お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第17話 ちょっとした感想

和風感全開なのに、なぜか好みは完全洋風なザンギル

 

 

 

コーヒーがまだだぞ?それが、唯一の心残りじゃ―。今回の『ウルトラマンブレーザー』は、宇宙侍の二つ名を持つザンギルの登場回。単なる敵宇宙人ではない魅力的なキャラづくりが行われており、かつ彼とゲントを中心にドラマが進むため、30分の単発回とは思えないほどのキャラの深掘りがなされていました。

 

ドラマ面に比重が置かれると、どうしても特撮面(戦闘パート)の比重が軽くなってしまいがちですが、今回は敵として登場するニジカガチ(怨霊態)が非常に厄介な敵であるとして、そのハデさを演出。ドラマも特撮にもこだわられた、バランスの良い秀逸な一編であると感じました。ザンギルが今回のみで退場というのはとても残念ですが、このある種のはかなさもまた、「ウルトラシリーズ」の魅力と言えるでしょう。

 

なお、前回(特別総集編2)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

ザンギルとは何者で、その目的は何なのかということを前半パートで描き、後半では最後に倒すべきニジカガチの魂(怨霊)の激戦を描くことで、ザンギルの内面と外面双方をこれでもかというほど描き出していた今回。これだけでも面白いのですが、ラストでキチンと別れを描き、お話としてのケジメをつけていたことが、しんみりとさせられつつも好感触でした。本当、設定上再登場が困難なキャラになっちゃったけど、ザンギルは本当に素晴らしい宇宙人だったなぁ。

 

過去に倒した怪獣たちが出現し、それを謎の男が倒して消えるという事件が頻発。この日はタガヌラーが出現し、SKaRDが出撃しますが、同じように男が現れて怪獣を消し去ってしまいます。怪獣の出現地点が、かつて撃破された地点付近であることに注目したゲントたちは、手分けしてまだ出現していない過去怪獣の撃破地点を調査。そのうちレヴィーラの調査に当たっていたゲントは、偶然にもその謎の男と遭遇するのでした。今回は、序盤から怪獣(タガヌラー等)とザンギルが登場。冒頭から不思議なことを起こして、視聴者の興味をガツンと惹きつける、いわゆる張り手形式のドラマ構成となっており、とても興味深いものでした。そんなザンギル、そして怪獣の出現につき、調査を開始したSKaRD。ゲントはかつてのノヴァイオサイエンスの本社跡地を訪れた際、そのザンギルと遭遇します。ザンギルとのエンカウントは、本編開始4分くらいのところで描かれており、本放送時は「ちょっと早すぎない?」とも感じました。でも、このあとに続く濃厚なドラマのことを考えると、これはちゃんと意味があったんだなぁ。

 

謎の男の正体は、宇宙侍ザンギル。彼の行きつけの喫茶店に場所を移したゲントは、そこでザンギルの素性と過去、そして目的を教えられます。そして、ザンギルの最後の目的が語られたとき、ニジカガチの怨霊が出現。ムリヤリ現場に連れて行かれたゲントは、ザンギルの忠告も聞かずに、ダンプカーを救うためブレーザーに変身して…。中盤で、ザンギルのほぼ全てが、彼自身の口から語られることに。かつて宇宙で暴れまわっていた彼は、宇宙のとある剣の達人(ザムシャー)に敗北した際、108体の怪獣の幽霊を成仏させるよう試練を課され、以降心を入れ替えて宇宙を放浪。この地球にもやってきて引き続き遂行し、とうとう残すところあと1体というところまで来ていました。ザンギルのキャラ付けは本当に秀逸であり、彼にあえて自分のことを語らせまくることで、その背景を描き、またその身なりや口調から、耳目で分かる特徴を描き出し、内外両方の深掘りをすることに成功していました。侍口調になっていることや、コーヒーが大好きな理由を「この星の歴史を勉強して好きになった結果」という理由付けまでしているのには、好感が持てましたね。そんな、自分をしっかり持ちつつもどこか滑稽な一面もあるザンギルですが、ここで最後の怪獣の幽霊であるニジカガチ(怨霊態)が出現。一度SKaRDに戻ろうとするゲントでしたが、ザンギルにムリヤリ現場に連れて行かれたため叶わず、直後転落寸前のダンプカーを目撃したことから、ザンギルの忠告を聞かずにブレーザーに変身します。一連のシーンにおける、ゲントとザンギルの行動や掛け合いが笑えるポイント。2人とも大真面目なのはよくわかるんだけど、それゆえに面白いんだよなぁ。

 

ニジカガチ(怨霊態)は、実体と霊体を使い分けられる厄介な相手。それでもブレーザーは、加勢したザンギルの能力を借りて、ともにそれを倒します。しかし、ニジカガチ(怨霊態)はまだ成仏せず、ザンギルを取り込んで今度はその姿でブレーザーに抵抗。ブレーザーはチルソナイトソードによる攻撃で2体を分離し、正気に戻ったザンギルは、ついにニジカガチ(怨霊態)を倒します。こうして事件は解決し、ザンギルの目的も達成。今後につき、喫茶店で彼に問うゲントでしたが、その答えは―。ニジカガチ(怨霊態)は本当に強く、ブレーザーとザンギルが2人がかりでなんとか倒した相手。詳細は後述しますが、両者頻繁にやり取りしているんだけども、お互い一切喋らず、ジェスチャーうしのやり取り等で「何が起こっているのか」を描いていたのが秀逸でしたね。アースガロンのヤスノブたちは当然分からないけど、今までの経緯を観ている視聴者なら、手に取るようにわかるものになっているのも、また非常に興味深いところです。こうしてなんとかニジカガチ(怨霊態)を倒したブレーザー/ゲントとザンギル。ゲントは最後、ザンギルの今後については訊きますが、彼自身もまた幽霊であり、目的を達成したと同時に消えていく運命であることを知らされ、ゲント以外誰にも知られることなく、喫茶店でひっそりと消えていくのでした。このラストシーンでのやり取りもまた秀逸で、ゲントに「ザンギルが消えてしまうことが悲しい、寂しい」と一言も言わせずに、その悲しみを表現しているのがGood。それに対するザンギルの、「(コーヒーを飲む前に消えてしまうことが)唯一の心残りじゃ」という返しが、これまた粋だったなぁ。

