お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-11(第31~33話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第11回目です。

 

今回ご紹介の3話では、ポゥに関わる単発回を挟んだのち、宇宙へ旅立つ鍵となる地:マニューピチを舞台にした前後編が展開。その内容はドラマとして非常に面白く、最初から最後まで1秒たりとも見逃せない、ハラハラドキドキさせられるものになっていました。太田愛さんの脚本がメチャクチャ輝いていたように感じたなぁ。今のところこの2話が、『∀』の中でトップクラスに面白いお話だなと思いました。

 

なお、前回(第28~30話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第31話「追撃!泣き虫ポゥ」

1999年11月5日放送

登場した敵他:シルバースモー、ウァッド、フラット 、ジャンダルム

「東洋のことわざに、“雷はおへそを取る”というのがありますけど、ムーンレィスにおへそはあるのかしら?」

 

STORY:キエルとディアナの脱出をハリーら親衛隊の誘拐によるものだと吹聴するフィルは、そのままサンベルト共和国の樹立を宣言し、自らの権力を確固たるものにしようとした。その中で、立て続けの作戦失敗と体調不良に悩むポゥは、フィルから汚名返上するよう忠告され、戦艦アルマイヤーでマニューピチに向かうウィルゲムの追撃を開始する。多くの障壁画立ちはだかる中で、ポゥの追撃は成功するのか?一方、ミドガルドと行動を共にするディアナは、ついに月のギンガナム隊の使者と接触しようとしていた…。

 

サブタイトル通り、泣き虫のポゥがウィルゲムを追撃する一編。今までのお話からも明らかでしたが、改めてポゥは、人柄として悪くない女性であるものの、かなり残念でおっちょこちょいで、でも不思議と嫌味はない人物なのだなと感じました。でも、せっかくサブタイトルにまでなったのだから、今回くらいその作戦が成功するのかなと思ったけど、そんなことはなかったね…。この一方で、ディアナ側の動きでは、ギンガナム隊と接触するという描写が挿入。いよいよ、物語の部隊が月へと移動するカウントダウンが始まったように感じますね。

 

ディアナ不在のソレイユでは、ミランたちのバックアップを受けたこともあり、フィルが急激なスピードでその実権を掌握。ついには実質的な指揮権を握り、ディアナに代わってサンベルト共和国の樹立を宣言し、ハリーはディアナを地球側に売り渡した裏切り者だと主張します。しかし、ソレイユ内部にはまだディアナ信奉者やハリーを信頼する者も多くおり、一枚岩にはなっていませんでした。そうした中で、作戦の失敗と急な体調不良に苦しんでいたポゥは…。数話前から急に頭角を現し始めたフィルは、今回、ディアナが姿を消したことに乗じてハリーを悪者扱いし、自分の国の建国を宣言するまでに。まだまだ親ディアナ派が多いため、ソレイユを一気にまとめることは出来ていませんでしたが、確実にソレイユ内でトップクラスの権力を持つようになっていました。序盤における、フィルとミランが会話するシーンから、フィルがここまで権力を持てたのにはミランの力もあったのではないかと推測出来るようになっていますが、それを加味してもフィルが急に偉くなるのは、ちょっと違和感。まあ「ガンダムシリーズ」ではこうした展開が珍しくないので、受け入れることはできるのですがこれをやるのなら、フィルがもっと反ディアナな発言や行動を取らせておいたほうがよかったんじゃないかな?確かに、過去にディアナの方針に愚痴をこぼすことはあったけど、反乱を起こすまでの感じは無かったし…。このように、フィルがどんどん力を強める中で、どこか自分の立ち位置を見失いかけていたのがポゥ。風邪をひいて体調が絶不調の彼女は、フィルに泣きつきますが、そんな彼女に、フィルは結果を出してくるようアドバイスするのでした。ここでフィルが、ポゥを突き放さないのが興味深いところ。なんだかんだで、部下である彼女には愛着と温情があるんですね。

 

