お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-14(第40~42話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第14回目です。

 

今回ご紹介の3話では、いよいよロランたちが月の都市に入ってムーンレィスの一般市民たちと触れ合うさまや、強敵モビルスーツであるターンXが登場。以前からその名前だけが出ていたアグリッパ・メンテナーも登場し、物語が確実にクライマックスへと向かっているなという印象を受けました。しかし、アグリッパが思ったよりいろんな意味でだらしない政治屋だったのは、ちょっと残念だったかなぁ。

 

なお、前回(第37~39話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第40話「月面の海戦」

2000年1月21日放送

登場した敵他:マヒロー

「運河人には、運河のクセを利用できるでしょ?」


STORY:ウィルゲムの安否が気になるものの、月に降り立ったロランたちは、そこで月の各所を結ぶ運河に立ち入り、幼馴染であるドナやハメットと再会する。そこでロランは、彼女たちの再会を喜ぶ一方で、月の一般市民たちは地球で何が起きているのかをまったく知らず、アグリッパによる戒厳令が敷かれていることに衝撃を受けた。アグリッパを問いただすため、首都ゲンガナム行きを決断した彼らは、ドナたちの協力を得て、∀ガンダムをクジラに偽装して運河を航行するが、偶然立ち入ってきたスエッソンのマヒロー隊に発見されてしまった!容赦なく∀ガンダムを撃破しようとしてくる敵に、ロランは運河を守りながらどう戦うのか!?

 

ロランたち、ついに月へ!今回は、ロランたちが月に降り立ち、幼馴染であるドナたちと彼女らを取り巻く人々を通じて、月に何が起きているのかを知り、首都ゲンガナムを目指すことになる単発回。月の一般市民の生活模様が意識的に挿入され、彼らがどんな暮らしをしているのか、そして何を思っているのかが細かく描写されていました。宇宙の人々の暮らしは、過去「ガンダムシリーズ」でそれぞれの世界観の中で描かれてきましたが、ここまで一般市民にスポットを当て、そして生きた生活感を醸し出していたのは、『∀』が初めてじゃないかなぁ。

 

前回、核弾頭2発を用いてミスルトゥを破壊し、月を救ったロランたち。彼らはウィルゲムとははぐれてしまったものの、先んじて月に降り立つことに成功。内部に潜入するため、ロランは自分がかつて身を置いていた月の運河を利用することとし、その中で、幼馴染であるドナやハメットと再会します。同じ頃、グエンをはじめとするミリシャも、ウィルゲムとともに生存。こちらはギンガナムと接触に成功し、交渉のためにアグリッパと面会することを申し出るのでした。序盤では、先行して月に降り立ち、現状を目の当たりにするロランたちの姿が描写。コケの生えた入口を苦労して乗り越えた先に広がっていたのは、地球のそれと大差ない運河であり、ソシエはそうしたものが月にもあることに大変驚きます。月の人は地球と大差ない生活を送っていることは、以前から言及されていましたが、まさか運河があり、しかもそれが大量に張り巡らされているというのは本当に衝撃的。しかも、この運河とその周辺はあくまでも居住エリアであり、この運河の地下には都市が広がっているというのですから、これまた驚きです。ここまで地球に環境を似せて、さらにはそれ以上のテクノロジーで広大な住環境を作り出してしまうとは、ムーンレィスの祖先たちの科学力には本当にビックリ。それだけ、空気すらない月の環境で、地球と同等に生きていくということへの必死だったのでしょう。ディアナの先祖含めて、月への移民団の努力には、正直敬服しました。こうした運河において、ロランが再会したのが、幼馴染のドナ&ハメット姉弟。ここで、ロランが彼ら運河人のもとで育ったことが明かされます。第1話でロランが地球にやってきた際、川の流れにはビックリしていた一方、川そのものの存在をすんなりと受け入れていたのには、こうした理由があったのですね。

 

