お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-1(第1~3話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第1回目です。

 

90年代のうち4年続いた、テレビ朝日系での「ガンダムシリーズ」放送における最終作となる『X』。今までのお話とは違って、一度戦争が終わったあとの“戦後”を舞台とし、独特の物語が展開されていきます。歴代シリーズのエッセンスを持ち合わせながらも、どこか温かみを感じるそのドラマを、これから追っていくこととしましょう。

 

なお、キャラクターとモビルスーツについては、↓下記公式HPをご参照ください。

www.gundam-x.net

 

また、前作(新機動戦記ガンダムW)の総括感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第1話「月は出ているか?」

1996年4月5日放送

登場した敵他:ジェニス、ドートレス・コマンド、ドートレス

「月は出ているか?」「…は?」「“月は出ているか?”と訊いている!」


STORY:地球連邦軍と宇宙革命軍との間で行われた、第7次宇宙戦争から15年。A.W.(アフターウォー)15年を迎えた地球そして人類は、ようやくその戦争から復興の兆しを見せていた一方、モビルスーツがらみのいさかいは未だ絶える気配はなかった。ある日、戦災孤児ガロード・ランは、街を野盗から救ったその腕を見込まれ、ライク・アントよりティファ・アディールなる少女の救出を依頼される。金目当てで彼女が監禁されているという戦艦:フリーデンに侵入し助け出すが、直後ライクの裏にある何かを直感し、一転彼は彼女と追われるハメになった。迫りくるドートレス部隊。ガロードがティファに導かれてやってきた先にあったのは…、ガンダムXだった!

 

90年代のテレビ朝日ガンダムシリーズの最終作となる『ガンダムX』。音楽や光岡湧太郎さんの落ち着いたナレーション、そして映画のような演出から、いい意味で気取った、大人向け作品のような演出の数々が、作品の重厚感を演出し、一方でガロードら登場人物のわかりやすい感情豊かな描写の数々が、子供向け作品であることをしっかりカバーしていました。硬軟入り混じった、目を惹くお話・演出が素晴らしく、これは次回以降の展開が気になって仕方ないですね。いいなぁ、『X』!

 

スペースコロニー独立運動が引き金となって始まった、第7次宇宙戦争。宇宙革命軍はかなりの粘りを見せ、最終的にはコロニー落としまでをも持ち出し地球側に独立を迫りますが、地球は徹底抗戦の構えを見せこれを拒否。その結果コロニー落としは敢行され、地球人口100億人の大半が死滅。環境も激変し、人類は15年間冬の時代を耐えなければならなくなってしまいました。アバンタイトル〜序盤にかけては、『X』の世界観の基礎となる第7次宇宙戦争のことが、ナレーションとともに丁寧に描写。この戦争の中で、禁忌のコロニー落としが行われたこと、その結果地球環境は激変し、人類の大半が死滅したことが語られます。今までの「ガンダムシリーズ」で、何度も描写されているコロニー落とし。たいてい終盤における敵組織の切り札として登場し、『0083』では実際にそれの実行に成功していますが(コウの尽力により最悪の事態は回避されたけど)、『X』の場合それを第1話のしかも冒頭に描くことで、視聴者にガツンとインパクトを与えてくれています。しかも、各大陸の爪痕を見る限り、落とされたコロニーは1つじゃないらしい。「ガンダムシリーズ」におけるコロニー落としとしては最大級と言えますが、よく地球も崩壊せずに持ってるな…。ちなみに、これにより戦争は終わるのですが、興味深いのが、地球に生きている人々が(少なくとも第1話時点では)宇宙に恨みを抱いてなさそうであること。「地球人類はコロニーを恨み、地球と宇宙の分断が進んだ」という展開も作れそうな流れですが、あえてそうしていないのは、ある種の優しさを感じます。

 