マニューピチに向かったウィルゲムを追って、海上よりロランたちが合流を急いでいた頃。ポゥは戦艦アルマイヤーに乗艦し、ウィルゲムを追跡。しかし、人工衛星から情報が上手く収集できないほか、裏切り者とされるハリーには堂々と乗艦されるわ、乗っている部下たちはどこか皆弱気だわと、散々な状況に見舞われます。そうした逆境の中で、ハリーからもらった漢方薬の効果で、ポゥは体調を回復。なんとか自力でウィルゲムを発見し、攻撃を開始します。フィルからのチャンスをムダにはしまいと、体調が悪いながらも意気揚々と出撃するポゥ。しかし、部下たちは弱気で人工衛星からの情報はろくに入らず、裏切り者とされているハリーに堂々と乗艦されて、口移しで漢方薬を飲まされると、本当に散々な目に遭います。ポゥにとってはたまったもんじゃないけど、正直このシーンは笑えるところ。ポゥってやっぱり、根は悪いヤツじゃないんだろうなぁ…。そして、先ほど述べたとおり、ポゥの戦艦アルマイヤーに突然乗ってきたのがハリー。彼の目的は、本物のディアナの行方を調べるためでした。

 

ウィルゲムのレーダーにより、先にポゥたちの接近を予想していたグエンたちは、まだ武装のメンテナンスが済んでいなかったことから、攻撃の回避を優先。相手のビーム砲を的確に回避し、また雷雲の中に逃げ込むことで、ポゥたちを翻弄します。この状況に混乱し戦意喪失しかける部下たちを、何とか鼓舞したポゥは、ちょうど雷雲を抜けたところで反撃の準備を開始。しかしその矢先、追いついてきたロランの∀ガンダムの攻撃を受けて、戦艦アルマイヤーは中破し、攻撃続行が不可能となりやむを得ず撤退するのでした。散々な目に遭いながらも、ついに目視でウィルゲムを発見したポゥ。さっそく攻撃を開始しますが、ウィルゲム側は既にそれを予想しており、さらにディアナ・カウンターの一般兵が雷を怖がることから、雷雲の中に逃げ込むという戦法をとります。Bパートになってもポゥの不運は続き、ウィルゲムにはいいようにやられてしまうことに。ウィルゲムが武装につきメンテナンス中であったため、しばらく追跡することが出来ていましたが、もし武装が万全であれば、メガ粒子砲で撃墜されているところでした。『∀』の序盤では、情報をつかみきれずいいようにやられてしまうのが、地球側であることが多かったですが、今回ではその立場が逆転。これもまた興味深いドラマ展開です。しっかし、ディアナ・カウンターはまだ雷を克服できてないのね。彼らの科学力なら、雷の発生メカニズムなんてあっという間に解明してるはずだろうけど…。それでも粘り続けて、雷雲を抜けたポゥたち。これでいよいよウィルゲムを総攻撃だ!…と思ったら、追いついたロランの∀ガンダムビームサーベルに斬りつけられ、戦艦アルマイヤーは中破。作戦続行ができなくなり、撤退を余儀なくされます。ここで登場、∀ガンダム。ソシエのカプルと力を合わせて、ホバー機能を使って戦艦アルマイヤーの下まで飛び上がり、ビームサーベルでどんどんダメージを与えていきます。これはロランたちの作戦勝ちとも言える攻撃ですが、それよりもポゥがここまで踏んだり蹴ったりだと、敵である彼女に感情移入してしまうのが、なんとも言えません。しかも最後は、「自分がシルバースモーで出撃したら、まだ勝機はあったかも」と気づき、涙を流すことに。いやもう、なんだか…色んな意味で救いがないよ。ポゥ、強く生きろ…。

 

ドガルドと行動するディアナは、アメリア大陸を離れるためとある客船に乗りますが、その姿を偶然レット隊が目撃。ディアナを守るという名目で、その客船を襲撃師匠とします。最初はやり過ごそうとしていたミドガルドでしたが、客船の乗組員たちが自分たちをレット隊に渡そうとしたため、逆に自分たちの身分を明かしてレット隊を退けます。そして、やってきたジャンダルムと接触し、ついに月へと向かおうとしていました。今回はポゥの作戦行動がメインですが、要所要所でディアナ側の様子も挿入。今後ロランたちの前に立ちはだかるギンガナム隊の名前や、航宙艦であるジャンダルムもその姿を見せます。いよいよ月の反ディアナ勢力も、その動きを隠さずに強めてきている印象。『∀』におけるラスボスは、このギンガナム隊関連のものになるのかなぁ。

