お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ちょっとした感想 Report-4(第10~11話・特別編[終])

今回は、機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の感想記事第4回目です。

 

『08小隊』の物語も、いよいよ完結。やはり最後のお話は、本作のラスボスとも言えるモビルアーマーアプサラスⅢとの戦闘がトピックの1つとなりますが、それ以上に重きが置かれていたのが、シローの激しい葛藤と、そんな彼を慕うミケルら08小隊の面々でした。本作は11話で本編は完結し、その後特別編が挿入される仕様。ですがこの特別編も、『08小隊』の物語を100%楽しむためには、絶対に外せないものでしたね。

 

なお、前回(第7~9話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第10話「震える山(前編)」

1998年7月25日発売

登場した敵他:グフカスタムアプサラスⅢ、陸戦型ザクⅡ、ドム

「俺は、生きる!生きて…アイナと添い遂げる!!」

 

STORY:連邦軍は、ギニアスの秘密基地を発見し攻勢を強めるが、対するギニアス側も、アイナ主導による軍の撤退誘導、そしてノリスの作戦により、なかなか深部までたどり着けないでいた。そんな中、撤退作戦が大詰めを迎えたことから、アイナたちを無事宇宙に上げるため、ノリスはグフカスタムで出撃する。ターゲットは、生き残っている最前線の部隊の1つである、08小隊!カレンやサンダースが次々に手玉に取られる中、シローは1人ギリギリの戦いを強いられる。エースである相手の戦法の前に、シローの愛の叫びは勝てるのか!?

 

ギニアスら、そしてアプサラスⅢとの最終決戦の前編に当たる今回。しかし、その描写はノリスと彼の駆るグフカスタムにこれでもかというほど注力されており、モビルスーツうしの戦闘も全編にわたって展開され、ドラマ面・戦闘面ともに大変見ごたえのある一編になっていました。どうしても、最終的には主人公側であるシローが勝つということは視聴者側も予想できるし、ドラマ展開的にもそうせざるを得ないのですが、できるだけノリスの見せ場を作るために、シローが「試合に勝って勝負に負けた」構図を作り出しているのが興味深かったですね。

 

ギニアスの秘密基地を特定した連邦軍は、陸戦部隊を大量投入し、一大攻勢を敢行。いくらジオン公国軍とはいえど、その物量に勝つことはできず、ゆるやかに押されつつありました。しかし、それでもただでやられる彼らではなく、ギニアスが未だアプサラスⅢの開発を進めていたほか、アイナが率先して生き残った軍人たちの撤退作戦を指揮。ノリスはその時間を稼ぐため、基地侵入口に多数の罠を張ったほか、自身もグフカスタムで断続的に出撃し、迫りくる連邦軍の攻撃を阻止していました。今回は、いきなりギニアスの秘密基地が連邦軍に攻められているところからスタート。戦局はジオン公国軍側の劣勢であり、それについてはアイナやノリスも認めているのですが、ほぼずっとジオン公国軍側の視点から描写されていることから「苦戦を強いられているが策は打ち出している」さまがしっかりと表現されており、やられてばかりの戦闘という雰囲気になっていなかったのがGoodでした。秘密基地の出入り口が限られているおり、連邦軍側もそこから侵入せざるを得ないことから、そこに大量に罠を仕掛けて最深部を守り続けるというのは、シンプルながらなかなか有効な作戦ですよね。コジマ大隊長曰く、この侵入作戦で6機の陸戦型ジムを失っているとのことですから、第07小隊を含む最低2部隊はやられている計算になります。でも、そんなにモビルスーツを仕掛けた爆弾で破壊してたら…、そもそも出入り口そのものが崩落するんじゃないかな?