ドナたちから暖かく迎え入れられたロランたちは、昔と何ら変わらぬ形で触れ合いながら、月には戒厳令が敷かれており、地球での戦争やその惨状が全く報道されていないことに絶句。ディアナはこれもアグリッパの仕業であると確信し、市民を苦しめる理由等を問いただすため、首都ゲンガナム行きを希望します。ロランたちはそれに応えることとし、ドナたち運河人もまた、そのための協力に快諾してくれます。Aパート後半で描かれるのが、ドナたち運河人を通じた、月の一般市民=ムーンレィスの生活と認識。ディアナ・カウンターやギンガナム隊は、あれだけ戦闘に躍起になって仲間割れすら起こしている状況なのに、ドナたち一般市民は、それどころか地球で起きている戦争のことすら知りませんでした。ムーンレィスの人々がいやに何も変わらず穏やかに暮らしていたのは、戒厳令により情報統制が敷かれて、そもそも戦争のことなんか知らなかったからだったんですね。地球帰還作戦自体はロランのような少年にまで浸透していたので、ムーンレィスの一般市民も皆当然に作戦には賛成&できれば地球に戻りたいと考えているものだと思っていましたが、実際はそうではないというのも意外でした。またこのシーンでは、ディアナが運河人たちと触れ合う姿も描写。自分たちの国の女王が目の前にいるということで、騒ぎになってアグリッパに勘付かれるんじゃないか…と心配になりましたが、実際はそうはなりませんでした。

 

運河を安全に、そして∀ガンダムカプルが潜入していることがバレないようにするために、クジラに偽装して航行することを思いついてロランは、運河人の協力を得てそれに必要なアイテムを作成。ドナたちや彼女らの知り合いであるセントの協力を得て、ついにゲンガナムへ向け出航します。その後順調に航行しますが、偶然運河に立ち入ってきた、スエッソン率いるマヒロー隊のパトロールに遭遇して…。∀ガンダムカプルという、どう考えても目立ちそうなモビルスーツをどうやって運ぶのか―。ロランたちが思いついたのは、その張り巡らされている運河を利用するというものでした。月の運河もまた、大型船等が通行できるだけの深さと幅を持っているため、そこにはイルカやクジラ等も存在。ロランたちは、運河人と協力して作成した、端切れを継ぎ接ぎした大きな一枚の布を被ってクジラに偽装し、そのままゲンガナムまで運河で目指そうとしていました。「こんなもので本当に乗り切れるのか?」と思って観ていましたが、マヒロー隊に熱源探知されて見破られるまでは、全く目立たずに運河を航行していたんだからビックリ。「ガンダムシリーズ」だと、この手の運河にも、その底等に監視カメラの役割をするモビルスーツやプチ・モビル等が潜んでおり、それでバレちゃうんじゃないかとも思いましたが、そんなことはありませんでした。思ったより、月では市民たちの自治が認められている(上の縛り付けが強くない)ようですね。

 

熱源から∀ガンダムの存在を看破したスエッソンは、運河の中でロランたちを攻撃。ロランたちは後手に回る形となりますが、その戦闘経験や臨機応変さでは上回っていたことから、やや有利に戦いを進めます。懸案事項だった「運河を壊さないこと」も、ドナたちの協力で加勢してくれた大量のクジラやイルカ、そしてロランのピンポイント攻撃により、運河にダメージを与えずにマヒロー隊を撤退に追い込むことに成功。こうしてロランたちは再び航路に戻り、ついにゲンガナムへとたどり着くのでした。終盤では、∀ガンダムとマヒロー隊の戦闘が描写。今回も終始優勢を保っていたのは、ロランの∀ガンダムであり、マヒロー隊は作戦シミュレーションに基づいて動くも、ロランたち側が予想に反した動きばかりするため、ほとんど有効な攻撃を繰り出せていませんでした。今回も、ロランたちとマヒロー隊の格の差が描かれる格好に。ここまで「戦闘訓練は豊富」と「でも実戦経験はないのであまり強くない」ということが何回もクローズアップされていると、「もしかしてギンガナム隊ってそんなに強くないんじゃないか」とも思えてきますね。まあ、あちらはターンXヘッドを持っているので、それを繰り出してこられると、戦局がガラリと変わるかもしれないけど…。また、今回の戦闘シーンでは、運河の水にまみれて、それを切りながら華麗に活躍する∀ガンダムの姿が何度も描写。本当に∀ガンダムの姿が美しく、そしてカッコよく見えましたね。

 

 

 

第41話「戦いの決断」

2000年1月28日放送

登場した敵他:マヒロー

「おヒゲの額にある刻印は、Aのさかさまで、“ターンエー”と読めなくもないでもありませんが―。」

 

