お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダムSEED』ちょっとした感想 SEED-16(第46~48話)

今回は、機動戦士ガンダムSEED』の感想記事第16回目です。

 

いよいよ、連合とプラントの戦争も終局へ。今回ご紹介の3話では、クルーゼの手でフレイがデータをつかまされたことをキッカケに、連合側は核攻撃を、プラントは巨大レーザーであるジェネスシスを使用し、人類終末戦争のような様相を呈してくる形になりました。もはやどちらかが滅びなければ終わりそうになく、またクルーゼの思惑通りに進んでいるこの戦争。キラたちの活動は、最悪の事態を回避させることが出来るのか、気になります。

 

なお、前回(第43~45話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

PHASE-46「たましいの場所」

2003年8月30日放送

登場した敵他:カラミティガンダムフォビドゥンガンダムレイダーガンダムデュエルガンダムシグー、ジン

「だって気になるじゃない。普通言いませんよ、“戦争を終わらせるための鍵”なんて言葉。」

 

STORY:アークエンジェルドミニオンの戦闘の真っただ中で、クルーゼ隊より放たれたポッド。そこに乗っていたのはフレイだった。苦しい戦局の中で、彼女の助けを求める叫びを耳にしたキラは、フリーダムガンダムを中破させてでも彼女を救おうとするが、ナタルの指示を受けたオルガのカラミティガンダムのほうが素早く、ドミニオンに回収されてしまった。なんとかクルーゼ隊の攻撃を突破し、宙域を脱出したアークエンジェルだったが、キラの心の傷は深かった。この苦難から、彼は再び立ち上がることができるのか。

 

ほぼ1話まるまる、フレイの回収とそれをめぐるキラたちの戦いと心の動きにスポットを当てた、ここ数話で一機にストーリーが展開したことと比較すると、かなりじっくり1つの物事を描いていたなと感じる一編。今までさんざん、フレイにいろんなことをされてきたキラですが、それでもなお、彼は彼女のことを仲間として大切に思っているんだなと感じました。いくら彼女を救いたいからとはいえ、フリーダムガンダムを犠牲にする勢いで突っ込んでいったり、フレイを救えなかったことで涙するさまを見ると、(今までのフレイの行いから考えれば)キラがあまりにも人が良すぎるように感じられますが、それもまた、彼の人間的魅力といえるでしょう。

 

前回、再び始まった、アークエンジェルドミニオンの戦闘。キラのフリーダムガンダムと、アスランジャスティスガンダムが出撃し、カラミティガンダムたちを迎え撃ちますが、その最中にクルーゼ隊も攻撃を開始。投入されるデュエルガンダムやジン部隊を前に、M1アストレイはかなりの苦戦を強いられ、キラたちはそれもカバーしながらカラミティガンダムたちに応戦しなければならないことから、未だかつてない窮地に追い込まれていきます。さすがのキラも、この戦局を前に限界寸前で…。今回は、前回のラストから少しだけ時間を巻き戻し、アークエンジェルドミニオン側の視点とその戦闘の様子からスタート。メインで戦う機体は、アークエンジェル側がフリーダムガンダムジャスティスガンダムドミニオン側はカラミティガンダムたちという構図は同じですが、これにプラスしてクルーゼ隊が介入し、その対処にM1アストレイ部隊が苦戦を強いられているという形にすることで、キラたちのピンチを演出していました。純粋に機体どうしでぶつかれば、互角かもしくはキラたち側のほうが優勢であることは、以前のお話で明白ですから、こうした周囲の状況からピンチを作り出そうとしているのは、面白いなと感じました。また、M1アストレイは今回やられ役の立ち位置ではあるものの、ちゃんとジンをある程度の数撃破はしており、どちらかといえば数が多すぎて対処できないという構図にすることで、M1アストレイそのものの格を落とさないようにしているのも、上手かったですね。そして、こうした状況下に追い込まれ、息が荒くなり焦り始めていいたのはキラ。SEEDが覚醒した状態でも、精神面までは強化されないことがよくわかる描写でした(この点は、以前のキラとアスランの一騎討ちのシーン等からでも窺えましたよね)。

 