 

第07小隊までもがやられ、最前線の部隊となった、シローたち08小隊。そこへ、ノリスのグフカスタムが飛び出し、襲い掛かってきます。エレドアのファインプレーにより、最悪の被害を回避した08小隊でしたが、ノリスの腕はカレンやサンダースを超えるものであり、彼らは翻弄されてしまいます。そこには、ノリスの並々ならぬ覚悟がありました。Aパート後半では、アイナたちを守るため、死を覚悟してグフカスタムで出撃するノリスの様子が描写。ここでは彼の描き方にかなり力が入れられており、ノリスの覚悟、それを知ったが止められないアイナの悲しみが、よく表現できていました。アイナにとってノリスは「父親代わり」だとのことですが、彼そんなにサハリン家と関わりが長かったんだなぁ。しかも、最期までその考え方や忠誠はブレなかったし、本当に立派な軍人だよ…。こうしたやり取りを経て、ノリスはグフカスタムで出撃。シローら08小隊の前に現れ、あっという間に量産型ガンタンク2機を破壊し、カレン機やサンダース機を翻弄してしまいます。ただでさえ武装が強固なグフに、バルカン砲等を追加装備しているグフカスタム。しかし、そうした装備の重量を全く感じさせないような、しなやかかつ素早い動きを1機で部隊全体を翻弄してみせます。ここでのグフカスタムの戦いっぷりは目覚ましく、「宇宙生まれなのに地球上での戦いが上手すぎるだろ!」と舌を巻いてしまいました。市街地戦なら、コロニーでも十分訓練できそうですが、山岳地帯やそこでの気候を生かした戦闘の訓練って、地球じゃないとやりにくいよなぁ。まさか、地球に来てから身につけたのか…!?

 

単身グフカスタムに挑むことになったシローは、Ez-8で激戦を展開。持ち前の発射神経の良さを存分に生かし、グフカスタムの攻撃をすんでのところで何度も回避します。しかし、それに対する反撃がどうしても間に合わなかったほか、シローの傾向を読んだノリスが、そのシローの反射神経の良さを逆手にとって、Ez-8のシステム回路をダウン。すべての機能がダウンしたEz-8の中で、シローは初めてグフカスタムの恐怖に震えます。Bパートからは、シローのガンダムEz-8とノリスのグフカスタムの戦闘が描写。「多少軽快になったとは言え、ベースはやや鈍重な陸戦型ガンダムであるEz-8と、やっと立ち直ったとは言えまだ本調子とも言えないシローで、まともに戦えるのか…?」と思っていましたが想像以上に積極的に食らいつき、そして善戦してくれていました。この戦闘で何よりも存分に生かされたのが、シローが元来持っていた反射神経。グフカスタムが動いたあとにその動きを素早く予測し、打てる手段を打つさまは、とてもカッコよかったですね。それだけだと、シローがかなり優勢になりそうにも思えますが、Ez-8の性能がシローのそれにややついていけていないさまも描くことで、グフカスタム側の見せ場も作っているのが素晴らしいです。そんなシローに対し、負けてばかりではないのがノリス。彼はシローの反射神経の良さを見抜いたうえで、それを逆手に取る戦法をとり、結果的にEz-8の左腕を破壊し、回路をショートさせてシステムダウンに追い込みます。シローの反射神経よりも早く攻撃するのではなく、「反応出来ていても避けられない攻撃」を繰り出すことで、シローを追い詰めるノリスの戦法は、敵ながらあっぱれと言ったところ。逆転の発想で、着実に戦局を自分の有利なほうへと持ち込もうとしていましたね。

 

このままではやられるのは必至だったシローでしたが、カレンとサンダースの援護が間に合ったことで、何とか窮地を脱出。また、アイナへの愛を叫び、回路を奇跡的に復旧させたことで、Ez-8を再起動させて再びグフカスタムと対峙します。ビームサーベルにより、グフカスタムを倒したシローでしたが、量産型ガンダムを全機失った他、アプサラスⅢの完成を許してしまったことから、「試合に勝って勝負に負けた」恰好になってしまうのでした。大ピンチのシローを救ったのは、態勢を立て直して駆けつけたカレン機とサンダース機。彼らの援護があったことで、シローは生きることへの渇望を思い出し、無線がONのままになっていることにも気づかずにアイナへの愛を叫んで、Ez-8の再起動に成功します。シローの並々ならぬ気迫もあって、このシーンは印象深くそしてアツいシーンに仕上がっていますが、愛の告白が他人にそのままバレるというのは、どうしても『G』の最終回を思い出しちゃいますよね。しかも、こちらのほうが表現がリアルなので、独特な生々しさを覚えました。そんな、気合い十分のシローは、ノリスのグフカスタムと真っ向から対峙し、ビームサーベルで撃破に成功。しかし、量産型ガンタンクを全て失うという代償を支払うことになってしまいます。シロー側にも一定の犠牲を出すことで、ノリスが「試合には負けたが勝負には勝った」さまを表現したラストシーン。でも、最後にやられた量産型ガンタンクはエレドアたちが乗っていたタンクとは別だから、同志を失った悲しみは分かるけど、ストーリー的にそこまでシローが負けたという感じもしないんですよね。言い方は悪いですが、確かに味方側の犠牲なんだけど、メインキャラがやられるのに比べれば、重みは少ない感じがするんですよね。