 

 

 

第32話「神話の王」

1999年11月19日放送

登場した敵他:ウォドム

「空が赤く染まろうと、全てが滅ぶと決まったわけではないのだぞ?」


STORY:やっとの思いでマニューピチ付近にたどり着いたウィルゲムだったが、そこは既にディアナ・カウンターに包囲されていたうえ、鉄壁の守りが敷かれていた。どのようにここを攻略するかが喫緊の課題となるが、その中でロランたちは、偶然先住民族:アデスカの民であるマヤリトと、アデスカの王であるクワウトルと出会う。∀ガンダム白い悪魔と恐れる彼らから、何とか信頼を勝ち得たロランたちは、その手引きにより秘密の地下水路を使ってマニューピチの街へと潜入する。タイムリミットは夜明けまで。ロランたちは、期限内にマニューピチの砲台を破壊することができるのか!?

 

数話前からその名前が出てきていたマニューピチが舞台となるお話の前編。今回はそこに住む先住民であるアデスカの民との接触と、彼らの間に伝わる伝説、そしてディアナ・カウンターの襲撃をキッカケに一枚岩ではなくなった彼らのさまが描かれました。アデスカの民にかかる説明や描写がどうしても多くなっていますが、説明臭さはほとんどなく、かつ最後までどうなるかわからないドラマ展開がとても秀逸。最後の最後でアデスカの民が一枚岩でないことが判明し、次回へ続くという展開になりますが、これは本当に読めませんでした。

 

海上で宇宙服の着用訓練を行いながら、ついにマニューピチの沿岸にたどり着いたロランたち。そのまま内陸のマニューピチ中心部へ向かおうとしますが、そこに見えたのは戦火。実はマニューピチは既にディアナ・カウンターに占領されており、鉄壁の防御網が敷かれていました。一度は突破を試みたグエンたちでしたが、その厚い防御網の前に一時撤退。ミハエル大佐はマニューピチ攻略の断念を進言しますが、何としても宇宙に上がりたいグエンは、それを良しとしませんでした。今回は、中盤以降ロランたちの人間ドラマが中心となることから、モビルスーツ戦はこの序盤のシーンに集中。配備されているモビルスーツ等は、ウォドムやビーム砲台等見覚えのある兵器ばかりでしたが、ミリシャはそこを突破するどころか予想以上の損害を受け、やむを得ず一時撤退を余儀なくされます。マニューピチの防御はかなり強固で、ミハエル大佐がその固さから完全に撤退を進言するほど。見慣れた兵器ばかりだったから、今のミリシャなら突破出来なくはないと思うんだけど、敵を寄せ付けないように効率的に配置されていたのかなぁ。一番最初のシーンが、ロランとソシエによる海上での宇宙服のテストシーンという穏やかなものだったこともあり、この展開にはかなり衝撃を受けました。

 

かたくなに∀ガンダムを出動させることを拒み、中身を見せようとしないロランに、ジョゼフたちが疑いの目を向けていた頃、ソシエは偶然アデスカの民であるマヤリトと接触。一度は途中で見失ってしまいますが、意外な手がかりからアデスカの王:クワウトルと接触します。マニューピチ攻略のために協力を仰ぐロランたちでしたが、クワウトルは、アデスカの伝説を語り始め、それに基づき非協力的な態度を見せて…。マニューピチが宇宙へ上がるためのターニングポイントであることを確信しているグエンに、撤退の2文字はなし。スエサイド部隊は∀ガンダムの協力に希望を見出しますが、ロランはかたくなにそれを拒みます。ロランが拒む理由はもちろん、∀ガンダムの胸部に核爆弾を隠しているから。あの攻撃の雨あられにさらされれば爆発の可能性があることを危惧したロランの考えはわかりますが、前回前々回あたりでは、戦闘時にそこまで心配をしている感じはなかったし、ちょっと違和感あるかな…。そんなロランに、案の定仲間たちは疑いの目を向けることに。そこに銃声が響き、音を頼りに向かってみると、ソシエが倒れていました。落ちていたバナナの皮から、マニューピチの住民たちが潜んでいる場所を突き止めたロランたちは、そこで先住民であるアデスカの王:クワウトルと、娘マヤリトに出会います。ここでの、クワウトルに接触するまでの流れは、ムダがなく鮮やかで、かつスピーディーなドラマ構成が面白いところ。拾ったバナナとその皮が手がかりになるのは、ちょっと笑えましたね。こうして接触したクワウトルが語ったのが、アデスカの民が見た夢とアデスの枝の話。前者は以前(第27話)あった核爆発のことであり、アデスの枝はおそらくマニューピチからザックトレーガーに繋がる宇宙への道(のようなもの?)を指しているのでしょう。ということは、やはりマニューピチから宇宙に上がれるはず―!

