お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-7(第19~21話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第7回目です。

 

今回ご紹介の3話で、いよいよガンダムDXのデビューに関わるお話がスタート。当然、それをめぐるお話が、だんだんと物語の中心になっていくのですが、同じくらい魅力溢れていたのが、ゲストキャラクターたちと彼らの紡ぎ出すドラマでした。ルチルのお話以上に見ごたえ抜群なガンダムDXデビュー編を、一緒に追っていくことにしましょう。

 

なお、前回(第16~18話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第19話「まるで夢を見てるみたい」

1996年8月9日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ドーシートⅢ、ドートレス・フライヤー

「私、嬉しかった。大人になった、あなた(ジャミル)に会えて…。」


STORY:ティファに宿っていたのは、やはりルチルの意識であった。その口から、ルチルがジャミルと離れ離れになって以降のことを知ったジャミルたちは、進んでルチル、そしてLシステムの奪還に尽力する。しかし、フロスト兄弟もまた、Lシステムの真実にたどり着いており、アイムザットと連携のうえで、マークス一味を追ってきたフリーデンに大規模攻撃をかける。ジャミルの力をもってしても、戦局を覆せない中、ルチルは最後の力を使い、ジャミルたちを救うことを決意した!あの戦争のとき以来、フラッシュシステムが起動する―。

 

ルチルに関するお話の後編。できるだけジャミルの感情を直球的に語らせずに、登場人物の反応や配慮から、その本当の感情を感じさせるという、戦闘シーンもかなりあるにもかかわらず、じっくりとジャミルとルチル(ティファ)のやり取りを楽しむことができる一編になっていました。しかし、この時点で放送短縮が決まっていたのか、ムリヤリ今回で完結させるために、多少すっ飛ばしているなと感じる描写もポツポツある印象。欲を言えば、もう1話くらい、このルチルに関するお話を挟んで、ジャミルと彼女の過去を深く知りたかったですね。

 

前回、ルチルの力のおかげで、危機を脱したガロードたち。オルバたちが行動不能になっているスキを突いて、ガンダムXディバイダーはマークス一味の潜水艦に損傷を与え、一転攻勢に出ます。しかし、オルバのガンダムアシュタロンもすぐに戦線復帰したこと、またフリーデン自体の損傷も激しかったことから、戦闘を中止して帰投。そして、ベッドで再び目覚めたティファの口を通じて、ガロードたちは、ルチルの人となりを知るのでした。前回のルチルの力により、再び一転攻勢に出るガロードたち。しかし、Lシステムの効果が切れてオルバたちも行動できるようになったこと、またフリーデン自体も、今までの攻撃で戦闘継続ができる状況ではなかったことから、戦闘中止を余儀なくされます。オルバ・マークス一味側も、シャギアからの指示と潜水艦の損傷の都合により、戦闘を中止して撤退していきます。Aパート前半で、前回から続く戦闘は終了。この終了シーンでは、双方終結させざるを得ない事情をしっかりと描いており、非常に納得のいく(戦闘終結の事情がスッと受け入れられる)、素晴らしい構成であると感じました。こうした戦闘の後、舞台はフリーデンの医務室へ。一時的に眠っていたティファでしたが、再びルチルが宿って目覚め、彼女の口を通じて、ルチルは自分のことを語り始めます。このシーンで、ルチルが自分に関することをあらかた話し、ガロードたちはそれを理解する形に。以前のように、1つのお話の完結で4話ほど使っていた頃に比べて、かなりコンパクトにまとめられている印象を受けました。本当はそうしたかったんだろうけど、放送短縮決定の影響で、このような形にせざるを得なかったのかな…。

 