 

 

 

第11話「震える山(後編)」

1999年4月25日発売

登場した敵他: アプサラスⅢ、グフカスタム

「俺たちの手で決着をつけよう。兄さんとの対決を、逃げちゃダメだ!」

 

STORY:自分のやり方で戦争を止めようとするアイナ、アプサラスⅢによる破壊活動を食い止めようとするシロー。2人の思いは一致していたが、ギニアスや連邦軍上層部は、それと真逆の行動をとり、事態は最悪の方向へと向かっていく。連邦軍が大量の犠牲者を出し、ギニアス側は宇宙にあげたザンジバルを失う中、シローはアイナと合流し、支援の期待できない最後の戦いへと挑む!そして、一度は沈黙したかに見えたが、再び動き出すアプサラスⅢ!武装がほとんど残されていないシローたちは、ボロボロのガンダムEz-81機でそれに挑んで―!

 

本作のラスボスとも言えるアプサラスⅢとの戦いを描いた、実質的な最終回。その内容は、やはりアプサラスⅢとのバトルではなく、シローとアイナの恋の行方と、戦争の虚しさにスポットが当てられていました。そうした内容になるんだろうなということは、なんとなく予想ができたのですが、まさかEz-8がほとんど登場せず、さらに繰り出した有効な攻撃が最後のストレートパンチ1発のみというのは、かなり意外な展開でしたね。アプサラスⅢ、強力なモビルアーマーだったけど、なんかそこまで印象に残らないうちに終わっちゃったな…。

 

前回、ギニアスに合流し、アプサラスⅢに乗り込んだアイナ。威嚇射撃として、基地周辺に待機していた陸戦型ジムに対して攻撃を仕掛けますが、全て急所を外れており、彼女の目的は、連邦軍側との交渉にありました。シローは最悪の事態を避けるため、軍を抜けてでも戦いを止めることを決意。途中、アイナなりの戦い方を確信し安堵しますが、それでもその足を止めることはありませんでした。そんなシローに対し、カレンたちは…。前回のラストでアプサラスⅢに搭乗した際は、ノリスの死ですっかり荒んでしまったかのように見えたアイナ。しかし彼女は、まだ戦いを止めるということをあきらめてはおらず、威嚇射撃後、自ら無線通信で連邦軍側に一時休戦と宇宙へ向かうザンジバルの安全な脱出を求めます。アイナの考えと心がブレて無くてひと安心というところですが、いかんせん最初のやり方が強硬的過ぎて、あまり連邦軍側から共感を得られていなかったのがもったいないところ。まあ、他に有効な手段が何かあるかと言われると、思いつかないけどね…。このように、アイナが自分なりに戦っている頃、アプサラスⅢを止めアイナを救出することを決意していたシローは、自ら軍を抜けることを宣言。上官であるイーサン・ライヤーから、不審な行動をとった際はシローを射殺(銃殺刑)するよう指示を受けていたカレンでしたが、結局それをすることはできませんでした。このシーンでは、シローの強い覚悟と、カレンの悲しみが印象的。カレンがシローをロックオンしており、その警報が鳴り響いているのを承知で語り続けるシローのさまは、08小隊の根底にある、シローへの信頼も感じ取ることができました。結局カレンは、シローを射殺出来ずに見送ることになりますが、その際の言葉は暴言ばかり。ですがそれは、彼女の本当の感情の裏返しでしょう。

 

カレン「男ってヤツは、どいつもこいつも…アタシを置いて行っちまう!」

 