地球環境がようやく元に戻り始めた、A.W. 15年(戦後15年)。人々も少しずつ復興に向けて歩み始めますが、先の戦争が残した爪痕は大きく、またモビルスーツによる争いも少なくありませんでした。ある日、砂漠の街を、ジェニスに乗った野盗クロッカが襲撃。人々が逃げ惑う中、偶然ここを訪れていた少年:ガロードが、単独でそれを鎮圧してしまいます。その腕を見込んだ謎の紳士ライクは、軍事施設跡を漁るバルチャーの一派に監禁されているという、少女ティファの救出を依頼します。仕事として2つ返事で引き受けたガロードは、敵の本拠地であるフリーデンへ向かいます。Aパート中盤より、お話は現代へと移行し、地球の様子が描写。人々は復興への道を歩み始めていたものの、野盗等が潜伏しており治安は決して良いとは言えず、また戦時中に放棄されたモビルスーツを回収し、勝手に自身の機体としている者もいる有様でした。砂漠地帯に復興しつつある市街地や、モビルスーツが様々な輩に各々の目的で狙われているというのは、なんだか『ZZ』を思い出すような世界観。野盗もヒャッハーしてるし、もしかしてちょっと意識してるのか?そんなこの市街地も、クロックという野盗が乗るジェニスにより襲撃。モビルスーツ乗りがこの街にいないため、街は蹂躙されるだけかと思われたそのとき、偶然訪れていたガロードが1人でコクピットに飛びかかり、クロックを制圧しジェニスをメカニックに売り飛ばしてしまいます。ガロードがここで登場。素早い身のこなしにそうそうのことで屈しない意志、それでいて快活と、かなりの主人公属性を持ち合わせた主人公という描かれ方をしています。今までの「ガンダムシリーズ」の主人公に比べると、かなり元気なヤツに感じるなぁ。彼も彼で抱えているものはあるんだけど、そうしたものを全く感じさせない明るさがGoodです。

 

フリーデンに潜入したガロードは、ちゃっかり艦長室に侵入してGコンを奪ったうえで、ティファの発見に成功。彼女の持つ不思議な何かに惹かれつつ、ライクのもとへ引き渡しに向かいます。ところが、ティファが異常な怯えを見せたことから、ライクがティファにとって悪だと直感したガロードは、彼女とともに逃走。ライクは本性を現し、フリーデンを襲撃していたドートレス部隊を呼び戻し、自身もドートレス・コマンドに搭乗してガロードを追跡します。ガロードは、かなり楽にフリーデンに侵入。途中、何度も乗組員と遭遇しそうになりますが、上手いこと回避して艦長室に侵入し、続いてティファを連れ出します。この一連のシーンで、フリーデンのメインキャラのうち、ジャミルニート、サラ・タイレル、トニヤ・マームが登場。それは別にいいんだけど、彼ら以上に気になったのが、フリーデンのセキュリティのガバガバさでした。いくらガロードがこの稼業をしてそこそこ長いとはいえ、あっさりあらゆる鍵を解錠され、さらにティファが完全に連れ出されるまでその侵入に気づかないってどうなのよ?監視カメラとか無いのか…?そんなこんなで、ティファを連れ出しライクのもとへやって来たガロードでしたが、ライクに対するティファの異常な怯えに、ライクが敵であると直感し逃走。正体を察されたライクは、ドートレス部隊を率いて追撃しますが、なかなかガロードのバギーを捉えられないでいました。ガロードがここまで上手く逃げおおせているのは、ティファが相手の攻撃の着弾位置をほぼ完璧に予測し、ガロードに指示していたから。なぜそんな芸当が彼女にできるのか?それは―。

 

ガロードが、ティファの不思議な力に助けられ、そして導かれてやってきたのは、地球連邦軍モビルスーツ工場跡。そこに隠されていたのは、先の戦争で使用されずに残っていた、新品のガンダムXでした。ライクたちの追撃があったことから、無我夢中でそれに乗り込んだガロードは、持ち出していたGコンを接続することで機体の起動に成功。武器の使い方もほとんど知らない中、今までの経験と知識をもとに、徒手空拳や大型ビームソードでドートレスを薙ぎ払っていきます。そしてすべてを倒した時、新たなるモビルスーツが2体も現れて…。終盤で、いよいよガンダムXのデビューシーンが描写。ティファに導かれたはいいものの、そこからどうすればいいかわからず混乱するガロードでしたが、工場跡内で横たわっている新品のガンダムXを発見し、無我夢中で搭乗。先ほどフリーデンから奪ったGコンの使用で起動に成功します。ガンダムXの起動シーンは、明らかに『ガンダム』の第1話・ガンダムデビューシーンを意識したもの。しかし、ガロードはどちらかと言うとアムロと真反対の気質なため、「とにかくこのピンチを乗り切る!」ということで、徒手空拳でドートレス部隊に挑んでいたのは、衝撃を受けました。格闘戦をやるガンダムは『G』でさんざん観たけど、あれはそれ向けに開発・デザインされていたから、こうした普通のデザイン(?)のガンダムがガンガン殴る描写は新鮮だったなぁ。そして、この勢いで外にでたガンダムXは、大型ビームソードの起動にも成功し、ドートレス部隊を全滅させることに成功。これで危機は乗り切ったかに思われましたが、今度は2機のガンダムタイプのモビルスーツガンダムレオパルドガンダムエアマスターが出現するのでした。ガンダムXが、大型ビームソードで次々とドートレスおよびドートレス・コマンドを倒すシーンは圧巻。サテライトキャノンという大型武器を背中に抱えているにも関わらず、機敏に動いて的確に攻撃を加える姿は、まさに最強クラスのモビルスーツの名にふさわしい感じがしていましたね。このように、ガンダムXの鮮烈なデビュー戦を観せられたあと、ラストに挿入されるのが、ガンダムレオパルドガンダムエアマスターの登場。今回はここで終わり、次回へ続く形になります。「ほぼ毎回、いいところで「次回に続く」という形になる」というのも、『X』の特徴の1つになっていきます。

