お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-16(第46~48話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第16回目です。

 

今回ご紹介の3話では、ギンガナム隊に∀ガンダムが奪われたり、物語の部隊が地球に移行したりと、引き続き最終局面らしい重要かつ大きな展開が連続。それと同時に、久しぶりに再登場するキャラも多くおり、彼らが物語の突破口を開く形になっていました。一度は奪われてしまった∀ガンダムだけど、その奪還にロランがあまり関与していなかったのは、とても以外だったなぁ。さあ、ここから『∀』の物語は、どう終局へ向かっていくのだろうか―。

 

なお、前回(第43~45話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第46話「再び、地球へ」

2000年3月3日放送

登場した敵他:ズサン、マヒロー

「ディアナ様がなさろうとしていることに、期待しております。月と地球が手をつなぐ未来を待っているのです。」

 

STORY:∀ガンダムを放棄することになったものの、無事ウィルゲムから脱出したロランは、月のディアナのもとに戻り、ギンガナムとグエンの行動を報告した。それを受けたディアナは、ギンガナムを追うべく地球への再出発を決断するが、出航のために使用を予定していた港は、地球へ発つ直前のギンガナム隊により破壊されてしまっていた。万事休すかと思われたが、ハリーの尽力、そしてムーンレィスの人々のディアナへの敬愛が、新たなる突破口を開く。地球へ向かうための新たな宇宙船:ホエールズの改修。しかし、その裏ではギンガナム隊の残存部隊が攻撃を狙っていて…。

 

ギンガナム隊とグエンの行動を知ったロランたちが、地球を目指すため月を発つことになる一編。ストーリーの展開上、∀ガンダムは一瞬しか登場せず、またロランたちも比較的追い詰められている状況ではありますが、そんな彼らを救ったのは、ハリー、そしてムーンレィスの人々の意思と尽力でした。今回は比較的、ムーンレィスの一般市民たちの心の動きや行動等も時間を割かれており、視聴者的にも、彼らに感謝したくなるようなお話に。決して安心できる状況ではないのですが、人々の温かみを強く感じる一編にもなっていました。

 

前回、ターンXの猛攻を受け、∀ガンダムを放棄せざるを得なかったロラン。彼はコアファイターでなんとか脱出して月まで帰還し、再びディアナと面会します。そこで直接、見聞きしたことを伝えると、ディアナはギンガナム隊の地球降下を阻止すべく、すぐさま出発を決断。ロランやソシエたちも連れて、宇宙港へ出発します。この先どうなるか、まだわからない状況の中で、ロランの表情はどこか明るさがありました。今回の冒頭では、コアファイターで脱出したロランが、宇宙港への入港の際、チェックを受けるさまが挿入。普段の宇宙港って、こういう感じで手続きやってるんですね。このシーンを経て、ディアナたちと再会したロランは、彼女らに状況を報告。すぐにギンガナム隊を追撃することを決断した彼女らとともに、地球へ向かうべく別の宇宙港へと極秘裏に向かうことになります。ソシエが指摘するとおり、ここでのロランの表情はどこか明るく、そして嬉しそう。状況的には全く喜べるものではありませんが、ここはディアナやキエルの指摘するとおり、∀ガンダムから離れたことで初めて「ホワイトドールパイロット」という重責から外れることになり、不思議と笑みがこぼれたのでしょう。もちろん、ロラン自身も心の底からそうは思っていない(今後どうするかをメインに考えている)はずだけど、半ば本能的にというか、自然とこうした表情が出ちゃったのでしょう。

 

ブルーノとヤコップが、ウィルゲムからの脱出に失敗していた頃、宇宙港へ向かうディアナたちのもとへ、フランドールが合流。なんと、使用を予定していたその港は、ギンガナム隊が地球へと発つ直前に破壊していったことが判明します。実際に現地に向かってみると、そこは無残な有様。しかし、当初聞いていた市民たちの暴動等は起こっておらず、ドナたち含むムーンレィスの人々は皆、ディアナへの敬愛を失ってはいませんでした。自分たちの行動を知れば、ディアナがすぐさま追ってくるだろうと踏んでいたギンガナムは、地球へ発つ前に宇宙港を破壊。そこにはディアナたちが使おうとしていたものも含まれていたうえ、現地では暴動発生の情報も入っていましたが、実際には暴動は発生していませんでした。Aパート後半では、ロランたち側の一時的なピンチが描写。しかし、そうした中で、ムーンレィスの人々による暴動は起こっていなかったこと、またその人々たちはギンガナムになびくことなく、ディアナへと敬愛を失っていなかったことが描かれます。ここで、プラスの要素としてムーンレィスの人々のことを取り上げているのは、非常に興味深いところ。なんか物凄く、人の、そして物語そのものの温かみを感じるんですよね。このあとも、ロランたちが地球へ向かうことに最大限協力してくれるし、本当のにムーンレィスの人々って、本来は穏やかななんだなぁ。となると、ますますギンガナム隊が異質だな…。