交渉は一見成功したかに見えましたが、イーサンが先制攻撃を計画していたほか、ギニアスがアイナの希望を無視して陸戦型ジムを全滅させたことで、戦闘が再発。両陣営ともに多くの犠牲を払うことになります。アイナは、先に直接手を出したギニアスを厳しく非難しますが、彼にその言葉が届くことはなく、逆に胸部に向けて銃撃されてしまいます。アイナの言葉を全く信用せず、ジム・スナイパーを配置しザンジバルを撃墜しようとしていたイーサン。しかしその前に、早まったギニアスが陸戦型ジムに対し先制攻撃を仕掛けてしまい、結果的に連邦軍側に攻撃の口実を与え、宇宙へと上げたザンジバルジム・スナイパーの手により撃墜されてしまいます。相手を出し抜く考えを持ったのは、イーサンら連邦軍が先ですが、先に行動したのはギニアスであるため、もはやアイナから反論できる余地はまったくなし。いくら狂気に取り憑かれているとは言え、ギニアスもかなり悪いタイミングで勝手な行動をしてくれたものです。そんなにギニアスを、アイナは痛烈に批判。このときの彼女の言葉で、彼女らの母は、既にサハリン家を出てしまっていることが判明します。このときのギニアスのアイナの言葉選びはかなり芝居がかっており、中でもアイナが、アプサラスⅢのことを「鉄の子宮」と表現するさまは強烈。確かに、会話の流れとしてはこれほど粋な返しはありませんが…、普通こんな表現ナチュラルに思いつくか!?

 

ギニアス「愛など、粘膜が作り出す幻想にすぎん!」

アイナ「かわいそうに…だから、こんな鉄の子宮が必要なのね…」

 

撃たれたアイナでしたが、ギニアスがかつてくれた懐中時計により弾は急所を外れており、また駆け付けたシローにより救出され、九死に一生を得ます。このさまを見たイーサンは、シローが敵前逃亡したとしてその場で処刑しようとしますが、コジマ大隊長がそれに堂々と反旗を翻し、エレドアたちと合流後、イーサンの派遣したジム・スナイパーよりも前に現場に到着しようと急ぎます。Bパートに入ってしばらくして、シローが合流。Ez-8がボロボロであることから、態勢を立て直したのち、アプサラスⅢを撃破するための作戦を練り始めます。そうした彼らを、イーサンが狙っていました。シローの登場はかなりカッコいいですが、この後すぐにアプサラスⅢとの戦闘に入らず、いったんイーサンとコジマ大隊長連邦軍上層部間での駆け引きの描写を挟んでいるのがGood。イーサンは当初の決定と、ジャブローへの栄転を夢見てシローの銃殺を強行しようとしますが、コジマ大隊長は堂々と反論。シローも自分たちの部下であり、かつ現時点で多くの部下をこの戦闘で失っていることから、救出を進言し、イーサンの指示を無視して独自行動を取り始めます。コジマ大隊長の行動は若干急ではありますが、彼の強い信念が感じられてGood。また、去り際のイーサンとの会話も、かなり粋な言い回しになっていて、とても興味深かったです。コジマ大隊長、最後にかなり男を見せてくれたな!

 

アイナからアプサラスⅢの弱点を訊きだしたシローは、Ez-8のビームサーベルで撃破しようとしますが、あと一歩のところでジム・スナイパーの妨害に遭い失敗。アプサラスⅢの主砲がイーサンのいる部隊本部を消滅させる中、ギニアスを殺すと覚悟を決めたシローとアイナは、最後の手段に打って出ます。主砲をぎりぎり回避しながら、コクピットを直接殴りつけたEz-8は、そのまま秘密基地内に落ち込み、爆発に巻き込まれて―!ラストでは、あらゆる困難と障壁をかいくぐって、アプサラスⅢを撃破するシローたちの様子が描写。一度はイーサンの指示を受けたジム・スナイパーの妨害を受けますが、アプサラスⅢが主砲を発射してイーサンらを焼き尽くしたのち、スキを突いてコクピットを直接ストレートパンチで仕留めます。ジム・スナイパーが完全に余計なことをしてくれた感がありますが、これがこの後のシローたち最後の奮闘をさらにドラマチックにしてくれており、ドラマ的にはなかなか良い仕事をしてくれていました。こうしてアプサラスⅢは沈黙しますが、Ez-8も同じく秘密基地内に転落して爆発。シローとアイナは奇跡的に生き延びていましたが、カレンたちはまだそのことを知りませんでした。今回は、シローの生存を信じ、秘密基地へ駆け込もうとするカレンたちの姿と、ミケルのナレーションで終了。このラストシーンで、シローはいかに08小隊のメンバーたちから愛される隊長に成長したかが窺えますよね。しかし、彼の生存を知る者は、今のところ08小隊内には1人もいません。この後の彼らはどうなるのか?再会することは出来るのか?それについては、次回明かされることになるのです。