STORY:ロランたちは、運河からの秘密通路を抜け、ディアナの居所でもある白の宮殿に向かう道中で、グエンたちと再会した。彼らはアグリッパと外交交渉を行うつもりであり、護衛もほとんどつけずに出発し、そのアグリッパ本人と面会する。しかし、そんな事お構いなしと言わんばかりに、スエッソンのマヒロー隊がウィルゲムを襲撃。ウィルゲムはやむを得ず離陸し、ゲンガナム市街地や白の宮殿を盾にして戦闘を中断させようとするが、それでも戦いは止まらず、ロランの∀ガンダムの活躍により事なきを得る。そしてグエンたちは、この戦いを通じて、∀ガンダムのことをアグリッパたちが「ターンエー」と呼称していること、そしてアグリッパとギンガナムの不和を知ることになり―。

 

かなり前からその名前が出ていた、月の内政を担当し、ディアナが不在となってからは実質的に月の実権を握るようになった、アグリッパ・メンテナーの初登場回。その話から優秀な権力者かと思われましたが、実際には器の小さな小心者であり、ディアナとは違って格が感じられない人物という描かれ方をしていました。今回では、∀ガンダムの戦いと併せて、グエンたちの外交交渉―政治的な駆け引きも詳細に描写。特にリリが重要な役割を果たしており、ドラマとしてめっぽう面白い一編になっていました。

 

運河を抜けて、ディアナの案内で秘密通路をフル活用し、彼女の居所であり指示の中枢:白の宮殿へ向かうロランたち。その道中、ちょうど通路を抜けた先で、偶然彼らはウィルゲムと遭遇し、グエンたちと再会します。彼らはリリの活躍でアグリッパとの面会の約束を取り付けており、これからその外交交渉に向かうところでした。同じ頃、ハリーはキエルを連れ出して、別方向からゲンガナムを目指すことを画策しており…。前回、徹底的に各々で行動するさまが描かれており、再会&合流するにはまだまだ時間がかかるかと思われていた、ロランたちとウィルゲム。しかし、今回の冒頭で両者は割と早めに再会することとなります。再会した理由も、ゲンガナムの最寄りの運河の出口から、ディアナの知っている秘密通路を抜けて外に出ると、そこがウィルゲムが着陸していた場所だったから。しかもウィルゲムは、アグリッパとの交渉のために一時的に駐留しているという扱いなのに、半ば堂々と宇宙向けの資材を強奪していました。文章にすると、どこかチグハグな印象を受ける冒頭のこのシーンですが、実際にそのさまを観ていると、どこか微笑ましさも覚えるのが面白いところ。いや、いくら敵とは言え資材強奪は悪いことなんだけど…、なぜだかこう、ある種の愛らしさがあったんですよね。こうした再会の喜びもつかの間、ロランたちは、グエンたちがアグリッパとの交渉のためにこれから出かけるところであることを知りビックリ。ここまでの了解を取り付けたのには、リリの尽力がありました。今までグエンにベッタリで、家の財力を使って手助けすることはあっても、戦いに大きく介入することはなかったリリが、今回から一気に重要なポジションへと昇格。飄々としてどこか浮世離れしている感じの彼女ですが、やるときはやるのだなと、本気で感心させられました。このあとのシーンでも、その外交手腕や政治的駆け引きへの考察を見せてくれていたことから、今回のアグリッパとの交渉の取り付けも、単なる偶然ではないことが窺えます。

 

