お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-1(第1~3話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第1回目です。

 

∀ガンダムそのものデザインが、「ガンダムシリーズ」の中でもトップクラスのインパクトを誇る一方で、そのストーリー内容はあまり知られていない感じのある『∀』。実際にそれを観てみると、今までの「ガンダムシリーズ」では全く見られなかった、独特な雰囲気と作風になっていました。いぶし銀の魅力を持つ『∀』の物語を、共に追いかけていくことにしましょう。

 

なお、キャラクターとモビルスーツについては、↓下記公式HPをご参照ください。

www.turn-a-gundam.net

 

また、前作(機動戦士ガンダム 第08MS小隊)の総括感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第1話「月に吠える」

1999年4月7日放送

登場した敵他:なし

「皆、地球はとてもいいところだぞ。早く戻ってこい!」

 

STORY:その少年―15歳のロラン・セアックは、イングレッサ領ビシニティの川でおぼれていたところを、キエル・ハイムとソシエ・ハイムら、ハイム家の令嬢たちに救われた。ロランがもともと、ハイム家の経営する鉱山で働く予定だったことを知った彼女たちは、父親にその口利きをし、ロランと仲を深めていく。やがてロランは、縁の連続で、一鉱山夫からハイム家専属の運転手となり、キエルたちと交流を深めていく。すっかりロランに心を許したキエルたちだが、ロランはある重大な秘密を抱えていた。彼の正体とは―!

 

OVA作品を除けば、初めてテレビ朝日系列以外の放送局(フジテレビ系)で放送された作品となった『∀ガンダム』。∀ガンダムのデザインばかりがどうしても注目されがちですが、そのドラマについても、かなり挑戦的なものに仕上がっているなと感じました。第1話である今回は、モビルスーツ戦は一切なく、ガンダムのガの字も登場しない、本当に異色の第1話。中心となって描かれているのは、地球の環境や人々に触れ、純粋な反応を見せるロランの姿でした。雰囲気が全体的に1800年代前半のアメリカみたいな感じだけど、ここから本当に、モビルスーツの話や宇宙の話につながっていくのか…?

 

ある夜、月から降下してきた1体のモビルスーツ:フラット。それに乗っていたのは、ロラン、キース・レジェ、フラン・ドールら3人の少年少女であり、「地球帰還の先遣調査員」としての密命を帯びていました。それぞれの場所へ向かうため各々は分かれますが、うちロランは、地球の環境を楽しみつつも、コヨーテに襲われるわ川でおぼれるわと散々な目に遭うことに。その彼が川でおぼれた際に、救助してくれたのが、キエルとソシエらハイム家の人々でした。Aパート前半では、ロランたちが地球に降下してくるさまをスピーディーに描き、そのぶん余裕の出た時間を、地球の環境に初めて触れるロランのさまに使用。セリフはあるものの一言のみのものが多く、彼の反応や表情を通して、彼が地球の環境に触れてどんな感動や驚きを感じているのか、手に取るようにわかるようになっていましたね。ここまでいい意味でのんびりしていて、かつほんわかしている「ガンダムシリーズ」の第1話って、かなり新鮮だなぁ。そんなロランは、確かに地球環境を楽しんでいたものの、コヨーテに襲われたり川で水浴びしていたら溺れたりと散々。考えようによっちゃあ、地球に来てから彼ろくな目に遭ってないんだけど…、まあ、本人が満足してるのならそれでいいか。

 

ハイム家に身を寄せることになったロランは、その日がちょうど成人式の祭りの日であったことから、それに誘われて現地へ向かうことに。地元民たちの凄まじい熱気と活況に圧倒されながらも、ロランはその祭りのさまを目に焼き付けます。そして、大人たちの目を盗んで、ソシエとともに、限られた人しか入れない祭りの最深部へ。彼らはそこで、確かに、ホワイトドールと呼ばれる奇妙な人型をした像を目撃するのでした。キエルやソシエと知り合ったことをキッカケに、ビシニティの街への理解を深めていくロラン。彼が初めて連れ出されたのは、成人式の祭りであり、そこで彼は、キエルがますますムーンレィスの女王ディアナ・ソレルに似ていることが気になってしまいます。ロランが宇宙から来たということは、今回で明かされている一方、月の王国:ムーンレィスのことは、今回劇中では全く触れられずじまい。ディアナのカットインは、完全に今後の展開への伏線でした。そんなロランの感覚をよそに、成人式の祭りは活況を呈しながら進行。やがて祭りは佳境に入り、成人未満の人間しか立ち入れないエリアまで神輿がやってきますが、ロランとソシエは、どさくさに紛れてそこへ侵入してしまいます。そこで彼らは、祭りの一部始終を見届けるのでした。祭りのクライマックスとなる場所では、ホワイトドールと呼ばれる像が存在。その形はまさしく…∀ガンダムでした。