ろくに外も見えないポッドで射出されたフレイは、じょじょに錯乱状態に陥り、ポッド内の通信機を操作して、必死に助けを求める通信を発信。やがてその通信の回線が、国際救難信号の周波数に合致したため、キラをはじめとするこの宙域にいる人間全員が、ポッドに中にフレイがいることを認識します。キラは何としても彼女を救おうと、フリーダムガンダムを中破させてまでレイダーガンダム等を振り切りポッドへ向かいますが、そのポッドは、ナタルから指示を受けたオルガのカラミティガンダムによって先に回収されることに。それでもあきらめきれないキラでしたが、アスランによってアークエンジェルへムリヤリ帰投させられるのでした。Aパート後半より、ポッド内にいるフレイの様子が中心に。あまりにも狭い閉鎖空間内でそのまま宇宙に放り出された彼女の恐怖が、克明に描写されていました。彼女の抱く恐怖はもっともだとは思いますが、これまでの行い等を加味して考えると、単純には同情できないよなぁという感じ。しかしそれでも、キラは彼女に負い目を感じていることから、全てをかなぐり捨ててでも彼女を救おうとします。ここでのキラのムチャっぷりは凄まじく、フリーダムガンダムをかなり損傷させてでもフレイのもとに向かおうしていて、狂気すら感じました。武装が破壊されたり、腕や脚が損傷したりするならまだわかりますが、まさか頭部まで破壊されてしまうとはなぁ。『ガンダム』の最終回を想起させるこの演出が、このタイミングで出てくるとは思わず、かなりの衝撃を受けました。このように、キラはかなり無理をしましたが、結局フレイを救うことはできず、彼女はドミニオン側に回収されることに。これをカラミティガンダムたちが担当することから、戦闘が中断することになり、お話の流れを違和感なく切り替えることに成功しているのも、秀逸です。

 

ドミニオンの艦橋に向かい、そこでナタルと再会し涙するフレイ。そんな彼女を抱きとめるナタルとは反対に、アズラエルは、彼女が持っていた“戦争を終わらせるための鍵”を回収し、自身のパソコンで解析を進めます。そして、そこに記録されているデータを把握し高笑いするのでした。同じ頃、宙域脱出を図るマリューたちは、ラクスの提案に従い、クルーゼ隊の艦を攻撃し強行突破する方法を選択。ムチャかと思われたこの作戦は成功し、アークエンジェルらは無事安全な宙域へと脱出します。Bパート前半では、ドミニオンに乗り込んだフレイと、彼女の持っていた“戦争を終わらせるための鍵”に興味を示すアズラエルのさまが描写。このシーンでフレイは、ナタルアークエンジェルを離れてドミニオンの艦長になったことを知ります。久しぶりの再会で会話する両者ですが、ここで面白いのが、ナタルもフレイも声を担当しているのが同じ桑島法子さんであること。収録タイミングは分けているのでしょうが、自分自身どうしで会話しているという構図になっています。おそらく、狙ったというよりも結果的にこうなったという感じなのでしょうが、桑島さんの演技の幅に唸らされましたね。ちなみに、このシーンの直前で、フレイの通信にキラが返事をしたことを通じて、ナタルはキラが生きていることを初めて知ることに。ここ数話の間、戦闘シーンで両者の様子が交互に描写されていましたから、てっきりもう知っているものだと思ってましたよ。そういえば確かに、アラスカでも2人は接触していないから、ナタルがキラの生存を知る術はなかったんですよね。このように、再会を喜ぶナタルとフレイの一方で、そんなことには全く興味がなく。“戦争を終わらせるための鍵”にのみ関心を寄せていたのがアズラエル。彼はそれをフレイから受け取ると、さっさと自室に戻って解析を進め、それが何なのかを特定します。“戦争を終わらせるための鍵”に収録されていたのは、フリーダムガンダムジャスティスガンダムの詳細スペックと、ニュートロンジャマーキャンセラーの技術。これがアズラエルの手に渡ったとなると、事態はかなりマズいぞ…!

 