 

 

 

第2話「あなたに、力を…」

1996年4月12日放送

登場した敵他:ジェニス改、ジェニス、ドートレス

「負けるもんか。こんなところで死んでたまるか!死ぬもんか!死なせるもんか!」

 

STORY:ライクたちを倒したのもつかの間、ガロードガンダムレオパルドガンダムエアマスターと対峙することになった。ガンダムX武装を全然把握していないガロードは、ムチャを承知でティファを盾にして逃亡することに成功する。しかし今度は、一連のガンダムXにかかる情報が情報や経由で様々なバルチャーに売り渡されてしまい、ガロードとティファは、彼らからも追われるハメになってしまう。安息の時はほとんどなく、また数多の攻撃を受けピンチに陥るガロードガンダムXを救わんとしたのは、ティファのいう“力”だった。サテライトキャノン。それは、戦時中使用された悪夢の兵器―!

 

ガンダムXの最大にして最強の武器である、サテライトキャノンの初登場回(回想としては第1話でもちょろっと登場しているけど)モビルスーツだろうが戦艦だろうが1発で薙ぎ払える超強力武装ですが、「ガンダムシリーズ」に登場するそうした兵器が、万々歳の扱いで登場するはずもなく、キッチリとそれを使用したことの恐怖等も描写されていました。お話の流れはシンプルであり、各登場人物の感情描写も前回以上にわかりやすくなっていて観やすい一方、全体的な雰囲気として大人のドラマ感を漂わせているのが、いいバランスでしたね。

 

前回、ガンダムレオパルドガンダムエアマスターの登場を目の当たりにしたガロードガンダムX。彼らはフリーデンに雇われているらしく、ティファの奪還の目の前の敵=ガンダムXを倒すべく襲い掛かってきます。モビルスーツへの知識があるとはいえ、ろくにガンダムX武装を把握していないガロードは大苦戦。古典的なハッタリも通用せず窮地に陥りますが、ティファを人質扱いする作戦で、なんとか逃亡に成功します。逃亡後、必死に謝るガロードに対し、ティファはその表情を崩しませんでした。Aパート前半では、前回チラッと登場したガンダムレオパルドガンダムエアマスター、そしてそのパイロットであるウィッツ・スーとロアビィ・ロイが登場。ガロードに負けないくらいキャラの濃い彼らのやり取りと戦闘シーンが楽しめます。ガンダムXに乗りたてのガロードに対し、ウィッツとロアビィは過去何度も戦闘を経験しているため、この時点での戦闘スキルは後者のほうが上。ライクらを倒したばかりのガロードが、彼らに真っ向から立ち向かえるはずもなく、やむを得ずハッタリとティファを利用してその場を脱出します。「ガンダムXにはスゴい武器があるんだぞ」というハッタリが通用しなかったので、ティファを人質に取っている体で脱出することにしたガロード。実は本当にガンダムXはスゴい武器を持ってるんだけど、それは今回終盤で判明することになります。こうしたハッタリや危険な手を使って、なんとか窮地を脱したガロードガンダムレオパルドらが追いかけて来なくなったタイミングで、彼はティファに平謝りしますが、ティファは表情一つ変えず、淡々としていました。このときのティファは、別に無感情だったわけではなく、「ガロードのことを信頼していたため、何も彼が謝る必要はない」と考えている感じ。既にティファのガロードに対する信頼が出来上がっているのが、なんというか微笑ましいですね。

