今回は、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の総括感想記事です。
「ガンダムシリーズ」3作目にして、一年戦争真っ只中における、地球連邦軍側のシローとジオン公国軍側のアイナとの純愛を描いた本作。一般的なイメージだと、そうした印象ばかりが目立ってしまっている感じがありますが、実際の内容は、それだけでなく、08小隊内の絆も描こうとしていた、意欲的な作品であったと感じました。ただ、いかんせん話数が足りなさすぎたよなぁ。
なお、前回(第10~11話・特別編[終])の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
『08小隊』のドラマの持つ魅力の大きな二本柱は、冒頭述べたとおり。シローとアイナの愛という“個”のつながりと、08小隊の絆という“チーム”の絆の2つを描こうとし、そして様々なアクシデントがあったにも関わらずなんとかそれを描ききったことは、もっと評価されるべきだと感じます。
また、登場するモビルスーツのデザインや戦闘も、地球の東南アジア等の密林地帯を舞台にしていることから、いい意味で泥臭く、そして洗練されていない感じがいい雰囲気。また、それにOVAならではの作画の出来の高さも相まって、独特の魅力を醸し出してくれていました。特に、序盤における陸戦型ガンダムと陸戦型ザクⅡ、第10話におけるガンダムEz-8とグフカスタムの戦闘は、目を瞠るものがありましたね。
ただ、やはりそれら要素をこなすには、特別編含めても全12話は少なすぎた印象。そもそも、第1話における、シローがアイナに対して恋心を抱くシーンも、せっかくシチュエーションは完璧なのにその感情の発露があまりにも急展開過ぎて、「えぇ…」と思ってしまった感じはありましたね。なんというか、「最終的にこうしたい」というのはよく分かるし、実際それにドラマを持っていっているのはよく分かるけど、そこまでの過程をあまりにもすっ飛ばし過ぎている感が凄まじかったんですよね。
よく考えてみると、「隊員個人どうしの恋愛」と「部隊の絆」って相反する要素だから、それを同時に描くのって難しいですよね。いっそ後者をバッサリ切り捨てる(シローが最初から愛のために隊を捨てた人間にする等)のも一案かもしれなかったけど…、それをやっちゃあ、そもそもタイトルが『08小隊』にできないか。
そんな難点はあるものの、『08小隊』の挑んだテーマ、そして描かれたドラマは、もっと評価されてもいいと思います。確かに、ドラマも戦闘シーンもハデではないし、シリーズ初見の人にオススメ出来る作品ではないけど…でもね、独特な輝きを持っていることは間違いないんですよね。
ある夜、月面の王国:ムーンレィスから、3人の少年少女が降り立った。彼らの目的は、地球帰還のための調査を行うため。その中の1人:ロラン・セアックは、地球の人々と触れ合ううちに、その生活にすっかり馴染んでいた。
しかし、ロランが2年遅れの成人式の儀式に正式参加した日、ムーンレィス軍の侵攻が始まってしまう。混乱の最中、ロランが偶然乗り込んだ、像の中から出てきた機械人形。その正体は―∀(ターンエー)ガンダムと呼ばれる機体だった!
お嬢さん方の暮らしを見て、地球になじんでいた僕は、「この素晴らしい地球にみんなで帰ってきてほしい!」と叫んでいた…。
…というわけで次回からは、1999年放送の『∀ガンダム』の感想記事が始まります。お楽しみに!
―ご覧のチャンネルで、“∀”の風が吹く。
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『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!
☆ガンプラ Pick Up!
『08小隊』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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