危機を乗り越えたことで、落ち着きを取り戻すアークエンジェル。しかし、ムウは以前負傷したままであるほか、キラは精神的ダメージを負い、それが身体的疲労をさらに増大させていました。フレイのことを何とか切り替え、自力で立ち上がろうとするも、ラクスの顔を見るたびに、フレイの面影がよぎってしまうキラ。彼の様子を察したアスランは、見舞いに来たカガリと共にいったん退出し、ラクスは、キラの号泣を真正面から受け止めるのでした。終盤では、クルーゼ隊の攻撃を乗り切って宙域を脱出し、ひと段落ついたアークエンジェルの様子が描写。いくらイザナギやエターナルの援護があったからとはいえ、クルーゼ隊の艦隊を返り討ちにして撃破してしまうのには、かなり驚かされました。いくら主人公の乗る戦艦とはいえ、ものすごい底力を持っているなと感じましたね。そしてこれで、地味にクルーゼ隊側で序盤から登場していた兵士たちも戦死してるんだよね…。そんな、最後に意地を見せて窮地を脱したアークエンジェルでしたが、艦員たちは心身ともに傷ついた状態。特にキラのダメージは大きく、ラクスを何度もフレイに空目していました。かなり深いダメージを負っていたキラでしたが、それでも周りには心配をかけまいと、できるだけ普段通りふるまうようにしていたのが注目すべきポイント。無理をしているのは明らかですが、彼が以前に比べて精神的に強くなったんだなということを感じさせてくれました。一方で、そんなキラの無理を、ラクスが見抜けないはずがなく、全てを察した彼女は、キラに泣いていいとアドバイス。その直後、彼の抑え込んでいた感情が爆発し、大号泣するのでした。やはり、心の中で深い悲しみを抱えていたキラ。ここから彼は、どのように立ち直るのでしょうか―。

 

 

 

PHASE-47「悪夢は再び」

2003年9月6日放送

登場した敵他:カラミティガンダムフォビドゥンガンダムレイダーガンダム、ジン、ディン、ストライクダガー

「なんでそんなものがあるんだろうね。核兵器なんてさ。モビルスーツも銃も、同じだけど。」

 

STORY:ニュートロンジャマーキャンセラーを入手したアズラエルは、連合上層部に猛烈な働きかけを行い、核攻撃を許可させた。切り札を手にした連合は勢いづき、ザフトの要衝の1つであるボアズを一瞬にして壊滅させた。これを受けたパトリックは、ザフト側も切り札を使うことを決意し、防衛ラインであるヤキン・ドゥーエへ自らも出撃する。両軍が接触し戦闘が生じる中で、再び行われる地球軍の核攻撃。プラント本国は、核攻撃の雨あられの前に、宇宙のチリと消えてしまうのか。


フリーダムガンダム等キラたち側の戦闘シーンは、終盤のみにとどめられ、戦争がもはや引き返せないところまで発展してしまう一編となった今回。その原因を作ったのは、ニュートロンジャマーキャンセラーを入手したことに端を発して、調子に乗って核攻撃をしまくる連合によるものでした。プラントの肩を持つわけではありませんが、今回の連合のやり口は常軌を逸しており、もうプラント側も連合を滅ぼさなければ勝利したとは言えない状況に追い込まれてしまいました。キラたちも必死にこの潮流に抗おうとしているけど、どこまで変えられるのかな…。

 

前回、フレイから入手したデータが、ニュートロンジャマーキャンセラーであることを解析したアズラエル。彼は連合上層部に働きかけて、当初は及び腰だった彼らに、核兵器の使用を許可させます。これを機に、一気に月基地に核兵器が集められ、連合はザフトの防衛拠点の1つであるボアズへ侵攻。突然専制性攻撃をかけてきた連合に、パトリックをはじめとするザフトは理解しきれないでいましたが、唯一すべての事情を知るクルーゼは、内心笑いながら事態を注視していました。量産して放てば、あっという間に相手を滅ぼせる核兵器ブルーコスモスの盟主であるアズラエルは、これの使用に異常なほどこだわっていた一方、連合上層部は意外にも消極的な意見が多数でした。連合上層部が及び腰だったのは、この戦争が核攻撃によって引き起こされたがゆえの反省等ではなく、単に地球でのエネルギー事情等が逼迫しており、核兵器量産に割けるリソースがそんなになかったから。いや、その観点もわからなくはないけど、少しは血のバレンタインのことを思い出してほしかったかな…。本当、連合上層部は、プラントのことをなんとも思っていないんですね。そんな連合上層部は、アズラエルに押し切られる形で、核兵器の量産を一転して決定。月基地である程度の配備が完了後、ザフトの拠点の1つであるボアズを襲撃しますが、ザフト側はこれに応戦します。ザフト側で、連合にニュートロンジャマーキャンセラーの技術が漏れたことを知っているのはクルーゼのみ(犯人ですが)。ザフト側での会議のシーンでは、連合の意図をつかみかねているパトリックたちを嘲笑うかのように、彼は立ち回ります。クルーゼがいい気味だと感じるのはよくわかりますが、ここはちょっと調子に乗りすぎたかなという印象。「悪いヤツほどよくしゃべる」というのは、万国共通ですね。