 

クワウトルの態度に、なんとマヤリトの短刀を奪って襲い掛かるロラン。その真意は、彼に最大限近づき、自分のみが知っている情報や考えを伝えるためでした。ロランの意思を知ったクワウトルは、考えを改めて、彼らに協力することを決断。マヤリトにも協力させ、マニューピチの砲台を叩く作戦を敢行します。そのタイムリミットは夜明けまでと、かなりタイトなものでした。クワウトルを説得することが、アデスの枝に近づくための必須条件。そのためにロランがとった行動は、クワウトルに襲いかかるというものでした。当然ロランにクワウトルを殺す意思はなく、これにより彼に近づき自分たちの考えを伝えるため。「ロランたちがなぜ宇宙に上がらなければならないか」を理解したクワウトルは、その剣で戦うことをやめ、ロランたちに協力する方向へ方針変更します。そこそこ引っ張るのかなと思われたクワウトルの対立は、思ったよりスピーディーに解決。これでマニューピチへの道は確保され、ロランたちも今回中に宇宙に上がれるかなと思いましたが、このあとさらに驚くドラマ展開が用意されていました。今回は本当に、「これがクライマックスかな」と思われる要素を提示しておいて、実はそうではなくスパッと解決するという展開が連続。これがドラマに大きな緩急をつけ、とても面白くしてくれているように感じました。

 

アデスカの民の一部しか知らない秘密水路を通って、マニューピチ中心部へと潜入したロランたち。しかし、街の中に残っていたアデスカの民からの攻撃を受け、シドを人質に取られてしまいます。ロランはスキを突いて拘束から抜け出し、砲台爆破のための爆薬をマヤリトに託し、ジョゼフも後を追いますが、その結果2人を残してロランたちは拘束。投獄されることになり、タイムリミットが刻一刻と近づきつつありました。クワウトルの手引きで、夜明けまでというタイムリミットがあるものの、そこまで焦らずにマニューピチの市街地に潜入できたロランたち。しかし、水路を出た先に待っていたのは、クワウトルを「逃げた王」呼ばわりする、タルカをはじめとする、マニューピチ市街地に残ったアデスカの民たちでした。ここでさらにタルカたちという障壁を作り、ドラマにさらに波を作り出しているのがGood。そして、ロランたちが彼らに拘束されるところで今回は終わり、次回へ続く形となります。このラストで、Bパート中盤で設定された「夜明けまで」のタイムリミットが効いてくるのが面白いところ。今回は本当にドラマ的に最後まで展開が読めず、そしてハラハラドキドキさせられる一編でしたね。しっかし、クワウトルがマニューピチ市街地を脱出したのはなぜなんだろう?もちろん、王であるがゆえ生き延びるためというのはあるんだろうけど、それだけで国を捨てるような人には見えないから、何か別の理由があるように感じるんですよね。

 

 

 

第33話「マニューピチ攻略」

1999年11月26日放送

登場した敵他:ウォドム、ウァッド

「王が逃げたのは―」「お前に時間を与えたのだ!お前が、真のアデスカの王となれるために!」

 