自動車で白の宮殿へ向かったグエンたちは、アグリッパと面会。それと同じ頃、打倒∀ガンダムに燃えるスエッソンは、独断でマヒロー隊を動かし、ウィルゲムを襲撃します。不意討ちを食らったウィルゲムは、そこで応戦するも限界があるため、やむを得ず離陸。ゲンガナムの市街地や、白の宮殿を盾にする形で立ち回っても、マヒロー隊がその攻撃の手を緩めることはありませんでした。Aパート後半では、アグリッパとの交渉に臨むグエンたちと、その裏でスエッソン率いるマヒロー隊の暴走じみた攻撃を受けるウィルゲムが、同時並行で描写。絵面的にハデだったのは、もちろん後者でしたが、ドラマ的な面白さを多分に含んでいたのは、前者でした。グエンたちが白の宮殿を訪れたシーンで、いよいよアグリッパが登場。月の内政を担当し、ディアナ不在の間に実質的に政権を乗っ取っていることから、さぞかし頭の切れる実力者なのかと思いきや、実際はどこか世間知らずさも感じさせられる、現実をあまり知らないボンボン育ちの政治家という感じでした。アグリッパのキャラクターは残念な感じですが、ドラマ的にはこうしたキャラがいることで、さらに面白くなっているなという印象。でも、リリにすぐにスケベ心を出して見たり、ちょっと何か指摘を受けるとまくしたてるように反論したりと、器量の狭さがかなり印象に残ることから、国や政権を担って率い続けられるほどの器ではないなと感じました。きっと数話のうちに、ロランたちかギンガナム隊にその地位を引きずり降ろされて、倒されちゃうんだろうなぁ…。こうしたグエンたちの外交交渉の裏で、マヒロー隊の攻撃に苦しんでいたのがウィルゲム。出せる戦力を出して、出来るだけモビルスーツの爆発を避けながら戦っていたものの、相手はそんなことお構い無しに攻撃してくるため、想像以上の苦戦と長期戦を強いられます。一見すると、マヒロー隊のムチャクチャっぷりにウィルゲムが追い詰められているように見えますが、このあとこのマヒロー隊のムチャのお陰で、逆にウィルゲム側に新たな外交カードが出来るというドラマ構成になっているのが、大変面白いところです。

 

猛攻を続けるマヒロー隊でしたが、ロランの∀ガンダムの活躍により、スエッソン機が中破したこともあり、一時撤退。そのさまを見ていたアグリッパはひどく恐怖しており、それを目の当たりにしたグエンたちは、アグリッパとギンガナムの間の不和を確信し、これを外交カードに使えると確信します。その後、部屋に通されたグエンたちは、アグリッパの語っていた「ターンエー」のことにつき、ディアナに疑問をぶつけますが…。Bパートでは、ロランの∀ガンダムとスエッソンのマヒローの戦いが描写。相変わらず過去の戦闘シミュレーションをベースに戦おうとするスエッソンでしたが、今回もそれはロランの前には通じませんでした。この描写からもわかるとおり、ロランたちとギンガナム隊にある明確な差のひとつが、実戦経験。ギンガナム隊は確かに武装と訓練は豊富ですが、いかんせん実戦経験がないことから、臨機応変さについてはロランたちに比べて大きく劣っています。逆に、それさえ克服できたらなかなかの強敵になりそうだけど、今回の戦いを通してスエッソンが、「自分たちが負けるのは機体性能の差のせい」として∀ガンダム固執するようになっているあたり、少なくともマヒロー隊はこれ以上の戦闘は望めないかな…。こうした∀ガンダムとマヒローの戦闘を、白の宮殿越しに間近で見ていたのがアグリッパ。グエンたちが冷静さを保っているのに対し、アグリッパは酷く怯えて半ば錯乱し、グエンたちを別室へ移動させたうえで、なんとか宮殿周辺で戦闘を避けるようあれこれ画策します。このような行動にからもわかるとおり、アグリッパは典型的な政治屋で、実戦を間近で見たことがない人間というのは明らか。ますます彼の器量の狭さというか、リーダーとしての素質の無さが窺えます。軍を動かす人皆が皆実戦経験を持つなんてことは当然ムリだけど、一応国を背負う者なんだからさ、ちょっとくらいこうした緊急事態にも、どっしり構えてぶつかるくらいの度胸はほしいよねぇ。

 

機体が中破して戦闘不能にもかかわらず、∀ガンダムへの執着と対決をあきらめきれないスエッソン。そんな彼に、ギンガナムは新たな作戦を指示し、それをもとにスエッソンは、マヒロー隊でウィルゲムを囲い、∀ガンダムを渡さなければグエンたちを処刑すると迫ります。既にアグリッパとギンガナムの不和を確信していたグエンたちは、これはハッタリだと直感し逆に利用する余地もあると考えますが、それを知らないロランは、究極の決断を前に答えを出せずにいて―。終盤では、白の宮殿側にミドガルドも入ってきたこともあり、グエンたちが人質にとられ、∀ガンダムの引き渡しを要求されるという、ロランたちにとってはかなり苦しい状況に。しかし、当のグエンたちは全く焦っておらず、むしろ冷静に外交カードを切って自分たちの有利な戦局に持ち込もうとしていました。アグリッパとギンガナムの不和を察知してからの、グエンたちの動きは本当に上手く、そして冷静なのが素晴らしいポイント。ミドガルドに銃を突きつけられて脅されても、全く動じることはありませんでした。グエンもリリもそしてディアナも、メチャクチャ肝が座っていてGoodだったなぁ。それに比べて、アグリッパやミドガルドのダメダメっぷりよ…。