 

ロランがハイム鉱山で働くようになって、しばらく経ったある日。突然ハイム家に呼び出された彼は、キエルとソシエとともにグエン・サード・ラインフォードに出会い、彼にその腕を買われたことをきっかけに、ハイム家の専属運転手となることに。初めて車に人を乗せて運転したロランは、飛行場へ向かった際、巨大な飛行機と、多数の軍用機を目の当たりにします。以後、ロランはキエルたちが外出の際は都度運転手を務め、街へ出る機会も増加。そうした中で、キースと再会するのでした。アイキャッチを挟んで、物語はさらに時間軸が進行。自分の希望通り、ハイム家の鉱山で働き始めたロランですが、グエン等にその機械いじりの腕を見初められてから、彼の立ち位置は大きく変化していきます。Bパート前半では、ロランが、機械いじりが得意でかつハイム家の専属運転手となったことから、ビシニティの街やそこで動く機械たちが多数登場。街並みや機械のデザイン、そしてそれらの動きっぷりは、1800年代前半のアメリカのような雰囲気であり、ノスタルジックで独特な雰囲気を醸し出しているな感じた一方で、「ここからどうやってモビルスーツの話とかにつなげていくんだ?」と疑問も抱きました。だって、どう見てもそんなデカブツ生み出せそうな雰囲気ないんだもの…。ちなみに、このBパート前半では、これから『∀』のレギュラーor準レギュラーキャラが多数登場。彼らは次回以後、また順次登場してくることとなります。

 

キエルたちが大学に行っている間、約束を取り付けて、そこで再会するロラン・キース・フラン。その姿をソシエに目撃されていましたが、彼女はロランたちが何を話しているかまでは、この時気づいていませんでした。ここでロランは、キースたちと話し合った結果、地中に埋めていたフラットを掘り起こすことに。その夜外出した彼は、見事それを掘り当てて、月に向かって地球の良さを絶叫します。しかし彼は、その一部始終をソシエに目撃されていることに、全く気付いておらず…。すっかり地球の生活に馴染み、自身も生まれながらの地球人であるかのように振る舞っていたロラン。しかし、ちゃんと当初の任務は忘れてはおらず、キースたちとコンタクトをとったうえで、フラットを掘り起こす作業に着手します。フラットを掘り当てた際、ロランは喜びも相まって、故郷である月に向かって絶叫。ロランの気持ちはこれまたよくわかりますが、いくらソシエの存在に気づいていなかったとはいえ、他人に見られるかもしれない大ぶりな行動は避けたほうがいいんじゃないかな…。そして、今回はこれで幕を閉じ、冒頭述べたとおり、∀ガンダムはその姿すら見せずに終了。サブタイトル通り「月に吠え」たのは、∀ガンダムではなくロランでしたね。

 

 

 

第2話「成人式」

1999年4月16日放送

登場した敵他:ウォドム

「地球の連中って、なんで見上げるばかりで見下ろさないんだろう?」「―地面から、離れたくないから、だろ?」

 

STORY:グエンが増強を進める地元軍隊:イングレッサ・ミリシャにて、ロランやソシエは複葉機操縦の体験を行う中、彼らの成人式の準備が進められていた。新時代の幕開けを感じているソシエは、成人式後、大学ではなくそのミリシャに入隊することに興味があるようだ。そしていよいよ始まった成人式。今までの慣例通り、ソシエは聖痕を相手の男性からつけられることになり、その役をロランが任される。だがそのとき、遠くノックスの街に戦火が見えた!ロランの故郷であるムーンレィスが、ついにモビルスーツを使って地球を攻撃し始めてきたのだ。1人そのことをロランが察するとき、ホワイトドールがそのベールを脱いだ―。

 