STORY:タルカたちに捕らえられたロランたちは、クワウトルの退位とタルカの即位の儀式に巻き込まれて殺されかけるが、マヤリトとジョゼフにより窮地を脱した。グエンらによるメガ粒子砲での一斉攻撃が迫る中、ロランたちはクワウトルの力を借りて、最後の作戦に出る。クワウトルの排除に執心していたタルカたちも、マヤリトの話により協力するようになり、マニューピチ市街地中心部ロランたちは、1つ、また1つと砲台等に爆弾を仕掛けていく。しかし、残りあと1基というところで、ロランとクワウトルがディアナ・カウンターに見つかってしまった!ここで、ロランたちの作戦は失敗に終わるのか!?

 

マニューピチ奪還と、クワウトルをはじめとするアデスカの民にかかわるお話の完結編。∀ガンダムはその姿をチラッと見せるだけで一切戦闘には参加せず、そもそもモビルスーツ戦自体も最低限しか挿入されておらず、ドラマの核としてひたすら描かれていたのは、クワウトル&マヤリトとタルカのドラマと、マニューピチ壊滅前に砲台を破壊せんとするロランたちの奮闘でした。前回同様、小さな山(盛り上がり)が何度も連続してノンストップで展開していくさまが、非常にスピーディーかつ最後まで視聴者をハラハラドキドキさせてくれるのがGood。クワウトルの結末も、ああなってしまうんだろうなとは予想はついたけど、こんなにドラマチックなものになるとはなぁ。

 

前回、タルカたちに捕らえられてしまったロランたち。彼らはクワウトルとタルカの王位継承の儀式に巻き込まれ、外に連れ出されます。タルカは王位継承のために古き王であるクワウトルを討とうとしますが、この期に及んでもクワウトルはかなくなに剣を取らず、このままでは代わりにロランたちが処刑されてしまうという状況に。ロランたちが死を覚悟したそのとき、捕まっていなかったマヤリトとジョゼフが駆けつけ、クワウトルとロランたちを救うのでした。前回終盤で投獄されたロランたちでしたが、王位継承の儀式に立ち会わさせられることになったため、牢屋自体からは意外に早く出られることに。しかし、当然拘束されたままであり、クワウトルがなおも剣を取ろうとしなかったため、危うく処刑される一歩手前まで行ってしまいます。ここで興味深いのが、この展開自体がある種のミスリードになっている点。ロランたちという、クワウトルにとって大事な人々が死の危険に瀕している状況で、彼自身が剣を取るという行動を起こさなければ、普通は彼自身側に問題の何かしらの根本があると思いますよね。ですが、実際はそうではないというのがこのあと明かされることとなり、それが視聴者を驚かせてくれます。とはいえ、この時点でロランたちはクワウトルの本当の事情を知らないため、絶体絶命の大ピンチに。それを救ったのが、ジョゼフとマヤリトでした。この直前、2人のやり取りが挿入。明言はされていませんでしたが、ジョゼフもまたアデスカの民の末裔…ってことなのかな。

 

再び秘密水路に戻り、さらに別のルートからマニューピチ中心部への潜入を図るロランたち。その水路までたどり着き、あとは別ルートでクワウトルが用意した船を待つのみというところで、タルカが追いついてきます。タルカは次期王として、何としてもクワウトルを討たんとしていましたが、マヤリトはタルカの心の奥底を見抜いており、なぜ本来の王位継承の儀式の際に、クワウトルが恥を忍んで逃げ出したのかを語ります。ジョゼフたちのおかげで難を逃れ、再びマニューピチ中心部を目指すロランたち。別ルートを使ってあと一歩のところまでたどり着きますが、そこでタルカに追いつかれてしまいます。ここでのタルカとのやり取りのシーンこそ、前半のクライマックス。クワウトルが逃げた理由は、クワウトル自身の問題ではなく、タルカのほうにあったことが明かされます。もともと、次期王になることが嘱望されており、実際に空が赤く染まる現象(第27話の核爆発)があったことから、いよいよ王位継承のときが来ていたタルカ。アデスカの民に伝わる伝説に基づき、クワウトルはタルカに討たれることを覚悟して儀式に臨みますが、当のタルカの剣先が震えていたことを見抜き、彼の心に猶予を与えるため、わざと逃げだしていました。このドラマ展開を見せられたときは、「なるほどそう来たか!」と思わず唸ってしまいました。タルカ側に問題の根本があるとは、正直この時点まで全く考えもしなかったからなぁ。そのクワウトルの読みは完全に当たっており、タルカもクワウトルに対する考え方と接し方を改めるように。ここから、ロランたちとアデスカの民たちの、本当の意味での、アデスの枝を目指す連携プレーが始まります。

