お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-3(第7~9話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第3回目です。

 

第1話からずっと連続ドラマの形で進行してきた『∀』ですが、今回ご紹介の3話より、単発回(1話完結としても十分観れるお話)がポツポツと出てくるように。ですが、ロランが重要な告白をしたり、新キャラが登場したりと、決して飛ばすことのできない一編になっていました。特に、ロランがムーンレィス出身であることを告白するシーンは、最もインパクトのあったシーン。詳細は後述しますが、1クールが終わらない段階でもう最大の秘密を明かしてしまうとはなぁ。

 

なお、前回(第4~6話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第7話「貴婦人修行」

1999年5月21日放送

登場した敵他:ウォドム、ゴールドスモー、モビル・リブ

「バランスを取らなければ、地球が一方的に負けてしまうことになるんでしょ?」

 

STORY:戦闘が続き、交渉どころではなくなり膠着状態の地球とムーンレィス。この状況を打破するため、ディアナは、親睦パーティーを開くことを提案した。これを受けたグエンは、∀ガンダムパイロットが女性であり、地球のモビルスーツは女性でも扱えることを誇示するために、ロランにローラ・ローラという女性として、パーティーに出席するよう指示を出した。性別を偽り、全く縁のなかった貴族のパーティーに出ることになったロランは、キエルからみっちり貴婦人修行を仕込まれ、パーティーに参加する。このパーティーの顛末やいかに―?

 

ロランがローラという女性として、そして∀ガンダムパイロットとして、初めて公の場やディアナ・カウンターの前に出ることとなる一編。基本的には、地球とムーンレィスの親睦パーティーと、それに向けて悪戦苦闘するロランのさまが描かれますが、偶然から商売相手としてディアナ・カウンターと関係を深めることになるキース、ディアナ・カウンター側でのきな臭い動きも少しばかり描写され、ストーリー的にも見逃せない一編となりました。どうやら、ムーンレィスも一枚岩じゃないらしい。ということは、ディアナやディアナ・カウンターがそのうちひっくり返される展開も出てくるだろうなぁ。

 

戦いを終え、マウンテンサイクルの発掘現場で休息をとっていたロランが、戦争にはやるソシエたちを見て虚しさを覚えていた頃、現状の膠着状態を重く見たディアナは、地球とムーンレィスの親睦を深めるため、パーティーを開催することを提案。ミランにその打診を指示します。その翌朝、依然ノックスでパン屋を守り続けているキースは、パンの移動販売に出ますが、街からは人が急激に減っているうえ、ディアナ・カウンターへの抗議に巻き込まれてしまうことに、そんなとき、ディアナ・カウンターの兵士にパンの味を認められて…。序盤では、マウンテンサイクルでただぼんやりと休息するロランの様子が描写。いくら休戦中とはいえ、ちょっとのんびりし過ぎじゃないかとも思いますが、彼のソシエたちから見て一歩引いた視線、そして俯瞰して物事を考えるさまは、今回の清涼剤のような役割を果たしてくれています。ロランって本当に不思議なキャラで、話し方や所作はのんびりしてるんだけど、全くそれゆえの歯がゆさやウジウジした感じがないんですよね。自分なりの信念をキチンと持ち、それに基づいて行動してくれているからなんだろうなぁ。ロランがこうしている頃、ディアナ・カウンターと偶然による奇妙な縁が出来たのがキース。彼は地球のノックスの街のパン屋として、ディアナ・カウンターへのパンの卸しの仕事を請け負うことになり、ギリギリであった家計が持ち直すキッカケとなります。もともとムーンレィスの人間であるキースが、意図せず出来たディアナ・カウンターとの縁。ここで「僕ももともとはムーンレィスの人間だ」と言い出すのかと思いきや、そんなことはなかったですね。ロラン以上に、「この地球に帰化して生きる」ことを強く思っているのかな。

 

