今回は、2月10日に発売された書籍『太陽にほえろ!伝説』のレビューです。
『太陽にほえろ!』のプロデューサーを務めた、岡田晋吉さんによる書籍。初版本は2003年にソフトカバーで発売されており、今回はそれが文庫化された形になります。
いや~、この本が文庫化されてたなんて、知らなかったよ。今日外出した際に偶然本屋で見つけたのですが、迷わず購入しちゃいましたね。
この本、私にとっては非常に思い出深い本で、ソフトカバーの初版本は、当時図書館でしょっちゅう借りてはむさぼるように読んでいました。
この本が刊行された当時は、ちょうど私の家でCATVが観れるようになった頃。それまで昭和の刑事ドラマは、深夜の再放送であった『西部警察』などの一部の刑事ドラマしか観ていませんでしたが、この頃になってCSチャンネルにより観れるドラマの幅が広がり、『太陽にほえろ!』もその中の1つでした。私が『太陽にほえろ!』の本編を初めて観たのは、この時だったのです。
当時はファミリー劇場でボン&ロッキー編が再放送されていて、同時並行でジーパン編も再放送されてたっけ。観始めの頃は「なんで同じタイトルのドラマで出てる人違うんだろう?」と不思議に思い、この『太陽にほえろ!伝説』で、「『太陽にほえろ!』は殉職などでレギュラー刑事がどんどん入れ替わっていく」ことを知り、驚いたものです。
閑話休題。
この『太陽にほえろ!伝説』は当時の制作現場や作品自体の制作過程が克明に記されており、「どのようにこの作品が企画されたか」、「キャストの気質はどうだったか」、「ピックアップしたお話の生まれた背景」などが中心になっています。
『太陽にほえろ!』の企画意図等は他の書籍でもさんざん言及されていますが、そこにあった製作者たちのドラマ等までもがわかるのが、この本のいいところ。今でこそ刑事ドラマの金字塔として知らない人はいない『太陽にほえろ!』ですが、この作品が企画段階でいかに制作者たちの思いが込められていたかがよくわかります。
また、上述のようにドラマの制作過程が詳しく書かれているため、「このお話はこういう風に発想された」とか「ドラマ制作の企画の進め方」など、捉え方によっては脚本家や映画監督などにも役に立ちそうな情報がいっぱい。その手の業界を目指している人にとっても、かなり有用な本になっているといえます(まあ、今から40年以上前なので、多少違っているところはあるでしょうが)。
そして、巻末には『太陽にほえろ!』の全話リストと各話の主役刑事が掲載。こういうシンプルながらも重要な情報、『太陽にほえろ!』に関しては、この本以外で私は見たことがありません。Wikipediaですら、全話リストが載っていても「どの刑事が主役か」までは記載されていませんからね。そういう意味では、この本は資料としても価値あるものになっています。
『太陽にほえろ!』が放送開始されてから、今年で48年。もう半世紀近く前の作品になりますが、未だにその輝きは色あせていません。
皆さんもこの本で、そんな『太陽にほえろ!』の世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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