 

フリーデンに追われ、いつ襲撃を受けるかわからないため、余裕のあるうちにと食事をとるガロードとティファ。つかの間の休息の時が訪れたことから、ガロードはティファの素性をうかがおうとしますが、逆に自分の素性を先に語ることになります。そして語り終えた直後、バルチャーのヴェドバ・モルテの乗るジェニス改等に襲われます。彼女らはフリーデンとは全く関係がなく、情報屋からの情報をもとにガンダムXを奪いに来た連中でした。Aパート後半で、ガロードが自ら語る形で、その生い立ちが判明。戦後すぐに生まれた彼は、父親が地球連邦軍の技術者出会ったもののすぐ死別して戦災孤児となり、メカニックを目指す夢も、地元の街が野盗に襲われたことでメチャクチャになり、以後現在に至るという感じでした。悲しみを抱えているガロードですが、それを語る際も、全く悲壮感を出していないのが興味深いところ。これは彼の精神的な強さを表しているのでしょう。いや、もしかしたら、あまりにも今までの人生で人の死を見すぎたせいで、感覚が麻痺してるのかも…。こうしたガロードとティファのやり取りが描写され、このまま穏やかな時間が続くかと思いきや、ヴェドバらバルチャーの襲撃が。ガロードは戦闘準備を余儀なくされます。バルチャーとは、廃モビルスーツや基地跡をあさり、金目のものを奪っていく輩のこと。フリーデンもその一派とされており、他にも今回のヴェドバのような、大小様々な、あるいは単独のバルチャーが無数にいました。立場は違えど、やってることが『ZZ』の初期のジュドーたちと同じであるバルチャーたち。やっぱり『X』、ちょっとだけ『ZZ』を意識してるのか?

 

森林地帯を舞台にした戦闘が勃発。未だにガンダムXの機能を使いこなせていないガロードでしたが、大型ビームソード等程度は問題なく使いこなせるようになり、ヴェドバのジェニス改含め、1対1体をしっかりと撃破していきます。しかし、バルチャーのモビルスーツはあまりにも多く、さすがにガンダムX1機だけではキツい状況。そんなときティファは、ガロードに力を与えると言い出します。その意味がよくわからなかったガロードの一方で、ティファが何をやろうとしているのか察したジャミルは、艦橋で1人つぶやくのでした。Bパートはほぼ戦闘一色であり、ガンダムXとバルチャーたちのバトルが描写。そうしたものと同じくらいキチンと描かれていたのが、バルチャーどうしの争いでした。バルチャーどうしの争いは、どちらかといえば足の引っ張り合いという感じであり、混沌としているものに、見物している情報屋のセリフも相まって、虚しさが視聴者を包みます。一方のガンダムXは、とにかくティファを守り生き延びるため、必死に戦闘。しかし、大多数の敵たちを一度に相手にするのは困難であり、ピンチに陥ります。ガロードガンダムXの力をまだ引き出しきれていないため、バルチャー相手に苦戦。それでも、集団からモビルスーツを1機ずつ引き離して大型ビームソードで撃破するなどの芸当をやっているので、彼なりに考えながら戦っていることが窺えます。

 

ティファが目を閉じて念じると、月面の太陽光発電施設跡のコンピューターが起動。そこからスーパーマイクロウェーブが発射され、ガンダムXコクピット付近に降り注ぎます。モニターに表示されるガイドに従って操作したガロードは、ガンダムXのリフレクターユニットを展開し、サテライトキャノンの発射態勢に移行。そしてついにそれは発射され、周囲のバルチャーのモビルスーツやその戦艦、さらには後方で見物していた情報屋たちをも、1発で消滅させてしまいます。逆転勝利を収めたものの、その力の強大さに驚くガロード。しかし、ティファの衝撃はそれ以上で…。ガロードのアツい叫びに心打たれたティファが起動させたのが、サテライトキャノンのシステム。それは目の前のバルチャーのモビルスーツどころか、周囲の森林地帯、そして少し離れていた情報屋たちをも巻き込んで全てを薙ぎ払い、あとに残ったのは広大な更地のみでした。終盤では、サテライトキャノンの驚異的な強さとその脅威が、時間をかけて丁寧に描写。この直前のガロードのセリフで視聴者のテンションは上がっている状態ですが、サテライトキャノン発射後に描かれる“無”により、一気に虚無感に包まれるという構成になっています。サテライトキャノン、確かに強いけど、これシステム的にも威力的にも、そうやすやすと使えるものじゃないなぁ。というか、この威力だと、本来宇宙での使用を想定してるものでしょこれ!こうして勝利を収めたガロードたちでしたが、ティファの多くの人が死んだことに対する衝撃はかなりのものであり、ガロードはあまりの突然の出来事を前に、どうすることもできませんでした。人の死を敏感に感じ取り、その影響をモロに受ける気質。ティファはやはり…。

