お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-13(第37~39話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第13回目です。

 

今回ご紹介の3話では、以前から名前の出ていたギンガナム隊、そしてそれを指揮するギム・ギンガナムがついに登場。演じるのは子安武人さんであり、『W』のゼクス・マーキスを想起させるキャラになっていました。ですが、腕っぷし重視な一方で、実戦経験がほぼ皆無であるため、ゼクスほどのカリスマ性は感じないなという印象。でも、持っている武力的には、彼が本作のラスボスになっていくのかなぁ…?

 

なお、前回(第34~36話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

第37話「月世界の門」

1999年12月24日放送

登場した敵他:マヒロー、ジャンダルム、フラット

「“ディアナの森のヤドリギ”…ですか。」

 

STORY:ジャンダルムにて、偶然ミドガルド一派のディアナ暗殺計画を知ったキャンサーは、ムロンとともにディアナを連れて脱出。ディアナの知る廃棄コロニー:ミスルトゥへ向かった。ディアナはソレル家に伝わる独自の音楽暗号にて、ハリーのいるウィルゲムへ自身の位置を通信。これによりディアナの位置を特定したロランたちは、∀ガンダムカプルで現地へ向かう。しかし、その情報は、月から進撃を続けるギム・ギンガナム率いるギンガナム隊に傍受されていた!彼の放つ高機動性モビルスーツ:マヒローの前に、∀ガンダムは勝つことができるのか?そしてハリーは、ディアナを救いたい一心で、キエルをも利用した賭けに出る―!

 

以前からその名前が登場していたギンガナムと、彼率いるギンガナム隊が登場するお話の前編。物語も非常に大きく動くと同時に、ロランたち側・ディアナ側・ギンガナム隊側でそれぞれ内部での動きがみられることから、戦闘シーンがごくわずかしかないにもかかわらず、そのドラマに引き込まれ、30分があっという間に感じる一編になっていました。ギンガナム、間違いなく軍人としては強いし、頭の切れる人間なんだろうけど、どこかオチャメな一面があるのが、少し笑えるなぁ。

 

ジャンダルムの外装メンテに精を出すキャンサー。未だなれない宇宙空間で四苦八苦していると、偶然ミドガルドの接触回線が開いていることを知り、そこで彼とその上の人間=ギンガナムが、ディアナ暗殺を計画していることを知ります。なんとしてもディアナを守らなければならないと考えた彼女は、すぐさまムロンとも情報を共有。すぐに行動を起こし、ムロンはディアナを連れて先行してジャンダルムを脱出。キャンサーもシャトルで遅れて脱出します。一気にレット隊が脱走したのを目の当たりにしたミドガルドでしたが…。今回は、ジャンダルムに身を寄せるキャンサー&ムロンのシーンからスタート。雑用同然の扱いを受ける彼女らでしたが、それが結果的にミドガルドとギンガナムの秘密通信を偶然耳にする結果となり、信奉するディアナの危機を知った彼女らは、すぐさま行動を起こします。今まで、奇妙な風習と奇天烈な格好ばかりが目立っていた、キャンサーをはじめとするレット隊ですが、今回は驚くほどスピーディーに行動。反逆者扱いされることを厭わずに、ディアナのいる部屋の門番を倒してディアナを連れ出し、追ってくる兵士をスモークグレネードで攪乱してジャンダルムを脱出していきます。キャンサーたちの脱出劇は鮮やかでしたが、ここまでスムーズに行ったのは、ミドガルドが彼女らの能力を過小評価していたことも一因。これだけの騒ぎを起こして脱走しているにも関わらず、その報告を受けても「宇宙が嫌になって逃げ出したんだろう」と、軽く考えていました。ここでのミドガルドの判断はあまりにも軽率。あれだけディアナ命!と言っていた2人が、たかだか宇宙が嫌になったくらいで、ディアナを放りだして逃げ出すワケないのにね…。

 

