃げ込み、さらに山海高校の体育備品倉庫にたどり着きます。ライたちへの抵抗を誓った彼らは、炎を除き、自宅にダグコマンダーを取りに戻るのでした。ライの銃撃を受け、ピンチに陥る炎たち。そこにさっそうと駆けつけたのが竜でした。竜は口笛でタカを呼び寄せて、それが持っていたダグコマンダーを装着。約1年ぶりにシャドーリュウへと変身を遂げます。最終回で、ルナの計らいにより炎たちの手元に残されたダグコマンダー。てっきり変身能力自体も消去されているのかと思いきや、ちゃんとそれも残っていたみたいですね。ちなみに、今回登場するダグテクターはすべてデザインがリニューアルされており、テレビ版のそれよりも突起部分が多く、口元が露出したデザインに。ライはともかく、エンたちのダグテクターはどこでそんなにデザインが変わる時があったんだ?…と思っちゃいますが、OVAではこういうことはよくあることなので、スルーしましょう。さて、リュウの活躍により逃げ延びた炎たちは、洞窟を経て体育備品倉庫へ。ケンタを守るため、そこから彼らはダグコマンダーを探しに各自自宅へ戻ります。体育備品倉庫で、炎がケンタに対して言った「友だち」に関するセリフは、かなりグッとくるものに。後半の展開にもつながっているのもポイントですね。そしてその後、ダグコマンダーを探しに自宅へ戻る海たち。幸い全員がダグコマンダーを見つけ、左腕に装着します。ダグコマンダーを置いていた場所も各メンバーの個性が出ており、海は自分の机の引き出し、激は神棚、森は押し入れの奥、翼は宇宙人サンプルのホルマリン漬けの中に保管していました。うん、どう考えても翼だけおかしい。なんでダグコマンダーまでホルマリン漬けにしているんだ!?


ダグコマンダーを手にした海たちは、一斉に変身。翼のみ変身の直前にカファール隊の襲撃を受けますが、ゲキにより救われます。カファール隊と激闘を繰り広げる彼らでしたが、戦力差があるため苦戦。そんな中、炎は自分のダグコマンダーが別のところにあるのを思い出し、それを求めて外出。さらに竜もカファール隊が近づいていることに気づき、ケンタを守るために外に出るのでした。中盤のこのシーンで、炎を除くメンバーたちの変身した姿が登場。やはり、リュウと同じくデザインに変化が加えられており、テレビ版よりもよりシャープなデザインになっていました。テレビ版でも使用した技で必死に抵抗するカイたちでしたが、カファール隊はかなり強く、カイたちはあっという間に追い詰められることに。それと同じ頃、炎は自分のダグコマンダーのありかを思い出し、竜にケンタを任せて出かけてしまうのでした。前編で、雷の手により消滅してしまった炎の自宅。それに伴いダグコマンダーも消滅したかと思われましたが、実は炎はそのダグコマンダーを学に渡しており、それを返してもらいに真理亜の家に向かいます。学からそれを返してもらい、人込みを駆け抜けながら変身するエン。ここで変身するエンがカッコいいのですが、それと同じくらい彼を心配する真理亜の姿が印象に残ってしまいました。だって彼女、前編でも使った鎌を持ってたんだよ…?