 

ハリーが旧式のアルマイヤー級戦艦を調達したことをキッカケに、親衛隊は、一般市民と協力してこの船を修理し、地球へ向かうことを決断。老若男女問わず、急ピッチで改修作業が進められていきます。ロランも、ディアナとともに陣頭指揮を執るハリーの代わりにゴールドスモーに搭乗し、改修作業に従事。途中、女性軍人からサインを求められるなどのハプニングも起きますが、上手いこと乗り切っていきます。Bパート前半では、ロランたちがムーンレィスの人々と協力し、アルマイヤー級戦艦を改修していくさまが描写。その気になれば、ロランたち戦闘要員はギンガナム隊と交戦し、ドナたち等の非戦闘要員が急ピッチで改修を進めて完成!…なんて描写も出来るはずですが、あえてそういった戦闘シーン重視の作劇をせず、描写面・時間面ともにしっかりと改修シーンに時間を割いているのが興味深いです。しかもここで、ロランと女性軍人たちの交流等も描いているのが面白いんですよね。冒頭でも触れたとおり、今はゆったりして安心できる状況ではないはずなのですが、こうした日常のようなシーンを、なんの違和感もなく挿入出来るのは、本当に『∀』の大きな特徴であり長所の1つであると言えるでしょう。それにしても、∀ガンダムパイロットだと知ってから態度を変えてすぐロランに飛びついたり、ハリーに対しては「どうせディアナにゾッコンなんでしょ」と軽くあしらったり、ムーンレィスの一般女性軍人って、けっこうミーハーだな…。

 

ギンガナム隊のうち、月面の基地に残留していた部隊は、地球へ向かおうとするディアナたちを阻止すべく、ズサンに搭乗して出撃。先制攻撃を仕掛けるつもりでしたが、この行動はハリーたちに読まれており、逆に待ち伏せていた彼らにより返り討ちにされます。この中でロランは、ハリーより指揮官機の撃破を指示され、自分の意思で初めて、人を殺すことをいとわずに敵機を撃破するのでした。このように迫る敵も排除したことで、アルマイヤー級戦艦は、戦艦ホエールズとしてロールアウト。ロランたちやドナたちも乗せて、一路地球へ向けて飛び立つのでした。終盤では、密かにディアナたちの追撃を阻止しようとする、ギンガナム隊のうちのズサン部隊との戦闘が描写。本人たちは秘密裏にやっているつもりでしたが、既にこのことはハリーたちに察知されており、逆に作戦遂行前に返り討ちにされてしまいます。今回の戦闘は、完全にハリーたちが一枚上手だったという感じ。ズサンは『ΖΖ』のズサをモデルにしたものであるため、火力は十分にあるはずですが、ろくに実戦に出されたことがないうえに、大半がオートパイロットだったこともあり、ハリーたちに全機撃破されます。この戦闘シーンでは、ロランもコアファイターで出撃。ここで見逃せないのが、ハリーからの指示を受け、明確に相手が死ぬことをいとわずに攻撃を仕掛けている点です。今まてまはこうしたことをためらいがちだったロランですが、今回は自ら非情になることを決断。それだけ、ギンガナム隊への怒りが大きかったのでしょう。「まだ操縦し慣れていないはずのコアファイターで、きりもみ回転して攻撃を仕掛ける」なんてダイナミックな行動からも、それが窺えます。そして、この戦闘後、旧式のアルマイヤー級戦艦は、戦艦ホエールズとしてロールアウト。志願したドナたち等一部のムーンレィスの一般市民たちも乗せて、地球へと旅立ちます。さあ、反撃開始だ―!