キャンサーたちのおかげで命拾いしたディアナは、かつて農業試験を行っていた廃棄コロニー:ミスルトゥへ針路をとるように指示。同時にウィルゲムのハリー宛にも音楽暗号を発出し、自身の位置を特定させます。その情報を知ったロランが、すぐさま宇宙の地図と照らし合わせると、月の衛星軌道ギリギリに所在することが判明。核爆弾を捨てられるかどうか、ギリギリのポイントでした。脱出に成功したディアナは、キャンサーたちに深く感謝し、ミスルトゥへ針路をとるよう指示。ウィルゲムにいるハリーにもそのことを伝えるため、ソレル家に伝わる音楽暗号を使い、彼そしてロランたちに自分たちの位置を伝えます。ディアナの使う独自の暗号が、文章や言葉ではなく、音楽なのが面白いところ。優雅さを感じさせると同時に、非常に彼女らしさを感じさせてくれました。しっかし、「自分はミスルトゥにいる」旨の連絡を、ああも違和感のない音楽にして暗号化出来るものなのでしょうか?フィクションだって言ってしまえばそれまでなんだけど、なかなかに気になるな…。ちなみにこのシーンでは、ソレル家の歴史についても追加で触れられており、過去ミスルトゥで、地球に酷似した環境を作り、動植物の繁殖や農業実験を行っていたとのこと。ソレル家は、今のムーンレィスの生活の基盤を作った一族でした。その功績が称えられて、以後王族としてムーンレィスで君臨し続けることになったのでしょうね。

 

ディアナが脱走したことを知ったミドガルドは、ギンガナムにそれを報告。しかしギンガナムはそれほど焦っておらず、ディアナの音楽暗号を傍受しており、彼女がミスルトゥにいることを確信。部下のスエッソン・ステロ率いるマヒロー隊を現地に派遣します。同じ頃、ディアナはミスルトゥの状態を確認し。キャンサーたちのためを思って地球に帰還させようとするも、当然彼女たちはそれを拒否。その思いを汲んだディアナは、ともにミスルトゥのコントロール室を目指します。Bパートより、ギンガナムが登場。その声からどうしても『W』のゼクスを想起してしまいますが、実際にはゼクスよりもやや粗野でパワー重視な人物でした。ですが、ディアナの音楽暗号に真っ先に気づいて解読したり、ミスルトゥ攻略のために最善の手をすぐに考案したりと、大隊を率いるだけの知力とカリスマ性はあるなという印象。なんだか、声とのギャップがちょっぴり面白いです。このように、ギンガナムに位置を特定され自分たちの身に危機が迫っていることを知らないディアナたちは、ミスルトゥでの潜伏のため、環境の復旧作業に尽力。キャンサーたちを巻き込まないために、彼女らを地球に帰そうとするディアナでしたが、それをまともに聞く彼女らではありませんでした。このシーンでは、最後までディアナに忠誠を誓って命を賭そうとする、キャンサーたちの姿が描写。まさか、彼女らの姿と言葉にウルッとさせられる日が来るとは思わなかったよ。

 

ディアナ救出と核爆弾の廃棄のため、ロランとソシエは進んでミスルトゥ行きを志願し、∀ガンダムカプルで出撃。ミスルトゥ付近までは問題なく到達しますが、そこでマヒロー隊と接触し、戦闘に巻き込まれてしまいます。同じ頃、キエルを連れ出したハリーは、彼女をディアナ救出のために利用するとして、気絶させたうえでゴールドスモーを強行出撃。ウィルゲムを離れて宇宙の彼方へ飛び去ってしまいます。終盤、スルトゥへ向かったロランたちが接触したのが、マヒロー。かなりの高機動性を誇るモビルスーツであり、グイグイ宇宙空間を縦横無尽に飛び回り、ロランたちを翻弄していました。『∀』に出てくるモビルスーツは、やや動きが鈍重なものが多かったので、マヒローのような動きはかなり新鮮に感じられましたね。こうしたロランたちの苦戦と時同じくして、ウィルゲムではハリーがキエルを誘拐して脱走する事件も発生。グエンは追跡を試みますが、時既に遅しでした。ハリーがこのような行動に出たのは、ギンガナム隊と接触し、ディアナを救うため。もちろんキエルのことをないがしろにしているワケではありませんが、それでも彼にとってはディアナよりも優先度が落ちるため、こうした行動に出たのでした。さあ、ハリーの行動は正直完全に上手くいくとは思えないけど、どうなるか?次回へ続く―。

