お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-2(第4~6話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第2回目です。

 

今回ご紹介の3話のうちの2話で、『X』始まりのお話が完結。「ガンダムシリーズ」において、1つのお話の完結にこれだけ要するのは珍しく、濃厚なドラマを楽しむことができました。途中の展開が全くダレることなく、各キャラの動きを見せているのは本当に素晴らしいよなぁ。『X』は、本当に魅力に溢れている作品ですね。

 

なお、前回(第1~3話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第4話「作戦は一刻を争う!」

1996年4月26日放送

登場した敵他:ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ドートレス

「ティファのため…いや、ティファたちのため、俺も戦いたいんだ!」

 

STORY:ティファの容態が急変した。その原因がオルバにあることを知らないジャミルは、ティファの治療のため、アルタネイティヴ社の襲撃を画策する。しかし、事情を知らぬクルーたちの信頼が得られなかったことから、ジャミルは、15年前の忌まわしき記憶を語るのだった。結果、ロアビィとウィッツはフリーデンを離れたものの、その他のメンバーは残り、さらに他バルチャーの協力を得て襲撃準備を進めるが、オルバの能力によりそれは全部シャギアに筒抜けであった。そしてついに本性を現し、ガンダムアシュタロンでティファを強奪するオルバ!ガロードの思いは、ジャミルに届くのか?

 

ジャミルの過去が明かされるとともに、オルバの愛機であるガンダムアシュタロンのデビュー回モビルアーマー形態は前回登場していたけど)今まで登場していなかったフリーデンのメインキャラも登場し、『X』のストーリーの地盤が今回で固まったなという感じがしました。お話の展開の都合上、ガンダムX等のフリーデン側のモビルスーツの活躍は回想シーンのみ。キャラどうしのいさかいや対立も頻繁に描かれることになりますが、その各キャラに心からの悪意を感じないため、それほど不快感を覚えるものではありませんでした。でも…やっぱりフリーデン、ちょっとツメが甘い気がするなぁ。

 

前回、フリーデンの外で、ジャミルに発見されたガロード。両者一言もしゃべらず向き合う時間が続きますが、そのときサラ経由で、専属医のテクス・ファーゼンバーグより、ティファの容態急変の報せが入ります。このままでは1週間程度しか持たないと聞かされたジャミルは、ティファがもともと収容されていたアルタネイティヴ社を襲撃し、そこの医療施設を利用して彼女を治療するプランを提案します。しかし、ジャミルがティファにそこまでこだわる理由を知らないクルーたちは、賛同しかねていて…。今後も要所要所で存在感と味を出してくれるテクスが、このシーンで本格的に登場。彼の報告を受け、血相を変えたジャミルは、ガロードのことを二の次にして、ティファ治療のための方策について考え始めます。テクスはいいキャラしていてGoodなんだけど、体調不良の原因についても突き止められなかったのかなぁ。前回オルバが明らかに薬液らしきものを注入していたんだから、注射痕は目視で発見できなくとも、「こんな状態になるのは、自然では考えられない!」というくらいの推測には、素人目線だと辿り着けそうな気がするけど…。そして、こうした事態を受けたジャミルは、急いで艦橋に戻り、その場にいたクルーたちにプランを提案。ティファ治療のために、再びアルタネイティヴ社を襲撃しそこの設備を使うというものでしたが、ほとんどのクルーたちはそれに懐疑的でした。クルーたちの反応によると、なぜジャミルがティファに固執するのか、一切聞かされていなかった様子。ティファ救出の際も多大な犠牲を払っているんだろうから、何もわからずまたそれをやるって言われたら、まあ気乗りしないよね。

 