 

 

 

第42話「ターンX起動」

2000年2月4日放送

登場した敵他:ターンX、バンデット、マヒロー

ターンXっつったって、Xに変わりないじゃない?」「なんなんだ、“ターン”って!」

 

STORY:白の宮殿を前にした、ロランたちとマヒロー隊の戦闘は、膠着状態に陥った。事態を打開するため、ミハエル大佐はハッタリをかまして相手をビビらせる一方、ギンガナムは月のマウンテンサイクルで発掘したターンXを利用しようと画策し、アグリッパに圧力をかける。その結果、ロランは∀ガンダムで、ギンガナムの乗るターンXと戦うことになってしまうのだった。それと時同じくして、ハリーとキエルも白の宮殿に突入。形勢逆転となり、アグリッパやミドガルドを追い詰めるが―!

 

サブタイトル通り、以前頭部しか出てこなかったターンXが、いよいよ身体を得て起動するお話。ですが、その戦闘は次回へお預けとなり、そのターンXが起動するまでの過程と、白の宮殿におけるディアナたちとアグリッパの駆け引きにスポットが当てられることになりました。前回に比べると、多少はボス級キャラっぽいところを見せるようになったアグリッパですが、やはり上に立つ者の器ではないなという印象。ただ、∀ガンダムターンXに対する豊富な知識等が、そうした印象を多少は軽減させることに成功しています。

 

前回始まった、ロランたちとマヒロー隊の戦闘。ロランたちのほうがやや優勢ではありましたが、膠着状態に陥り、なかなかその決着がつきそうにありませんでした。食事をとるため両者一時停戦し、いよいよ戦闘再開となったところで、ミハエル大佐は、ウィルゲムのメガ粒子砲で宮殿やゲンガナムの街を攻撃すると相手方に通告。もちろん大佐本人にそこまでの意思はなく、いわゆるハッタリ作戦でしたが、ロランはその意思が汲み取れず猛反対し、∀ガンダムを相手に引き渡そうとしてしまいます。冒頭では、一時停戦しているロランたちとスエッソンたちで、それぞれ食事をとるさまが描写。これ自体が何かドラマに関わってくるということはありませんが、両軍の結束力と仲間との接し方の差が如実に現れていました。スエッソン、ああいう見た目してて、ケーキとか好きなのね。いや、ケーキが好きだから、あれだけ太ったのか…?こうした食事を終えたあと、両者は再び戦闘へ。前回のスエッソンの要求に対抗すべく、ミハエル大佐はゲンガナムを盾にした一種のハッタリ作戦を敢行しますが、それに素直に従うロランではありませんでした。ウィルゲム側で、このタイミングでゲンガナムを破壊しても何のメリットもないので、完全になるハッタリ(しかし、のちのち結果的にハッタリではなくなる)。しかし、かつて業火に包まれたノックスの街のことがよぎったロランは、ゲンガナムを救うことを優先するため、逆に進んで∀ガンダムを引き渡そうとしてしまいます。ここらへんは、ミハエル大佐が言っていたとおり、もっと詳細にこのハッタリ作戦をロランに伝えておけば、このような齟齬は起きなかったのかなという印象。まあでも、その場合はロランが「ハッタリとはいえ市民を盾にするのは良くないですよ!」って猛反対してきただろうから、結局あんまり詳細を伝えないほうがよかったかな。

 

ミハエル大佐のハッタリは、スエッソンには通用せず、マヒロー隊は攻撃を再開。その中で、ギンガナムはアグリッパと交渉し、半ば相手を抑え込む形で、ターンXを起動し利用することの了承を取り付けます。ギンガナムから指示を受けた、月のマウンテンサイクルにいるメリーベル・ガジットは、ターンXの最終調整を進め、アグリッパはロランに対し、グエンたちを人質に月面でターンXと戦えと迫ります。Aパート後半のシーンで、月にもマウンテンサイクルがあること、そしてターンXはそこで発掘されたものであることが判明。これには「結局地球人とムーンレィスも似た者どうし(ルーツは同じなのである意味当然なのですが)なんだな」と思いました。モビルスーツの技術自体は、現時点で月のほうが上ですが、その技術の原形は、このマウンテンサイクルから発掘されたモビルスーツによるものなのでしょう。月を人が住める環境に作り変えたムーンレィスですら、単独ではたどり着けなかったモビルスーツの技術を、何千年も前に完成させていた先人たちって、一体何者なんだろう―?そして、こうした中でギンガナム隊の一員であるメリーベルも登場。今回の出番は最低限でしたが、今後ストーリーに介入してくることになります。