 

 

 

第38話「戦闘神ギンガナム」

2000年1月7日放送

登場した敵他:マヒロー

モビルスーツは、ただの道具です。全て、使う人の問題なのです。今あれを使っている少年は…、信じてください。」

 

STORY:スルトゥのコントロール室を復旧したディアナたちだったが、直後マヒロー隊の一員であるシッキネンと接触したことから、ここがギンガナムに狙われていることを知る。脱出を図る彼女たちは、シッキネンの残したマヒローを強奪し、さらにロランたちと合流。内部に先行して侵入してきたマヒローたちを打ち破り、時同じくして、ウィルゲムもまたミスルトゥへの着艦に成功した。しかし、事態はまだ予断を許さない状況だった。ディアナを連れてきたとしてギンガナム隊に潜り込んだハリーだったが、自身の意思に反して、ギンガナムはミスルトゥの徹底攻撃を決断。マヒロー隊による怒涛の集中砲火が行われる!ロランたちは、この危機的状況から脱出できるのか!?

 

前回に続くギンガナム初登場回の後編。ミスルトゥが一気に戦場となり激しい戦闘が楽しめると同時に、ハリーとキエルの関わりあい方と、実らない恋心にスポットが置かれ、前回とはまた別角度で濃厚かつ見ごたえのある一編となっていました。主に男性陣としてお話し中で出番が多いのが、ハリーとギンガナムなのですが、両者ともにそれぞれ違った人間としての魅力、そしてまた欠点を感じられる形になっていてGood。好き嫌い抜きにして、彼らがより生きたキャラクターだと感じられるお話でしたね。

 

スルトゥのコントロール室にたどり着いた、ディアナたち。長年にわたって放置されていたため、100%とまではいかなかったものの、最低限この星の環境を維持する程度にまではシステムを起動することに成功します。ところがその直後、マヒロー隊の一兵士:シッキネンが侵入。これはキャンサーの手で制圧されますが、このミスルトゥに敵の手が迫っていることを察知し、ディアナたちは脱出を決意します。シッキネンが乗っていたマヒローをも強奪し、彼女らはコントロール室を脱出。途中ロランたちと合流し、多少のわだかまりは残りながらも、ともに攻めてくるマヒロー隊を撃破していくのでした。今回は、ミスルトゥのコントロール室で環境維持のシステムを再起動するディアナたちのシーンからスタート。ここで彼女らは、ミスルトゥにギンガナム隊が迫っていることを知りますが、そのキッカケは、ギンガナム隊の1人:シッキネンが迂闊にも単独で侵入し、それを返り討ちしたからでした。今回登場のゲストキャラクターが、シッキネン。ストーリー上としてはあまり役割はありませんでしたが、このシーンでキャンサーにコテンパンにされるわ、その後やってきたメシェーにはウァッドで投げつけられるわ、最終的にウィルゲムの捕虜になるわと散々な目に遭っていました。ギンガナムへの忠誠心は間違いなく本物だったけど、軍人としての能力は…低いと言わざるを得なかったなぁ。こうしたシッキネンのミスのお陰で、キャンサーたちは彼の乗っていたマヒローを奪取。ミスルトゥから脱出を図る途中で、偶然ロランたちとも合流し、攻撃してくるマヒロー隊を次々に撃破していきます。あり得ないと思われていた、ロランたちとキャンサーたちの共闘がここで実現。マヒローたちにありったけの攻撃を叩き込んで打ち破っていくさまは、爽快でした。前回あれだけ強敵っぽい感じで登場したマヒローでしたが、今回はすぐにやられてばかり。機動性を重視し過ぎたせいで、もしかして装甲がメチャクチャ薄いのかな?