クルーの反応が芳しくなく、一方でティファの状況から是が非でも作戦を遂行したいジャミルは、自分がティファにこだわる理由を話し始めます。15年前、戦争のときにニュータイプパイロットとして経験した、忌まわしき記憶。それを受けてサラたちは、ジャミルに協力する意思を示した一方、ロアビィとウィッツは、フリーデンを離れようとします。ガロードは必死に彼らを呼び止めますが、その思いは届きませんでした。自身がティファにこだわる理由を明かすという形で、ジャミルの過去が判明。ニュータイプパイロットであったジャミルは、15年前の戦争末期、決戦兵器として開発されたガンダムXの操縦を任され、宇宙革命軍のコロニー落とし作戦に真っ向から対峙。サテライトキャノンの一斉射撃でそれを阻止しようとしましたが、結果的にそれは失敗。この悲劇が起きたのは自分の責任であり、また自分のような人間が戦争に利用されるようなことがないようにと考え、現在に至っていました。ティファの能力と境遇を、自身の過去に重ね合わせていたジャミル。過去のガンダムシリーズでも、何度もニュータイプが登場してきましたが、序盤のこうした早い段階でニュータイプが現れ(『Z』から時系列がすぐ地続きだった『ZZ』を除く)、しかも自分からそれを告白するというのは、新しいパターンではないでしょうか。これは、『X』の時間軸が“戦後”とされているがゆえできる構成と言えるでしょう。そんなジャミルの告白に、サラたち昔からの仲間たちは賛同した一方、最近雇われたフリーのパイロットであるロアビィとウィッツは、そんな感情から端を発する作戦はごめんだとして戦線離脱。ガロードはティファ治療のため必死に彼らを食い止めようとしますが、その思いは届きませんでした。ガロードのアツい気持ちはよくわかりますが、ロアビィたちの冷めた見方も理解できるというもの。ガロードのアツさを彼ら、特にウィッツはバカにしていましたが、彼らも彼らで、このシーンでハッキリ言って大したこと言ってないんですよね。ガロードがまだ未熟な少年ならば、ロアビィとウィッツは、大人気取りの青年という感じかな。

 

モビルスーツパイロットを実質的に失ったジャミルは、他のバルチャー仲間を集め、アルタネイティヴ社の襲撃作戦を立案。それを参加者全員に説明し、作戦結構時間も決定しますが、そのすべては、オルバを通じてシャギアに筒抜けでした同じ頃、ガロードは密かにティファを見舞うため、病室に侵入。テクスの計らいを受け、昏睡状態の彼女を目の当たりにします。Bパートより、順次アルタネイティヴ社の襲撃作戦の準備が開始。まずジャミルが着手したのは、人集めでした。今までの描写だと、バルチャーは限られた人数のみで1つ1つが構成されており、他のバルチャーは全員敵だと言わんばかりのような感じでしたが、今回は逆に、協力サインを送ることにより、バルチャーどうしが協力するさまが描写。もちろんタダでとはいきませんが、割といい仲間という感じでした。ジャミルはバルチャーどうしの中でも知られた存在らしく、顔も広くて様々な知り合いが存在。今後彼ら他のバルチャーも、要所要所で協力してくれるのでしょうか。そして、こうしたメンバーを集めたジャミルは、作戦ブリーフィングを開始。陽動作戦も含めた綿密なプランを立てますが、全てはその場にいたオルバの能力により、それらは全て筒抜けでした。ニュータイプであるジャミルと同じく、耳を触ることで何らかの能力を発動できるらしい、シャギアとオルバのフロスト兄弟。彼らもまたニュータイプなのか?それについては、今後明かされることになります。

 

