お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ちょっとした感想 Report-2(第4~6話)

今回は、機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の感想記事第2回目です。

 

今回ご紹介の3話では、08小隊のメンバーのうち、ミケル・エレドア・サンダースにそれぞれスポットが当てられるお話に。個々のキャラクター性がこれでもかというほど描かれており、非常に“生きているキャラ”だなという感じがした一方、そのキャラクター性に注力するあまり、お話が若干ちぐはぐになっているなという印象も受けました。出てくる敵も、今のところ陸戦型ザクⅡかアプサラスしかいないし、もう少しバリエーションが欲しいかなぁ。

 

なお、前回(第1~3話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第4話「頭上の悪魔」

1996年10月25日発売

登場した敵他:アプサラス、陸戦型ザクⅡ

「生き延びるなら、信じあわなきゃ。―“信頼”だよ。」

 

STORY:今日もジオン公国軍の攻撃に備え、装備の整備と出撃待機を行う08小隊。そんな中、サンダースは、次が08小隊3度目の出撃となることから、「死神」のあだ名のきっかけとなった「3度目の出撃のジンクス」を1人過剰なまでに恐れていた。そんなある日、行軍中にジオン公国軍の攻撃を受けた08小隊は、敵の不審な行動と通信傍受から、何か巨大なものが迫っていることを確信する。それは、ギニアスらが開発していたモビルアーマーアプサラスだ。ミケルの不用意な行動により、戦闘にもつれ込んだ08小隊は、そのアプサラスと戦うハメになる。サンダースは、「3度目の出撃のジンクス」を打破し、無事皆で帰投できるのだろうか!?

 

第1話より登場しているサンダースの主役回。「死神」のあだ名の具体的な由来と、そのもととなるジンクスについて語られ、その後08小隊がピンチに陥るも、サンダース自身の生き延びたいという思いがジンクスを打破する、王道のアツいドラマ展開がなされました。ただ、本作におけるジオン公国軍の最大の装備:アプサラスの登場やその調整にそこそこ時間を割いてしまっていることから、サンダース関連のドラマがやや圧縮気味なのが残念でもあるところ。まあ、陸戦型ザクⅡ部隊程度で死の危機に瀕するような08小隊じゃないから、アプサラス登場回にサンダースの話を持ってきたのは、順当ともいえるんだけど…なんだかなぁ。

 

いつ来るともわからないジオン公国軍の襲撃に備え、モビルスーツの整備に励む連邦軍。そんな中でサンダースは、次の出撃が08小隊3回目の出撃となることから、自分が過去所属していた部隊のことを思い出し、次の出撃で08小隊が全滅してしまうのではないかと不安がります。ちょうどそのとき、07小隊の兵士たちからからかわれ、小競り合いに発展。シローやコジマの介入で収まりますが、それでもサンダースの不安はぬぐえませんでした。同じ頃アイナは、ギニアスの開発したアプサラスの試験飛行を行っており、その結果は上々で…。今までシローたち連邦軍側の描写が多めだった『08小隊』ですが、今回からはアイナらジオン公国軍側の描写も増加。Aパートでは、シローたちの描写は少なめで、アプサラスの試験に力を入れるアイナたちの描写に重きが置かれていました。アプサラスの試験シーンは、かなり作画に力が入れられており、加速内での機体の細かな変化、状態異常を察知するアイナ等、主役機かと錯覚するほどの充実っぷり、その一方で、アプサラス自体にはわざと黒塗りだったり影が強めに入ったりという演出をして、その姿をあえて見せないという演出が、視聴者に「なんかヤバいモビルアーマーが開発されている」という印象を強く与えてくれていました。今回は結局、そのバカデカい体躯とザクⅡっぽいヘッドパーツくらいしかわからなかったけど、これがギニアスの確信するとおり、ジオン公国軍の切り札となり得るのかなぁ?このように、ジオン公国軍が不穏な動きを見せる中、シローたち連邦軍側はその詳細をつかめておらず、いつも通りの整備等のルーティンの毎日。そんな中で、1人ジンクスを恐れているサンダースは、つい07小隊の挑発に乗ってしまい、ケンカを引き起こしてしまうのでした。サンダースがジンクスを恐れる気持ちはよくわかるし、彼がそれを恐れていることは第1話から明示されているのですが、どこか深刻さを感じさせるという意味では、インパクトに欠けていたかなという印象。もうひと押しくらい何かしらの描写を入れてくれていると、なお良しだったかな。