 

ウィルゲムが、メシェーのウァッドの先導でミスルトゥに着艦していた頃。ハリーはキエルをディアナに仕立てて、ギンガナム隊と接触。キエルもギンガナムの前で臆することなく、ディアナを演じてみせます。しかし、当のギンガナムは、ミドガルドから「彼女はディアナではない」ということを聞かされていたことから、あえてそれを直接指摘せず、「ディアナを騙る者たちの殲滅のため」にミスルトゥへの攻撃を指示。キエルやハリーはそこから気をそらそうとしますが、その決断を覆すことはできませんでした。Aパート後半では、ハリーの作戦に基づきディアナを演じるキエルと、ギンガナムとの静かな激突が描写。ギンガナムはミドガルドからの報告で、眼の前にいるのはディアナではなくキエルだということを知っているのですが、あえてそれを直接指摘せずにミスルトゥ全面攻撃に結論を持っていく一方、キエルは苦しい立場におかれても全くボロを見せず、両者のしたたかさと駆け引きが、非常に面白く観れました。ちなみに、このシーンの直前には、ハリーとキエルの2人きりのシーンもあり、そこでキエルは告白するも、ハリーはディアナ第一であるため、その想いには応えられないと頑なに拒否。悲しい恋模様が描かれます。キエルの気持ちもハリーの気持ちもわかるからこそ、自分の本心をあえて直接的に言葉にせず、遠回しな言い方を多用し「察してくれ」と訴えかけてくるハリーが、なんとももどかしいというか、罪な男だなと感じました。

 

ギンガナムとの会話も終了し、用意された部屋で2人きりで話し合う、キエルとハリー。キエルはディアナを演じたことの悩みや、改めてハリーへの思いをぶつけますが、返ってきた答えは、彼女の満足のいくものではありませんでした。一方、ギンガナムは意気揚々とスエッソンたちにミスルトゥの攻撃を指示。マヒロー隊は、ミスルトゥ内部にいる敵への攻撃ではなく、ミスルトゥそのものを破壊する形での攻撃を選択し、攻撃の雨あられが降り注ぎます。Bパートになり、場所を移しても、キエルとハリーが2人きりになった際の話題は同じ。そして、両者の考えはともにほぼ決まっているため、ここでもその会話は平行線で終わってしまいます。ハリーが女心を分からない鈍感な男であれば、まだそれはそれでと視聴者目線では受け入れられるのですが、「絶対キエルの気持ちわかってるでしょ」と思えるからこそ、なんとも言えないもどかしさを覚えるんですよね。ハリーの立場からすると、仕方のないことだというのはよくわかるんだけど…ねぇ?こうしたキエルたちの会話を経て、ギンガナムはマヒロー隊にミスルトゥの全面攻撃を指示。スエッソンたちの容赦ない攻撃により、ミスルトゥはすぐに形が変わってしまうほどの被害を受けてしまいます。

 

スルトゥのハッチの閉鎖や、自然現象とは思えない爆発を目の当たりにしたロランたちは、ミスルトゥが敵により攻撃されていること確信。急いで脱出路を確保し、ミスルトゥの崩落寸前に、シャトルの出発口から一気に脱出に成功します。脱出直後、ミスルトゥはマヒロー隊の攻撃の前に、ハチの巣にされて崩壊。ロランたちは、ウィルゲムが無事脱出していることを祈りますが、当のウィルゲムとは全く連絡が取れず―!終盤では、ロランたちの決死の脱出劇が描写。一刻の猶予もないため、視聴者的には「ロランたちは脱出出来るのか?」とハラハラさせられるのですが、ここであえて、そのさまをどこかゆったり描いているのが、『∀』らしいなと感じます。ロランやソシエが先行して、洞穴やハッチの状況を確認して動いていくさまは、その気になればスピーディーに描けるはずですが(ビームライフルで脱出口を作りながら走りきる等)、場所の特定→調査→進軍と、段階を踏む形で描いているのが興味深いです。こうした動きを経て、ロランたちは脱出に成功。しかし、ウィルゲムと全く連絡が取れず、彼らの脳内には最悪の結末がよぎります。さて、ウィルゲムはちゃんと脱出出来たのか―!?

