お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-15(第43~45話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第15回目です。

 

物語もじょじょにラストスパートがかかりはじめ、今回ご紹介の3話は、それにプラスして最終決戦の開幕を予感させるお話に。特に、ホワイトファングの暴走ともいえるほどの急速な隆盛と、それに立ち向かうヒイロたちの姿が、印象に残るものになりました。この流れだと、ホワイトファングがラスボス的な感じで立ちはだかる流れになるのは必至だけど、はてさて…。

 

なお、前回(第40~42話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第43話「地上を撃つ巨光(オーロラ)」

1996年2月16日放送

登場した敵他:トーラス

「これは戦争ですのよ、カーンズさん。勝利のためには、どんな犠牲もいとわない覚悟が必要ですわ。」

 

STORY:宇宙での拠点と主導権を失ったOZ宇宙軍は、起死回生を図って、C421コロニーを武力占拠。それを人質に、ホワイトファングへのリーブラ引き渡しを要求した。しかし、そうした脅しにミリアルドが屈するはずもなく、リーブラはそのコロニーへ接近。主砲による破壊を図る。この状況下で、コロニーの中にキャスリンらサーカス団の仲間を目撃したトロワは、ウイングガンダムゼロで強行出撃するが、それが見せる幻影に悩まされ続ける。彼を追いかけるデュオやカトルは、果たして間に合うのか?そして、発射されてしまうリーブラ主砲!それが撃ち抜いたのは…!

 

OZ宇宙軍が悪手を打ち、これによりロームフェラ財団とOZが宇宙での勢力を完全に失い、ホワイトファングがさらなる隆盛を見せる一編。ピースミリオンのもとにヒイロたちガンダムパイロットがそろい、ウイングガンダムゼロのおかげでトロワも記憶を取り戻すという味方側の盛り上がりポイントもありました。しっかし、これで明確に宇宙VS地球の構図が出来上がっちゃって、ホワイトファングも退けないところまで来ちゃったって感じだなぁ。

 

前々回、宇宙要塞バルジを失ったOZ宇宙軍。そこにいたOZ一般兵たちが地球に戻っていた一方で、その周囲にいた兵士たちは宇宙に残留。C421コロニーに目をつけてそこを占拠し、ホワイトファングに挑戦します。そのコロニーは、偶然キャスリンらサーカス団が興行に来ていたコロニーでした。同じ頃、サリィがヒイロと五飛を連れ、ピースミリオンに合流。再びガンダムパイロットたちが一堂に会することになり、その多くは、再会を喜ぶのでした。いよいよ、宇宙にて追い詰められたOZ宇宙軍。前回地球に帰還した一般兵以外にも残党がいたらしく、彼らはホワイトファングとの徹底抗戦を選択し、コロニーを占拠し住民たちを人質にとるという禁忌の行動に出ます。OZ宇宙軍が追い詰められているというのは、前回までの描写でよくわかるのですが、ここでヤキが回ってコロニー市民を人質にとるという行動に出させるのは、ストーリーの都合で悪手を打たせてるなぁという感が強い印象。それだけ追い詰められていることの表れでしょうが、これじゃあ仮にホワイトファングを押さえられたとしても、コロニー市民からの支持は絶対得られないもんねぇ。このようなOZ宇宙軍の横暴が繰り広げられていた頃、ピースミリオンで再会を果たしていたのが、ガンダムパイロットたち。相変わらずヒイロと五飛は塩対応でしたが、それでもデュオたちは喜んで駆け寄ります。久しぶりにヒイロとデュオの掛け合いも復活。こんな感じだったよなぁと、微笑ましくなりました。


OZ宇宙軍の横暴に対し、ミリアルドの回答はノー。主砲を準備させつつ、C421コロニーはと接近します。そんなホワイトファングの動き、そしてOZ宇宙軍の行為を知ったガンダムパイロットたちは、コロニーを救いに行くべきという者と、現時点で自分たちは大局を変えることはできないと考える者に二分。こうした中で、コロニーで人質に取られる市民の中にキャスリンの姿を見たトロワは、1人格納庫へと急ぎます。ミリアルドがOZ宇宙軍の作戦ごときにひるむはずもなく、彼は主砲を準備させつつリーブラをコロニー向けて発進。この彼の行動から、今回はその終盤まで「ミリアルドは主砲をコロニーに向けて撃ってしまうのか!?」という緊迫感が漂います。このシーンあたりのミリアルドとドロシーの様子は、勝利のためには多少の犠牲も厭わないというスタンスで、若干狂気じみている感じ。それを淡々とかつ冷静とやってのけているのが、さらにそれをより印象深いものにしています。このようなホワイトファングの行動、そしてOZ宇宙軍の行為に、どう対処するか判断が分かれるガンダムパイロットたち。ヒイロや五飛が静観を決め込む一方で、デュオとカトルはなんとかしなければとはやります。そうした中で、真っ先に飛び出したのはトロワでした。こんなときでも冷静にいられるのが、ヒイロと五飛らしいなという感じ。まあ五飛のほうは、アルトロンガンダムがまだ修理中だったので、出たくても出られないという事情もあったんだけどね…。


