お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『勇者指令ダグオン』ちょっとした感想 Command-16(第46~48話[終])

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今回は、勇者指令ダグオン』の感想記事第16回目です。

 

ついに決着、エンたちの戦い!エンたちのダグオンとしての戦いも、いよいよ今回で完結。その展開は、ラスボスであるジェノサイドとは最終回の1話前(第47話)で決着がつき、第48話は完全にエピローグ的なお話になりました。勇者シリーズ」の最終回の中では、最も異質なものになりましたが…これがいい味出してるんだよなぁ。

 

 

 

 

第46話「サルガッソ大爆発」

1996年12月27日放送
登場した敵他:超生命体ジェノサイド

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「頼むダグベース!地球が、俺たちの地球がピンチなんだ!!」


STORY:突如変形を開始したサルガッソ。昏睡状態のエンをリュウに任せ、カイたちは先行してサルガッソ内に向かうが、音信不通になってしまう。その後リュウたちも同じ場所へ向かうが、そこで彼らが見たのは、今までの一連の犯人にして真の黒幕の姿だった!「我が名はジェノサイド。絶対にして完璧なる存在」―。ジェノサイドの力により、カイたちはピンチに陥る。最後の希望は、エンしかいない!よみがえれエン、そして起動せよダグベース!!


『ダグオン』におけるラスボスにして、今までのすべての出来事の犯人・黒幕ともいえる、超生命体ジェノサイドが本格的に登場するお話。通常の生命体の概念を超えた存在であるため、カイたちは終始翻弄されっぱなしな感じでした。そうした展開が連続する分、後半からの一発逆転は爽快。ただ、仕方ないとはいえ、エンがちょっとクローズアップされすぎな気がするなぁ…。


前回、マドーを倒した直後に変形を開始したサルガッソ。スーパーファイヤーダグオンへの合体により、昏睡状態に陥ってしまったエンをリュウに任せたカイたちは、スーパーライナーダグオンとなって、先行してサルガッソに突入。しかしその直後音信不通になってしまいます。心配した彼らは、炎をダグベースに残してサルガッソに続いて突入。ダグサンダーに案内される形で、サルガッソ内を探索します。スーパーライナーダグオンは、ジェノサイドが融合したサルガッソに突入した直後に音信不通に。彼らは子供の頃の思い出が入り混じったような夢の世界での体験をしており、そこに登場したおばあちゃんの顔に、ジェノサイドの姿を見るのでした。この後の展開を考えると、おそらくジェノサイドが、この夢の世界を見せることでカイたちを洗脳したのだとは思われますが、ちょっと唐突すぎて何が始まったのか一瞬わかんなかったよ。そして、振り向きざまに出てくるジェノサイドの顔が怖すぎ。さすがにドキッとしたぞ!こうして音信不通になってしまったカイたちを心配したリュウとライは、それぞれダグシャドーとダグサンダーに融合合体し、ガンキッドとともにサルガッソに突入。ダグサンダーに案内される形で、サルガッソの内部構造が次々に明かされていきます。サルガッソの管理はすべて中央コンピューターが行っており、お掃除ロボットを遠隔操作して環境を維持。囚人たちは疑似ブラックホールに収監されていたため、宇宙警察機構の人間が常駐していることはなかったようです。これだけサルガッソ自体がボロボロになっているのにもかかわらず、なぜか動いているお掃除ロボット。これが後半の展開の鍵になるとはねぇ。