 

ジャングル地帯を行動し、深夜にキャンプを張る08小隊。その中でサンダースは、やはり「3度目の出撃のジンクス」を不安がり、自らモビルスーツを降りると言い出します。そんな彼に対し、シローよりも激しく非難したのは、カレンでした。結局サンダースは08小隊に残ることとなり、そのまま朝を迎えます。このまま何もなければと思っていた矢先、陸戦型ザクⅡの部隊と遭遇して…。ジオン公国軍の作戦行動を探知するため、組成して3回目の出動を果たした08小隊。サンダースはジンクスを不安がるあまり、隊からの離脱を申し出ますが、シローたちがそれを良しとするはずがありませんでした。サンダースの離脱申出に、最も強く、そして過激に反対したのはカレン。言うことは言うものの、普段はどこか冷めた感じもある彼女ですが、ここでは珍しく感情をむき出しにして、サンダースを叱咤するわ股間を蹴るわとして、彼に喝を入れます。彼女がこうした行動に出たのは、もちろんサンダースのふがいない態度に苛立ったのもそうでしょうが、ジンクスを恐れていることに猛烈な怒りを覚えたからなのでしょうね。「(冒頭の)07小隊の挑発に乗ったということは、自分が死神だと認めたようなものだ!」と強く指摘するカレンは、特に印象に残りました。こうしたカレンの強い言葉を受け、しぶしぶ08小隊に残ることにしたサンダース。このまま戦闘がなければ―と祈っていた矢先、運悪く、シローたちは陸戦型ザクⅡの部隊と遭遇してしまいます。

 

再度アプサラスのテストを行っていたアイナは、当初の想定よりも機体に異常が出るのが早いことを感知。それでも無理してテストを続行しますが、そのまま連邦軍側の勢力圏に入ることになり、ギニアスは防衛ラインにいた各陸戦型ザクⅡに陽動を指示。一連のことを知らないシローたちは、そんな陸戦型ザクⅡたちと戦うハメに陥ります。なんとか戦闘を切り抜けますが、敵の行動を不審に思ったシローは、各員に現場での待機を指示。直後エレドアがジオン公国軍の無線を傍受し、アプサラスが上空に接近していることを確信します。今回は、ドラマ展開的に連邦軍ジオン公国軍の戦闘は起きにくい流れでしたが、ここに来て「アプサラスの試験」という要素を再度持ち出し、それを隠すための連邦軍の陽動のためにわざと小競り合いを起こさせるという流れにし、戦闘が始まることに全く違和感を覚えさせないようにしていたのは、大変Goodだなと感じましたね。陸戦型ザクⅡたちも、陽動が目的であるため本気で戦わず、サラッとシローたちを挑発して後退していくのですが、これに対しシローたちが「敵の動きがおかしい、何かある」と察知してその場に待機し続け、結果的にアプサラスと遭遇することになるのも、面白いドラマ展開だったなぁ。そんなアプサラスは、実はシステムに軽いエラーが出て、このままだと墜落しかねない状態。おまけに、その際の本部との通信をエレドアたちに傍受されており、08小隊は、連邦軍の中で最も早くアプサラスの存在を知ることになります。

 

ミケルの勝手な行動により、アプサラスと戦うことになってしまった08小隊。カレンがピンチに陥る中、なんとしてもジンクスを打破し、全員で生きて帰りたいと願うサンダースは、無謀ともいえる行動を連発し、アプサラスと真正面から戦闘。なんと相手にダメージを与え、撤退に追い込みます。戦闘を乗り越え、08小隊全員が生きていることを確認したサンダースは安堵し、シローは、ジンクスは打ち破ることができるのだと諭すのでした。シローが待機を命じたにも関わらず、ミケルが勝手にパニクって攻撃を仕掛けたことで、アプサラスと戦うハメになったシローたち。カレンが果敢に挑むもピンチに陥る中、強い思いで獅子奮迅の活躍を見せたのが、サンダースでした。冒頭で述べたとおり、今回はアプサラスのドラマもあったため、サンダースのドラマに割けるパートはかなり少なめ。しかし、このBパート後半の戦闘シーンの中に、彼の強い立ち上がり、そして兵士として、男としての強さを見せるさまが詰め込まれており、サンダースの人間的魅力をひしひしと感じさせる構成になっていました。Aパート後半で自分をつなぎとめてくれたカレンを、つなぎとめられた側のサンダースが救うという構図は、ベタながらアツかったな〜。玄田哲章ボイスの気合十分なセリフも、視聴者のテンションを爆上げしてくれました。そんなサンダースは、180mmキャノンを撃ちまくり、その後アプサラスに飛びかかってビーム・サーベルで斬りつけたことで、アプサラスを撤退に追い込むことに成功。この活躍のおかげで、シローたち08小隊は全員無事に生き延び、サンダース自身もジンクスを打破することに成功するのでした。サンダースの終盤の攻撃は、ハッキリ言ってムチャ。ですが、決してムダな動きはしていないうえ、何より陸戦型ガンダムを五体満足(部位欠損させていない)の状態で帰還しているのが驚異的です。サンダースが死神って言われていた理由、彼自身のモビルスーツの操縦テクニックが卓越しすぎていて、部隊内のほかのメンバーが着いてこれなかったからじゃないのかな…。そう感じてしまうくらい、今回のサンダースの戦闘は、ダイナミックなものでした。