ルチルのことに関して、彼女が話したこと以上のことを語らないジャミル。しかし、ガロードらフリーデンのメンバーは、皆ジャミルの抱えている思いを察していました。そして、ガロードがGコンをジャミルに渡した直後、フリーデンがマークス一味に追いつき、戦闘が開始。ジャミルガンダムXディバイダーに搭乗し、ウィッツやロアビィらとともに出撃していきます。彼らにとってドーシートⅢはほとんど敵ではなく、順調に戦力を削っていきますが、予想だにしなかった敵の援軍が現れて…。Aパート後半では、マークス一味を追撃するフリーデン船内での、ジャミルを取り巻く各キャラの心情・行動の描写が中心に。前回とAパート前半の描写により、ジャミルがルチルに対して恋心を抱いていたというのは明らかなのですが、ジャミル自身含めて誰も一切そのことを直球で語らず、その行動や発言をもって、ジャミルの思いを察して立ち回っていることがわかるようになっているのが、とてもグッとくる描写になっています。ガロードがすべてを察してGコンを渡すさまもいいけど、ロアビィが、自身の経験(第15話)を踏まえて「ジャミルに協力したい」と言っているのが、これまたGoodなんだよなぁ。捉え方を変えれば、少々回りくどい描写でもあると感じるのですが、ロアビィの優しさ・配慮が感じられる描写であり、彼のキャラとしての魅力が一段と深まったように感じましたね。

 

オルバと綿密に連絡を取っていたシャギアは、Lシステムそしてルチルのことを既に知っており、さらにアイムザットが繰り出した大量のドートレス・フライヤー部隊で、ジャミルらを攻撃。圧倒的な物量の差を前にして、彼らは最大級のピンチを迎えます。そんな中、Lシステムを封じられたはずのルチルが、ジャミルに残されたニュータイプとしての能力を利用した、GXビットの活用を提案。ジャミルは必死の努力でGXビットを起動させることに成功し、敵をほぼ一掃。一瞬にして戦力を削がれたフロスト兄弟たちは撤退していきます。中盤より挿入される戦闘シーンは、最初こそジャミルの乗るガンダムXディバイダーを中心に、マークス一味を倒すあと一歩のところまで追い込みますが、オルバのガンダムアシュタロンとシャギアのガンダムヴァサーゴ、そしてアイムザットの放ったドートレス・フライヤーのせいで、一転して劣勢に追い込まれることに。ジャミルのセンスをもってしても、敵の物量作戦の前には打ち勝てず、追い詰められていきます。どうあがいても絶望的な感じの戦局でしたが、そんなジャミルたちを救ったのが、ルチルの力でした。Bパートでは、ジャミルが久しぶりにニュータイプとしての力を発動し、ルチルとの共同作戦により、GXビットを動かして反撃する様が展開されます。ジャミルとルチルの連携シーンは、なかなか時間をとって描写されており、精神的にも肉体的にも、ギリギリのところまで踏ん張るジャミルの姿が、強く印象に残りました。そうして発動したGXビットは驚異的な強さを発揮。一瞬にしてドートレス・フライヤー部隊を壊滅に追い込み、フロスト兄弟とアイムザットを撤退に追い込みます。このドサクサの中で、マークス一味は、機密保持のためにオルバに殺されることに。なーんか、あっけなく退場しちゃったなぁ…。

 

ルチル、そして自分自身の意志から、GXビットをすべて破壊したジャミル。その後、残されたマークス一味の潜水艦の残骸から、ついに彼は、コールドスリープ状態のルチルと再会します。しかし、先ほどの戦いで力を使い切っていたルチルの命はもう残りわずかであり、ジャミルの目の前で絶命。彼女の遺志を汲んだジャミルは、その言葉通り海底深くに棺を沈めて、ただひたすら、海を見つめ続けるのでした。GXビットは強力であるため、フリーデンの装備にすれば、今後かなりの戦力になるはず。しかしジャミルに、その選択肢はありませんでした。ここではほとんど、ジャミルがなぜかGXビット破壊を選択したかが語られていませんが、今まで『X』を観てきた視聴者なら、そんな説明は不要でしょう。尺の関係もあるのでしょうが、あえて大胆に描写をカットして、シーンに余韻を与えているのがGoodです。そして、このシーンのあとのラストでは、ジャミルとルチルの別れが描写。普段はあまり口数が多くないジャミルですが、ここではけっこうペラペラとしゃべり、それが彼の感情の発露を表現しているように感じられました。戦争中以来の再会なのに、別れなければいけないつらさ。そして、ニュータイプであるがゆえに、最後まで戦いに翻弄されたルチルの悲哀。その2つをひしひしと受け止めるジャミルの姿に、私ももらい泣きしてしまいました。でも、ジャミルそしてフリーデンのメンバーたちなら、この悲しみを乗り越え、未来へ進むことができるでしょう。