いよいよ登場、∀ガンダム今回は、前回登場しなかった主人公機:∀ガンダムのデビュー回。しかし、やはりその登場はギリギリまで抑えられており、ストーリーの主となっていたのは、ロランとソシエの成人式と、その裏で月の住人たち=ムーンレィスの襲撃を予見し、戦闘を回避しようと水面下で動き続けるグエンの姿でした。終盤での∀ガンダムの登場は、本当に神秘的。確かに、このデザインでなければ『∀』の物語は成立しないなと、ひしひしと感じさせられました。

 

ソシエの興味もあり、彼女とともにイングレッサ・ミリシャ複葉機の操縦体験を受けることになったロラン。ソシエは思ったよりそのセンスを発揮しますが、それ以上のセンスを感じさせたのがロランでした。ソシエは、ミリシャのメシェー・クンに、自分たちの成人式に来るよう招きますが、メシェーはその日はミリシャの軍事パレードがあるとして拒否。その後ロランたちは、成人式の前入りとして、ノックスの街での宿泊準備を進めます。今回より、ロランとソシエが一緒に行動することが急増。前回ではキエルとの関わり合いが多く、またロラン自身もキエルにディアナの面影を感じていたことから、てっきりキエルとの関わり合いがより深まるのかなと思いきや、そうではありませんでした。まあ、ソシエのほうがロランと年齢も近いし、より快活な性格なので、より馬が合いそうと言えばそうですよね。そんな2人が体験していたのが、ミリシャの複葉機の飛行訓練。2人とも初めての操縦にもかかわらず、それほど苦戦することなく乗りこなし、中でもロランは卓越したセンスを見せつけます。ロランに一番センスがあるというのは、今後彼が∀ガンダムパイロットになることの伏線でしょうが、ここではソシエにもある程度のセンスがあるとされている点に注目したいところ。彼女も複葉機の操縦は初めてのはずであり、かつハイム家のお嬢様であることから、こうしたことは苦手そうにも思えますが、実際はそうではありませんでした。作品によっては、ソシエみたいな立ち位置のキャラは、のちのち主人公のサポートとしてモビルスーツに乗るような展開もありえなくはないけど…はてさて、『∀』ではどうなるかな?

 

着々と成人式への準備を進める、ロランとソシエ。その合間を縫って、彼らはグエン主催のパーティーに出席したり、ロランはキースやフランと再会したりと、様々なことをこなしていきます。ロランのことを前回からいたく気に入っているグエンは、ロランに自分のもとかあるいは斡旋する仕事に転向しないかと誘いますが、ハイム家に雇われの身であるロランは、即答することが当然できませんでした。Aパート後半からBパート前半にかけては、長い時間を使って、ロランとソシエの成人式の準備の様子を描写。伏線を張りまくって次回以降の展開につなげるというよりかは、純粋に時間を割いてゆったりと描くことで、『∀』の持つ牧歌的な雰囲気をより強調する意図が感じられました。『∀』は、本当にいい意味でゆっくりとお話が進んでいくよなぁ。ただ、そうした描写ばかりでは単調になってしまうため、要所要所で別の描写も挿入。中でも目立っていたのは、グエン野パーティーのシーンでした。前回からロランのことを気に入っているようなそぶりを見せていたグエンですが、今回もそれが前面に出る形に。ハイム家の専属運転手をやっているということを自身も知っているはずなのに、自分のもとや斡旋先に転職しないかと持ちかけます。極めつけは、ロランをローラと呼ぶことをソシエに問われた際、ケロッとした顔で「だってロランよりローラのほうが似合うだろ?」と回答していること。もうこれ、いろんなもの通り越して、ロランに対する愛ですよね。グエンって、そういう気があるってこと…?

 