 

ボアズにおける連合とザフトの衝突は、連合側でカラミティガンダムたちが出撃していることもあり、ほぼ拮抗状態。その中で、ピースメーカーと名付けられた、核兵器を搭載したメビウスの大部隊が、次々とボアズに向けて発射され、ボアズはほぼ跡形もなく消滅してしまいます。当初何が起こったのかわかっていなかったボアズでしたが、最後の最後で、その熱量と爆発エネルギーから、核兵器が使用されたことを確信し、プラント本国へと打診するのでした。Aパート後半では、ボアズを舞台にしたモビルスーツうしの激戦から、核攻撃によるボアズ壊滅を描写。なんと言っても印象に残るのは後者であり、凄惨さは抑えられつつも、核攻撃そのものの威力、そしてそれを目の当たりにした兵士たちの衝撃が、よく表現されていました。我々が核攻撃と言われると、どうしてもキノコ雲等を想像しがちですが、ここではまばゆい光の描写を何度も使うことでそれを表現。そういえば、以前の『∀』でも、核兵器の描写でまばゆい光を放つさまが挿入されてましたし、「ガンダムシリーズ」ではよく使われる描写ですよね。ちなみに、ここではかなりの数の核兵器が使用されており、ボアズはほぼ跡形もなく吹き飛んだ状態に。核兵器の名前が「ピースメーカー」というのは皮肉な話ですが、連合側でもザフト側でも、登場キャラが誰一人として放射能汚染のことを触れていないのは、ちょっと気になりました。宇宙だからそういうのはあんまり関係ないってことなのかな?いや、いくらそうだとしても、あれだけバカスカ撃ったら、何かしら影響が出そうに見えるけど…。

 

ラクス独自の情報網経由で、連合によるザフトのボアズ核攻撃を知ったキラたち。同じ頃、パトリックは連合のやり口に怒り、自身らの切り札である巨大レーザー兵器:ジェネシスの使用を決断。それがあるヤキン・ドゥーエへ自らも出撃します。一方、ボアズを陥落させたことに勢いづく連合の中で、つかの間の休息をとることになったドミニオンでは、ナタルとフレイが再び1対1で話し合っていました。今回のことで、さすがにブチギレたパトリック。彼はジェネシスの使用を決断して、自らもヤキン・ドゥーエへ向かいます。ジェネシスは、見た目は『V』のカイラスギリーのような感じをしていますが、立ち位置的には、宇宙世紀で何度も出てきたコロニーレーザーのようなもの。やっぱり、「ガンダムシリーズ」の悪役ポジションって、最後はこうした兵器を使いたがるのね…。このように、ザフトが反撃の準備を進めているときに、ドミニオンで1対1で話し合っていたのが、ナタルとフレイ。フレイのことを思って住居区への退避を提案するナタルでしたが、フレイはそれをあえて拒否します。これからさらに凄惨なシーンを見るかもしれないのに、頑なにフレイが艦橋に残ろうとしていたのは、かつてアークエンジェルにいた頃に、最前線で戦争を見ようとせず、結果理解が足りずに仲間たちにツラく当たっていたから。彼女なりに反省しているのはわかりますが、それに気づくには、もう遅すぎたんですよね―。

 

プラント本国付近で、連合とザフトが衝突。モビルスーツうしの激しいぶつかり合いとなり、そこにはオルガのカラミティガンダムたちのほか、イザークデュエルガンダムの姿もありました。カラミティガンダムたちにほとんど歯が立たず苦戦するデュエルガンダムは、そのとき再びピースメーカーが放たれるのを目撃し、最悪の事態を想定しますが、ここでキラたちが駆けつけて、そのピースメーカーを全機撃墜。核兵器によるプラント本国消滅は回避されます。しかし、時同じくして、ヤキン・ドゥーエではパトリックがジェネシスの発射準備をしており、ザフト全兵士に射線上からの退避命令が発令。これを知ったイザークは、キラたちにも退避するよう連絡しますが、ついにジェネシスが放たれて―!?ボアズ陥落で勢いづいた連合が、次に狙うのはプラント本国。いくらなんでも一気にジャンプしすぎじゃないかと思いましたが、意外にもプラント本国の防衛ラインまでは悠々と進軍します。ザフトはいくつかの防衛ラインを持っているはずですが、ここまで相手に攻め込まれるのは初めてのはず。ジェネシスのことに兵力を割いていたせいで、守りが薄くなったんですかね?そんな形で始まった戦闘は、連合側のやや優勢で進行。イザークデュエルガンダムは、カラミティガンダムたちにほとんど歯が立たず、ピースメーカーでの攻撃を許してしまいます。プラント本国壊滅は必至かと思われたそのとき、全弾を撃墜してみせたのが、キラたちでした。あわやプラント壊滅かというときのイザークの表情、そして叫びは、かなり鬼気迫るもの。彼の恐れと悲しみがよくわかり、核攻撃への戦慄を的確に表現してくれていました。こうして、最悪の事態はキラたちによって回避されたものの、今度はジェネシスがプラントによって発射。これによる被害はどうなるのか?次回へ続く―!