 

 

 

第20話「…また逢えたわね」

1996年8月16日放送

登場した敵他:エスペランサ

「マイルズ。あなたは過去にこだわらないというけれど…。私自身が、過去を忘れられないの。」

 

STORY:フリーデンが次に寄港した町は、戦後海洋商業都市として急速な発展を遂げた、セインズアイランド。マジメそうな入国管理官:マイルズの審査を突破して、ガロードたちは、久しぶりの大々的な補給のために、街へ出かける。1人サラの依頼も受けて街をめぐるトニヤは、とあるブティックでエニルと出会う。互いの正体を知らない彼女らは、意気投合し合い、やがてお互い身の上話ができる関係にまでなった。エニルに惹かれ、自分の船に来ないかと誘うトニヤ。一度はそれを快諾したエニルだったが、偶然訪れたマイルズにより、トニヤの船がフリーデンであることがバレてしまい―。

 

第1話から登場しているものの、なかなか主役回が無かったトニヤと、一時的にストーリーから離脱していたエニルにスポットを当てた単発回。戦闘らしい戦闘は終盤のわずかなシーンしかなく、ほぼ全編にわたって、トニヤかエニル、もしくは2人のやり取りでドラマが進められていました。ほぼガンダム等が無くても成立するお話になっており、「これが30分枠の(一応)子供向けアニメのドラマなのか!?」と驚くほど、濃密なドラマが展開。『X』はやはり、いい意味で気取った、大人っぽいドラマだなと感じましたね。

 

かつてバルチャーであり、ガロードガンダムX固執していたエニル。彼女は今、海上商業都市・セインズアイランドに流れ着いており、過去を隠して一般人として、静かに暮らしていました。そこではマイルズという彼氏もできており、結婚も視野に入るほど深い関係に。エニルは迷いつつも、安定した生活が手に入りそうかと思われた矢先、偶然フリーデンが、このセインズアイランドに入港してきます。今回は、エニル側の視点からドラマがスタート。最初こそ、シーバルチャーの一派からモビルアーマーエスペランサを勧められるシーンがあり、「彼女は相変わらずなのかな」と感じてしまいましたが、その後マイルズと仲良くするシーンや、モノローグ含めて静かに暮らすことを願っているシーンが挿入されることから、「むしろ現在は過去とは真逆の生活を送っている一方で、迷いが残っているんだな」ということがわかるようになっています。あれだけガロード固執してたから、足を洗うのはムリかなと思ってたけど、ちゃんと自分なりに更生の道を歩んでたんだなぁ。そんなエニルが、このセインズアイランドにいることなどつゆ知らず、補給のために寄港したのがフリーデン。最初こそ、マイルズと軽いトラブルになりかけますが、無事入国審査に通ってからは、休息をかねて皆街へ飛び出します。エニルの葛藤と打って変わって、フリーデンのシーンは微笑ましいものに。ここで、トニヤたちが現地通貨への両替を行い、紙幣を見て不思議がるシーンが挿入されているのは、興味深かったですね。紙幣の存在を知らないとは―。

 

セインズアイランドに寄港したガロードたちは、それぞれ街へ買い出しにお出かけ。サラとテクス、そしてジャミルはフリーデンに残ることになり、トニヤはさらに頼まれ、単独で買い出しに出かけます。必要なものを買い込んで、ようやく自由行動になった彼女は、とあるブティックで見かけたドレスに一目ぼれ。ところがそれは、彼女が少しだけ迷っているうちに、別の女性に試着されてしまいます。その女性こそ、エニルでした。Aパート後半では、断続的にガロードのシーンを挟みながら、トニヤ視点でドラマが進行。ガロードはすっかりティファと仲を深めており、恋人同然のやり取りをしたり、キッドにおちょくられてあたふたしたりと、これまた微笑ましいシーンが連続していました。もうこの2人、フリーデン公認カップルって言っても過言じゃないね…。それと時同じくして、トニヤが出会っていたのがエニル。お互いの正体を知らない彼女らは、ブティックでのやり取りをきっかけに仲を深め、エニルはトニヤを自分の店に呼ぶほど気に入ります。あれほど人嫌いガロードを除く)だったエニルが、ここまでトニヤに心を開くとは意外。ただ、それと同時に、ガロードのことがまだ未練たらたらであることもにおわせられているのが、面白いポイントです。直接的に、エニルが「それはガロードのこと」とは言っていないのですが、今までのドラマ展開、そしてこの直後のシーンの挟み具合で、ガロードのことを指しているのだなと暗に示しているのが秀逸です。