 

 

 

特別編(終)「ラスト・リゾート」

1999年7月25日発売

登場した敵他:ゲルググ

「北に…あるんだ。新しい世界、新しい人生が。」


STORY:一年戦争終結後、1人連邦軍を除隊したミケルは、キキと合流し、もと08小隊のメンバーたちの思いを背負って地球を旅し続けていた。その目的はもちろん、シローを探すこと。ある日、ジャングル地帯を航行していた2人は、旧ジオン公国軍の宇宙艇を発見し、ジオンの残党がいることを察するが、一晩そこで過ごしたスキを突かれて拘束されてしまう。ミケルたちを拘束した少年少女6人の正体と、彼らが抱えている驚くべき真実とは何か?そして、ミケルたちは、シローに生きて再会できるのか!?

 

第11話の発売から、それほど間を置かずして発売された特別編(3ヶ月空いていますが、本作中盤の頃に比べると、空白期間は短いと言えるでしょう)。その内容は、登場人物を可能な限り絞り、そしてシローとアイナを最後までわざと登場させず、彼らに救われ、そして影響を受けた少年少女たちをゲストキャラクターとして登場させることで、ミケルとキキがシローたちの優しさを改めて知るというドラマ構成になっていました。序盤の回想シーンを除いて、モビルスーツによる戦闘シーンが全くなく、また「ガンダムシリーズ」のお話としてはかなり変わった切り口の一編でしたが、決して悪いものではありませんでしたね。

 

一年戦争終結して数か月。08小隊のメンバーのほとんどは、戦後処理のために各地に散っていましたが、ミケルのみ除隊を選択。その際、仲間たちからシローの捜索を託され、キキと合流して旅を続けていました。B.B.が別の男性と結婚したこともあり、すっかり飲んだくれのだらしない男に成り下がっていたミケルでしたが、ある日、旧ジオン公国軍の宇宙艇を発見。ジオン公国軍の残党がいることを察知しますが、雨風をしのぐために、この日はここで寝泊まりすることに決めるのでした。一年戦争は、皆さんご存知のとおり、連邦軍側の勝利で終結。カレンたち以前から軍に所属していた08小隊のメンバーたちは、軍に留まり新天地で戦後処理の任務に携わっていた一方、ミケルのみ除隊し、「シローを探してほしい」というカレンたちの願いを受け、キキと合流後旅を続けていました。ミケルだけ根っからの軍人ではないので(エレドアもどちらかと言えばそうだけど、軍歴はミケルより長い)、戦争が終わったから除隊するというのは、まあおかしくない選択。正確な除隊の理由は結局触れられていませんでしたが、多分、シローとアイナを探すというよりも、B.B.が別の男と結婚したことがショックで、宇宙に帰る気がなくなっちゃったからなんだろうな…。そんなミケルは、昼間から酒を飲むような飲んだくれに成り下がっていましたが、そのぶんキキがしっかりと彼をサポート。ジャングル地帯を船で航行する中で、2人が発見したのは、旧ジオン公国軍の小型宇宙艇でした。恐る恐る中に侵入してみると、中には大量のドッグタグと足跡が。ミケルはビビりっぱなしだったけど、そりゃ残存兵がいると考えたら、元連邦軍軍人である彼にとっては脅威だよねぇ。

 

目が覚めてみると、少年少女たち6人に拘束されていたミケルたち。得体のしれない彼らに、最初こそ警戒する2人でしたが、スキを見て拘束を解くことに成功。その直後、死亡した彼らの仲間を埋葬するさまを目の当たりにします。彼らの素っ気なさに居ても立ってもいられなくなったキキは、葬式のやり方を教えて、丁重に埋葬。その際、埋葬される少女の名前を聞いて、ミケルたちは絶句します。興奮のあまり、リーダーと思しき少年を問い詰めるミケルでしたが…。ミケルたちを拘束していたのは、旧ジオン公国軍側にいたと思われる少年少女6人。彼らの本当の名前や出自は、結局最後まで明かされることはありませんでしたが、少年の回想にフラナガン機関が出てくることや、何らかの実験を受けていたかのようなシーンが出てくることから、彼らは人工ニュータイプか何かの研究を受けされさせられていたのでしょう。単発キャラなのに、なかなか皆重い設定背負ってるんだよね…。そんな彼らと、最初はバチバチだったミケルたちでしたが、キキの機転や葬式の作法を教えたことで、少しずつ距離が縮まっていくことに。しかし、その埋葬されている少女の名前がアイナだと聞いて、ミケルは思わず錯乱します。アイナという名前を聞かされるシーンは、誰もがドキッとする瞬間。ですが、明らかにあのアイナとは背格好も年齢も違うことから、別人であるということに気付かされます。それでもなお、少年少女たちを責めるミケル。あまりのショックで、冷静に考えることが出来なかったんだろうなぁ。