 

サンダース「死なせはせん…。誰1人とて、死なせはせんぞぉ!俺は…死神じゃあない!!」

 

 

 

第5話「破られた待機命令」

1996年11月25日発売

登場した敵他:アプサラス、陸戦型ザクⅡ

「希望を捨てない限り、生きる望みは永遠にありますからね。」

 

STORY:エレドアのもとに届いた1通の手紙。それは、彼が手掛けた楽曲が、ついにメジャーデビューするという吉報だった。我を忘れてすっかり調子に乗った彼は、ミケルとともに近くの村に繰り出すが、そこはジオン公国軍アプサラスの臨時修理場として占拠されており、2人は捕虜として拘束されてしまった!翌朝には銃殺刑という絶望的な状況の中、エレドアとミケルは、つい感情的になって争ってしまう。しかし、彼らに良くしてくれた宿屋の主人:マリアのいう通り、希望はまだ潰えてはいなかった。現地に向かったシローたちは、無事エレドアたちを救出することができるのか!?

 

エレドアとミケルを主人公にした一編。彼らのキャラクター性が存分に発揮されており、そのやり取りが軽妙で面白いものでしたが、お話的には完全にエレドアたちが勝手な行動をしたことにより、自分自身がピンチに陥り、またシローたちも余計な戦闘に駆り出されるハメになると、お話的にはなんだかなぁという印象がぬぐえない一編でした。ゲストキャラクターであるマリアも、確かにいい人ではあったけど、結局ただのいい人で終わっちゃってたし(キキとの繋がりは明示されていた)、今回も全体的に、何かしらもうひと押しほしかったですね。

 

出撃中の08小隊から、先行して帰還したエレドアとミケル。届いているという手紙を受け取り、エレドアがそれを読んだとたん、彼は狂喜乱舞し始めます。ミケルが訊いたところによると、自身が手掛けた楽曲のメジャーデビューが決定したとのこと。すっかりミュージシャンとして億万長者になった気分のエレドアは、勝手にサイドカーを拝借し、作戦行動中にもかかわらず、前祝として近くの村の酒場に繰り出します。しかしそこは、ジオン公国軍に占拠されていて…。今回は、中盤までシローたちが登場せず、エレドアとミケルを中心にドラマが進行。ぶつくさ言いながらタンクで豪快に砂嵐を巻き起こし(ここで、ジダン・ニッカードの鍋料理を汚している)、ジダンから手紙を受け取って読むやいなやテンションを180度変えて子供のように喜ぶ等、エレドアの感情の豊かさっぷりが存分に表現されていました。エレドア、ミュージシャンみたいな見た目をしてるなと思ったら、本業はミュージシャンだったらしい。一方で、今回「俺には軍隊は向いてねぇ」と弱音を吐く場面もあったため、連邦軍入りは自身が望んでの結果というわけでもないようです。今までメジャーデビューしていなかったということから考えるに、ミュージシャンやってたけど食いつなげなくなって連邦軍入りした…って感じなのかなぁ?そんなエレドアのテンションに、ミケルは終始押されっぱなし。最初はドン引きしていたものの、「デビューにより大金が入るかもしれない」という話を聴いたとたん、態度を変えてエレドアに同行し、なりゆきで彼の前祝いに参加することになります。ミケル、あんたって意外に現金なヤツなんだね…。

 