 

昼食をとって話が弾み、意気投合したトニヤとエニル。心の底から気に入ったエニルは、自分が雇われ店長をしているバーに、トニヤを誘います。そこでトニヤが打ち明けられたのは、エニルのマイルズに対する迷い。それに対しトニヤは、自身の信念と思いをざっくばらんに語りながら、彼女のことを思って、自分の船に誘います。一度は快諾したエニルでしたが、直後マイルズがやってきて、それをきっかけに、トニヤの船がフリーデンであることがバレてしまい…。エニルがトニヤを店に招待し、打ち明けたのはマイルズのこと。そんな彼女に対し、トニヤは、自分らしさを全開に出しながら、エニルの「自由に生きたい」という思いを後押しするような言葉を投げかけます。フリーデンの中で、どちらかといえばのんきな感じに見えるトニヤ。しかし今回、それは彼女なりの信念のもとであることが判明します。彼女も彼女なりに、ちゃんと生きることを全力で考えてたんだなぁ。そんなトニヤの言葉を受け、一緒に船に乗らないかという誘いを快諾するエニル。しかしそこへ、もともと会いに来る予定をしていたマイルズが登場し、トニヤと顔を合わせたことで、トニヤの船=フリーデンであることがバレてしまいます。この直前、ガロードらが偶然エニルのバーを見つけ(もちろん、エニルが雇われ店長をしていることを彼らは知らない)、入ろうとするシーンがありますが、あえて彼らを入らせず、マイルズによってトニヤの真実を明かさせたのは、Goodな采配。ドラマが引き締まり、かつほどよくお互い真実のすべて(エニルの語る「年下の彼」がガロードのことを指す等)を知らない形になっているんですよね。ガロードたちが結局入らずにスルーする理由が、「看板に本日貸切の表示が出ていたから」だけでなく、「ティファがニュータイプとしての能力でエニルがいることを察したから」というのもプラスしているのが、これまた素晴らしいです。

 

バーを飛び出し、行方をくらましたエニル。トニヤは彼女が来ないことを残念がり、そのままフリーデンはセインズアイランドを出航しますが、管轄範囲を外れ、外洋に出た瞬間、謎のモビルアーマーエスペランサの襲撃を受けます。あまりの好機動力の前に、さすがのガンダムXディバイダーたちも、ほぼ手も足も出ずじまい。このままではフリーデン陥落も必死かと思われましたが、なぜかエスペランサは、威嚇行動をとったのみで、そのまま姿を消してしまいます。そう、エスペランサに乗っていたのは…。終盤、エニルは一時的に行方をくらまし、フリーデンもセインズアイランドを出港。その統治が及ばない外洋に出た瞬間、エニルの乗るエスペランサが襲撃をかけてきます。このあたりの描写は、かなり巻いており少し強引とも捉えられますが、今までのドラマを踏まえると、「エニルはどんな感情を抱いて行方をくらましたのか」、また「エニルが行方をくらましている間に何をやっていたのが」がわかるため、そこまで違和感を覚えることはありませんでした。今回の前半にしっかりとドラマの積み重ねをやっているのが、ここでしっかりと効果が出ていますね。そんなエスペランサを前にして、ガロードガンダムXディバイダーたちは、ほとんど手も足も出ず防戦一方。エニルが自ら手を引かなければ、フリーデンは撃沈されているところでした。再び戦いの世界へと戻ってしまったエニル。やっぱり彼女は、こうした生き方しか出来ないのかな―。

 

 

 

第21話「死んだ女房の口癖だ」

1996年8月23日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、バリエント

ニュータイプだ。新しい時代を作るためには、ニュータイプの力が必要なのだ。」

 