ディアナからのパーティーの打診を受けたグエンは、∀ガンダムパイロットとしてロランを出席させることを決定。ですが、それはただ単にロランが出席するというワケではなく、女装して女性:ローラ・ローラとして出席するというものでした。グエンの屋敷に行ってそのことを知らされたロランは驚き、さらにグエンの指示でロランにつくことになったキエルから、みっちり貴婦人修行を受けることに。猛特訓の末、なんとかパーティー開催当日までに、何とか形になるよう仕上げるのでした。Aパート後半より、サブタイトル通りのロランの貴婦人修行が開始。今まで男性の一般市民として生きてきた彼にとって、貴婦人の所作というのは何もかも初めての体験でしたが、キエルのシゴキによりなんとか短時間で形にしていきます。キエルによるロランはの貴婦人修行は、かなりスパルタ。キエルが過去にハイム家で受けていた貴婦人修行も、これほどまでに厳しかったのでしょうか?そんなキエルのスパルタ特訓によって、メキメキと所作や振る舞いを形にしていくロラン。パーティー開催直前になると、もう本物の貴族の女性と大差ないほどにまで立ち振る舞いが出来るようになっていました。ロランの女装メイクはやはり違和感がありますが、それ以外の部分は完全に「貴婦人ローラ・ローラ」になっておりビックリ。このあと出てくる描写では、ハリーとダンスをしてみたり、ヒールのまま走って∀ガンダムに乗り込んで操縦する等の芸当を見せます。地球に来た直後といい、今回のことといい、ロランって環境適応能力がハンパなく高すぎでしょ…。

 

いよいよ迎えたパーティー当日。ロランはローラ・ローラとしてそれに出席し、記者として現地を訪れていたフランに気づかれたこと以外では、ディアナ含めて誰にも男性のロランであることに気づかれずに参加することに成功します。ところが、いざパーティーに出てみると、地球とムーンレィスの親睦を深めるはずが、お互い様子をうかがっていて全く進展せずじまい。これを重く見たディアナは、ハリーの進言もあり、彼に地球側とコンタクトをとることを指示します。ハリーからのダンスの申し出を引き受けることになったのは、ロランでした。ロランは、ローラ・ローラとしてパーティーに出席。時々ロランとしての口調が出てしまうも、基本的には所作も立ち振る舞いも完全に「貴婦人ローラ・ローラ」で押し通し、誰からも疑われることなくパーティーを過ごします。Bパートでは、長い時間を使ってパーティーの様子を描写。フランを除いて、ロランの正体どころか「彼女(ローラ)は男じゃないか?」と誰一人疑わないのが、逆にちょっと笑えてきます。マジメな軍人であるハリーや、ムーンレィスの女王であるディアナあたりは、気づくか違和感を覚えるんじゃないかなと思ったけど、全くそんなことはなかったなぁ。まあハリーは、この前特に変装していないロランを、それ以前にディアナ・カウンターの駐留地にやってきた少年だと見抜けなかったから、仕方ないなと思うけどさ…。そんなローラは、重苦しい雰囲気を打開するために、ハリーとダンスをすることに。今まで人形相手でしか練習してこなかったため、ぎこちない動きになってしまいますが、それでも特に問題なく乗り切ります。先ほども述べたけど、ロランは本当に環境適応能力が高すぎるよ…。「ガンダムシリーズ」で一番と言っても、過言ではないんじゃないかな。

 

ロランが対面したディアナに嚙みついた直後、キースたちが作ったケーキが会場内に到着。しかし、その中にはディアナ暗殺を狙う暗殺部隊が潜んでおり、パーティーは一転して混乱の戦場と化してしまいます。なんとかディアナを守り抜いたロランは、ドレスを引き裂いて∀ガンダムで暗殺者を追跡するも、捕獲に失敗。追いついたハリーはそのことを追及しますが、現場に残されたあるアイテムから、この事件は単に地球の市民が反ムーンレィス感情で起こした事件ではないことを察します。ディアナと対面した際のロランは、今までとは少し違った対応を見せたのが興味深いところ。「なぜあなたが来たのに戦争は終わらないのか」とやんわりと問い詰め、側近たちに制止されるまでそれを続けます。この反応と対応は、今までディアナにゾッコンだったロランからすると、ちょっと意外なもの。ですが、別に彼自身としては、ディアナに失望したとか、怒りをぶつけたかったとかいう感情があったわけではないのでしょう。「期待のディアナが来たのに、自分の思い描いている流れになっていない」―、そうした一種の戸惑いが、彼にこのような行動をとらせたのでしょう。こうした中で、さらに地球とムーンレィスの交渉の雲行きを怪しくさせたのが、ケーキに潜んでいたディアナの暗殺部隊。彼らはロラン等の反撃によって暗殺に失敗しますが、ロランが∀ガンダムをまだ操縦しきれていなかったがゆえに、まんまと逃げおおせてしまいます。グエンがムーンレィスの主要人物との大事な場面で、自分側から水を差された(ように見える)のは、これで3回目。「いい加減グエンは側近をもっとちゃんと選定しろ」と思いかけましたが、ラストにおける、暗殺部隊が残して行った酸素吸入器から、その見方が変わっていきます。昔から地球に住んでいる人間なら、酸素吸入器など持っている必要はないはず。ということは、今回の暗殺部隊は、ムーンレィス側の人間である可能性が高い。このことから、ムーンレィスも一枚岩ではなく、ディアナを良く思わない勢力がいることが示唆されます。このシーンでさらに面白いのが、ハリーたちの反応でそのことは察せられるのですが、全登場人物が一切「暗殺部隊の中にムーンレィスの人間がいる」旨の直球的なセリフを言っていないところ。これにより、このシーンをさらに深みのあるものにしてくれています。

