お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第18話 ちょっとした感想

本当の家族に、ウソと取り繕いはいらない

 

 

 

アーくんは、巨大な空気清浄機になるんですよ!今回の『ウルトラマンブレーザー』は、ファードランアーマー誕生回の前編にして、イルーゴの登場回。有毒なイルーゴガスを撒き散らすイルーゴに挑むSKaRDと、家族を心配させたくないがゆえについていたゲントのウソがついにバレてしまうさまが描かれていました。

 

次回予告では、イルーゴガスへの対処がメインとなって、なかなかハードなお話が展開されるように感じられましたが、実際はそこまで重くはなく、さらにゲントの家族の話も進めていてGood。しかも、どの要素も過度にゲントたちにとってプラスあるいはマイナスになる展開は盛り込まれておらず、ストレスなくかつ納得できるドラマづくりをしていました。本当に『ブレーザー』って、作劇が“いい塩梅”なんだよなぁ。

 

なお、前回(第17話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

イルーゴへの対処とゲントの家族のこと、この2つのお話が中心となり、同時並行的に進められていた今回。イルーゴは強敵であり、ゲントの家族の問題も解決の仕方にある種の慎重さが求められるものでしたが、的確かつ違和感のないドラマをしっかりと積み上げることにより、30分枠の中でしっかりとお話を完結させ、キレイなエンドとしていました。継田さんは以前からニュージェネ作品に関わってるけど、『ブレーザー』では作風にマッチした良回を連発してますよね。普段はけっこう飛ばした話を作る人なんだけど…。

 

市街地に出現した怪獣イルーゴは、イルーゴガスと呼ばれる有毒ガスを撒布し始め、その被害はゲントの住む街を含めて拡大。人々はマスクが手放せない生活を余儀なくされます。ゲントらSKaRDは独自調査を進めていましたが、ハルノ参謀長からの指示で待機を命じられてしまうことに。しかし、ゲントはそれに従う気はなく、別行動のエミ含めて調査続行を指示します。仕事に忙殺される中帰宅するゲントでしたが、その家族仲には少しずつヒビが入ろうとしていました。イルーゴは最初から出現し、イルーゴガスを撒き散らして人々を苦しめることに。この流れは、その気になれば人々がバタバタ倒れ始める等のシーンを挿入することで表現することも可能ですが、あえてそれをせず、間にOPを挟むことで上手く時間を盗み、端的かつわかりやすく表現していました。今後のドラマのことを考えると、ここの描写にあまり時間を割いていられないがゆえの措置なのですが、ストレスなくヤバい状況を表現していたのがGoodでしたね。これに対処すべく、SKaRDも動き始めますが、ハルノ参謀長の指示で待機を命じられることに。それでもここは、ゲントが責任を持つ形で調査は続行となりますが、その代わり彼は、家族にかかる問題に直面することになりました。以前から、コミュニケーションを取りつつも、微妙にすれ違いが生じていた、ゲントとサトコたち。今回それが表面化し、サトコはゲントの仕事に疑問を持つようになります。ゲントの家族の話が挿入されることは、前回の次回予告からは窺えなかったので、これが挿入されたときは「この話も今回やるのか!?」と驚きました。

 

防衛軍上層部は、イルーゴガスの放出を最小限に食い止めながら、レーザー砲でイルーゴを撃破する作戦を立てるも失敗。指揮系統が混乱し対応が停滞する彼らに対し、ゲントらはテルアキとヤスノブの突き止めたイルーゴガスの事実から、アースガロンを用いた空気清浄機の要領の作戦を展開します。これは最初こそ上手くいったものの、さらにイルーゴが出現したほか、ゲバルガまでもが姿を現したことで一時中断。そんな中ゲントは、レーザー砲の隊員たちと、地下に生き埋めになったTVクルーを救出しようとしていました。防衛軍は今回、独自の作戦を展開。わざわざ今回のためだけに専用メカを出し(『ガイア』のシーガルファントップの改造。詳細は後述)、結果的に失敗するもののなかなかの頑張りを見せてくれていました。また、これに負けじとさらなる頑張りを見せてくれていたのがSKaRD。彼らは独自にイルーゴガスの特性とイルーゴの生態との関係を明らかにし、アースガロンを用いた空気浄化作戦を展開。これも結果的には道半ばで失敗するも、素晴らしい活躍を見せてくれました。今回に限らず、『ブレーザー』では、SKaRDそして防衛軍が合理的な動きを見せ、しっかりと活躍しているのが嬉しいですよね。指示系統がこんがらがるなどの不穏な要素もありますが、そこまでこれにストレスを感じないのは、ベースとなる活躍(見せ場)がちゃんと用意されているからと言えるでしょう。こうした作戦展開の連続の中で、ゲントは専用メカの転落に巻き込まれたTVクルーたちを救出。専用メカが上述の通りシーガルファントップの改造であることから、とてもチーム・シーガルみのあるシーンだなと感じました。