手紙を読んだ時の喜びから一転、捕虜として絶望的な状況下に置かれることになったエレドアたち。漏れ聞こえてきたジオン公国軍の兵士たちのやり取りから、銃殺刑は必至と悟り、ビクビクと不安な時間を過ごすことになります。そこへ、彼らの監禁場所でもある宿屋の主人であるマリアが差し入れに訪れ、彼らを元気づける言葉をかけることに。あまり気に留めていないエレドアたちでしたが、確かにシローたちが、彼らの捜索を開始していました。エレドアたちがノリノリでやってきた村葉、運悪くジオン公国軍が占領中。連邦軍兵士の制服のまま来たことで、あっという間に所属がバレてしまった2人は、そのまま尋問され捕虜になってしまいます。さすがにこればかりは、エレドアたちの行動が迂闊すぎ。「連邦軍の勢力範囲に近いところだったから油断した」という見方もできますが、そもそも作戦行動中に勝手なことやってるんだから…ねぇ?そんな彼らは、捕虜になったとたん一気に意気消沈。そこへ、彼らが監禁されている宿屋の本来の主人であるマリアが食料を差し入れてくれて、「希望は捨てるな」という旨の言葉を残して去っていきます。このマリアという女性は、今回の冒頭ジダンが知り合ったと口走っていた女性のこと。キキとのつながりがあることは明示されていましたが、それ以上の深掘りは特にありませんでした。結局、マリアは「いいおばさん」キャラで終わっちゃったなぁ。序盤からその存在がほのめかされていたのだから、何かもうひと押しドラマがあっても、面白かったかもしれませんね。

 

翌朝には銃殺刑になることから、さすがに冷静ではいられなくなり、ついに小競り合いを始めてしまうエレドアとミケル。あまりの剣幕に、警備のジオン公国軍兵士がカギを開けて中を確認しに来ますが、2人はそれに気づかず、偶然兵士を殴り飛ばして脱出路を確保することに成功します。駆け付けたシローたちの攻撃が始まったこと、ジオン公国軍自体も撤収準備を始めていたことから、脱出には絶好のタイミングでしたが、タンクを目の前にして、突然エレドアは今までの勢いを失って…。翌朝には殺される予定となっていることから、冷静さを欠き始めるエレドアたち。最初は脱出を試みていたものの、じょじょにお互い言い争いとなり、やがて取っ組み合いのケンカに発展してしまいます。2人のケンカは、相手をタコ殴りにするわ、顔を引っ掻きまくるわと壮絶なもの。あまりにも大げさに音を立てているものだから、半ば演技が入っているのかなと思いきや、ガチのケンカでした。このケンカのシーンでは、2人の人間味が如実に現れていて、キャラがイキイキしていてGood。ですが、2人とも曲がりなりにも軍人なんだから、もう少し冷静さは保ってほしかったな。そんなエレドアたちは、棚ぼたで見張りの兵士を倒し、脱出に成功。折しも、捜索に来たシローたちが攻撃を仕掛けていたほか、ジオン公国軍自体も元から撤収準備に入っていたため、脱出するには絶好の機会。ちょうどタンクを見つけ、あとはエレドアの操縦で脱出するのみ…というところまで来ますが、ここでエレドアの閉所恐怖症が出てしまい、なかなか脱出出来ないという自体に陥ります。エレドア葉相当な閉所恐怖症らしく、タンクのコクピットに触れることすら拒むほど。よくこれで、今まで08小隊の後方支援やれてたな!?あっちのタンクのコクピットもまあまあ狭いけど…、なんとか克服して乗っていたってことなのかな。

 

駄々をこねるエレドアをムリヤリタンクに乗せ、脱出を図るミケル。エレドアも閉所恐怖症をなんとか抑え込み、タンクを操縦し続けますが、敵からの攻撃を受け負傷し、やがて気を失ってしまいます。彼が次に気づいたのは、シローたちのテント。カレンからの応急処置も成功し、入院のため一時的に後方部隊に回されることになったものの、五体満足で一命をとりとめるのでした。ミケルに押し込められて、タンクを操縦することになったエレドア。それでも閉所恐怖症のあまり、ハッチを開いたまま操縦し、敵の攻撃下をくぐり抜けていきます。そのせいでモニターを損傷したほか、エレドア自身も重傷を負いますが、なんとか脱出自体には成功するのでした。終盤では、エレドアに関する描写が多め。(閉所恐怖症のことを加味しても)ドラマ的にはお粗末でしたが、傷だらけになって限界に達しかけていても、必ず生きて脱出するという強い信念を持って行動し続けるエレドアの姿は、カッコよかったですね。そんなエレドアは、やがてシローたちに救出され、カレンの手当てにより無事一命を取り留めることに。治療のため入院することになるものの、五体満足の状態で生還するのでした。エレドアの命を救ったのは、カレン。普段はパイロットの彼女ですが、元医学生だったことから医療の心得があるようです。カレン、本当になんでも出来ちゃう兵士だよなぁ。シローが着任する前から、08小隊の中心として引っ張る存在になっていたのも、納得です。