ティファの病室を抜け、ドックへと向かったガロードは、整備中のガンダムXを目撃。そこへ、自分より年下の少年がやってきます。些細なことからケンカになってしまいますが、その少年の正体がチーフメカニックのキッド・サルサミルだと知りびっくり。さらに、ジャミルの意外な弱点も知ることになります。そうした中、オルバが突然自分の機体に乗り込み、ドックの壁を破って脱走。ついにその本性を現し、ティファをベッドごと強奪してしまいます。そして、それと入れ替わる形でシャギア/ガンダムヴァサーゴが攻めてきて…!終盤で、フリーデンのメカニックたちが登場。中でもキッドのキャラは濃く、いきなりガロードと取っ組み合いを始める(ガロードが意味もなく挑発したのが原因)などしていました。このシーンはどこか微笑ましく、キッドの性格がわかるほか、ジャミルが「コクピット恐怖症」であることも判明。ただ後者については、ジャミルが気まずそうな顔をしていたので、実際はニュータイプの能力が発動しきれなくなって乗れなくなったことを隠すための、キッドに対するウソなのでしょうね。こうしたどこかほんわかした時間は、オルバの突然の裏切りにより一変。彼によりティファは強奪され、既にフリーデンの前方にはガンダムヴァサーゴとドートレス部隊が待ち構えていました。ついに本性を表し、ガンダムアシュタロンでティファを強奪していくオルバ。どのみち本性を表すならこのタイミングだったんだろうけど、もう少し待ってもよかったかもしれないなぁ。そうすれば、ガンダムヴァサーゴがフリーデンを攻撃している間に、さらに追い打ちをかける形でティファを強奪できたのに。あ、でもそれだと、ティファ自体が危ないか…。

 

 

 

第5話「銃爪(ひきがね)はお前が引け」

1996年5月3日放送

登場した敵他:グランディーネ、ガンダムヴァサーゴ、ガンダムアシュタロン、ドートレス

「俺は…俺は、ティファを助けたいんだ。好きになっちゃったんだから、当ったり前だろ!」

 

STORY:ガンダムヴァサーゴとガンダムアシュタロンの襲撃を前にして、ガロードの純粋さとアツさを信じたジャミルは、彼にガンダムXを託した。しかし、戦いにまだ不慣れなガロードが、フロスト兄弟を相手にするのは困難であり、窮地に陥ってしまう。ロアヴィやウィッツの加勢を受けて、何とか態勢を立て直したものの、今度はティファを手に入れたフォンが、アルタネイティヴ社よりモビルアーマー:グランディーネで殲滅をはかってきた!自分たちの危機と、ティファを救うには、ガンダムXのサテライトキャノンしかない。ガロードジャミル・ティファの渾身の連携は、奇跡を起こせるか?

 

第1話から続く、『X』の始まりの物語の完結編。終始ほぼ戦闘が描かれ、ガンダムXガンダムヴァサーゴ・ガンダムアシュタロンの戦闘の他、再びガンダムXがサテライトキャノンをぶっ放すさまが描かれました。終盤の極限状態でのサテライトキャノン発射は、いくらジャミルやティファにニュータイプの能力があり、ガロードも粗削りながら操縦センスがあるとはいえ、やってることはかなりムチャ。しかし、いざ実際にそのシーンを観てみると、全く違和感を覚えず、アツさを感じるのは、彼らの必死さとひたむきさ、そして純粋さのおかげと言えるでしょう。

 

前回、ガンダムアシュタロンにティファを強奪されたうえ、メガソニック砲で狙われたフリーデン。全力で回避したため直撃は免れたものの、メインエンジンを損傷し、すぐには動けなくなってしまいます。こうした状況下で、居ても立っても居られなくなったガロードは、ドックへ急行。既にジャミルによりGコンが取り外されており、そのままでは操縦できない状態でしたが、それでもガロードジャミルに思いを訴えかけ、それを受けたジャミルは、ガロードにGコンひいてはガンダムXを託すのでした。今回、ガロードが再びガンダムXに搭乗。他にパイロット要員がいないので、ジャミルがやむを得ずガロードに搭乗を指示するという構成でも、十分説得力がありますが、あえてそうはせずさらなるドラマを挿入していたのがGoodでした。我慢ならず、ガンダムXのもとへ走り着くガロード。全てを見越して、わざとGコンを解除していたジャミル。そして、自分の思いを吐露するガロード…。このガロードの思いの吐露は、キッドの言うとおり「それを素直に口にするか?」という感じのド直球なセリフなのですが、それに一切くさみを感じず、ガロードのアツさのみをひしひしと感じるのは、以前から述べているとおり、ガロードの純粋さゆえでしょう。いやぁ、ガロードって、様々な意味で本当に主人公にふさわしいキャラだよなぁ。