いよいよ始まった成人式。ソシエが主体となって進み、ロランがソシエの指名により、彼女に聖痕をつける儀式に携わることになっていた頃。時同じくして、グエンはムーンレィスからの通信を受信していましたが、上手く話をすることができず、やがてミリシャの航空部隊からの通信もロスト。それは、現地のミリシャの部隊は全滅していたのではなく、上空から迫りくる謎の影を目撃していたからでした。その正体は―!Bパート中盤からは、成人式の様子が描写。変わらない伝統儀式であるため、前回描かれたキエルの成人式とほぼ同じく具合で進みますが、ホワイトドールの前に来たあとの儀式について、ここでロランは初めて知ることになります。儀式の1つである、ホワイトドールと同様に背中に6つの傷=聖痕をつける儀式。てっきり炭や塗料等でそれを表現するのかと思いきや、実際に出てきたのはヒルでした。ヒルに背中の血を吸わせるなんて、なかなか痛みを伴う儀式だなぁ。おそらく、成人式を迎えたという事実の象徴という意味から、消えにくい傷を作るという意味でこうなっているのでしょうが、いやはや…。これなら刺青のほうがマシなんじゃないかなとも思うけど、ヒルに吸血されるのと刺青彫られるの、どっちが痛いんだろう…(管理人はどちらも未経験なのでわからない)。そんな成人式をつんざくように差す、ノックスの街の光。それは成人式の花火の光ではなく、街が襲撃を受けたことによる戦禍の光でした。このシーンより、ムーンレィスによる地球への攻撃がスタート。先遣隊ということもあってか、あちら側の送り込んできたモビルスーツは、ウォドム2体だけでした。それでも、複葉機や高射砲程度の戦力しか持たないミリシャにとっては、かなりの脅威。まあ、勝てるワケないですよね。

 

ウォドムの攻撃とその流れ弾により、戦禍に包まれるノックスの街。それは成人式を行うロランたちも目撃しており、ロランは真っ先にモビルスーツによる攻撃が始まったのだと確信します。そのとき、ホワイトドールが突然動き出し、中から白いモビルスーツ∀ガンダムが出現。コクピットを目の当たりにしたロランは、ソシエとともにそれを乗り込み、∀ガンダムに導かれるまま応戦し、ウォドムを撤退に追い込むのでした。ノックスの街の業火と、一瞬見えた別の一筋の光から、ムーンレィスのモビルスーツによる襲撃が始まったのだと確信するロラン。そのとき、彼の心に呼応するかのように、ホワイトドールの像の中から姿を現したのが、∀ガンダムでした。終盤の一連の展開では、ロランが本当はムーンレィス出身の月の住民であり、かつ卓越した機械にかかるセンスを持っているという設定が存分に生かされていてGood。こうした要素を通じて、「なぜロランが真っ先に行動するのか」、そして「なぜ∀ガンダムに乗るのか」ということを明快にしてくれています。なるほど、これは確かにロランにしかできない立ち回り。キャラの特性と立ち位置を上手く使っているのがGoodです。こうしてどういうわけかよみがえった∀ガンダムですが、ロランとソシエがコクピットに乗り込んだものの、その操作をほとんど受け付けず、自分の意思があるかのように行動。遠く離れたノックス市街地付近にいるウォドムを、ビームライフルで的確に撃ち抜き、それを撤退に追い込みます。歴代ガンダムの中でも、特に異彩を放ち奇天烈なデザインをしていると言える∀ガンダム。確かにほかのガンダムと並べると違和感バリバリですが、この『∀』の物語とセットで見ると、これほど『∀』にマッチしたガンダムはないなということを痛感させてくれました。これがガンダムとかZガンダムとかじゃ、絶対に雰囲気ぶち壊しになっちゃうよ。∀ガンダムのような、機械感と神秘性を兼ね備えた独特のデザインだからこそ、『∀』の物語の雰囲気を壊さずに存在できるんですよね。

 

 

 

第3話「祭の後」

1999年4月23日放送

登場した敵他:ウォドム、ウァッド

「村の歴史―“黒歴史”に書いてある機械って、これ(∀ガンダム)なのか?」


STORY:ホワイトドール∀ガンダムは確かに動いた。しかし、それは∀ガンダム自身の意思のようなものによるものであり、ロランが操縦したわけではない。彼とソシエが、何とかそれを再起動できないかと四苦八苦する中、ノックスの街はウォドムの攻撃により地獄と化していた。それに気づいたロランたちは、ハイム家のことが心配になり戻るも、ハイム氏は既に死亡しており、ソシエは慟哭する。このまま地球は、ムーンレィスのディアナ・カウンターの前に屈するしかないのか?山師シド・ムンザから、ロランが∀ガンダムを動かしたという情報を聞きつけたグエンは、それに一縷の望みを賭けようとしていて…。

 