サルガッソ内を探索していたダグシャドーたちは、やがて囚人たちのたまり場となっていた広場へ。そこに突然ダグターボたちが現れ、奇妙なことを言ったのちに一斉に倒れてしまいます。その後中央コンピューター室に向かった彼らは、そこで超生命体ジェノサイドと遭遇。このサルガッソにいる理由や、そして今までの事件を引き起こし、なぜそんなに地球を付け狙っていたのかなどを明かすのでした。かつて、ワルガイア三兄弟たちがたまり場にしていた広場は、どうやら広場自体はあったものの、囚人たちが勝手に増築して今のような形になったらしい。サルガッソが囚人たちの手に落ちて以降、彼らがそういったことをしたんでしょうね。そして、ダグシャドーたちを取り囲むように、そこに現れたのがダグターボたち。彼らからジェノサイドの情報を得たダグシャドーたちは、彼らが正気に戻ったのち、中央コンピューター室においてそのジェノサイドと遭遇するのでした。このシーンで、ジェノサイドがなぜサルガッソを占領し、そして地球を狙っているのかということなどが判明。今まで宇宙を放浪し続けていたジェノサイドは、隕石と融合していた時、偶然サルガッソに激突。中央コンピューター室に隕石が刺さったことでそこに融合したジェノサイドは、さらに自分の存在を強固なものにするため、融合できる惑星を探しており、そのために囚人たちを操って惑星狩りをさせていたのでした。今までの事件は、ぜーんぶコイツのせい。何かに融合して生きるのであれば、その融合しているものごと倒しちゃえばよさそうな気もしますが、どうやらそう簡単にはいかないようです。


サルガッソが地球に近づきつつあり、混乱の末、最終ミサイルを発射し丸ごと破壊してしまおうとする国連。そうした決定が出てもなお、真理亜はダグオンたちのことを信じ続けていました。一方のダグターボたちは、ジェノサイドを倒そうとしますが、身体をそれに操られてしまい、同士討ちをさせられてしまうことに。そんな中、ついにダグベースでは炎が目覚めようとしていました。ダグオンたちが必死に戦っていた頃、サルガッソが接近しつつあったことで、地球は大混乱。国連はサルガッソ破壊のための最終ミサイルの発射決定を出し、すぐさま撃ち出そうとしていました。今まで何度もダグオンに助けられているにもかかわらず、あっさりダグオンへの信頼と希望を捨て、いざこざを起こし混乱する人々。なんだか「ウルトラシリーズ」の最終回付近の展開に出てきそうなシーンだよなぁ。しかし、人々のそうした反応に対し、ダグオンを信じ続ける真理亜と学。彼女らは強く願い続けますが、その頃サルガッソでは、ダグターボたちがジェノサイドの脅威に苦しめられ続けていました。ジェノサイドはサルガッソそのものを手中に収めているため、その中にいるダグターボたちのことも操ることができる様子。もちろん彼らは抵抗を試みますが、自分の意思に反して同士討ちをさせられてしまい、さらに傷ついたのちにジェノサイド自身と融合させられそうになってしまいます。どうする?絶体絶命のピンチだ!


目覚めた炎は、サルガッソ内からカイたちの応答がないこと、そして地球が最終ミサイルの販社を準備していることから、サルガッソ内で何かが起きていることを確信。無人となっていたダグベースのコクピットに座った彼は、何とかしてダグベースを動かそうとします。炎のそうした思いにこたえるかのように、ダグベースは再起動し、ロボット形態へと変形。さらに、エンが超融合合体することで戦闘モードへと変形し、ダグターボたちを救出したうえにサルガッソごとジェノサイドを真っ二つにして破壊してしまうのでした。後半からのダグベース戦闘形態登場シーンこそ、今回の最大の盛り上がりポイント。真理亜のダグオンを信じる気持ちと、炎の仲間を思う気持ちがリンクし、それが精神波となってダグベースを動かし始めます。すでに何回かロボット形態になったことがあるダグベースですが、今回はエンが超融合合体ししたことで戦闘モードが起動。見た目は顔の部分に目が出てくるようになった程度ですが、今まで以上のパワーを見せ、サルガッソをゴリゴリ破壊してダグターボたちを救い、さらに超光波を発してサルガッソを真っ二つに破壊。ジェノサイドもそれに巻き込まれ、断末魔をあげながら散っていくのでした。エンが仲間たちのことを思い、カイたちもエンのことを呼び、合流した後は一緒になって力を発揮し、サルガッソを破壊するというアツい展開。展開自体は悪くないとは思うけど、やっぱりエンにちょっと比重を置きすぎな気もするかな…。そして、なんで今回、皆気合いを入れたり攻撃を繰り出す際、上半身裸になっているんだ!?


サルガッソを破壊したことで、最終ミサイルの発射も中止。凛々しい顔で、地球へと帰還しようとする炎たち。しかし彼らは気づいていなかった。奇跡的に残ったお掃除ロボットに、ジェノサイドが融合していることを…!