カファール隊に追いつめられるエンたちに対し、逆にライを追い詰めることに成功したリュウ。そこで彼は、ケンタに隠された本当の秘密を知ります。エンたちはカファール隊からなおもケンタを守ろうとしますが、その時ケンタに異常が発生。彼はいきなり水晶のように固まってしまい、さらにそこに駆けつけたリュウにより、エンたちもケンタの真実を知ることになります。エネルギー波で変身解除され、絶望的な状況に立たされる炎たち。彼らがした決断は―。リュウがライから聞き出した、ケンタの正体。それは惑星の生体エネルギーを吸収して成長する、宇宙の害虫デアンドゾルでした。8年前、地球に飛来したデアンドゾルは、最初に目撃した地球生物である炎の姿を見て、それに擬態。それから約8年の歳月をかけて成長し、現在に至っていました。前編で真理亜がケンタのことを「誰かに似ている」と言っていたり、激が今回の序盤で「容姿が誰かを連想させるので気に食わない」と言っていたたりしたのは、幼い頃の炎に容姿が酷似していたからなんですね。ライがかたくなにそのことをエンたちに言わなかったのは、エンたちに彼を殺させないため。ずーっと黙っていたのは、彼なりの優しさだったんですねぇ。しかし、リュウがそれを知った時、もうケンタはデアンドゾルとしてレベル4にまで成長。宇宙警察機構の通常装備では倒せなくなり、雷は母船へと戻って衛星兵器により破壊しようとします。山海市一体が吹き飛ぶことになる―。そうした絶望的な事実を伝えられた炎たちでしたが、彼らは自分の意思でこの場に残ります。皆を逃がそうとする炎に対し、理由をつけて残ろうとする海たち。各々の言い訳が、実に彼ららしい感じがしました。

 

炎「聞いただろう?みんな早く逃げてくれ。」
海「そうはいかんな。私は、名誉風紀委員長だ!」
森「俺も付き合うぜ?どうせデートはキャンセルだし。」
竜「俺もバイトは休みだ。」
翼「それに、レベル5がどんな姿か見ておきたいし。」
激「おぬしは相変わらずじゃのう。」
炎「お前ら…!」


雷は衛星兵器によりデアンドゾルを破壊しようとしますが、発射ボタンを押すことをためらい、その間にデアンドゾルはレベル5へと成長。もうどうしようもないと嘆きながら雷が地球に戻ってくる中、炎たちはデアンドゾルの放つエネルギーフィールドの中に入りケンタの姿を見届けようとします。その中で聞こえたのが、ケンタの声。それに全員がハッとした瞬間、エネルギーフィールドの力で炎たちの背後にダグファイヤーたちが出現。さらにそれらはファイナルダグオンへと合体して姿を変え、ケンタが望んだとおり、彼を包み込むようにして撃破。これによりデアンドゾルは消滅し、地球は救われたのでした。もう惑星破壊兵器でしかデアンドゾルを倒せないという状況に陥った中で起きたのが、ケンタの医師によるエネルギーフィールド内での奇跡。炎たちがこの中に入り、さらにケンタの「自分を倒してほしい」という願いを聞いた時、エネルギーフィールドの力がダグファイヤーたちを、そしてファイナルダグオンを生み出します。終盤の展開は若干炎たちに都合がよすぎるような気がしますが、まあこれはこれでいいでしょう。だって、結果的に炎たちはケンタを倒すことになってしまったけど、彼との友情を守ることはできたのだから。


ラストシーン。平和が戻り、夕日が沈む海岸を見つめる炎たち。彼らはわかっていました。ケンタが、自分たちの心の中で生き続けていることを。

 

 

 

勇者指令ダグオン』。これは、夢や自分の好きなものに向かってがむしゃらに走り続けた、勇気ある勇者高校生たちの青春物語である。

 

 

 

 

 

…こうして、『ダグオン』の物語は幕を閉じました。

 

次回は総括として、改めてこの作品を振り返ってみることにしましょう。

 

 

 

 

 

◎今日の勇者ソング◎

今日ご紹介するのは、1997年12月28日発売のOVA勇者指令ダグオン 水晶の瞳の少年』後編EDテーマ「永遠の思い出」です。

 

前編のEDがやや激しい曲調だったのに対し、こちらは穏やかな感じがする、爽やかな楽曲。個人的には、曲調がT-BOLANの「悲しみが痛いよ」という曲に似ていると感じます。

 

OVAは大人向け作品であるため、なかなかハードなお話が展開。でも、このEDの最後の最後で、炎たちの集合写真が出てきた時、「ああ、この作品を観てよかったな」と感じました。やはり『ダグオン』は、炎たちの青春物語でもあったんだなぁ…。

 

 

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