お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第7話 ちょっとした感想

ポケットから当然のごとくワニのから揚げが出てくる怪獣博士

 

 

 

先生の講義が、面白くないと感じたのは初めてです。―ご同行願います。今回の『ウルトラマンブレーザー』は、本作初の前後編にして、天候を操る能力を持つ強敵ニジカガチの登場回前編。意外にも、ニジカガチの強さを見せつけるようなシーンは時間的には短く(描写のインパクトはありましたが)、そのぶんゲントと横峯万象教授のやり取りのドラマに重きが置かれていました。

 

今回は当初から前後編となることを想定して制作側されているからか、ドラマ運びは今までのお話に比べてかなりゆっくり。横峯教授のにおわせ描写や、いい意味で芝居がかったゲントとのやり取り等、1つ1つの描写に細かく趣向が凝らされていたのが特徴的でした。さあて、ここから後編で、ドラマがどれだけ加速するかな?

 

なお、前回(第6話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

ニジカガチの登場回前編となった今回。ここ最近の「ウルトラシリーズ」の前後編は、前編では敵怪獣の強さがかなりクローズアップされて次回に続くという形でしたが、今回はそれよりも、横峯教授とニジカガチの関係性のドラマにかなり重きが置かれていたように感じました。冒頭述べたとおり、ドラマ運びはかなりゆっくりで、ひたすら謎を散りばめて終わった今回。後編でどれだけの種明かしがあるのか楽しみですが、もしそれを無視して、アースガロン Mod.2の開発シーンばかりに注力されてたら…それはちょっと興醒めかな。

 

うだるような暑さが続く中、ゲントがSKaRD本部で読んでいたのは、かつての恩師:横峯教授が著した「怪獣の目」という本。そんな中、各地で逆さ虹と呼ばれる奇妙な現象が起き、ゲントはそれにかかる教えを請うために、久しぶりに横峯教授のもとを訪ねます。相変わらずの様子で逆さ虹と“ニジカガチ”の伝説を語る横峯教授でしたが、彼はある重大な秘密をゲントに語らずじまいでした。今回は、冒頭からゲント側の様子と横峯教授の様子が交互に描写。やがて、逆さ虹の現象が報告されたことを通じて両者がつながり1つのシーンにて会するという、興味深い構成になっていました。なかなか視聴者の目を惹くドラマ展開だなと思いましたが、かなり早い段階で視聴者に対し「ニジカガチを復活させた犯人は横峯教授です」とネタバレしてきたのには、かなり大胆さを覚えたなぁ。そんな横峯教授は、久しぶりに訪ねてきたゲントに、自分がニジカガチ復活のキッカケであるとは当然言わずに、ニジカガチの伝説について語ることに。直後、タイミングを合わせたかのように、ニジカガチが出現します。ニジカガチの伝説のことは、ある程度時間をとって、回想シーンも挿入して描写。横峯教授の話を聞いている限りだと、ニジカガチは進んで暴れだすような怪獣には思えないんだけど、暴れている理由には、横峯教授の思想が関連しているのでしょうか?確かに、ニジカガチの伝説を信じなくなった人々は増えてるかもしれないけど、それだけでニジカガチが暴れだすとは思えないし…。

 

出現した怪獣の正体は、横峯教授の語ったあのニジカガチ。アースガロンが出動するも、天候を操るその能力を前にほとんど手も足も出ず、ニジカガチの侵攻を許してしまいます。ニジカガチを排除するために、再び横峯教授のもとを訪れたゲントは、そこでついに彼の本性とその考えを知ることになり、彼に任意同行を求めますが…。ニジカガチの最大の能力は、どこでも気圧を急激に押し下げて台風のような低気圧を発生させ、そこら中で暴風雨を降らせること。そのにおわせ描写として、種明かしの前に、テルアキが気圧変動により頭痛を訴える描写を挿入していたのは、とてもGoodでした。こうしたニジカガチの能力を前に、その対処法を横峯教授に請おうとするゲント。しかし、彼の「人間を脅かす怪獣であれば排除する」という思想に異を唱えた横峯教授は、ついにニジカガチを復活させたのが自分であると告白するのでした。人間の横暴に怒り、また怪獣研究に入れ込むあまり、このような思想を抱くようになった横峯教授。「ウルトラシリーズ」では珍しくないタイプの一種の思想犯ですが、まだ今回ニジカガチを復活させた儀式の詳細が明かされていないため、それに絡めたさらなるドラマ展開を、ぜひ後編で期待したいところです。あーでも、比土鑼古墳でのニジカガチ復活の儀式の壁画のことが、エミの解説出触れられていたから、これで終わりかなぁ?