 

 

 

第47話「燃えろ!炎の勇者エン」

1997年1月18日放送
登場した敵他:超生命体ジェノサイド

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「たとえそれがどんな困難だろうとも、最後まであきらめるな。見ていろ学、ダグオン最後の戦いを!」


STORY:ジェノサイドとの戦いを終え、ライアンとガンキッドの旅立ちを見送った炎たち。彼ら自身も日常へと戻ろうとするが、密かに生き延びていたジェノサイドが再び行動を開始。ファイヤージャンボを強奪したジェノサイドは、ファイヤーダグオンとなって地球との融合を始め、地球の大部分が支配されてしまった!ジェノサイドを倒すため、最後の戦いに出るエンたち。エンの驚くべき行動とは一体何か?勝利するのはエンたちか、ジェノサイドか!?


テレビシリーズにおける最後の戦いとなる今回。ドンパチやりまくるなどという描写は抑えめですが、ジェノサイドによる地球融合の脅威、それに対する炎たちの奮起、そして炎がファイヤーエンとなって最後の戦いに身を投じていくさまが、どれも強く印象に残る形で描かれています。ジェノサイドとの決着のつけ方は、まあエンらしいなぁと感じますが、はてさてその結末やいかに。


前回、ジェノサイドとの戦いに勝利した炎たち。彼らは翌日の早朝、日の出頃に海岸に集まり、改めて剣星の仲間を探す旅に出るライアンと、それに同行するガンキッドを見送ります。彼らを見送ったあと、海、そして炎のことを気遣った他のメンバーたちは、それぞれその場を離れることに。海とルナ、そして炎と真理亜が照れる中、その直後雷はダグベースで異変を察知するのでした。ライアンは炎たちのピンチを知り一時的に帰ってきた形であるため、戦いが終わってすぐに旅に戻ることに。今回はガンキッドも連れて、地球の朝日の美しさを目に焼き付けながら旅立っていきました。お別れの際、炎の言葉を受けて涙ぐむガンキッド。登場当初の彼ならこの直後泣きわめいてまた問題を起こしていたでしょうが、今回のが彼はそれをこらえてみせました。こうしたことができるようになったのも、彼が戦いを通じて成長し、一人前のダグオンになったからなんでしょうね~。そうしてライアンたちを見送ったあと、真理亜はルナの表情を見てムリヤリ海と一緒に別のところへ行くよう説得。続いて激も、真理亜のことを察して森と翼を連れて撤収し、彼女と炎を二人っきりにするのでした。ルナと海、真理亜と炎と、恋愛感情が生まれつつある二組のことを気遣う、真理亜と激の行動が粋。特に激の、自分の思いをこらえ、炎と真理亜のことを応援する形で去っていく姿がグッときますね。


ダグベースが感知した異常の正体は、実は生き延びていたジェノサイド。ジェノサイドはファイヤージャンボに融合して強奪し、市街地のど真ん中でダグファイヤーなしにファイヤーダグオンへと合体。そのまま地球との融合を開始し、瞬く間にして地球のほとんどがそれに飲み込まれていきます。雷はダグベースの光波バリアで山海高校周辺を覆い、海たちも変身して必死に抵抗しますが、ジェノサイドに融合されるのは時間の問題でした。自分自身さえ生きていれば、融合先を変えて生き延び続けられるジェノサイド。前回、サルガッソのお掃除ロボットに融合して地球までやってきたそれは、今度はその融合先をファイヤージャンボへと変え、市街地のど真ん中でファイヤーダグオンへと合体してみせます。ファイヤージャンボが強奪され出撃するシーンも、かなり「ウルトラシリーズ」などの特撮を意識したような描写が散見。ファイヤージャンボが低空飛行するシーンの臨場感はなかなかのものでしたね。その後ファイヤーダグオンへとムリヤリ合体したジェノサイドは、両腕からエネルギー波を上空に放出。それは瞬く間に世界全土へと広がり、それに飲み込まれた者は精神面でまずジェノサイドと融合させられ、操られて暴れ始めてしまいます。雷はダグベースの光波バリアを使って山海高校周辺をジェノサイドの融合から食い止めますが、光波バリアの耐久力、そしてカイたちの抵抗にも限界があることから、このままではジェノサイドに融合されてしまうのは時間の問題でした。ダグベースの光波バリアは、山海高校周辺を守るのが限界。ジェノサイドの融合は防げても、それに操られた人々はバリア内でも活動できてしまうため、融合されずに生き残った人々を守るべく、カイたちが必死に戦います。ジェノサイドに操られて暴れる人々、かなり迫力があって怖かったぞ…。