STORY:政府再建委員会。それは、アイムザットが所属している組織であり、旧連邦上層部などで構成された、新地球連邦政府の樹立を画策する機関である。そこでニュータイプの重要性を説いたアイムザットだったが、彼によこされたのは、荒くれものの特殊部隊員:カトック・アルザミールとその部隊だった。フリーデン撃沈とガンダムXディバイダー等の破壊の任を受けたカトックは、漁師に成りすましてフリーデンに潜入。しかし、自身が懐疑的なニュータイプの力を持つティファに全てを見抜かれ、作戦は失敗してしまう。そうした中で始まる、フロスト兄弟とアイムザットの部隊の攻撃。死を覚悟したカトックに、真っ先にそれを制止したのは―!

 

物語も(当初の放送期間から考えても)折り返し地点に入り、いよいよガロードの次なる専用ガンダムガンダムDXの登場編に突入。その開幕編となる今回は、『X』の終盤までの敵となるであろう政府再建委員会=新地球連邦軍の登場、そしてゲストキャラクター:カトックの魅力がたっぷり描かれた、興味深い一編となりました。登場当初は厄介者そうに見えたカトックが、たった1話で、しかも彼の抱える背景のほとんどをぼかした状態で、「コイツ実はけっこう魅力あるヤツじゃないか」と思わせているのが本当に秀逸。絶対彼、ガロードたちがガンダムDXを入手するにあたって、カギを握る人物だよなぁ。

 

政府再建委員会の会議に召集されたアイムザット。そこで彼は、ニュータイプの重要性と、開発中の新ガンダムガンダムDXのことを熱弁しますが、他のメンバーはあまり興味なさげ。一応増援部隊とモビルスーツを派遣してはくれたものの、その部隊は、各戦線で問題行動を連発する、カトック率いる特殊部隊でした。ニュータイプのことがそもそも好きではないカトックですが、フリーデン潜入という与えられた任務のため、速やかに作戦を立案。部下とともに出航していきます。今まで、新連邦所属であることのみが、ぼんやりと描写されていたアイムザットですが、今回彼の所属が正式に判明。所属元である政府再建委員会は、新地球連邦の樹立を目指していましたが、その内容はかつての旧地球連邦とまるで同じでした。委員会の構成メンバーは、旧地球連邦軍の上層部や、戦前の資産家等、戦前においしい思いをしてきた人ばかり。そんな人たちが作ろうとする世界なんて、実質的に過去に逆戻りですよね。そんなこの委員会ですが、地味にアフリカ大陸やオーストラリア大陸、ヨーロッパ方面の大部分を支配下に置けてしまっているのだから、恐ろしい。この委員会は、今後さらに力をつけて、ガロードたちの強力な敵になりそうだな…。そんな委員会の中で、1人ニュータイプのことを熱弁して浮いた感じになったアイムザット。委員会としても、ガンダムDXの開発は重要であるため、増援をくれるにはくれましたが、やってきたのはカトック率いる特殊部隊でした。ここで、ガンダムDXのことに触れつつ、さらにカトックが登場。輸送機の中でふんぞり返っていたり、アイムザットに作戦内容を言われるや否や「ニュータイプは嫌いだ」と豪語したりと、かなりの厄介者です。でも、シャギアの動きを察知して先手を打つ等、兵士としての実力が本物なのは、Goodですね。

 

ガロードの証言等をもとに、北米大陸から太平洋方面へと調査を続けていたフリーデン。特に敵との接触もなく、穏やかな時間を過ごすガロードたちでしたが、そのとき、救難無線が入ります。すぐに現場に駆け付け、漁師たちを助けるフリーデンでしたが、彼らこそ、カトックの部隊。当初全くそのことに気づいていなかったガロードたちは、知らず知らずのうちに大ピンチを迎えますが…。フリーデンの様子は、最初こそガロードやティファの穏やかなシーンが挿入され、平和な感じ。しかし、カトックたちがやってきてから、状況が一変します。カトックたちの潜入スキルは相当なもので、漁師として潜入することに決めた直後、もちろん服装は漁師っぽいものにするほか、きちんと漁師らしい魚のにおいを部下全員につけさせ、紛うことなき漁師のスタイルになって、キチンと潜入しています。ここまで徹底してなり切るのは、さすが幾多の戦線を潜り抜けてきた特殊部隊という感じ。これは確かに、ガロードたちがコロッと騙されても不思議ではありません。そんなカトックたちは、フリーデンに救出されて堂々と乗艦。シーバルチャーに襲撃されたという「設定」を滔々と語り、すっかり信頼を得ます。ここで、カトックが語っている一連のセリフが、潜入直前の準備をしている際に、「こういうイメージで行こう」と打ち合わせした際に言っていたものと全く同じだったのは、クスッとさせられました。