 

ニジカガチの活動は依然活発であり、アースガロンが再び出動するも、アースキャノンが頭部の装甲に弾かれたうえ、その装甲の中から現れた顔からのビームが直撃し完全にダウン。続いてゲントがブレーザーに変身し応戦しますが、スパイラルバレードがニジカガチのビームに相殺されたことで大ピンチに。エネルギー消耗も激しかったこと、またニジカガチの次なる攻撃を避けるために、戦略的撤退を余儀なくされるのでした。終盤では、東進するニジカガチにまるで歯が立たない、SKaRDとブレーザーの様子が描写。OPの1シーンで、複数の台風が三重県付近を襲う描写がありましたが、あれはニジカガチのことだったんですね(比土鑼古墳のモデルが奈良県キトラ古墳であるならば、そこから東進すると三重県伊賀地方にぶつかるので、位置関係的にも合っている)。そしてこの終盤で、ニジカガチは天候操作以外の脅威的な能力を発揮。中でも厄介だったのが、ブレーザーすらも撤退に追い込んだ、殻の中の顔から放つ強力ビームでした。アースガロンを一発でダウンに追い込み、ブレーザー野スパイラルバレードすらも相殺してしまうこのビーム。その威力だけでも厄介なのですが、短時間のうちに連発出来るのが、これまた厄介です。そのせいで、ブレーザーは今回、初めて怪獣を倒せずに撤退することに。ただ、「完全にニジカガチにやられてる消滅」ではなく、「ニジカガチの攻撃を避けるために戦略的撤退として消滅する」という流れにしていたのは、ニジカガチの強さをアピールすると同時に、ブレーザーを過度に弱く描かない配慮も感じられ、とても良い塩梅でした。

 

 

 

◎特撮面

アースガロンを下し、ブレーザーを撤退に追い込むほどの強さを見せたニジカガチ。今回の特撮パートにおいても、その強さが存分に表現されていましたが、それと同じくらい注力されていたのが、ニジカガチの天候操作の描写でした。今回の特撮パートは、印象に残るシーンが多いものの、思ったより時間は短め。おそらく、次回でドドンと、アースガロン Mod.2やブレーザーのレインボー光輪を見せてくれるからなのでしょうね。

 

ゲントが横峯教授と出会っていた頃に出現した怪獣ニジカガチ。早速、アースガロンが応戦のため出撃しますが、頭部を覆う硬い装甲等、その異常なまでに高い防御力に、アースガロンの武装はまるで歯が立たず、侵攻を食い止めることに失敗。ニジカガチは周囲のものを吸い込んでは荒天を巻き起こし、東進し始めます。前半では、アースガロンとニジカガチとの、1回目の戦闘が描写。このときニジカガチは顔の殻を覆ったままでしたが、それでもアースガロンの猛攻にはびくともせず、逆に返り討ちにしてしまいます。制作発表記者会見での登場時から、その物々しいデザインがいんしょうにのこっていたニジカガチですが、このシーンでは早速その最たる要素である頭部の殻が存分に生かされていたなと言う印象。今まで、アースガロンの攻撃でひるまない怪獣はいなかったので、それにびくともしないさまからも、ニジカガチの強敵っぷりをひしひしと感じることができました。寄りと俯瞰の視点を使い分けて、山のセットをより魅力的に見せていた手法は、好感が持てたなぁ。

 