偶然ファイヤーダグオンが現れた付近にいた炎は、竜のガードホークにより救出され、山海高校へ。そこでは避難してきた学が、取り残された子猫を見つけ救出したはいいものの、ジェノサイドによって操られた人々に取り囲まれてピンチに陥っていました。学のピンチに、さっそうと駆けつける炎。希望を失いつつある彼を激励した炎は、自ら彼の目の前でファイヤーエンへと変身。ジェノサイドを倒すことを誓って去っていくのでした。Bパートからは、炎のヒーロー性を感じる演出や描写が頻出。この学を励まし戦いに向かうシーンは、アツくそして涙なしには見られないシーンになっていました。炎によりピンチを救われたものの、ジェノサイドによる地球融合という未曽有の事態の前に、希望を失いつつあった学。そんな彼に対し炎は、ダグオンとは勇者を意味する言葉であり、勇気をもって立ち向かっていった学自身もまたダグオンであること、そしてどんな困難があっても決してあきらめてはいけないことを説き、学を勇気づけます。第1話でブレイブ星人が言い放った、ダグオンとは「我々の星で、“勇者”を意味する言葉だ。」というセリフ。それがこの最終決戦のシーンで生きてくることになるとは、なんとも言えない喜びというか、感動がありますね~。そして、炎は学の目の前でファイヤーエンへと変身。この戦いがダグオン最後の戦いである都し、ジェノサイドに立ち向かっていくのでした。あきらめないことの大切さを説き、自分の正体を知らないレギュラーキャラの目の前で変身を遂げる流れ。「ウルトラシリーズ」を意識した展開であることは明らかなのですが、やっぱりこういうの…いいよね。


ファイヤーストラトスに乗ったエンは、そのままパワーダグオンへと一気に剛力合体。ジェノサイドが合体したファイヤーダグオンと対峙します。ここでパワーダグオンは、なんとファイヤーダグオンを羽交い絞めにして雷にスーパーファイヤーダグオンへの合体への協力を要請。ムリヤリ超火炎合体することに成功したスーパーファイヤーダグオンは、ジェノサイドのエネルギー波を消し飛ばした後、宇宙へ向かいながら精神世界でジェノサイドと激闘。最後は大気圏付近で、爆発四散してしまいます。エンがジェノサイドを倒すためにとった行動は、スーパーファイヤーダグオンへと超火炎合体することでジェノサイドと一時的にひとつとなり、その精神世界の中でジェノサイドを倒すというもの。スーパーファイヤーダグオンへの超火炎合体とジェノサイドのエネルギー波の消滅は比較的簡単に達成しますが、精神世界でのジェノサイドとの戦いは、かなり過酷なものになりました。ジェノサイドを中から打ち破ってやろうという発想はかなり有効な手段だとは思いますが、それを実行に移すエンはかなりムチャ。失敗すればジェノサイドに融合され地球は陥落してしまう可能性もありましたが、それでもエンは、ジェノサイドに最後の抵抗を試みるべく、その危険な賭けに出ます。ジェノサイドとの決着は全員でつけてほしかったなぁとも思うけど、まあ一応前回は全員の力でジェノサイド破ってるし、まあこれはこれでアリかなぁ。戦いの最中、何度もジェノサイドに融合させられそうになるエンでしたが、強靭な精神力でそれを跳ね除けて抵抗。最後は、傷ついたせいで大気圏離脱直前の際の不可に耐えきれなかったスーパーファイヤーダグオンもろとも、大気圏付近で大爆発させてジェノサイドを倒します。「俺はダグオンだ!」と叫んで、爆炎の中に消えたエン。彼の生死は―!?