 

ミケルが目を覚ますと、キキはすっかり少年少女たちとなじんでおり、彼らもじょじょに人間味を取り戻していくように。しかし、リーダー格の少年等含め、「シローは死んだ」ということだけは覆さず、しびれを切らしたキキは、墓荒らしをすることを決意します。その際、少年少女たちが駆け付け、その墓の下には何もないことを話し、やがて真実を語り始めるのでした。そこへ、リーダー格の少年も現れて…。ミケルたちが墓荒らしをしていたときに知った、衝撃の真実。それは、墓の下には骨の代わりにシローとアイナの服とドッグタグが埋められていたこと、そして少年少女たちの名前は、リーダー格の黒人がシローであるのをはじめ、カレン・エレドア・ミケル・サンダース・アイナ・キキと、皆08小隊ゆかりのものになっているというものでした。この少年少女たちは、アプサラスⅢを破ったあとのシローとアイナに介抱されており、生きる術や名前を与えられ、人間らしさを取り戻すという過去を持っており、特にリーダー格のシローがやたら攻撃的だったのは、ミケルたちが来たことで、彼らにより今までの生活が脅かされるのではないかと恐怖していたからでした。「そんな偶然あり得るのか?」と言われると、それまでかもしれませんが、このシーンは、シローとアイナの優しさ、そして人間らしさを深く感じ取れる、とても良いシーン。彼らを画面に登場させずに、こうした感覚を視聴者に与えてくれるのは秀逸です。シローやアイナは、どんな風にして、この少年少女たちと仲良くなっていったのかなぁ。やっぱり、今までのお話で見せていたあの優しさや笑顔で、心から彼らと触れ合ったのかな。

 

ついに誤解が解けたミケルたちと少年少女たちは、雪降る夜に遊びますが、翌朝2人が目覚めてみると、少年少女たちの姿は忽然と消えていました。彼らのことについてあれこれ考えを巡らせているうちに、ミケルたちは、ついに北の目的地に到達します。そこにいたのは、もちろん―!すっかりわだかまりの解けた、ミケルたちと少年少女は、その後ジャングルでは珍しい降雪を利用し遊ぶことに。「モビルスーツビームサーベルを使って雪をお湯に変える」という、実際にシローがやっていたことを少年少女たちもちゃんと受け継いでいたのは、微笑ましかったですね。その後、朝になると、いつの間にか少年少女たちの姿は消失。ミケルたちは、彼らのことをあれこれ考えながら、最後に言われた「北に新しい人生がある」という言葉を頼りにひたすら北上し、ついに生きているシローとアイナに再会するのでした。シローたちと生きて再会出来たことに強い感動を覚えるこのシーンですが、やはりあの少年少女は結局何だったのかということも、忘れずに考えたいところ。ミケルは幻だったのかなと言っていましたが、いやいや、やはり彼らは現実に存在したのでしょう。そして、ミケルたちとの関わりを通じて、再度地球人と関わることに勇気とある種の安心感を覚えて、自分たちの新天地を目指してここから去った…んじゃないかな。

 

 

 

機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。これは、戦争の最中、自分の思いにウソをつかずに禁忌の愛に飛び込んだ小隊長と、そんな彼を慕い信じた、兵士たちの記録である。

 

 

 

 

 

…こうして、『08小隊』の物語は完結となりました。

 

次回は総括として、改めて『08小隊』を振り返ってみることにしましょう。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

『08小隊』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Twitter Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!

Twitter https://twitter.com/CTF_bongore_A

Instagram https://www.instagram.com/bongore200706/