 

 

 

第8話「ローラの牛」

1999年5月28日放送

登場した敵他:ウォドム、ウァッド、モビル・リブ

「私たち(帰還民)も生きてゆかねばなりません。しかし!軍のいうことを鵜呑みにはできないんです。」

 

STORY:停戦中のためディアナ・カウンターの駐留地の警備を命じられたロランたちは、そこで、ディアナ・カウンターに直訴するクーエンらムーンレィスの地球帰還民を目撃する。なんでも、彼らは地球に帰還したはいいものの、ディアナ・カウンター側から最低限の配給しかなく、生活に窮しているらしい。停戦中であり、特に戦闘も起きないであろうことから、ロランたちはクーエンの生活の手伝いをすることになるが、それは一筋縄ではいかないものだった。勘違いから起きるポゥの部隊との戦闘、依然として苛烈する地球人の批判。そしてついに、ロランは自分の最大の秘密を告白した!

 

前回までは1つのドラマが連続しているような構成でしたが、今回は比較的単発回のノリ。ですが、ロランたち地球人側(ロラン等はムーンレィス出身の人間ですが)とゲストキャラ:クーエンらムーンレィス側の人間の交流と、終盤におけるロランの秘密の告白と、視聴者にガツンと訴えかける描写が散見される、サブタイトルに反してなかなか見逃せない濃厚な一編となりました。ロランが「自分はムーンレィス出身である」ということはいつか告白すると思ってたけど、こんなに早くそのときが来るとはなぁ。

 

着々と進められる、前回発生したディアナ暗殺事件の犯人捜し。その間の停戦中、地球人側が不要な戦闘当を起こさないように、グエンはロランに∀ガンダムでの駐留地周辺の偵察を命じます。不本意そうなソシエをよそに、出撃したロランは、現地でいつも通りの地球人たちの小競り合いを目撃。それはムリヤリ介入して解決しますが、同時にそこで、生活に窮しディアナ・カウンターに直訴するクーエンたちの姿も目の当たりにするのでした。序盤では、ボストニア城におけるグエンとロランたちのやり取りからスタート。ロランは、グエンからの命令を聞いた直後にソシエとともにその場をのあとにしますが、グエンの秘書代わりを務めるキエルはその場に残り、グエンのムーンレィスとロランに対する本当の印象を知ります。ここでグエンが言ったのが、下記の一言。ロランは正直者であると評価する一方で、その根底に何か秘密があることを見抜いていました。このシーンだけを観ていたときは、グエンの鋭さにおおっと思わされたけど、本編全体を観てからだと、終盤の展開へのにおわせシーンでもあったと言えるでしょう。このようなグエンとキエルの会話のことを全く知らずに、ディアナ・カウンターの駐留地へ向かったロランとソシエ。相変わらずディアナ・カウンターに地球人が噛みついており、停戦中であることからロランはその場に割って入ってことを収めますが、そこでそれぞれ別件でここを訪れていたキースとフラン、そしてディアナ・カウンターに直訴する帰還民クーエンらと出会うのでした。クーエンがディアナ・カウンターの一般兵から虐げられるさまは、見逃せないシーン。ここでは、ムーンレィス側の民間人もまたディアナ・カウンターと上手く行っておらず、前回同様、やはりムーンレィスは一枚岩ではないことが窺えるます。ディアナがいくら崇高な理想を掲げても、現場がこれじゃあ、ムーンレィスの現体制に反感を覚える民間人が出てきてもおかしくないよねぇ。