 

 

 

第39話「小惑星爆烈」

2000年1月14日放送

登場した敵他:ターンXヘッド、マヒロー

「あんたがローラだろうがロランだろうが、生粋のムーンレィスで、姫様を愛しているってことはわかったよ!」

 

STORY:マヒロー隊の攻撃を受けて、粉々になったミスルトゥ。以前マヒロー隊との戦闘は続いていたものの、ウィルゲムの無事を確認したロランたちは安堵するが、今度はミスルトゥの破片が月の引力圏に差し掛かり、キャンサーの先祖の出身地であるフォン・シティに落下の危機が迫る!ギンガナム隊は破片を攻撃してそれを回避しようとする一方、ロランはついに、∀ガンダムの胸に隠し持っていた核弾頭を利用することを決意する。敵味方問わず安全圏に退避させ、ついに核弾頭を使用しようとするロランだったが、そのとき謎の声が聞こえてきて…。

 

スルトゥにかかるお話と、第27話以降引っ張り続けてきた核弾頭にかかわるお話の完結編。ロランが核を使うという重大な決断をしてからの、周囲の人々の反応、そしてロランの決死の行動にスポットが当てられており、ロランの勇敢さ、そして第27話では人間を絶望させる悪魔の兵器だった核弾頭が、今度は人間を救う希望の兵器になっていたのが、シンプルながら深く、そしてドラマチックな印象を受けました。こうしたドラマ展開の中で、終盤にかかわってくるターンXの存在もいよいよほのめかされるように。『∀』の物語も、終局へ向かって動き出します。

 

前回、ミスルトゥの爆発の中に消えたウィルゲム。しかし、ウィルゲムは爆発時点で既にミスルトゥから脱出しており、全員無事でした。ウィルゲムからの通信で、彼らの無事を知ったロランたちは、本格的に反撃を開始。ギンガナム隊は確かに武力面では圧倒的な力を誇りますが、実戦経験に乏しいことから、予想以上にロランたちとウィルゲムがギンガナム隊を押し返していきます。前回消息不明となっていたウィルゲムですが、今回の最初のシーンで、その生存はすぐに描写。グエンたちはすぐにロランたちと連絡を取り、ここからロランたちの本格的な反撃が開始されます。モビルスーツの数や武装の豊富さでは、明らかにギンガナム隊の方が上。しかし実際に戦闘が始まると、両者の勢力は拮抗どころかややロランたちの優勢となります。こうした結果になったのは、もちろんロランたちの方に∀ガンダムがあるからというのもありますが、ギンガナム隊が誰一人として実戦経験がほとんどなかったため。ロランたちは最初こそ軍人でなかった者が半数くらいいますが、度重なる戦闘を潜り抜ける中で、戦局を読む目が養われていた一方、ギンガナム隊にはそれがなかったため、戦術シミュレーション通りにいかない戦局を前にして、ギンガナムは歯がゆさを覚えます。いくら武装が豊富でも、それが的確に使えなければ意味がない。考えてみれば当たり前のことですが、それをまざまざと描写したこのシーンは、様々な意味でとても興味深いものがありました。

 

粉々になったミスルトゥですが、その破片は宇宙に漂っており、うち大きな破片が月の引力圏に差し掛かってしまい、このままでは落下して月の都市:フォン・シティへの落下は必至。キャンサーはマヒロー単独で命を賭して破片を破壊しようとしますが、ロランたちは制止します。この状況を打開すべく、ロランは∀ガンダムの胸に隠していた核弾頭の仕様を決意します。同じ頃、キエルと接触していたギンガナムはまるでフォン・シティを見捨てキエルが本当にディアナかどうかを試すような話し方をして…。ミスルトゥは犠牲になったものの、ディアナを救出できたロランたち。しかしここで、ミスルトゥの破片が月に落下しそうであるという、新たな問題が発生します。この状況を打開すべく、ついに出てくるのが、第27話からずーっと因縁の兵器となっていた、∀ガンダムに隠された2発の核弾頭。ロランはついに、ソシエたち以外に初めてその存在を告白し、それを使用することを決意して、ソシエたちに退避を促します。ここでのロランの決断と告白は、本当にドラマチック。核弾頭の問題をいつ解決するのだろうと思っていましたが、ここで使うことにより、人間を救う希望の兵器に変化させているのがとても面白いです。物語上で非常に上手い使い方だなと感じました。一方、ギンガナム隊もミスルトゥの破片の落下に気づいていましたが、行動を起こすのはロランたちから少し遅れたタイミング。その原因は、ギンガナムがなかなかそれを指示しなかったからでした。ここでは、ギンガナムがキエルを試すような発言をいくつもしており、「本心ではフォン・シティを救う気ないのかな?」と思える発言もありました。しかし一方で、艦橋に戻ったあとは、全力でフォン・シティの危機回避のためにマヒロー隊等に指示する等の行動も見せていたんだよなぁフォン・シティを見捨てる気だったのか、それとも救う気があったのか、本心はどっちだったんだろう…?