 

 

 

第48話(終)「オレたちの未来へ…」

1997年1月25日放送
登場した敵他:なし

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「多少いい加減なところはあるが、大堂寺は約束は守る男じゃ。そうじゃないかね?」


STORY:ファイヤーエンの決死の活躍により、平和が戻った地球。しかし、炎本人の行方は未だにわからず、手掛かりはライが発見したダグファイヤーの装甲だけだった。炎の無事を祈りつつも、何をしても不安がぬぐえず落ち込む海たち。真理亜も待ち合わせ場所に向かうが、時間を過ぎても炎が現れることはなかった。やがて降り始める雪、それでも待ち続ける真理亜。果たして炎は、真理亜そしてみんなの前に現れるのか!?


ファイヤーダグオンなどのロボット、そして敵も一切登場しない異色の最終回となった今回のお話。炎自身も最後の最後まで登場せず、ギリギリまで炎自身の生死は伏せられ、彼の生存を願い、思いを馳せ続ける海たちの姿が描かれることになりました。作画監督オグロアキラさんで、気合いが入りすぎたのか、いつもよりも絵柄がキレイすぎる「逆作画崩壊」が発生。しかし、制作側がそうなってしまうのも分かるくらいの素晴らしい最終回だったと感じましたね。


前回、大気圏付近でジェノサイドもろともスーパーファイヤーダグオンごと爆発したエン。彼の生存を信じ、カイたちは必死の捜索を続けますが、通信も途絶しており地球上に手掛かりは全くなし。ライが宇宙でダグファイヤーの装甲を発見しますが、それは逆に炎の生存が絶望的だと感じさせるものでした。真理亜たちと集まったのち、捜索を中止して各々別れた海たち。真理亜は朝日山校長の言葉を受け、炎と約束した待ち合わせ場所に向かうことにします。あれだけハデに爆発したのにもかかわらず、スーパーファイヤーダグオンの破片は地球上では一切発見できずじまい。上空に上がりながらスーパーファイヤーダグオンはボロボロになっていっていたため、破片は地上に落下する直前に燃え尽きてしまったのでしょうか。このように特に手掛かりもないまま戻ってきた海たちでしたが、その直後宇宙から雷が帰還。彼が発見したのはボロボロになったダグファイヤーの装甲(ダグオンのマーク)であり、これにより炎の生存は絶望的かと思われることになってしまいます。雷が悪いわけではないのですが、持ってくるタイミングが最悪。「手掛かりが発見できなくても炎は生きてるかもしれない」と思っていたところに、雷からこれを見せられるんだから、そりゃ皆沈んだ顔になっちゃうよなぁ。その後真理亜は、山海高校近くの川に行き、約束の場所に行くかどうか苦悩。その時朝日山校長が現れ、彼の言葉を受け、真理亜はその場所へ向かうことにします。「多少いい加減なところはあるが、大堂寺は約束は守る男じゃ。」と炎を評価し、真理亜の背中を押す校長。本当に校長はいいキャラしてるよなぁ。本当は、ダグオンの正体に気づいていたりして!?


皆と別れた激が向かったのは、公園。そこで彼は学と偶然出会い、涙ぐむ学を励まそうとしますが―。前回救出した猫とともに、公園のベンチで落ち込んでいた学。そんな彼を見た激は、まるで悲しみを振り切るかのように彼をわざと挑発し、小競り合いをして学を励まそうとしますが、最終的には逆に自分が号泣してしまい、学に慰められることになってしまいます。落ち込む学に対し激がしたことは、なんと挑発した挙句彼を砂場に投げ飛ばすというもの。学は何度も何度も投げ飛ばされますが、最終的に激に勝利します。いくら何でも激がムチャクチャなことをしすぎなように感じますが、これは彼なりの学に対する、そして自分自身に対する励ましだったのでしょうね。彼が、学を投げ飛ばしながら自分に言い聞かせるように言っていたセリフからも、それが窺えます。

 