 

 

 

第47話「ギンガナム襲来」

2000年3月10日放送

登場した敵他:マヒロー

「武力を使って、人を幸せにしようとするのでは、黒歴史を作った人々と同じになってしまいます!」

 

STORY:地球に降下したギンガナム隊は、グエンの指示もろくに聞かず、北アメリア大陸を攻撃。その戦果に巻き込まれた一般人の中には、あのキースもいた。生き延びたキースと、彼のもとに身を寄せるホレスに、自分たちへの協力を依頼するグエンだったが、キースたちは、グエンが野心にとらわれてしまったことを見抜いていた。その直後、少し遅れてロランたちも地球に帰還。再会を喜びあったのもつかの間、それを察知したグエンたちが、ウィルゲムに乗って接触してきた!両者意見が平行線のまま、戦闘にもつれ込んでしまい、その中で∀ガンダムが現れて…。

 

久しぶりに地球が舞台となり、しばらく出番のなかったキースが実質的に主役となるお話。前半部分でギンガナム隊の横暴を描き、またアメリア大陸等がどんどん陥落していくさまを描くことで、ギンガナム隊は悪であることと、そして物語がいよいよ最終局面にあることを実感させてくれます。こうした危機的状況ですが、その中でも『∀』らしい、ほっこりするような描写が挿入されているのも、また興味深いところ。相反する2つの要素が、絶妙に共存しているのが面白いです。

 

地球に降下したギンガナム隊は、すぐさま北アメリア大陸各所に侵攻し、次々と反撃してくるミリシャを撃破。当然一般人も巻き込まれており、その中にはキースの姿もありました。戦火を潜り抜けた彼は、負傷したベルレーヌを解放しながらなんとか自宅に戻ります。同じ頃、ロランたちもまた、戦艦ホエールズで大気圏に突入。ギンガナム隊の目を欺くため南極側から侵入し、その間にリリは、各所の領主へ協力を依頼し団結するための書状を作り続けていました。冒頭では、久々に地球の様子が描写。ギンガナム隊が既に勢力を拡大しており、北アメリア大陸各所を侵攻。降伏まではしていないものの、各領主の持つ街は崩壊寸前に追い込まれていました。市街地が甚大な被害を受けるのは、かつてディアナ・カウンターがノックスを侵攻した際等でも描かれていましたが、ギンガナム隊の侵攻具合はそれ以上の酷さ。本当、中途半端に武力を持ってるクセに、実戦経験が無いせいで加減のわからない軍隊はタチが悪いですね。そんなギンガナム隊の攻撃に、キースも巻き込まれてしまうことに。パン工場のトラック1台が大破し、ベルレーヌも負傷しますが、なんとか生き延びます。ここでの2人の会話は、とても何気ないものばかりですが、今までのお話を踏まえたものばかり。ここまで観てきた視聴者にとっては、グッと来るものがありました。また、このように地球が大ピンチに陥っている頃に、遅れて大気圏に突入したのがホエールズ。その中でリリは、既に自分が出来る戦い方の準備を進めていました。すぐさま北アメリア大陸の領主たちと協定を結び、団結し軍事力を集結させることを提案し、自らその文書を認めるリリ。さすが領主の娘であると感じると同時に、彼女の強さを感じました。

 

さらなる技術発展のため、キースと、彼のもとに身を寄せていたホレスに接触してきたグエン。グエンが野心に憑りつかれてしまったことを察したキースたちは、その場での明確な回答は避けたものの、彼らへ協力する意思はほとんどありませんでした。一方、交渉や話し合いで物事を進めようとするグエンの姿に、メリーベルは若干のいらだちを覚えていて…。直接は知らないのであろうとはいえ、ギンガナム隊が傷つけた直後に、堂々とキースのもとを訪れて、技術協力を求めてきたグエン。ここでの、彼に対するキースたちの反応が、まさに視聴者の思いを代弁しているように感じました。その場ですぐに断らず、いったん保留にしたのは、やり過ごすという意味もあったんだろうけど、キースなりの優しさでもあったんじゃないかなぁ。そんなキースとともに、野心に取り憑かれたグエンを冷静に批判していたのがホレス。彼はもともとムーンレィスの技術者であるため、当然ギンガナム隊のことも知っていましたが、だからと言って全く屈することはありませんでした。いつもの調子で、しかし力強く反論してみせるホレス。今までも頼りになるキャラだなぁと思ってたけど、今回改めてそのことを痛感しましたね。本当、いい人だよ彼は…。