第1・2話では牧歌的な雰囲気が色濃く漂っていた『∀』。しかし、今回より打って変わってウォドムの攻撃を克明に描くことを通して、戦争の悲惨さやそれに巻き込まれる一般市民たちの叫びを描き出しており、「ガンダムシリーズ」らしい雰囲気になってきたなと感じました。その一方で、やはり∀ガンダムの出番はかなり最小限。じっくりと登場人物たちどうしのドラマを描いているのが、この作品らしいなと思えます。でも、ところどころで登場人物のヒステリックな一面が出てくるのは、やっぱり「ガンダムシリーズ」のドラマって感じかな。

 

前回、遠く離れたウォドムを攻撃した∀ガンダム。しかしそれはすぐに機能停止に陥り、ロランとソシエは、どうにかしてこれを動かせないかと四苦八苦します。あれこれ試行錯誤する中で、ようやくコクピットを降下させ、マニュアルらしき端末を発見しますが、∀ガンダムを本格的には動かせずじまい。同じ頃、ノックスの街でどんどん火の手が上がっており、ウォドムにより街は蹂躙され、ミリシャが戦う一方、一般市民たちはただ逃げ惑うしかありませんでした。前回動き出した∀ガンダムでしたが、すぐに動かなくなってしまうことに、Aパート前半では、ロランとソシエがそれを動かすために四苦八苦するさまが描かれます。∀ガンダムコクピットはかなり特殊であり、少なくともレバーをガチャガチャやるだけでは動かなそう。また、∀ガンダム自身も意思を持っているのか、あるいは防衛本能か、パイロットの操作と関係なく動き出すことがある等、今までの「ガンダムシリーズ」作品ではあまり見られなかった、モビルスーツの持つ“神秘性”をアピールするかのような描写が細かく挿入されているのが、非常に興味深いです。ロランたちがあれこれワチャワチャしているさまも、微笑ましかったなぁ。ちなみに、∀ガンダムには実はちゃんと端末型の操縦マニュアルがあり、ロランが発見。ですが、そのマニュアルの参照方法が不明であるため、結局彼らは、∀ガンダムの操縦方法の全貌はわからずじまいでした。∀ガンダムの端末型マニュアルには、ガンダムと同じく大きく「V」の文字が。これは明らかに『ガンダム』オマージュですよね〜。このようにロランたちが試行錯誤をしていた頃、ウォドムに蹂躙され地獄と化していたのがノックスの街。街のあちこちで火の手が上がり、一般市民たちは逃げ惑うしかなく、ミリシャも奮戦するものの戦局を全く覆せずじまいでした。第1・2話では見られなかった、戦いの悲惨さ等が、今回よりこれでもかというほど描写。『∀』の物語が、一気に「ガンダムシリーズ」らしくなっていきます。かなり長めにこのシーンはとられているけど、ミリシャの面々が絶望せずに正気を保って戦い続けているのが、ある種救いのようになっていました。そうそう、ここあ見逃せないのが、攻めてきた側であるムーンレィスの軍隊=ディアナ・カウンターの1人:ポゥ・エイジが、「月で聞いていた話と違うぞ!」と口走っている点。彼女らも彼女らで、攻撃対象である地球の様子としていた知らされていた情報が、現実とかなり異なっていたようです。これは単にムーンレィスのつかんでいた情報が古かったからなのか、それとも何者かによる情報操作なのか―?

 

ノックスの街が引き続き攻撃を受ける中、指揮官として退避せず、ムーンレィスと交信を続けていたグエン。交渉を試みる彼でしたが、相手からの返事は無慈悲なものであり、攻撃がやむことはありませんでした。一方、未だ∀ガンダムのもとにいたロランたちは、山師シドたちと出会い、この∀ガンダムが失われた過去の歴史「黒歴史」の一翼を担うものであることを知ることに。しかしそのとき、さらにノックスの街が業火に包まれたことから、ソシエは自宅のことが心配になり、ロランに無理を言って、∀ガンダムを一度放棄し現地に戻ることにしますが…。ノックスの街で、ウォドムの攻撃をもろに食らっていたキエルでしたが、グエンとともに生存。ミリシャの指揮を執りムーンレィスと引き続き交信を続けるグエンを、必死にサポートしていました。グエンとムーンレィスの通信によれば、彼らは2年前から交信を続けて交渉していたが、ムーンレィスの主張曰く、自分たちの主張が受け入れられず、最後通告も無視されたため、今回の攻撃に踏み切ったとのこと。ですが、同時にムーンレィスは、2年前からロランら先遣隊を地球に派遣していますから、ハナからグエンたちと交渉する気などなく、地球を侵略する気だったのではないか…とも思えます。でも実際はどうなんだろう。ディアナの意思なのか、それともムーンレィス内の一部の人間が暴走した結果なのか…?これと同じ頃、ロランはソシエから身につけるものをもらって、引き続き∀ガンダムを調査。その際現れたのがシドでした。シド曰く、∀ガンダムは村の触れてはならない歴史=黒歴史に関わる機体であり、人目につかないところに隠したほうがいいとのこと。でも彼、こうしたアドバイスをしている一方で、ロランたちがいなくなったあとにすぐに知り合いであるグエンに連絡し、ディアナ・カウンターへの対抗兵器になりうるということを漏らしているんですよね。∀ガンダムに純粋な興味があり、事態を打開したいがゆえの善意なのか、それとも別の目的があるのか―。