激「ヤツはワシの左腕を折った。今度はワシがヤツの腕をへし折る番じゃ!じゃから、じゃから―!」


皆と別れた後、炎とよく通っていたゲームセンターにやってきた森。いつものようにレースゲームをしますが、全く楽しむことができず投げ出してしまいます。その後偶然英里加と出会い、デートの約束を取り付けますが、落ち込んでいることを彼女に見抜かれてしまい、励まされることになります。いつもはお調子者で、女の子という女の子に声をかけては遊びまくっている森。しかし今回の彼は、炎のことを心配しているため元気がなく、しかも露骨にそれが顔に出てしまっているため、英里加に元気がないことを見抜かれます。今までキツい性格の女の子として描かれてきた英里加でしたが、今回の彼女は本気で森のことを心配しており、優しさを持っている女の子であることもよくわかります。そして、彼を自分からこれだけ心配するということは、やはり英里加も徐々に森のことが好きになっていっていたんですね。英里加に励まされた時の森の表情も、いいよなぁ。

 

英里加「元気を出せ。元気を出せ!」
森「英里加ちゃん…。」


ルナとともに、曇り空の海岸を訪れた海。彼はルナの発言に対し「炎は嫌いだ」と言い放ちますが、彼のダメなことを指摘しているうちに、涙が浮かんできてしまいます。その後、ルナと別れて一人になった海は、海岸にひざまずき、ただひたすら泣き続けるのでした。各メンバーの炎を思うシーンはどれもうるっとさせられますが、一番涙腺に来るのはやっぱり海のこのシーン。「炎は嫌いだ」と言っているくせに、彼のことを話すうちに涙ぐんで声がうわずるんですよね。最初はケンカや衝突ばかりしていたけど、やっぱり炎のことを一番思っていたのは海だったんだなぁ。風紀委員長とはいえ、これだけ炎のダメな点を指摘できるということは、それだけ彼のことを見続けてきていたってことですもんね。この後のシーンでも、ファイヤーストラトスのベースとなったパトカーを見て炎の幻影を彼が見ていることから、海がメンバーの中で一番動揺していたことがわかります。

 

海「アイツは粗野で、単細胞で、軽薄で、お調子者で、全く、全く手の焼ける…」
ルナ「…手の焼ける弟、ね。」
海「炎、生きていてくれ…!」


美奈子の外出許可が下り、彼女とともに山に登った竜。彼女が第43話で見た予知夢が当たったことを受けた竜は、彼女に他の予知夢を見ていないかと尋ねますが、残念ながら期待する回答は得られませんでした。美奈子から、自分自身が待ち続ける親友のことを訊かれた竜は、炎のことを高く評価するようなことを発言します。第43話で出てきた美奈子の予知夢、そして彼女のスケッチがちゃんと的中することに。それはいいのですが、彼らは当然のごとく山の木のかなり高いところに上り、動物と触れ合っていました。いくら自分の妹だから身体能力が高いかもしれないからって、病人をそこまで登らせるのはマズいんじゃないか竜!?そんな彼は美奈子に予知夢のことを尋ねますが、今回は特に見ていないと言われ、落ち込むことに。その後彼は、美奈子に対し、自分の親友=炎のことについて語るのでした。ここで「美奈子が予知夢を見ていない」という展開にしたのがGoodポイント。もしここで「炎が帰ってくる予知夢を見た」となれば、炎が生きていることがこの時点でわかってしまいますし、逆に「炎が帰ってこない予知夢を見た」とすると、初めて美奈子の予知夢が外れたというマイナスポイントになってしまいますからね。さらに、この後の竜の、炎に関する発言も見逃せないところ。比較的炎よりも海と関わりが深かったように感じる竜ですが、彼もちゃんと炎のことを見ていたんですね。

 

竜「俺とお前がこうしていられるのも、アイツのおかげさ。この緑を、海を、空を、この地球を、守り抜いた男だ。」


半壊した山海高校の校舎を訪れた、翼と雷。雷はわざと炎のことを気にしていないようにふるまい、翼の宇宙人のサンプルコレクションを評価しますが、翼は突然立ち上がって激昂し、パソコンなどを払いのけてしまうのでした。翼はずーっと宇宙人のサンプルを集めてきましたが、今では生物室の壁を埋め尽くすほどのコレクションに。さすがに宇宙警察機構でもこれだけのサンプルは取り揃えていないらしく、このことを雷は高く評価しますが、翼の表情は晴れず、逆に暗くなる一方でした。皆が生きて帰ってこれれば、このサンプルを見せようと思っていた翼。しかし現時点では炎は生死不明であり、最終的は「炎が帰ってこなければ無意味だ!」と言ってパソコンを払いのけてしまいます。確かに、宇宙人のサンプルはまた集められるかもしれないけど、炎はもし死んでしまったら、二度と帰ってくることはないもんね―。