 

キースたちのもとに続いてやってきたのは、ロランたち。ちょうどジョゼフらもその場に合流してきており、皆再会を喜びあいます。その後すぐに、グエンやギンガナム隊に対する作戦会議を開きますが、想定よりも早くグエンたちが接触。グエンはロランたちを自分のもとに引き入れようとしますが、当然ロランたちにその意思はなく、またジョゼフやマリガン中佐が先走って先制攻撃を始めたことから、戦闘が勃発してしまいます。Bパート前半で、ようやくロランたちがキースのもとに到着。再会を喜びあったのも束の間、すぐに作戦会議に入り、やがてグエンとギンガナム隊も、ウィルゲムで接触してきます。キースたちとの再開後の、ロランたちとグエンたちのやり取りこそ、今回のクライマックス。両者ともに持論をぶつけ合い、自分たちに義があると表現していましたが、ここはロランたち側のほうが上手でした。グエンの論理は少々稚拙でしたね。ストーリー上彼を悪役寄りにする必要があるため、仕方ない一面もあったのでしょうが、もう少し視聴者側も共感できる事情があると、面白かったかもなぁ。こうして両者の交渉は決裂し、ジョゼフたちが先走って攻撃してしまったため、戦闘が勃発。ロランたち側は当初、防戦を強いられます。ジョゼフたちの気持ちも十分わかりますが、、ちょっと早まったなという感じ。それでもここでは、フラットの防御力の高さに驚かされました。フラットってかなり初期のモビルスーツだけど、マヒローの攻撃の雨あられを受けても、普通に耐えられるんですね。

 

戦闘は激化し、ハリーたちがゴールドスモー等でマヒローを撃破する一方、ギンガナム隊側は、コクピットにシルバースモーのものを取り付けた∀ガンダムを出撃させ、一大攻撃を行おうと画策。しかし、もともとここで戦うつもりのなかったグエンが、しつこく戦闘停止を指示し、ウィルゲムが撤退したことで、戦闘は終結します。今回のことを受けて、キースもまたホエールズに乗艦してともに戦うことを申し出ますが、ディアナはそんな彼に対し、彼だからこそできる戦い方をするよう説くのでした。今回の戦闘シーンでは、いよいよギンガナム隊側の手に落ちた∀ガンダムも登場。しかし、本格的に活動する前に、グエンに制止されたことで撤退していきます。この手のロボットは、代替コクピットを取り付けていると本来の力を出せないような感じになるのかなと思いきや、そうでもない様子。ええ、ここからどうやって、ロランたちは∀ガンダムを取り戻すんだろう?こうして、幸いにも戦闘は終結。今回の一件を通して、キースはホエールズに乗艦しともに戦うことを申し出ますが、それを真っ先に咎めたのは、ディアナでした。ディアナはキースに、キースにはキースなりの戦い方があること、そして彼がパン工場を通常通り営業し続けることで、救われる人々が多くいることを語り、彼を思い留まらせます。このシーンでのディアナとキースのやり取りは、本当にグッと来るものでGood。私も思わずウルッとしちゃいました。そうだよね、戦うだけが戦争じゃないし、こんな状況下でも普段通りの生活を維持することは、大切なことだよね―。

 

 

 

第48話「ディアナ帰還」

2000年3月17日放送

登場した敵他:ウォドム、シルバースモー、マヒロー

「戦争というのは、武力の問題だけではない。産業や教育、思想まで侵略させるかもしれないという性格を持っている。」

 

STORY:∀ガンダム月光蝶システムも部分的に使えるまでになったグエンとギンガナム隊は、北アメリア大陸の各領主たちを手懐けるため、あえて彼らの敵であるディアナ・カウンターをまず討つ作戦に出た。一方のロランたち側では、ジョゼフがグエンと話をつけに行くとはやり、ロランやソシエはそれについていくことになった。しかし、これはジョゼフの作戦の一環でもあった。ブルーノとヤコップのタイミングを合わせた行動と、ジョゼフの決死の行動が、∀ガンダムの奪還を実現する。そして、ギンガナム隊と戦うディアナ・カウンターに対し、ディアナが自ら赴き、伝えたこととは―!