 

グエン「あの子(ロラン)は、1つの秘密を隠すために、他のことに正直であろうとしています。だから、とてつもなくいいヤツなんです。」

 

昼食をとったのち、キースとフランが再びクーエンと遭遇。彼の事情を聴くと、妻子がいるがミルク等に窮しているという状況とのこと。その話を聞いて情がわいたロランたちは、もぬけの殻となった北部の村へと向かい、そこで放置されていた家畜や農作物を確保します。そうした行動をしている中で、ロランは、クーエンが地球に帰ってきて感じたことを聞かされ、ムーンレィスの帰還民の感性も、地球人と全く同じであることを痛感します。ロラン・キース・フランの関係性をソシエが怪しむ描写を挟んだのち、Aパート後半よりロランたちとクーエンの交流が開始。ソシエがかなり不本意そうに協力する一方、ロランたちはかなり誠心誠意を持って対応し、あちこち奔走します。一連の様子を地球人側に見られたら、間違いなく反感を買うことになるロランたちの行動。しかしそれでも彼らがこれを選択したのは、純粋な善意によるものと言えるでしょう。この直前、先のクーエンらに対するディアナ・カウンターの横暴を見て、キースが「ムーンレィスに帰る気無くなっちゃったな」と発言していることからも、「自分たちがムーンレィス出身だから」ではないことがよくわかります。そんなロランたちの善意に、深く感謝するのがクーエン。彼も心を開き始めたのが、ポツポツと、自身の本音や感じたことを語り始めます。これまでの『∀』では、民間人の視点は地球人側のみのものしか描かれて来ませんできたが、今回初めてムーンレィス側の民間人(クーエン)の視点が描写。細かい考え方に差はあれど、戦争と軍に翻弄されているという点は、地球人側と同じであることが判明します。クーエンらムーンレィス側の民間人も、彼らなりに苦労してるんだなぁ。まあ、「その苦労そのものも、ディアナ・カウンターが地球に侵攻して入植を始めなければ無かったはず」と言われれば、そうなんだけどさ…。

 

乳牛を男2人では持ち出せないことから、∀ガンダムを出してそれを運ぼうとするロラン。それを偶然目撃したポゥは、半ば難癖をつけてそれを襲撃。停戦中にもかかわらず戦闘が勃発してしまいます。ウァッド舞台に苦しむ∀ガンダムではありませんでしたが、ポゥ機のみの先行を許し、ソシエたちの乗るトラックを人質に取られてしまうことに。しかし、ここを偶然通りがかったハリーの手により、さらなる戦闘は回避されるのでした。Bパート中盤では、∀ガンダムの活躍シーンを描くために、ちょっとムリしてポゥの部隊との戦闘が描写。先に手を出したのはポゥ側でしたが、∀ガンダムに返り討ちにされた挙げ句、ハリーに一連の行動を見られ注意を受けて撤退するという、いいところなしの活躍で今回は終わります。ポゥはマジメな軍人なんだろうけど、お話の展開の都合か、それとももともとそういうキャラ設定なのか、かなり好戦的な性格のクセにほとんど戦果を挙げられず逃げ帰ることばかりが目立つ印象。たいてい独断で動いて失敗してるから、もっと行動直前に上官に指示を仰ぐとかしたほうがいいんじゃないかなぁ?まあ、その上官も、どちらかと言えば好戦的な性格のフィルだから、あんまり役に立たないかもしれないけど…。ちなみに、ここでの∀ガンダムの攻撃は、手や足でウァッドを薙ぎ払うことのみ。さすがに第8話ともなると、ロランもウァッド程度には苦戦しなくなってきましたね。

 