 

フリーデンから出たガンダムXは、すぐさまガンダムヴァサーゴの攻撃を受けることに。ビームライフルを用いて応戦しますが、操縦スキルの差は圧倒的であるため、すぐにピンチに陥り、さらにはビームライフルを乱射しすぎたことから、エネルギー切れを起こしてしまいます。そうした中で、アルタネイティヴ社にティファを引き渡したオルバ/ガンダムアシュタロンも加勢してきて、まさに大ピンチ。そんなガロードを救ったのは、舞い戻ってきたロアビィとウィッツでした。ジャミルからも、粗削りながら操縦センスがあると言われているガロードですが(本人は当然知らない)、まだガンダムXに乗って2回目であるため、ニュータイプ並みの能力を持つフロスト兄弟と真っ向からやり合うのは、いくらなんでもハードルが高すぎるというもの。案の定、ほとんど有効な攻撃を繰り出せずピンチに陥りますが、その程度で屈するガロードではありませんでした。まだまだ機体性能に助けられているところが多いですが、確かにガロードの反応をもとにしたガンダムXの回避速度は凄まじく、ピンチには陥っているものの、大きな損傷は臨時で取り付けたショルダーバルカンのみ。このあとも特に大きく損傷することはないため、ガロードガンダムXの四肢やもとの武装を維持したまま、戦闘を切り抜けることになります。確かにガロード1人の力では、フロスト兄弟に勝てませんでしたが、それでも第2戦としては十分な結果と言えるのではないでしょうか。そもそも、『ガンダム』のアムロや『Z』のカミーユ、『V』のウッソみたいに、(お話としての)第1話からガンダムモビルスーツを初見で完璧に乗りこなして敵を撃退するほうが異常だからさ…。こうしてガンダムXは、引き続きガンダムヴァサーゴやガンダムアシュタロンとやり合いますが、このままでは敗北は必至。そこへ加勢にやって来たのは、ロアビィのガンダムレオパルドとウィッツのガンダムエアマスターでした。前回離脱したはずの2人が、早くも舞い戻ってくることに。その理由は明示されていませんが、断続的に挟まれていた2人のシーンでの、細かな表情の変化の描写から、彼らの中でどういった心境変化があったのかが窺える形になっています。

 

ガンダムレオパルドガンダムエアマスターの加勢も受け、ガンダムXは態勢の立て直しに成功。大型ビームソードを振りかざし、ガンダムヴァサーゴやガンダムアシュタロンとまともにやり合います。そんな中、突然荒野をつんざく拡散粒子砲が。それはアルタネイティヴ社に搬入されたグランディーネより発射されたものでした。フリーデンやフロスト兄弟を丸ごと始末しようとするアルタネイティヴ社を相手に、苦しむガロードたちでしたが、ここでジャミルは、ティファからのメッセージを受け取ります。ガンダムXも態勢を立て直したことで、フリーデンらバルチャー側も反撃開始。戦局がひっくり返るとまではいきませんでしたが、フロスト兄弟らは緩やかに押され始めます。そんな中で、荒野をつんざいたのが、グランディーネによる拡散粒子砲の一撃でした。グランディーネは、『ガンダム』に登場したモビルアーマーアッザムに、『ZZ』で登場したゲゼの意匠を合体させたようなデザイン。戦時中に開発されたモビルアーマーらしく、フォンらアルタネイティヴ社は、ティファを再び手中におさめたことで、用済みであるフロスト兄弟もろとも、バルチャーたちを一掃しようとしていました。露骨な悪役ムーブをかましてきたフォンたち。ドートレス部隊の撤収も順次始めてたらしいし、完全にハメる気満々だったんだなぁ。そんなフォンの企みに、いち早く気づいたのがジャミル。彼は自身のニュータイプとしての能力を使って、ティファから発せられたテレパシーを感じとり、グランディーネからの攻撃が開始されること、そしてそれを破壊するためにはサテライトキャノンの力が必要であることを確信します。