 

∀ガンダムターンX、そして黒歴史―。まだまだ知らない言葉ばかり出てきて困惑するロランたちでしたが、グエンたちを救うためやむを得ず行動を開始。しかし、マヒロー隊にはギンガナムの作戦の詳細が伝わっていなかったのか、なおも執拗に∀ガンダムを攻撃。ロランは邪魔者を排除するため、ハッチに到着した直前でスエッソンのマヒローを倒し、月面へ出ます。同じ頃、白の宮殿の中心部に、ハリーとキエルも到着。アグリッパの背後からゴールドスモーで直接突入し、これによりディアナ側が形勢逆転となります。∀ガンダムが「ターンエー」と呼ばれる機体であることをロランが知らないことに、たいそう驚くアグリッパ。ターンXとの関係性や、「蝶々」のワードを口走るあたり、いよいよ黒歴史の全貌が近いうちに明かされることが予想されますね。そんなことを言われても、グエンたちを救いゲンガナムの街等を守るために、月面に出てターンXと戦おうとするロラン。ターンX出撃の詳細が伝えられていないのか、スエッソンが敵前逃亡だと認識して執拗に襲って来ますが、ロランは∀ガンダムビームサーベルで軽くあしらい、ハッチから月面へと華麗に飛び出します。しつこさでは一級品のスエッソンですが、今回もロランの∀ガンダムに全く歯がたたずじまい。今回の戦いを通して、これじゃあスエッソンは絶対にロランには勝てないなと確信しました。機体性能の差はもちろんあるけど、やっぱりモビルスーツパイロットとしての素質というか、以前でも触れた通り“格”の差がありすぎるんですよね。このように、ロランが月面へと飛び出していったのと時同じくして、ハリーとキエルもディアナたちと合流。久しぶりの再会わ喜んだうえで、逆にアグリッパに詰め寄ります。ディアナたちにマウントを取った気でいた、アグリッパやミドガルドでしたが、結局は形成逆転される形に。ハリーたちの介入前でも、アグリッパたちの脅しにディアナたちが全く屈していないあたり、ここでも人間としての“格”の差を感じました。

 

形勢逆転したディアナたちは、アグリッパから∀ガンダムターンXの関係や、黒歴史の詳細を訊きだそうとするも、相手は詳細を語らずじまい。また、ターンX起動のため、ゲンガナムが不自然な停電に見舞われたことから、アグリッパの知る事実の詳細を探るべく、ディアナたちは本来のアグリッパの居城である冬の宮殿へ向かいます。同じ頃、月面に出たロランは、ギンガナムの乗るターンXと遭遇。味方であるはずのマヒローを蹴散らして、∀ガンダムに迫ってきて…。アグリッパたちから黒歴史の詳細を訊き出せなかったディアナたちは、マヒロー隊の攻撃により崩落を始める白の宮殿を脱出し、アグリッパの居城である冬の宮殿へ向かうことを決意。そこに向かう際の、ディアナの「平和を願っているつもりが、いつの間にか戦いを呼んでいます―。」というセリフが、妙に印象に残りました。地球とムーンレィス、双方共存の平和な未来は、いつか訪れるのでしょうか。そして、これと同じ頃に展開されていたのが、∀ガンダムターンXの対峙。ターンXにはギンガナムが搭乗しており、起動するだけでゲンガナム全域を停電に追いやったり、力を誇示するためにマヒロー隊を数機撃破したりと、なかなかの強敵っぽさをアピールしてくれていました。一見すると、ぼんやりシルエットくらいしか∀ガンダムと似ているところがない印象を受けるターンXですが、注目すべきはその顔。発光すると、∀ガンダムとほぼ同じ目鼻立ちが浮かび上がるのです。似た者どうしの対決の行方はどうなるのか?次回へ続く―!

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第43話から第45話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。風が光の模様を紡いだ―。

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