 

キャンサーとムロンは最後まで抵抗したものの、最終的にはロランを信じることとし、戦線を離脱。ロランは敵味方の被害をできるだけ少なくするため、全方面へと通信回線を開き、黒歴史になぞらえて核爆弾の危険性を示し、フォン・シティを守るためにそれを使うと宣言します。これにより多くの兵たちが撤退していきますが、その中で逆に∀ガンダムに向かってくる一団が。その正体は、ギンガナムと随行するハリーであり…。ロランの提案に最後まで抵抗したのが、キャンサーたち。全てはディアナを思ってのことでしたが、最終的にはロランのことを信頼し、戦線離脱後、自分たちに迫るマヒローの大群を次々に撃破していきます。ここでは、キャンサーたちの獅子奮迅の活躍と同時に、そこに身を投じる直前、ロランに全てを託すようなセリフを投げかけているのがグッと来るところ。前回に続いて、彼女らがこんなにいいキャラしていると感じさせられる日が来るとは思わなかったよ!こうして皆を遠ざけたロランは、全方面の通信回線を使って、核弾頭使用を宣言。黒歴史の記述にもなぞらえることで、ほぼ全ての両軍の兵士たちを遠ざけますが、そんな中ギンガナムとハリーだけは接近してきます。彼らが接近してきた理由は、ギンガナムの持っていたターンXヘッドの、∀ガンダムとの共鳴の実験のため。本作のラスボスモビルスーツとなるターンXが、部分的ながらここでいよいよ初登場となりました。今回は頭部しか出てこなかったけど、そのうち胴体部分も出てくるんだろうな。

 

ギンガナムの持つターンXヘッドに不思議な感覚を覚えながらも、ひとまず彼の発言を信じることにして、無用な争いを回避したロラン。ついに、核弾頭2発を相次いでミスルトゥの破片に投げつけます。結果として、当初予定していた起爆の仕方には失敗したものの、核弾頭を爆発させて、破片を破壊することに成功。こうしてフォン・シティ壊滅の危機は回避されるのでした。今回のラストシーンで、ついにロランは核弾頭2発を使用。ビームライフルで狙撃してでの起爆には失敗しますが、ミスルトゥの破片に直接当たった衝撃で大爆発を起こし、破片は木っ端微塵となって、フォン・シティへの落下は完全に回避されます。冒頭でも述べましたが、第27話であれだけの脅威と恐怖を植え付けてきた核弾頭を、今度は同じ人間を救う兵器に昇華させたのは、本当にドラマとして面白く感じられるところ。構成的にはシンプルなのですが、これを核弾頭という非常に扱いづらいテーマであり兵器でやってのけたことは、もっと評価されるべきでしょう。このように、万々歳の戦果で終わる今回ですが、核弾頭の爆発を目の当たりにした際、ソシエがちゃんとギャバンのことを思い出して涙を流すのが、お話をピリッと引き締め、単なるハッピーエンドにしていないのが、これまたいい塩梅でした。一方で、最後までマヒロー隊と激戦を繰り広げたキャンサーたちは、戦いを潜り抜けたさまが描かれて終了。本人たちは満足そうな表情を浮かべて楽しげにしていたけど、ボロボロになって漂流するマヒローとフラットの様子を観る限り、実際の彼女らは、おそらく…。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第40話から第42話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。もう一つ、風が目覚めた―!?

 

 

 

 

 

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