クーエンの住む居留地へと戻り、持ってきた家畜や農作物を提供するロランたち。これにより彼らは食つなぐことができるようになりましたが、そのさまを見た地球人たちの批判は過激なものでした。いくら穏やかに収めようとしても、全く批判の声がやまないことに深い悲しみを覚えたロランは、ついに自分の最大の秘密を告白します。そう、自身がムーンレィス出身の人間であると―。家畜や農作物を持ち帰ったことで、クーエンたちも生活が立ち行くようになってめでたしめでたし…とならないのが、やっぱり『∀』が「ガンダムシリーズ」だなと感じさせられるところ。地球人たちからの猛烈な批判にさらされ、ムーンレィス側だからと言って人の命を軽視する彼らに向かって、ロランは我慢ならなくなり、自分がムーンレィス出身の人間であると告白します。いつか来ると思われた、ロラン最大の秘密のバレですが、冒頭述べたとおりこれほどまでに早い時期に来るとは予想外。同時に、ロランがこれを告白したあと、「人の命を大事にしない人とは誰とでも戦う」という宣言に、この告白か単なる思いつきではない、彼の強い覚悟と信念を感じさせられました。ロラン、男を見せたなぁ。そんなロランのさまを、フランの新聞社はわざとロランの秘密を伏せて好意的に記事にした一方、その場に居合わせていたソシエは、思わずロランの頬はたいて今回は終了。彼らの関係性は、ここで終わってしまうのか?それは、次回で明かされることでしょう。

 

ロラン「僕は2年前に月から来ました。でも、月の人と戦います。だけども、地球の人とも戦います。人の命を大事にしない人とは…、僕は誰とでも戦います!」

 

 

第9話「コレン、ガンダムと叫ぶ」

1999年6月4日放送

登場した敵他:イーゲル、ゴッゾー、ウォドム、ウァッド

「あの2人は、ソシエお嬢様の気持ちを利用して、兵隊にしようとしている…大バカ者だ!」

 

STORY:ディアナ・カウンターのもとにやってきた招かれざる積荷。それは、月で冷凍刑に処されていたはずのコレン・ナンダーとその部下たちだった。さっそく∀ガンダムと戦おうとする彼らは、マウンテンサイクルや田畑を攻撃するがなかなか∀ガンダムは出てこない。それもそのはず、パイロットであるロランは、ハリーの手で拘束されていたからだ。グエンは、ソシエの希望も受けて彼女を代わりに∀ガンダムに乗せるが、歩く程度しか動かすことができず、ピンチに陥ってします。このまま∀ガンダムは敗北してしまうのか?

 

ディアナ・カウンター側の新キャラであるコレンと、その部下であるブルーノとヤコップの初登場回。今まで『∀』に登場したキャラは、敵味方問わず落ち着いて話すタイプが多かったため、コレンたちのように騒がしく軽妙に話すキャラたちは新鮮に感じられました。そんな彼らは、∀ガンダムと戦うことを望んでおり、ロランがすぐに出撃できないことからソシエが代わりに搭乗して出撃。この辺りでの、ロランとハリーの水面下での駆け引きのドラマも興味深かったですね。しっかし…今、ミリシャもディアナ・カウンターも、停戦中だったはずでは?

 

ムーンレィスから送られてきた補給物資を確認するディアナ・カウンター。その中の一番奥に、送り状に記載されていないモビルスーツ2種3機が積まれていました。それに乗っていたのは、コレンたち。彼らは現地のディアナ・カウンターの話などほとんど聞かずに、地球の重力に若干戸惑いながらも、∀ガンダムと戦うことが最大の目的であるとして、勝手に出撃してしまうのでした。今回の主役の1人であり、初登場にして強烈なインパクトを与えてくれるコレンは、初っ端からいきなり登場。どちらかと言えばコメディリリーフな見た目に対して、所作はどこかカッコつけ気味なところギャップが笑えます。しかし、愉快犯っぽいノリであるがゆえに凶悪な一面もあることから、なるほどムーンレィスで永久冷凍刑に処されていた犯罪者だけのことはあるなという感じでした。そんなコレンは、先に述べたとおり、実質的に終身刑の犯罪者であるため、本来外界に、しかも地球に降下してくることはできないはず。戦局打開のため派遣された可能性も考えられますが、どうやらディアナ等が命令したワケではなさそうです。となると、一体誰が?積荷の送り状の中にも記載が無かったことといい、ディアナとは異なるムーンレィス内の別の勢力の動きが感じられるのが、少し不気味ですね。

 