 

 

 

第3話「私の愛馬は凶暴です」

1996年4月19日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ジェニス、ドートレス・コマンド、ドートレス

「クイーンでビショップを取り、ナイトでクイーンを取る。ナイトフォーク(両取り)…チェック!」

 

STORY:ガンダムXのサテライトキャノンによるバルチャーの死は、ティファの精神に多大なダメージを与えた。ガンダムXも機能を停止し、混乱するガロードは、あっという間にジャミルたちに拘束されてしまう。しかし、その程度で、彼の意志が揺らぐことはなかった。一方、ティファをもともと拘束し実験台として使用していたアルタネイティヴ社に、変わったモビルスーツガンダムヴァサーゴに乗ったシャギア・フロストがやってくる。ティファをフリーデンから奪還して見せるという、彼の絶対的な自信とその作戦は何か。同じ頃、フリーデンはバルチャーに追われるモビルアーマー乗りを救い、仲間とするが、彼こそシャギアの弟:オルバ・フロストであり…!

 

『X』のライバルキャラとなるシャギア・オルバのフロスト兄弟の登場回。お話の展開上ガンダムXの活躍シーンは前回の振り返りのみ程度しかなく、その分ガンダムレオパルドガンダムエアマスター、そしてガンダムヴァサーゴの活躍が丁寧に描かれていました。フロスト兄弟も、ガロードらフリーデン側(ガロードは今回時点ではまだ仲間になっていないけど)に負けないくらい濃いキャラをしていますが、ちょっとセリフが気取りすぎかなぁという印象。しかし、ちゃんと言ったことは実行しほぼ成功させているため、それほど臭みを感じないのが面白いところです。

 

前回、サテライトキャノンを放ち、バルチャーを一掃したガンダムX。しかし、そのコクピットの中でティファは昏倒し、気を失ってしまいます。ガンダムX自体もろくに動かず、混乱していたガロードは、ほとんど抵抗できないまま、ジャミルに拘束されてしまうことに。ティファは即入院扱いとなり、ガロードは独房に監禁されてしまいますが、その程度で彼があきらめることはありませんでした。ガンダムXのサテライトキャノンは、超強力なぶん次のエネルギーチャージまで時間がかかるという弱点が存在。頼りのティファも昏倒してしまい、どうすることもできなくなっていしまったガロードは、ジャミルに拘束されてしまいます。ジャミルは今まで落ち着いた司令官というイメージでしたが、今回は自らガンダムXコクピットに張り付いて乗り込み、ガロードを鎮圧するというアクションを披露。驚くほどの手際の良さとアグレッシブさで驚きました。元パイロットだから、こうした芸当ができるんだろうなぁ。こうして、フリーデンはガンダムXを鹵獲。ティファは即入院となり、ガロードは今度はロアビィやウィッツに拘束されます。やがて彼は投獄されてしまいますが、この程度でへこたれる彼ではありませんでした。ティファは精神的ダメージが強く、あと少し治療が遅れていれば命も危うかった状態。なので、ジャミルに拘束されたことは、結果的にガロードにとってもプラスに働くことになるのですが、彼自身がそんな事情を知る由もありませんでした。ガロードの不屈さは相当なもので、獄中でハンガーストライキをしながら、警備のスキを突いて脱獄に成功。相変わらずの手際の良さで感心します。でもさ、やっぱりフリーデンは、もう少しセキュリティを全体的に強化したほうがいいと思うよ?