 

クワウトルの用意した船が到着し、マニューピチ中心部への潜入を果たしたロランたち。二手に分かれ、それぞれ3基ずつ砲台の破壊を目指しますが、ロランとシドが担当する側の砲台は守りが固く、ウォドムやウァッドの攻撃を受けてしまいます。これらはタルカたちアデスカの民の支援攻撃により乗り越え、ロランたちは砲台にたどり着き爆弾をセットしていきますが、最後の最後でディアナ・カウンターの兵士たちに見つかってしまいます。Bパートより、ロランたちは攻めに転じ、マニューピチ中心部に潜入して次々に爆弾を仕掛けていくことに。エイムズ&ジョゼフのチームは割とスムーズに行った一方、ロラン&シドのチームはかなりの苦戦を強いられます。ここでロランたちのバックアップをしてくれるのが、タルカ率いるアデスカの民なのですが、彼らの強さがマジでハンパない!石弓だけでウァッドを相手にするうえ、1発でほぼ確実に1機ずつ撃破していき、ディアナ・カウンター側に着実に損害を与えていきます。最初はコクピット部分を狙っていたので、「まあ石弓でもコクピットを狙撃すれば十分ウァッドを無力化できるよな」と思って観ていたら、そのうち普通に外装に当てて機体を丸ごと破壊するという戦法を披露していました。アデスカの民の石弓、そこら辺のビーム砲や銃火器より威力あるよね、これ…!

 

グエンがこれ以上待てないとしてメガ粒子砲の発射を急ごうとしていた頃、以前膠着状態だったロランたちとディアナ・カウンター。ここで再びマヤリトが駆けつけ、ディアナ・カウンターを撤退させたことで、突破口が開きます。しかし、もう夜明けまで時間がないことから、クワウトルはロランを先に地上へと降ろし、さらにタルカに王位継承の儀式をさせるため、自ら爆弾を持ってタルカに自分を討つよう指示。タルカはこれに従って火矢を放ち、砲台はクワウトルとともに爆発。マヤリトもそれに殉じて爆発の中に消えます。こうしてマニューピチは陥落し、タルカは涙を流しながら新たなる王となって、王としてロランたちにアデスの枝を指し示すのでした。夜明けまで時間がなく、一刻も早く砲台を爆破しなければ、ウィルゲムの攻撃が迫るという状況。ここでクワウトルは、タルカに、爆弾を狙撃して爆発させると同時に、自分を射抜いて王位継承の儀式を完遂するよう要求。タルカは意を決して弓を引き、クワウトルを爆殺すると同時に、砲台爆破を成功させマニューピチを救います。ここで砲台爆破と王位継承の儀式を重ねるのは、かなり秀逸でドラマチック。クワウトルだけでなくマヤリトもその後を追って若い命を散らす形となりましたが、悲しさと同時にある種の美しさも感じました。悲しい状況なのにも関わらず、どこか悲壮感があまりないんですよね。クワウトルもしっかりロランに未来を託してたし、最期まで本当にアデスカの王をやってたよなぁ。こうしたいくつもの出来事を経て、ロランたちはついにアデスの枝ことザックトレーガーへ上る道を目にすることに。さあ、宇宙まではもうすぐだ―。

 

クワウトル「ロラン。お前は空を赤く染める爆弾を宇宙に捨てると言ったな?その誓い、必ず果たせよ―。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第34話から第36話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。風は、月へ吹き上がる―。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

∀ガンダム』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

∀ガンダム』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Twitter Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!

Twitter https://twitter.com/CTF_bongore_A

Instagram https://www.instagram.com/bongore200706/