ノックスの街でディアナ・カウンターに拘束されたロランは、ハリーのもとへ。そこで彼は、特にハリーからほとんど何も訊かれることなく、半ば軟禁状態に置かれてしまいます。同じ頃、コレンたちはマウンテンサイクルを急襲し、訓練に励むメシェー等を襲撃。この連絡を受けたグエンは、ちょうどその場に居合わせ、∀ガンダムの操縦をしたがっていたソシエを、ロランの代わりにパイロットとして偵察に出るように指示します。それを目の当たりにしたキエルは…。Aパート後半では、ロランが再びハリーに拘束されてしまうことに。しかし、独房に入れられる等ではなく司令室に閉じ込められる程度でした。ハリーが一切本音を言わないので、正確な彼の考え方はわかりませんでしたが、おそらくローラ=ロランである可能性を考えており、その仮説の正否を、ロランを拘束することで確かめようとしたのでしょう。さすがにローラ=ロランである可能性を考え始めていたであろうハリー。そりゃそうだよねぇ。見た目派変装してても、声色とかは全く変えてないんだから、誰かしらいつかは気づくよねぇ。これと時同じくして、コレンは∀ガンダムをおびき出すため、メシェー等を襲撃。ロランと連絡が取れず、またソシエの希望を受けて、グエンはソシエに、ロランの代わりに∀ガンダムに搭乗するよう指示します。ここでは、キエルからの視点でグエンとソシエのやり取りが描かれており、戦争へ突き進んでいく虚しさを表現しているのがGood。それと同時に、ソシエが∀ガンダムに乗ることから、ロランがいなくても∀ガンダムが動くという構図になっており、早くもハリーの目論見が崩れてしまっているのが、ちょっと面白くも感じました。

 

田畑を荒らしまわるコレンたちは、∀ガンダムに出てくるよう挑発。そうした中で、ようやくソシエの乗った∀ガンダムが登場します。しかし、動かすのがやっとの彼女に、まともにコレンのイーゲル等と戦えるはずもなく、あっという間に劣勢に陥ります。そうした中で、ハリーもまたコレンが地球に降下してきたという情報をようやく知り、この事態を鎮静化させるために、わざとロランを解放するのでした。Bパートより、∀ガンダムが登場。しかし、パイロットがいつものロランではなくソシエであることから、ゆっくり動くのがやっとであり、ほとんど抵抗できずに劣勢に追い込まれてしまいます。ロランに比べて圧倒的に操縦に慣れていないソシエですが、カプルは既に乗りこなしており、またロランの横で∀ガンダムの操縦を何度も見てきたことから、初操縦にも関わらず最低限動かせているのは、評価されてもいいのではないでしょうか?ロラン初操縦のときは、何も手がかりが無かったということもあるけど、ほとんど動かせてなかったからなぁ。そんなソシエの操縦は、ロランが気づけなかった∀ガンダムの機能を引き出しており、これが今回終盤で役に立つことになります。これと同じ頃、突然ハリーから解放されたのがロラン。彼はバイクを借りてグエンのもとに向かいますが、ソシエが∀ガンダムに乗って出撃したことを知り、彼女のもとへ向かいます。ここでのハリーによる解放は、お話の展開として、終盤でロランを∀ガンダムに乗せるための意味合いが強いことから、若干理由付けにムリがあるかなとも感じました。

 

解放されたロランは、真っ先にグエンのもとに戻り、そこでソシエが∀ガンダムで出撃したと聞いて愕然。現場へ急ぎます。ロランが到着したときは、すでにソシエは限界を迎えており、ロランは彼女をコクピットから降ろして、操縦を交代。ソシエが偶然方から引き出していた、ビームサーベルの柄を起動してビームサーベルを現出させ、イーゲルに大ダメージを与えてコレンたちを撤退に追い込みます。終盤で、ソシエからロランへ∀ガンダムの操縦がバトンタッチ。ソシエが偶然引き抜いた、ビームサーベルの柄を利用してビームサーベルを起動し、コレンのイーゲルに斬りつけ撤退に追い込みます。「ガンダムシリーズ」おなじみの武器であるビームサーベルが、『∀』ではここで初登場。一振りだけでコレンたちを撤退に追い込むと、強大な武器であることがアピールされていました。ビームサーベルそのものがここまでクローズアップされ、印象的に描写されたのって、マジで『ガンダム』の第1話以来じゃないかなぁ?もしかすると、ちょっとだけそれを意識してるのかもですね。こうして危機は去り、ソシエは結果的にロランに救われることに。ですが、彼女との間に出来た溝は、まだ埋まる気配がありませんでした。依然として、ロランを受け入れられないソシエ。2人が和解できる日は、来るのかな―。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第10話から第12話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。交渉の、風が止まった―。

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