 

グエンとギンガナム隊に奪われていた∀ガンダムを、ロランたち側が奪取するとともに、最終的に打倒ギンガナム隊のために、ディアナ・カウンターと手を結ぶという一編。前回までと比べて大きく盛り返すことになるロランたち側ですが、その立役者となったのは、ジョゼフとコレンという、ちょっと予想外のキャラたちでした。彼らが各々なりに奮闘し、そしてミッションを達成してしまうさまは圧巻。ディアナ・カウンターへの対応がやや甘すぎる感は否めませんでしたが、それを除けばかなり見ごたえのある一編でした。

 

∀ガンダムを操るメリーベルは、月光蝶システムを部分的に起動できるようになり、それを使って市街地や農村を破壊。そのさまを見、また北アメリア大陸の各領主からの徹底抗戦の書状を受領していたグエンは、地球の人々の信頼を得るために、あえてディアナ・カウンターを討つことを提案し、ギンガナムはそれに乗ります。一方のロランたち側では、怒りに燃えるジョゼフが、ロランたちの言いつけを聞かずにグエンと直談判すると主張しますが、そのとき意外なあのキャラが現れて…。序盤ではいきなり∀ガンダム月光蝶による、市街地の蹂躙が描写。竜巻のようなものを起こして市街地を呑み込んでしまうさまは、かなりのインパクトがありますが、これでも本来の出力の100分の1程度というのだから驚きです。∀ガンダムが本気出したら、本当にどうなっちゃうんだろう…。こうしたメリーベルの横暴を見過ごせなかったのが、グエン。彼はギンガナムに、∀ガンダムによる攻撃の中止と、自分への機体の引き渡し、そして地球の人々の支持を得るためにディアナ・カウンターを討つことを提案します。グエンの考え方は巧みではありますが、視聴者からすればどう考えてもこの提案には裏がある(自分に有利な戦局に持ち込み、さらに∀ガンダムを手中に収める)というのは明らか。これをギンガナムが見抜けぬはずがないはずなのですが、ギンガナムはこれをあっさり承諾してしまいます。ギンガナムのこの選択は、ちょっと意外。グエンの裏をかく秘策があったのかと思いましたが、実際はそうでもなかったようです。グエンとつるむようになってから、ちょっと甘くなったのかな?一方、このようなギンガナム隊の横暴を許せず、怒っていたのがジョゼフ。彼の行動をいさめるためのごとく突然現れ、さらにディアナのもとに戻って働きたいと申し出てきたのは、あのコレンでした。コレンが久しぶりに再々登場。前回再登場時点では、自分が軍人だったことすら忘れているのかと思われましたが、今回の彼は、少なくとも過去の記憶を持っており、それを踏まえてもなおディアナのもとで働きたいと懇願していました。クセのあるしゃべり方は相変わらずですが、つきものが取れたかのように穏やかで、そして純粋なコレン。これが、本来の彼なのでしょうか。

 

コレンの話を受けて、ディアナ・カウンターと手を組み、ともに戦うという方針を固めるディアナ。さすがのキエルもこれには動揺しますが、ディアナの言葉を聞き、何とか納得します。そして、この方針は既に出撃していたジョゼフにも伝えられ、ジョゼフは自分の部隊に、ディアナの方針に従うように指示する一方、自分は依然グエンと直談判することをあきらめておらず、飛び立ってしまいます。ロランやソシエは、引き続き彼を追跡し、とうとうウィルゲムにたどり着きます。今回を通して、大きな働きを見せるのがコレン。彼は実際に目の当たりにした、メリーベルによる∀ガンダム月光蝶のことを語りますが、それは本来の力の100分の1程度だと述べ、またディアナがディアナ・カウンターのもとに向かうとなると、進んで軍用機に乗り込み、危険な空域を突っ切ってみせます。月光蝶の出力に言及できるのは、実際に過去本来の∀ガンダムを見ているコレンだからこそできること。登場したての頃は、やたら∀ガンダムにこだわる変な軍人という感じだったのに、この設定がこんな形で、このタイミングで生きるとはなぁ。このようなコレンの話を聞き、また自分たちだけではギンガナム隊に勝利するのは難しいことから、かつて自分を追い出したディアナ・カウンターと手を組むことを提案するディアナ。キエルもこれには戸惑いますが、ディアナの意思は固いものでした。自分を追い出して暴走したフィルたちディアナ・カウンターと手を組むという、なかなか大胆な提案をするディアナ。彼女の慈悲深さが現れていると言えばそうかもしれないけど、あれだけのことをしたりされたりしてて、よくこうした選択ができるよなぁ。様々な意味でスゲェや…。