 

ティファのメッセージを受け取ったジャミルは、自らフリーデンを飛び出し、ガロードガンダムXのもとへ急行。コクピット恐怖症であるにもかかわらず、無理を押してコクピットに搭乗し、なんとティファからの指示を自分が聞き、それをもとにガロードがサテライトキャノンでグランディーネを撃ち抜く作戦を提案します。ムチャクチャながらも、背に腹は代えられないと考えたガロードは、ジャミルの指示を忠実に聞いて、サテライトキャノンを発射。グランディーネはフォンなどを巻き込んでアルタネイティヴ社の施設ごと爆散しますが、ティファは生存。現地に駆け付けたガロードは、ついに彼女との再会を果たし、同時に以後フリーデンで行動を共にすることを決意します。終盤では、本作2度目となるサテライトキャノンの発射が描写。それは、ガロードジャミル・ティファの3人が連携し、さらに周囲からの支援を受けつつ渾身の一撃を放つという、とてつもなくアツいシーンとなりました。アツいことには間違いないのですが、そこは『X』、『G』のように露骨に叫んだり燃えたりすることはなし。しかし、耳から大量に流血しながらもティファのメッセージを受けるジャミルジャミルの指示に基づき慎重に照準を合わせるガロード、そして、サテライトキャノン発射態勢で無防備なガンダムXを支援するロアビィたちと、各キャラたちの静かなる必死の頑張りがひしひしと伝わってくる、手に汗握る素晴らしい描写でした。そして、ついに発射されたサテライトキャノンは、ティファの予測通り、グランディーネやアルタネイティヴ社本社を直撃。しかし、ティファの収容されていたラボには被害はなく、彼女自身は無事生還します。これにより、ティファと再会できたガロードは、彼女と行動をともにすることとし、フリーデンに残る意思を固めるのでした。アルタネイティヴ社は、今回のサテライトキャノンの一撃により大ダメージを食らうことに。社長であるフォンも死亡します。宇宙世紀系作品でおなじみのアナハイム・エレクトロニクスよろしく、『X』において作品を通した黒幕として立ちはだかるのかなと思ったけど、今回の有様だとそれは無さそうだな…。そして、このアルタネイティヴ社からのティファ奪還をもって、『X』の始まりの物語は終了。次回から、次なるフェーズへと移行していきます。

 

 

 

第6話「不愉快だわ…」

1996年5月10日放送

登場した敵他:DHMCワイズワラビー、DHMファイヤーワラビー、ドートレス

「命がけの戦いってのも、いいものね。勝負が決まる前に、お互い死ぬかもしれないってことよ。わかる!?」

 

STORY:フリーのモビルスーツ乗り:エニル・エルが、ガンダムXの情報をザコット一味入手していた頃、フリーデンは旧連邦の施設跡を目指していた。ガロードガンダムXパイロットとして任務に就くが、気のゆるみからミスを引き起こして多くのクルーを傷つけてしまい、心を痛めた。彼の思いを察するジャミルやテクスだったが、テクスの危惧どおり、ガロードは罪滅ぼしのためにさらなる危険な行動に出る。旧連邦施設の動力炉爆発前に、ガロードはエニルとの決着をつけることができるのか?そして、ジャミルが必死にガロードを助けようとしている裏で、サラのティファへの嫉妬が爆発する―。

 