 

ティファのおかげで、早い段階でカトックたちの正体を見破り、先手を打てたガロードたち。ところがそのとき、フロスト兄弟とアイムザットの部隊の急襲を受け、そのスキを突かれて、カトックたちの脱走を許してしまいます。ガロード・ウィッツ・ロアビィは、それぞれのガンダムで出撃。新型モビルスーツ:バリエントの連携攻撃や、相変わらずのガンダムヴァサーゴ&ガンダムアシュタロンの攻撃に苦しみつつも、着実に敵にダメージを与えていきます。カトックに騙されかけていたガロードたちでしたが、彼らの乗艦直後、ティファからすべてを聞かされていたらしく、すぐさまサラの手で小部屋へ誘導。そこに案内されたとたん、行動開始しようとするカトックたちでしたが、逆に待ち伏せていたガロードたちに包囲されます。ここら辺の描写は、ガロードたちの作戦勝ちで「よくやった!」という感じ。以前のお話で、ホイホイ他人を乗せてしてやられていることがあったので、今回もそうなっちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしちゃいましたよ。こうしてカトックたちを無力化したガロードたちでしたが、今度はフロスト兄弟とアイムザットの部隊の攻撃が開始。脱走したカトックたちのことをジャミルたちに任せたガロード・ウィッツ・ロアビィは、ガンダムに乗って出撃していきます。ガロードガンダムXディバイダーが今回初めて相手にすることになったモビルスーツが、バリエント。なんだか国際映画社のロボットアニメの味方側モブ機体で出てきそうな見た目をしていますが、複数機で部隊を構成して動くのが特徴であり、そのシステマティックな攻撃を前に、ガロードは、何らかの大規模な軍隊(=新地球連邦軍)の存在を確信します。初めて目にする機体を前に、一度は苦戦を強いられるガロード。しかし、ハモニカ砲を効果的に使いながら、じょじょに敵のクセをつかみ、最後は真っ向から反撃できるようになっているのが、本当に素晴らしいです。

 

フリーデン艦内を逃げ回っていたカトックでしたが、とうとう追い詰められ、とある部屋に籠城することに。死を覚悟したカトックは、部下たちを優先的に逃がし、自らは部屋に残って、ジャミルたちをやや挑発するような態度をとります。このままではジャミルたちの発砲は必至という状況になりますが、それを阻止したのはティファでした。同じ頃、カトックの部下たちの脱出を確認したフロスト兄弟は、本作戦の失敗を確信。カトックの部下たちと、自分たちを止めようとしたバリエント1機をそれぞれ亡き者にし、さっさと本拠地のゾンダーエプタへ引き揚げていくのでした。自分の思い出を雄弁に語り、なかなかジャミルの要求に応えないカトック。この、わざと人をバカにしたようなそぶりを見せる、どこかひょうひょうとした感じのキャラ、割と好きですね。そんなカトック、ジャミルに殺されるためにわざと手榴弾を取り出しますが、ジャミルが発砲する前に、死なないよう止めに入ったのがティファ。「あなたは死んじゃダメ」とだけ語り、じっとカトックを見つめます。ここでは、ティファの勇敢な行動に目が行きますが、それに対するカトックの行動も見逃せないところ。意表を突かれて優しげな表情を見せているほか、ちゃんと手榴弾爆発の際にティファをかばう姿勢を見せている等、ところところでいい人さを見せています。カトック、本当はいいヤツなんじゃないか…?

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第22話から第24話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。カトックとガロードは未来を変えるために動き出した。2人は、形勢を一気に逆転させるために、DXの奪取を企てる。ジャミルとカトック、旧世代からガロードへ、新たなるガンダムが受け継がれる―!

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