 

 

 

第6話「熱砂戦線」

1996年12月18日発売

登場した敵他:アプサラス

「あんたの気持ち、ぶつけるしかないよ。私は…そのやり方しか知らない。」

 

STORY:キキの活躍もあり、08小隊は、アプサラスの射爆場と思われる地点を特定した。来るアプサラスとの戦闘に備え、入念にシミュレーションを行う彼らだったが、手紙の内容を機にショックを受けているミケルが本調子ではなく、細かなミスが頻発してしまう。それでもなお、08小隊はアプサラスを待ち続けるが、予定の日数を超過しても敵側の動きはなく、ミケルやキキがいらだちを募らせていく。このまま08小隊は、暑さに負けてしまうのか?そんな中、とうとう“そのとき”は訪れた!

 

ミケルが第1話より手紙を書き続けていた相手B.B.の正体が判明するほか、シローとアイナがお互い同じ戦場で敵どうしであることを認識する等、お話の折り返し地点であると同時に重要な意味を持つ一編。任務を優先しようとするシローと、任務もそうだが自分の感情を大切にしようとするミケル&キキの衝突等、キャラどうしのぶつかり合いも、大きな見どころになっていました。終盤での戦闘シーンも、驚くほど作画に気合いが入っており、「ここまで描写を見せてくれるのか!」とビックリ。特に、終盤のシローの陸戦型ガンダムとアイナのアプサラスの激突は、必見でした。

 

キキの情報収集もあって、アプサラスの射爆場と思われる荒野を特定した08小隊。本部にそのことを連絡したシローたちは、アプサラスの来襲を予感し、ここに待機することを決定します。しかし、荒野の独特の気候に苦しめられる他、ミケルがオーバーワークなうえ本調子でないことから、08小隊の作戦行動はなぜかイマイチ上手くいかないことの連続になってしまうのでした。今回は、前回から打って変わって、真っ昼間の荒野からお話がスタート。キキの働きもあって、いち早くアプサラスにかかる情報を集め、それに対する作戦行動を開始するシローたちでしたが、この地域の独特の気候と、本調子でないミケルのミスの連発に、何かと足を引っ張られるのでした。Aパート前半のドラマで興味深いのが、アプサラスの射爆場発見にかかるドラマは最低限にし、そこの気候の過酷さ、そして本調子ではないミケルの細かな感情変化に重きが置かれている点。前者については、陸戦型ガンダムが砂を巻き込んでしまって脚のギアに不調が生じるという描写が、後者については、ミケルが常にうわの空で危うくシローを殺しそうになる(修理中のギアに巻き込んでしまいそうになる)描写がそれぞれ挿入され、視聴者に強い印象を与えてくれました。こうした、決してハデではない描写に力を入れてくれるのは、OVA作品ならではというべきでしょうか。興味深く観ることが出来ました。

 

アプサラスが来襲した場合の攻撃シミュレーションを行うも、最後の最後にミケルの不注意で、完遂することができなかったシローたち。一抹の不安が残る中、それでも彼らは作戦を続行します。そしてその日の夜、各自が思い思いの時間を過ごす中、キキは偶然ミケルが大事にしている手紙を発見。興味本位で読み始めますが、思いのほか重たい内容を前にして、彼女はミケルに優しい言葉をかけるのでした。Aパート後半では、ミケルが本調子でない理由と、第1話から語られていたB.B.の正体が明かされることに。B.B.はミケルが故郷に残してきた恋人であり、彼が軍人として地球に赴任することになってからは、離れ離れになって手紙でやりとりをするように。しかし、いつ死ぬかもわからないミケルの状況に不安覚えたB.B.は、その手紙越しに、ミケルに別れを切り出していました。ミケルがプライベート面で、想像以上に問題を抱えていたことが発覚。B.B.ってペンフレンドなのかなと思っていたけど、それ以上の深い仲だったんですね。そうした事情を知ったキキは、さすがにからかうのをやめ、ミケルに寄り添うように。そして、相手を思っているのであれば、素直にその気持ちをぶつけるべきだとアドバイスするのでした。ここでは、キキ自身も難しい恋をしている(シローへ思いを寄せている)ことがほのめかされていることもあり、雰囲気もバッチリでGoodなシーン。ただ、「キキ自身がシローに恋心を抱いている」というのは、設定としてちょっと急すぎるかなとも感じました。だって、シローと深く関わったのって、現状第3話くらいだよ(第2・5話は、軽く会話したのみ)?それでここまで発展するかなぁ。まあ、ドラマで描かれていない部分でも、彼女とシローの交流があったんだろうなと補完できなくは無いけどね…。