 

ウィルゲムにやってきたロランたちを、意外にも歓迎するグエン。彼はロランたちを懐柔して仲間に引き入れようとしていましたが、そうやすやすと軍門に下る彼らではありませんでした。グエンはジョゼフに狙いを定めて勧誘してきますが、ジョゼフはこれをきっぱりと拒否。そのときブルーノとヤコップがちょうど艦内で騒動を起こし、これに乗じてロランたちは脱出。ジョゼフも身を呈して∀ガンダムコクピットに乗り込み、なんと∀ガンダムの奪還に成功します。Bパート前半での見どころは、ウィルゲム艦橋内での、ロランたちとグエンのやり取り。持論を展開し、最初はロラン、途中からジョゼフを懐柔し用としますが、それに乗せられる彼らではありませんでした。グエンが持論を展開するシーンは、魚眼レンズで撮影したようなエフェクトが加えられており、登場人物たちの顔がゆがむことで、よりグエンの狂気が強調されているのが面白いところ。そして、ここまで迫られて、一瞬心揺り動かされたかに見えて、きっぱりと拒否するジョゼフがまた痛快です。ジョゼフがグエンの誘いをはねのける際、ブルーノとヤコップがわざと騒ぎを起こして艦内を混乱させるのですが、そのとき彼が「(ブルーノとヤコップに)逃げられたんじゃないの? 人望がないみたいだしさぁ!」と皮肉を言っているのが、いい味出してるんですよね~。そんなジョゼフは、このブルーノとヤコップの起こした騒ぎに乗じて、ロランたちとともに脱出。ソシエとともに同行していたフランドールをロランに任せて、何をするかと思えば、何と別方向からドックに乗り込んで、∀ガンダムコクピット(代わりに取り付けているシルバースモーのコクピット)にしがみつき、ギリギリのところでそれを動かして脱出します。∀ガンダムの奪還作戦の展開は、前回の終盤からほのめかされていましたが、それを実現するのがジョゼフになるとは本当に以外。コレンと並んで、彼は今回大きな働きを見せてくれましたね。


ギンガナム隊とディアナ・カウンターの戦闘は激化し、じょじょにギンガナム隊側の被害も拡大。メリーベルはバンデットに搭乗しての出撃を進言しますが、ギンガナムはなぜかこれを許可しませんでした。一方のディアナ・カウンター側も、アルマイヤー級戦艦を半ば特攻の形で攻撃させているため、消耗が激しい状況。ギリギリの戦いを強いられている、フィルやポゥたちのもとに現れたのは―!終盤では、ギンガナム隊とディアナ・カウンターの戦闘が描写。軍備を増強して挑んできたギンガナム隊のほうが有利かと思われましたが、ディアナ・カウンター側もアルマイヤー級戦艦を特攻させたり、ウォドムの火力をフル活用して抵抗。意外に両者いい勝負を見せ、下手すると若干ディアナ・カウンター側が有利な戦局となっていました。ウォドムは最初期から登場し続けている機体ですが、この終盤になっても安定した強さを誇っているのは驚き。そして、こんなヤツらを当初から相手にして抵抗し続けてきた、ミリシャをはじめとする地球人って、もしかして…けっこう強いと言えるんじゃないか?そしてラスト、この戦局の中を軍用機で突っ込み、ソレイユに乗艦したのがディアナ。彼女が降り立った瞬間、フィルを含む艦員全員が彼女を出迎え、自分に協力してほしいという依頼に、快く応じるのでした。ディアナの交渉中信野方針を嫌がり、最終的に彼女を追い出したフィルまでもが、ディアナの依頼を快く引き受けるというのは、ちょっと違和感。まあ、彼がディアナを追い出したのも、考え方が違ったためであって、ディアナの人柄を嫌ったわけではなかったから、ありえない話ではないんだけど…なんだか、ねぇ?

 

 

 

今回はここまで。次回は、第49話と第50話(終)をご紹介予定です。『∀ガンダム』。風は、またそよぐ―!

 

 

 

 

 

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