 

自宅に戻ったソシエを待っていたのは、ハイム氏の死と、半壊した自宅。あまりの出来事に錯乱したソシエは、思わずロランを責めますが、ロランはそんな彼女を何とか落ち着け、ともにハイム氏の埋葬の手続きを進めます。そんなときに現れたのが、キース。タイミングを見計らって彼と2人になったロランは、途中言い争いになるも、∀ガンダムから発見した端末を見せ、少しですがその解析に成功します。Bパートより、ソシエにとっての試練がスタート。自宅は半壊し、父であるハイム氏を失い、姉キエルも生死不明(実際には無事)という状況は、ソシエにとってはかなり精神的にツラいものがありました。Bパート中盤までは、割と長い時間をかけて、このソシエの悲しみやそれに関わる行動を描写。とても丁寧であると感じると同時に、贅沢な時間の使い方だなと思いました。その気になれば、モビルスーツ戦や∀ガンダムの操縦に関わるドラマを進められそうですが、あえてこうしたところを省略せずに描写することに、制作側の人間ドラマ重視の姿勢が感じられましたね。このように、ソシエが悲しみに暮れ、ロランがそのサポートに当たっているときに現れたのが、キース。彼はノックスの街からなんとか脱出し、ロランを頼ってここまでやってきていました。このシーンにおけるロランとキースの会話では、ロランの「目の前の人を、お世話になった人を救いたい」という意思をが、サラッとながらもしっかりと描かれていた印象。これにより、いくら地球に馴染んできたとはいえ、ムーンレィスの人間であるロランが、なぜ人間側につくのかということが明確化されています。ロランは基本的には穏やかな性格ですが、ところどころで自分の信念や考えを曲げない節があり、今回はそれがプラスに生かされていた感じですね。

 

ディアナ・カウンターがノックスの街の外れに駐留し、次なる攻撃作戦の準備を進めていた頃。ロランはシドにより、∀ガンダムのもとへと呼び出されることに。そこでグエンからの直筆の手紙を渡され、自身がミリシャの一員として、∀ガンダムパイロットに任命されたことを知ります。操縦方法すら満足にわからない状況であるため、戸惑うロランでしたが、シドや彼の弟子ジョセフ・ヨットの協力を得て、最低限起動することに成功。バイザーが顔にかかり、レーダーとモニターを目の当たりにした瞬間、本能的にロランは、∀ガンダムを動かし始めていました。終盤では、ロランがシドたちの協力を得て、部分的ながら∀ガンダムを動かすことに成功するさまが描写。それ自体はいいことなのですが、∀ガンダムの存在を知り、これを軍事転用し、また地球にはまだまだこうしたオーパーツモビルスーツが隠されているのではないかとウキウキするグエン、バイザーが頭にかかって、モニターや各種情報を認識したとたんに、半ば本能的に∀ガンダムを動かし始めるロランと、危なっかしさを覚える描写が散見されるのが見逃せません。特に、グエンの反応は一歩間違えると危険だよなぁ。このぶんだと、彼今後道を踏み外しかねないな…。そんなこんなで、とりあえず∀ガンダムを軽く動かすことに成功したロラン。しかし、ディアナ・カウンターと本格的に戦うには、まだまだ操縦技術の腕を上げなければなりません。さあ、ここからロランは、どんな選択をしてどんな成長を遂げていくのかな。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第4話から第6話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。夏なのに、風は冷たい―。

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