 

アルタネイティヴ社を襲う謎の影。それは、シャギアの乗るガンダムヴァサーゴでした。護衛のドートレス部隊を沈黙させ、堂々フォン・アルタネイティヴのいる社長室へと入ったシャギアは、自分の知っているアルタネイティヴ社のティファに関する研究の情報を語り、自分をティファ奪還のために雇うよう迫ります。フォンは、彼の申し出を受け入れますが、その後のシャギアはほとんど自ら動こうとしませんでした。Aパート後半より、舞台はアルタネイティヴ社へと移行。宇宙世紀アナハイム・エレクトロニクスみたいなものであり、戦後の軍需産業で急成長していましたが、その裏で、ティファを実験台としたニュータイプの研究を行っていました。そうしたところへやって来たのが、シャギア/ガンダムヴァサーゴ。あっという間に護衛のドートレス部隊を沈黙させてしまいます。ここで、ガンダムヴァサーゴの活躍が存分に描写。普段は格納されている折りたたみ式の鉤爪=ストライククローを巧みに利用し、相手を見ずに沈黙させていくそのさまは、強者の風格を漂わせてくれていました。確かにこれは、ライバルキャラとして申し分ない強さと武装ですね。そんなガンダムヴァサーゴのパイロットが、シャギア。品はあるもののどこか慇懃無礼な態度であり、さらに気取った口調が特徴的でした。シャギアのキャラ付けもインパクト大でGoodですが、セリフがちょっと気取り過ぎかなぁという印象。でも、ちゃんと言ったことの結果は出してるし、直に慣れていくかな。

 

ティファの治療のために、しばらく動きを止めていたフリーデンは、あるバルチャーとそれに襲われるモビルアーマーを発見。ティファのためにできるだけ戦闘を避けるべく、事態を静観していましたが、相手に発見されたことで戦闘に突入します。ガロードが当然出撃できないため、ロアビィとウィッツがそれぞれ出撃。見事敵バルチャーを完全に沈黙させ、全面降伏に追い込みます。後半では、フリーデンがバルチャーの戦闘を目撃し、それに巻き込まれていくさまが描写。ガンダムXが、パイロットであるガロードが拘束されているため動けないぶん、ここではガンダムレオパルドガンダムエアマスターが活躍してくれました。第1・2話では、ちょろっとしかその活躍が描かれなかった2機が、今回はめいいっぱい活躍。ジャミル曰く、彼らは「プロの戦い方」をしているらしいけど、その割にはところどころ粗削りで、危なっかしい攻撃を加えるときがあったよ?まあ、そうした危険な戦い方も、彼らの経験や培ってきた戦闘スキルがあるからこそ、できる芸当ということなのでしょう。武装がよくわかんないので、真正面から殴りかかっていたガロードに比べれば、確かに効率的な戦い方をしてるし…。

 

助け出されたモビルアーマー乗りに乗っていたのは、オルバという青年。整った身なりに誠実な態度を見たフリーデンのメンバーの多くが、彼に心を許し、フリーデンでしばらく働きたいという申し出を受け入れます。しかし彼こそ、シャギアの弟であり、彼の放った刺客。彼は堂々とフリーデンに乗り込み、深夜ティファに薬を投与します。同じ頃、ガロードは独房を抜け出し、フリーデンの外へと向かって…。バルチャーに追われていたため、当然モビルアーマーに乗っているオルバが被害者であると思いこんでいた、フリーデンの大半のメンバー。しかし、それこそオルバの狙いであり、フリーデンに侵入してティファ誘拐の段取りをつけることが、その真の目的でした。シャギアの弟であるオルバも、今回が初登場。表向きは誠実そうな好青年なので、コロッと騙されそうになるのはよくわかるけど、だからってすぐ仲間にしちゃうフリーデンは、やっぱりセキュリティ意識が低すぎるよねぇ。そんなオルバは、気取ったセリフをつぶやきながら、深夜にティファに対する工作活動を開始。それと同じ頃、ジャミルは艦外に出ていたガロードを捉えていました。独房の鍵も容易にピッキングしてしまい、その気にになればいつでも脱出できるはずのガロード。しかし、彼はティファを置いていくことができず、かと言って治療ができるわけではないので、毎日5分だけ脱獄しては外に出て、ティファを見舞う花を摘んでいました。こうした行動・選択を取れるのが、ガロードのいいところであり、彼の純粋さを表しているなぁという感じ。脱獄の件は見過ごせないものの、ジャミルはこのガロードの行動を見て、彼に対する考え方が大きく変わったのではないでしょうか。

 

オルバ「愛しています。…殺したいほど。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第4話から第6話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。ジャミルは、ガロードとティファの力を借りて、一か八かの賭けに出た―!

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ガンプラ Pick Up!

ガンダムX』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

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