 

 

 

PHASE-48「怒りの日」

2003年9月13日放送

登場した敵他:プロヴィデンスガンダムカラミティガンダムフォビドゥンガンダムレイダーガンダム、ジン、ディン、ストライクダガー

「兵器が争いを生むのでしょうか。それとも、人の心が―?」


STORY:パトリックによって放たれたジェネシスは、連合に甚大な被害をもたらした。旗艦を失った連合は、ドミニオンを中心に集結し一時後退、ザフトも態勢を立て直すために後退するが、各軍どうしの小競り合いは収まる気配はなかった。そんな中、ジェネシスにより引き起こされた惨状を目の当たりにしたイザークは、脳裏にディアッカの言葉がよぎり、ザフトの方針に疑問を抱くのだった。一方、これ以上両軍に終末兵器を使わせまいと決意したキラたちは、真の意味で戦争を止めるべく、出撃していく。そのとき、月基地に向けてジェネシスが放たれて―!

 

前回の核攻撃とジェネシスによる攻撃を経て、甚大な被害を受けてさらに相手への憎しみを増大させていく連合とザフト、そしてそれらとは別の立ち位置にいて、戦争を止めるべく行動しようとするキラたちのさまが描かれた一編。今回は比較的戦闘シーンが少なめでしたが、戦場に渦巻く人間の憎しみと狂気が、よく描かれていたように感じました。そしてラストでは、ジェネシスの2発目が放たれたほか、クルーゼ専用ガンダムとしてプロヴィデンスガンダムが登場。戦局的にかなりザフトが一転して優勢になった気がするけど、はてさてどうなるのでしょうか。

 

前回、連合に向かって放たれたジェネシス。それは連合の艦隊を瞬く間につんざいて消滅させ、旗艦を含む出撃していた主力艦のほぼすべてを消滅させます。ナタルドミニオンは、奇跡的に射線上からそれていたためこれを回避し、失われた旗艦に代わって臨時で中心となって部隊を招集。ザフト側も態勢立て直しのために一時攻撃を中断しますが、ここのモビルスーツ間での小競り合いは続いていました。無用な争いを止めるため、キラたちはギリギリまでこれに止めに入ります。Aパート前半では、ジェネシスの発射と、それによりもたらされた連合側の甚大な被害が描写。全てを焼き尽くすレーザー兵器であるそれを前に、連合は大きく戦力を失うことになり、ドミニオンと各ガンダムが奇跡的に被害を免れていたのが救いでした。ジェネシスもまた禁忌の兵器かつその威力は相当なものですが、前回のピースメーカー(核攻撃)に比べると、やや描写の鮮烈さは抑えめ。そのぶん、ドミニオンの艦橋を通じて、指揮系統の混乱っぷりを描写することで、兵士たちの受けた衝撃と被害を描き出してくれていました。連合はこの攻撃で旗艦を失っているのですが、それでも動じていることを抑えて、的確に指示を出しているナタルはなかなかのもの。いやはや、ああした素早い切り替えと判断が出来るのは、さすが軍人ですね。そして、ピースメーカーとジェネシスによって、お互い甚大な被害を受けたザフトと連合は、態勢を立て直すため、自然と一時停戦状態に。しかし、兵士どうしの小競り合いは続いており、キラたちはその事態の収拾にあたります。パトリックの演説を聞き、打倒ナチュラルにはやって、ストライクダガー等を容赦なく攻撃するザフト一般兵たち。オーブでのときもそうだけど、こうした感情的な行動は、ザフト側のほうが走りがちな気がします。

 