 

 

 

◎特撮面

主に中盤以降にその描写が長くとられ、ブレーザー&ザンギルとニジカガチ(怨霊態)との激戦が描かれた今回の特撮パート。最近の辻本監督作品に見られる、過剰に車のミニチュアをクローズアップする悪いクセが幾分か抑えられており、アクション方面に寄せたドハデな特撮が、とても魅力的でした。ブレーザーとザンギルの掛け合いも面白かったなぁ。

 

かつて倒した怪獣出現の真相は、その魂を成仏させることを目的とするザンギルによるもの。ゲントは彼と偶然遭遇したことで、一連の事情と事実を知りますが、その直後ニジカガチ(怨霊態)が出現。実体と霊体をさまようそれは、巧みに姿を使い分け、市街地に甚大な被害をもたらします。今回登場する怪獣は、全て幽霊。そのため、各怪獣の登場1つとっても、細かい合成がなされており、見た目以上に手間がかかっているのかなと言う印象を受けました。レヴィーラのほうは、その色合いもあって合成感あったけど、タガヌラーのほうは自然な感じだったなぁ。その後。ゲントとザンギルのやり取りを経て、ニジカガチ(怨霊態)が出現。実体をも持つそれは市街地で暴れまわります。ニジカガチ(怨霊態)は、オリジナルのそれでは描かれなかった、市街地での暴れっぷりが披露。高速道路を中心に据えて周囲にビル街を配置することで、ミニチュアの密集状況を作り出し、市街地の描写にリアルさを与えてくれていたのはGoodでしたね。でも、転落しかけのダンプカーから助けを求める人を合成しちゃったのは、ちょっとやりすぎだったかな。アレがないほうが、もっとミニチュアがリアルに見えたのに…。

 

ダンプカーを救うため、ゲントはブレーザーに変身。ダンプカー救出には成功しますが、レインボー光輪をあっという間に撃破され、さらには自分の物理的攻撃も効かないことから、ニジカガチ(怨霊態)に想像以上の苦戦を強いられます。しかし、ここでしっかりと加勢してきてくれたのがザンギル。彼はブレーザーにあらゆる面から協力し、2人で力を合わせてニジカガチ(怨霊態)を真っ二つにします。中盤では、アクションと、ブレーザーとザンギルのやり取りが見どころ。「◎ストーリー面」でも触れましたが、あえてお互いに一切会話させず、ジェスチャーのみのやり取りにとどめ、どういったことを話し合い、そして何をやっているのかを表現していたのが、本当に秀逸でした。こうした演出ができるのも、「ウルトラシリーズ」ならではですよね~。このザンギルの協力ののち、チルソナイトソードがニジカガチ(怨霊態)に効くようになったなったブレーザーは、破竹の勢いで反撃を開始。ザンギルとともに上空でそれを真っ二つにします。ザンギルが必殺技として、自らニジカガチ(怨霊態)に頭から突っ込んでいたのが、一番印象的。見た目はちょっと滑稽なのですが、ここまでしっかりとザンギルのことが描写されていたからか、全然ギャグっぽくは見えなくて、良かったですね。

 

倒したかに見えたニジカガチ(怨霊態)でしたが、その残留し年はまだ残っており、あろうことかザンギルに憑りついてブレーザーを攻撃。アースガロンもブレーザー援護のため介入しますが、ほとんど戦果は挙げられません。ブレーザーは意を決してチルソナイトソードで一騎討ちを行い、峰打ちでニジカガチ(怨霊態)に「ザンギルは斬られた」と錯覚させることに成功。分離したそれをザンギルとともに撃破し、今度こそ本当に倒すのでした。2人でニジカガチ(怨霊態)を倒してめでたしめでたしで終わるかと思いきや、まだまだ続くのが今回の驚きポイント。ザンギルが一時的に敵になってしまうのにも驚きでしたが、それの解決も今回のうちに行ってしまったことに、また驚かされました。本放送時本編終了まであと5分程度になってたら、「次回に続く展開になるのかなぁ」って思っちゃうよねぇ。そんな、ブレーザーとザンギルの戦闘シーンは、先ほどのニジカガチ(怨霊態)のシーンよりも、ややミニチュア特撮にも力を入れて撮影。『帰マン』のグドン&ツインテール登場回前後編のような、高速道路のガードしたから戦闘シーンを映してみたり、ザンギルが高速道路で自身の剣を引きずりながらアースガロンに斬りかかるさまは、迫力があって見ごたえ十分でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有毒ガスが市街地に充満し、人々の、マスクが手放せず恐怖に怯える生活が始まった。息も心も詰まりそうな状況下で、その元凶が地中から姿を現す。汚染獣イルーゴを叩け!

 

次回は、能力的に厄介そうな怪獣であるイルーゴの登場回。そして、ドラマもなかなかハードというか雰囲気が重そうな展開になりそうです。既にイルーゴはブルードゲバルガの幼体であることが明かされているから、次回のラストで、きっとそれも姿を見せるんだろうな…。

 

平和を脅かす、魔の蒸気を払え―!

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