今後レギュラーキャラとなり、ガロードたちの前に立ちはだかることになる、エニルの初登場回。それと同時に、ガロードの細かな感情変化、それを見守るクルーたち、またサラのティファに対する嫉妬等が、違和感なく、しかもセリフを過度に散りばめずに的確に表現していたのがGoodでした。今回の事件の大半は、ガロードの独断と勝手な行動により引き起こされるものですが、不思議とガロードに対して不愉快さを感じないのは、「なぜガロードはそうした行動に至らざるを得なかったのか」ということが、きちんと描かれているからでしょう。今後数話にわたって描かれる一連の事件で、ガロードがどう成長するのか、楽しみです。

 

今日も危険な仕事に挑み、お宝をごっそり獲得してはキッチリ商売するエニルとその仲間たち。そんな彼女に、別のバルチャーであるザコット一味が近づき、ガンダムXの話を持ち掛けます。当初は乗り気じゃなかったエニルでしたが、ガンダムXの画像を見たとたん180度方針転換。フリーデン襲撃作戦を練り始めます。同じ頃、そんなことを全然知らないフリーデンは、旧連邦軍施設跡に向かっており、ジャミルはティファの力を借りて、別のニュータイプを探していました。今回の冒頭では、エニルによる旧連邦軍動力炉跡を襲撃するシーンが挿入。このシーンによって、後半の展開の伏線を張ると同時に、エニルが命知らずなモビルスーツ乗りであるということが、的確に表現されています。短い時間の間に、様々な要素を盛り込んでいるのは、秀逸であると感じましたね。そんな彼女が、ザコット一見経由でガンダムXの情報を入手したことから、物語は動き始めることになりますが、当のフリーデンはそんなことをまだ知る由もなく、別の目的で旧連邦軍施設跡を目指していました。フリーデンもバルチャーの一派であるため、基本的には、金目の物を回収してはよそに売り払うという稼業がメイン。しかし、ジャミルにはそれ以外に、まだ見ぬニュータイプの保護という、もう1つの目的を持っていました。ティファがその第1号であり、彼女の力を活用して探そうという発想はGoodなのですが、いかんせんジャミルがそのことを周りに言わないものだから、サラなどからは誤解されることに。自分とガンダムXの因縁も、この前しゃべってるんだから、ニュータイプを探すというもう1つの目的のことも、しゃべって全然問題ないと思うんだけどねぇ。

 

連邦軍施設跡に着き、仕事を開始したガロードたち。ところが、ガロードはフリーデンへの不満やティファへの思いのせいで全然仕事が手につかず、ミスを引き起こしてクルーたちをケガさせてしまいます。申し訳ない気持ちがありつつも、上手く言葉で表現ができない彼は、逃げるような態度をとることに。その、ガロードの複雑な心を理解していたのは、ジャミル・テクス・サラくらいでした。Aパート後半では、ガロードの行動を中心に描きつつ、彼がいかにフリーデンの他のメンバーからよく見られ、そして仲間として受け入れられているかがわかる様子が描写。ガロードがほかのクルーをケガさせてしまうという、とんでもないミスをしてしまっているにもかかわらず、なんだかほほえましく観ることができました。このシーンで興味深いのが、テクスの発言。彼はクルーたちの治療中、一言残して逃げるように去るガロードを見、クルーたちが「アイツは謝罪もできないようなヤツだ」と愚痴をこぼす一方で、「いや、そうじゃないんだよ」というワードだけで、フォローしてみせます。これに続く言葉を、テクスは一切何も述べないのですが、視聴者の視点から観ると、彼が何を思っているのかが手に取るようにわかるのが本当に秀逸。テクスは、ガロードの「謝りたいけどうまく謝る術を知らない」という難しい感情と立場を、的確に理解していたんですよね。おやっさん的なキャラとしては、あまりにも素晴らしすぎる存在のテクス。ぜひ最後まで、この戦いを生き抜いてほしいなぁ。一方、そんなテクスのフォローを知らないガロードは、一人フリーデンの外でふさぎ込むことに。サラはそんな彼の後ろ姿を目撃していましたが、何か声をかけることはありませんでした。ここでサラが、自らガロードに声掛けに行くのではなく、彼の状況と自分をだぶらせて、一言ポロッとしゃべって立ち去るのが、大人だなぁという感じ。薄情だという見方もできなくはないですが、このときの彼女に、そうした悪気は一切感じられませんでした。