 

翼「こんなものいくら集めたって、炎が帰ってこなければ無意味だ!」


朝日山校長の言葉を受け、ナンパされようが雪に振られようが、待ち時間を過ぎてもただひたすら待ち続ける真理亜。やがて時間も深夜になり、炎は死んでしまったと考えた真理亜は、雪の中で突っ伏して涙を流します。そんな時に聞こえてきた、聞きなれた男性の声。その主は―!炎を待ち続ける真理亜ですが、その間彼女は、ナンパや降雪等に遭遇。ナンパに対しては御札を使って対抗しますが、雪に対しては傘もささず、ただひたすら耐え続けます。御札を使ってきたことにより、ヤバいヤツだと思い退散していくナンパした男たち。そりゃそうだよなぁ。だって森ですらドン引きした女性だよ、真理亜は。そんなこんなで待つこと約12時間。あまりにも炎が来ないため、彼は死んでしまったと考え泣きじゃくる彼女でしたが、その時ふらっと炎が登場。ジャケットもズボンも破れボロボロの状態でしたが、生きている姿を真理亜に見せ、2人は抱き合うことに。海たちもそれぞれ偶然炎の姿を目撃し、各々喜びながら彼のもとに駆け寄るのでした。炎がボロボロになりながらも、いつものようにふるまおうとしているのがいい感じですよね~。そして、彼の元気な姿を見たときの、各メンバーの反応も見逃せないポイント。ぜひ本編を観てもらいたいのですが、ちゃんと各々彼ららしい反応の仕方をしています。しかし海、いつもと全然表情が違っていて、一瞬誰だかわからなかったぞ!

 

炎「よっ、オカルト娘。また遅刻しちまった。悪かったなぁ、待たせて。…映画館、閉まっちまったなぁ。カラオケなら、開いてるかな?」
真理亜「炎!」
炎「真理亜!」


ラストシーン。各メンバーとの思い出写真を背景にしてスタッフクレジットとEDテーマ「風の中のプリズム」が流れ、その後は炎たちと雷&ルナとの別れのシーンが描かれることに。ダグビークルは宇宙警察機構によって回収されますが、ダグコマンダーだけは炎たちの手元に残されることになります。雷たちを見送った炎らは、再び日常へ戻り、“勇者高校生”としての彼らの活動は終わることになりました。ラストシーンでニヤリとさせられるのが、雷たちを見送る際の残りのメンバーの服装。自分のジャケットを雷に渡した炎を除き、各メンバーの服装が「サウンドトラックⅠ」のCDジャケットに登場している服装と同じになっているんですよね~。激は上述のCDが発売された時点ではまだ劇中未登場でしたが、今回は学の顔のイラストがあしらわれたセーターを着用。なんだよ、意外にかわいいもの着てるんだな!

 

 

 

 

 

…こうして、『ダグオン』のテレビシリーズの物語は完結しました。しかし、実はまだまだ『ダグオン』の物語には続きが存在。これはまた、次回以降でご紹介することにしましょう。

 

 

 

 

 

◎今日の勇者ソング◎

今日ご紹介するのは、1996年放送の勇者指令ダグオン』EDテーマ「風の中のプリズム」です。

 

『ダグオン』の主人公たちをイメージした、まさに爽やかな青春を感じさせる一曲。個人的には「勇者シリーズ」の中で最もお気に入りのEDテーマです。「♪追いかけてゆくよ 夢の行方 遠く きらめいた 風の中のプリズム 」なんて歌詞、素敵でいいじゃないですか。

 

EDテーマが各キャラクターの1枚絵(後半では炎と海を除き2人で1枚絵)で構成されているのも、これまたGood。こうした手法自体は前作『ゴルドラン』でも用いられていましたが、『ダグオン』の場合、各メンバーの水彩画がこれまたいい味出してるんだよな~!

 

 


Brave Command Dagwon Ending Theme Prism in the Wind

 

 

 

 

 

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