 

エミが3年前の事件のカギを握るであろう西崎という男に接触していた頃、ゲントはブレーザーに変身。イルーゴに立ち向かいますが、その対処に難儀します。このまま事態は膠着状態に陥るかと思われたそのとき、アースガロンがチルソナイトソードを使ったプラズマ放電による集塵方式を提案。これにより、巨大かつ高出力の空気清浄機を作り出してイルーゴガスを払ったブレーザーは、直後チルソナイトソードを使ってイルーゴとゲバルガを撃破。同じくアースガロンもイルーゴを撃破し、勝利をつかみます。エミのV99および3年前の事件に関わる描写は、今回最低限の挿入。詳細は次回に持ち越される形となりました。こうしたエミの活躍と時同じくして、イルーゴへの対応に苦慮していたのがブレーザー。膠着状態の戦局を打破したのは、アースガロンでした。アースガロンは今回、ブレーザー登場前に空気浄化作戦を行っていましたが、失敗してイルーゴに巻き付かれたあとも引き続き粘って奮戦。ブレーザーにチルソナイトソードを使った空気浄化を提案するだけでなく、バルカン砲を使って脱出の機会を与え、さらにはブレーザーが一気にゲバルガとイルーゴを撃破した直後、残るイルーゴ1体を撃破する等、大戦果を挙げていました。作劇上アシストに回ることがほとんどのアースガロンですが、今回も良い活躍してくれましたね〜。しかも、イルーゴを単独撃破してますし、これが何気に単独での初白星ですよね。このようなアースガロンのアシストを受け、ブレーザーも奮戦し、一度は苦戦したゲバルガやイルーゴをあっという間に撃破。チルソナイトソードの電撃でプラズマによる集塵を起こすという発想は、本当に脱帽でした。今回はアースガロンひいてはSKaRDがいなければ、絶対ブレーザーは勝てていませんでしたね。

 

事件を解決し、ようやくサトコたちのもとに戻れたゲント。そこで彼は、TVニュースのせいで自分の真の所属がバレてしまったことに気づきますが、サトコもジュンも、それを暖かく受け入れてくれるのでした。終盤では、ドバシの会話やイルーゴの生き残りか映る等の不穏なシーンがある一方で、ゲントの家族の描写もしっかり挿入。ここで家族仲にさらにヒビを入れてゲントを試し、次回に持ち越すという形をとらず、サトコたちが前向きに受け入れて今回でスパッと終わらせる形にしたのには、好感が持てました。作劇的にはもっと引っ張ってドラマを深化させることもできますが、そこまでやるとちょっと『ブレーザー』の作風に合わない感じがするんですよね。捉え方によっては、ゲントによって都合が良すぎる展開とも言えるかもしれませんが、ゲントとサトコたちの信頼と暖かみが感じられて、私は良いなと思いました。

 

 

 

◎特撮面

イルーゴそのものが人型っぽい見た目をしておらず、また市街地に居座って被害を出し続けることから、特撮パートの比重も大きかった今回。全てがハデなものではありませんでしたが、規模の大小問わず細かく合成を多用することで、絵面に臨場感を与えてくれていました。見た目以上にかなり手間がかかってるんじゃないかなぁと感じたなぁ。

 