 

08小隊がここに待機してから、既に5日が経過。それでもなおじっと待ち続けるシローたちに対し、B.B.のことが気が気でないミケルは、ついに音を上げ始めます。キキがここに介入しようとしますが、シローがそれを良しとしなかったことから、話はさらにこじれてしまうことに。サンダースの計らいにより丸く収まりますが、部隊内でしこりが残ってしまいます。その翌朝、とうとうアプサラスが現れて…。過酷な環境下で、いつ来るかもわからない敵を待ち伏せるという作戦は、各々の精神をすり減らすもの。今回では、ミケルが真っ先に音を上げてしまい、彼の要望に応えようとしたキキをシローが制止したことで、一時的にシローとミケル、キキの間に溝が生まれてしまいます。ミケルの気持ちもわからなくはないけれど、兵士としてもう少し忍耐強さを見せてほしかったかなという印象。それに、ミケルがシローを責め立てる際、「あなたは恋をしたことがないんでしょう!?」と、シローがAパート後半におけるミケルとキキのやりとりを知っている前提での会話になっていたのが、ちょっと気になってしまいました。視聴者目線では、ミケルの感情がわかっているので、そうした怒り方もわからなくもないと理解できますが、シロー目線で見れば「なんでいきなりそうなる!?」って感じですよね。ここは、ミケルにセリフではもう少し漠然としたことを言わせつつ、カット割りで視聴者に対して「B.B.のことを思って言っているんだ」と察させるほうが、なお見応えのあるシーンになっていたかもしれませんね。このようにこじれた状況下で進言し、その場をおさめたのがサンダース。彼は自らミケルと自分の役割を交代すると名乗り出、ミケルを少しシローから遠ざける形とし、彼を落ち着かせます。ここでのサンダースのはからいは素晴らしいもの。やっぱりいいキャラしてるよなぁ。

 

アプサラス出現により、各々の持ち場で迅速に作戦行動をとる08小隊。ミケルも意を決し、真正面から陸戦型ガンダムで挑みますが、そのあまりにも巨大な身体の前に身がすくんでしまい、動けなくなってしまいます。ミケルのピンチを知ったシローは、果敢にもアプサラスにとびかかって、ビームの車線を変更することに成功。そのままもつれ合い上空へと飛び立ちますが、その際シローは、アプサラスパイロットがアイナであることを知り、直後消息を絶ってしまうのでした。終盤では、自身の行いを反省したミケル、ピンチに陥る彼を救おうとするシローの、各陸戦型ガンダムによるダイナミックな戦闘シーンが連続。特に、シロー機VSアプサラスの際は、第4話のサンダースのごとく飛びかかるシロー機、それを振り落とそうとするアプサラスの激戦が繰り広げられ、最終的に上空高くに飛び上がって両者行方不明となる(レーダーからロストする)結果になりました。この激戦の作画には、凄まじいほどの力が入っており、なんとか攻撃を繰り出そうとする陸戦型ガンダムの勇姿はもちろん、アプサラスに絶壁沿いに引きずられ、パーツを大量に破損させながらも食らいつき続ける姿が圧巻。シローの気合いを感じるとともに、作画の細かさに舌を巻きました。これ、全部手描き作画なんだよね?ドン引きするくらいの高クオリティーで、観てたときに思わず声を出しちゃったよ。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第7話から第9話をご紹介予定です。『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』。スパイ容疑を晴らせない俺は、謹慎を命じられてしまった。なぜ連邦軍は動かない!?助けなければ…。ゲリラだって、仲間なんだ!

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