エターナルに戻り、ジェネシスの調査報告を受け、今後の動き方について検討するキラたち。アンドリューやラクスは、兵器と人の心で悪化していく状況を悲しむような発言をしますが、それでもキラは、両軍ともに終末兵器を使わせてはいけないと強く主張し、艦員たちはそれに従います。同じ頃、ドミニオンの中ではアズラエルが錯乱しており、月基地からの補給を当てにして、態勢を立て直す前に再度総攻撃に出るべきだとかたくなに主張し続けるのでした。終末兵器による攻撃の応酬となり、「どちらかが滅びるまで戦争は続く」という最悪の事態を想定しはじめるラクスたち。それでもキラは、「どちら側にもそれら兵器を使わせてはいけない」と断言し、艦員たちの意見を統一します。ここでは、キラたちの議論の様子を、時間をとってしっかりと描写。個人的には、キラが先述したことを言った際、アンドリューだけが微笑んでいたのが、印象に残りました。幾多の戦線をくぐり抜け、またキラとも戦ったことのある彼だからこそ、キラの偽りのない強い決意と思いを感じ取ったのでしょう。アンドリューがキラのことを認めていることが感じられて、よかったですね。このように、エターナル側では割と建設的な議論がなされているのに対して、完全に感情的になってムチャな行動に出ようとしていたのがドミニオン。それには、アズラエルの意向が大きく反映されていました。自分はピースメーカーを使ったクセに、ジェネシスを使われた途端に慌てふためき、コーディネーターへの憎悪を語るアズラエル。ここ数話では前線で戦争を見てきたとはいえ、彼もまた結局は、戦争に対して無知な人間だったと言えるでしょう。ジェネシス2発目を撃たせないために先制攻撃をしたいのはよくわかるけど、どう見たってそんなのすぐに出来る状況じゃないじゃん…。ちなみに、アンドリューやアズラエルの語りを通して、このジェネシスによる脅威は、現実世界におけるかつての冷戦の核抑止をモデルにしているのであろうことが窺えます。シチュエーションは違うけど、現実世界でもあり得たかもしれない展開…なんですよね。

 

プラント本国に戻ったイザークは、そこで母と再会。彼女の計らいで後方支援の部隊に回されることになりますが、彼にはそれよりも母に問いたいことが。しかし、それは結局訊けずじまいに終わってしまいます。同じ頃、パトリックはジェネシス第2射の準備に入っており、目標は月基地。この発射を邪魔されまいとして、クルーゼの出撃にかかる進言も許可します。Bパート付近では、イザークにかかる描写が挿入。プラント本国への核攻撃と、ザフト自身の行ったジェネシスの攻撃の前に、彼はディアッカの考え方に傾き始めていました。以前のディアッカとのやり取りを思い出しながら、このままザフトの兵士として戦うことが正しいのか、悩むイザーク。結局今回は、母エザリアには言い出せずじまいでしたが(彼女もザフト最高評議会のメンバーなんですね)、次回あたりで、彼も自分自身で身の振り方を決断することになるのでしょう。

 

連合もプラントも再び動き始めたことを知ったキラたちは、人類の終わりを阻止すべく、出撃を決意。各々大拙な人々とのやり取りを経て、戦場となる宙域へと出撃していきます。そこには、ついにパーツの組み立て作業が終わったストライクルージュに乗る、カガリの姿もありました。一方のクルーゼも、新たなる自機:プロヴィデンスガンダムで出撃。それと時同じくして、2発目のジェネシスが放たれて―!終盤では、この戦争を止めるために出撃するキラたちのさまが、時間を取られてしっかり挿入。これが最後の戦いになるかもしれないと皆考えており、キラはラクス、アスランカガリ、ムウはマリューと言葉を交わして、次々に出撃していきます。ここでは、各キャラのキスの仕方で、その性格や思いを表現し分けているのが面白いところ。キラだけ、直接唇ではなく頬にキスをしているのが、彼らしいなと感じました。そうして出撃していったキラたち+カガリと時同じくして、新型機:プロヴィデンスガンダムで出撃していたのがクルーゼ。彼がガンダムに乗るとなると、いよいよ物語が終局に近づいているんだなということを感じさせてくれますが、そんなクルーゼのガンダムに乗る理由が、「さらなる力を求めたから」ではなく「ムウがストライクガンダムに乗れることへの嫉妬」なのが、最高に彼らしく、そして彼の異常なまでムウへの執着を感じさせてくれました。放たれるジェネシス、予想されるムウとクルーゼの激突。この戦争の行く末はどうなるのか―!?

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第49話から第50話(終)をご紹介予定です。『機動戦士ガンダムSEED』。新たな世紀へ、翔べ!ガンダム!!

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