イルーゴが出現し、地球上のどの生物とも体組織が一致しない未知の生物であることから、サード・ウェイブの可能性があると踏んだ防衛軍上層部。彼らはSKaRDの動きを封じてまで、先んじて独自作戦を展開しますが、イルーゴの暴れっぷりの前に失敗。続いて登場したアースガロンによる、ヤスノブ発案の空気浄化作戦により、空気は正常化されると同時に、イルーゴは弱り始めていきます。防衛軍の作戦では、シーガルファントップを改造した陸戦メカが登場。こうしたレギュラーではない、単発のモブメカが登場するのは、ニュージェネ作品としては久々ではないでしょうか。あっけなくやられてしまいましたが、こうしたメカをしっかり活躍させ、そのための特撮シーンも設けられていたのは、素直に嬉しかったですね。その後、イルーゴガスがイルーゴの活動しやすい環境を作り出すものであることを突き止めたSKaRDは、アースガロンを使って空気浄化作戦を開始。イルーゴはだんだんと苦しみ始めます。空気浄化作戦のさまは、CG合成で微妙な空気の揺らぎを描くことで表現。ハデではありませんが、効果的な演出であると感じました。

 

陸戦メカの下敷きなっているTVクルーたちを救うため、ゲントたちは地上部隊として出動。見事全員無事に救出しますが、直後また別のイルーゴが出現しアースガロンを攻撃。SKaRDの作戦もまた、失敗に終わってしまいます。このピンチを救うべく、ゲントもブレーザーに変身しますが、イルーゴのうち1体がゲバルガへと姿を変えたうえ、またしても別のイルーゴが出現して…。ゲントによるTVクルーの救出シーンは、そこそこ時間をとって描写されており、「◎ストーリー面」でも述べた通り、まるで『ガイア』のチーム・シーガルのような活躍だったなという印象。陸戦メカはシーガルファントップの改造だったし、もしかして制作陣、これ狙って挿入してるのか?こうしてTVクルーの救出に成功したのち、ゲントはブレーザーとなってアースガロンに加勢しようとしますが、ゲバルガやまた別のイルーゴの出現に阻まれてしまうことに。このあたりのシーンは、ミニチュア全景を大写しにして特定のエリアに怪獣が密集しているさまを表現したり、イルーゴの攻撃に苦しみながらもゲバルガを相手にするブレーザーがやたらと威嚇するように唸ってみたりと、怪獣が出まくっているさまとブレーザーたちの必死さをよく表現していて、とてもGoodな特撮シーンになっていました。

 

イーゴイスの提案をもとに、チルソナイトソードの電撃を利用したプラズマ集塵を思いついたテルアキたちは、ブレーザーにそれを直接伝達。そのうえで自身らもアースガロンのバルカン砲を食らわせることで、イルーゴを1体撃破したほかブレーザーも救出します。これにより解放されたブレーザーは、チルソナイトソードを上空に飛ばして放電させることで、一気にプラズマ集塵を行い空気を正常化。残るイルーゴとゲバルガは、チルソナイトソードで次々と倒していくのでした。今回素晴らしかったのが、やはりこのシーンにおけるアースガロンの活躍。ドラマ面でも特撮面でも見せ場があって、非常に良かったですね。これやブレーザーのチルソナイトソードによる空気浄化、及びラストのゲバルガ&イルーゴ撃破は、CG合成を多用して表現していますが、CGの長所を生かしてハデな絵面を作り出しているのがまた面白いところ。若干実景との合成で少し浮いている部分もありましたが、よく頑張っていたなと感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イルーゴの脅威は、まだ終わってはいなかった。イルーゴと合体した、超巨大怪獣ブルードゲバルガが出現し、ブレーザーすらも全く歯が立たない!しかし、エミがV99の真実に迫り、ブレーザーの光と炎の力が1つになるとき、新たな力が誕生する―!

 

次回は、ブレーザーの強化形態であるファードランアーマーの初登場回。ストーリーも大きく進みそうだし、これはマジで観るしかないですね!私はこの日朝から用事&ツブコンのせいでリアタイは出来ないけど、道中の電車の中から配信を観るぜ!

 

大空を翔るは、新たなる力―!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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