ニジカガチは、周囲を荒天に巻き込みながら東進を継続。これを黙ってみているSKaRDではなく、ゲントの指示のもと、再びアースガロンが出撃。ローテーションの都合で、ゲントとアンリがそのパイロットを務めます。真正面から取っ組み合いを試みるアースガロンは、パワー面ではそこそこ善戦したものの、やはりビーム攻撃系では依然として歯が立たずじまい。そんな中、横峯教授がニジカガチの頭部の殻を開放してしまったことで、ニジカガチはさらにパワーアップし、ビーム1つでアースガロンをダウンに追い込むのでした。ニジカガチによって巻き起こされる荒天の様子は、その大部分をCG合成で表現。ちょっとCGが浮いている感じがありましたが、そんな中で秀逸に感じられたのが、実際のミニチュアを使った、「大売り出しののぼりが一斉に強風で翻る」という描写でした。他のハデな描写よりも、この描写の方が、個人的には最も印象に残ったなぁ。CM明け直後のシーンと言うこともあるのでしょうが、それ以上に、やはりミニチュア特撮ならではのリアリティーがあったからなのでしょう(もちろん、CG合成を否定するつもりは毛頭ありませんが)そんなニジカガチに再び立ち向かうのが、アースガロン。ゲント&アンリの戦い方は、テルアキ&ヤスノブとはまるで違う、接近戦重視のスタイルでしたが、最終的にはアースキャノンも通じなかったせいで窮地に立たされ、ニジカガチの強力ビームの前に倒れてしまいます。アースガロンがニジカガチにやられるのは、今回で2度目ですが、1度目よりも最初善戦していただけに、敗北時の絶望感は凄まじいものが。アースガロンが山肌に突っ込むシーンが、それを最も感じるものですが、そこに至る過程の中で、ニジカガチの頭部の殻が開く=何かヤバいことが起こるということをじっくり描き視聴者に印象付けている描写も、見逃せませんでしたね。

 

アンリより先に目覚めたゲントは、アースガロンが使えなくなったことから、ブレーザーに変身。ニジカガチに果敢に挑みます。が、ニジカガチはブレーザーとほぼ互角のパワーを見せた他、放つビームでスパイラルバレードを相殺してしまう等、ブレーザーの力に次々と抵抗。一気に追い詰められてしまう格好となってしまったブレーザーは、エネルギー消耗時にニジカガチ2度目のビーム発射を察知し、それを避けるためにあえて消滅して撤退するという選択をします。終盤で、ブレーザーが登場。ニジカガチに対して接近戦に持ち込みますが、これまたニジカガチにはほとんど効いておらず、さらに渾身のスパイラルバレードも無効化されてしまったことから、打つ手なしの状況に追い込まれてしまいます。ブレーザーとのバトルで驚いたのが、ニジカガチの想像以上の機敏さ。ここではあえてアクションをそこまでスローを使わずに演出していますが、ブレーザーのスキを突いて彼を羽交い絞めにしようとする等、怪獣にしてはいやに知能が高い戦い方をしていたのが興味深かったです。さすが、地域によっては神ともあがめられていたニジカガチ。ある程度の知性も持ち合わせているのでしょう。そんなニジカガチの抵抗の前に、ブレーザーも最終的には撤退せざるを得なくなることに。「ストーリー面」でも述べましたが、ブレーザーが戦略的撤退を選択することで、ブレーザーの完全な敗北とせず、そして彼がそこまで弱く見えないようにする配慮がなされていたのが、Goodでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニジカガチの脅威の前に、アースガロンが、そしてブレーザーが倒れた。ニジカガチを撃破するために、SKaRDはメガショットの最終調整を急ぐ。ついにベールを脱ぐアースガロンMod.2!出たぞブレーザーのレインボー光輪!強敵ニジカガチを倒し、ゲントたちは勝利をつかめるのか?

 

次回は、今回の後編。アースガロンMod.2と新たなブレーザーストーン:ニジカガチストーンの登場、ブレーザーの新必殺技:レインボー光輪が初披露と、一気に巻き返して形勢逆転するゲントたちそしてブレーザーのさまが観られそうです。そうした一方で、おざなりにしてほしくないのが、横峯教授のドラマ。果たして彼は、最後まで“人間こそ害”の考え方を変えることができるのかな…?

 

賽の目は、神のみぞ知る―。

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