 

トニヤがティファに、ガロードを元気づける方法(お化粧)を伝授していた頃、ガロードは単独でガンダムXで出撃。罪滅ぼしのために、一人でフリーデンのために働こうという思いでしたが、彼は向かっているその先が、危険な旧連邦軍動力炉跡であることを知りませんでした。それに気づいたジャミルは、モビルスーツ恐怖症を押してドートレスで出撃。その直前、エニルはこの状況をチャンスととらえ、ガンダムXを追跡し、追いつくと同時に攻撃を加えます。テクスの危惧通り、勝手に突っ走った行動に出たガロード。彼は、旧連邦軍動力炉跡に金目の物がたくさんあると見込み、罪滅ぼしをしようとしていましたが、そこが大変危険な場所であることを、微塵も知りませんでした。Bパート前半からは、Aパート後半の状況から一変。緊迫感がお話を包んでいきます。ガロードの気持ちもよくわかるんだけど、ここは突っ走らないでほしかったなぁ。まあ、こうした極端な行動こそ、彼がまだ感情表現を上手いことしきれていない=そうした面において未熟であることの表れと言えるけど…。そして、こうした状況をチャンスととらえたのがエニル。DHMCワイズワラビーとDHMファイヤーワラビーを駆り、ガロードガンダムXを急襲します。DHMCワイズワラビーとDHMファイヤーワラビーは、ドートレスの発展形ともいえる機体。かなりの高機動力で、ガンダムXを翻弄していました。

 

不意討ちを食らったうえ、旧連邦軍動力炉跡がどれだけ危険なところか知らないガロードは、戸惑いながら応戦。DHMファイヤーワラビーは楽に撃破するも、エニルの乗る指揮官機:DHMCワイズワラビーには苦戦を強いられます。このまま両者の戦いは続くかに思われましたが、動力炉爆発のタイムリミットが迫ったことで、エニルが先に離脱。ガロードも、ジャミルがギリギリ間に合ったことで、なんとかその場から脱出します。それと同じ頃、動力炉爆発に備えて準備を進めていたフリーデンにおいて、偶然化粧をしていたティファを見かけたサラは…。不意討ち&動力炉の危険性を知らないという、不利な状況下で戦うことになったガロード。最初こそ戦局は相手に持っていかれていましたが、じょじょに盛り返していきます。DHMファイヤーワラビーを、初見で全機撃破したのは、さすがというべきところ。機体スペック的には、ガンダムXのほうが圧倒的なので、負けるはずがないと言えばそうなのかもしれませんが、ガロードはまだパイロットになりたてだし、こうした状況下での完全勝利というのは、十分賞賛に値すると言えるでしょう。一方で、エニル/DHMCワイズワラビーとの戦闘には苦戦。このまま決着がつきそうにないなぁという感じでしたが、どちらかが無理に撤退するのではなく、キチンと動力炉爆発のタイムリミットをしっかり生かし、それによりエニルが撤退するという形にしていたのがGoodでしたね。このように、ガロードが窮地に次ぐ窮地に遭遇していた頃、別の窮地に遭遇していたのがティファ。彼女がのんびり化粧をしていたことに、サラは不愉快さをあらわにします。このまま、サラとティファの関係性はどんどん悪化し、フリーデンの人間関係はこじれてしまうのか!?…ぶっちゃけ、冒頭で述べた通り、ジャミルがすべて事情を話せば、アッサリ解決すると思うんだけどねぇ。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第7話から第9話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。フリーデンに帰還したガンダムXに、フロスト兄弟とザコット一味の総攻撃が迫る。力を合わせて戦うガロードたちではあったが、ジャミルの不在が災いし、かつて無い危機を迎えるのだった―!

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