ガンダムヘビーアームズが改造中であるため、目についたウイングガンダムゼロで出撃したトロワ。最初こそ、C421コロニー周辺にいるトーラス部隊を次々に撃破していきますが、だんだんと幻覚症状が現れ、錯乱状態に陥ります。そんなとき、彼を追いかけてきたカトルのガンダムサンドロックが到着。カトルの必死の呼びかけにより、トロワはギリギリのところで正気を取り戻します。そしてそれと同時に、過去の記憶がフラッシュバックし、記憶をすべて取り戻すのでした。Bパート前半では、トロワの操縦によるウイングガンダムゼロの活躍が描写。他のガンダムパイロットと同じく、だんだんと幻覚症状に襲われますが、すんでのところで彼を救ったのが、カトルの呼びかけでした。多くのガンダムパイロットは、ウイングガンダムゼロに幻覚とともに“未来”を見せられましたが、トロワの場合見たのは“過去”。これにより、彼は完全に記憶を取り戻し、元通りになります。トロワだけが過去を見たというのは、ストーリー上何か意味があるのでしょうか。それとも、カトルの呼びかけが、今までとは違ったウイングガンダムゼロの反応を引き起こしたのか―?

 

トロワ「そうだな、カトル。俺たちには…守りたいものがあったんだな。」

 

コロニー外ではウイングガンダムゼロが、コロニー内ではデュオ/ガンダムデスサイズヘルが活躍したことにより、OZ宇宙軍の敗北が決定的な状況に。しかし、このような中でもリーブラはコロニーに接近しており、主砲を発射せんとしていました。シャトルでリーブラに接近するリリーナは、ミリアルドを止めようと必死になりますが、本人は発射を強行。しかし、狙っていたのはC421コロニーではなく、地球上のとある島でした。トロワのウイングガンダムゼロのおかげで、コロニー外部のトーラス部隊は全滅。内部の部隊も、潜入していたガンダムデスサイズヘルの活躍により大多数が撃破され、OZ宇宙軍の敗北は決定的なものになります。しかし、それでもリーブラの進行は止まりませんでした。過ちを犯そうとしている兄を止めるため、リリーナが通信で必死の呼びかけを行います。終盤では、久しぶりにミリアルドとリリーナのやり取りが描写。しかし、彼女の声が彼に届くことはありませんでした。もう覚悟を決めているミリアルドにとって、リリーナの言ってることは理想論だからなぁ。いよいよ主砲を発射するとなったときに、「こんなの神様が許すはずがありません!」と言ったのは、逆にいえばそうしたことでしかもう彼に反論できないことの表れですから、彼女は説得のしかたを誤った感があるよな…。こうしたやり取りの末、ついに発射されたリーブラの主砲。そのターゲットはC421コロニーではなく、地球上のとある島でした。宇宙側であるホワイトファングがコロニーを破壊するということは回避されたものの、先んじて相手のテリトリーに攻撃を仕掛けたミリアルド。これでもう、宇宙VS地球の構図は確定的なものになりましたね。お互い、もうあとには退けないぞ―!

 

 

 

第44話「出撃Gチーム」

1996年2月23日放送

登場した敵他:ビルゴⅡ

「だからお前(カトル)がやるんだ。その行動こそが、お前の宇宙に対する償いだ。」


STORY:リリーナの説得をもってしても、考えを変えないゼクスは、優先的にガンダムを排除するため、ピースミリオンに対して消耗戦を敢行した。出撃したヒイロを除くデュオらガンダムパイロットたちは、うすうすそのことに気づき始めるが、現状の彼らは連携をとる術がなく、新たなプログラミングを施されたビルゴⅡ部隊に追いつめられるのも時間の問題だった。この状況に一番危機感を抱いていたカトルに、ヒイロガンダムサンドロックにゼロシステムの一部を組み込んだ。かつての自分の過ちにさいなまれる彼のもとに、ドロシーの操るビルゴⅡ部隊が接近。デュオたちが苦戦を強いられる中、カトルはゼロシステムを使いこなすことができるのか!?

 

高性能化したモビルドール部隊を前に、ガンダムパイロットたちは勝てるのか?今回は、サブタイトル通り、ヒイロたちガンダムパイロット全員が出撃するお話。今まで何度か登場してきたビルゴⅡに、新たなる戦術プログラムが組み込まれ、それが強敵かつガンダムパイロットたちが乗り越えるべき障害として描かれる形になりました。今回主役であったのは、実質的にカトル。普段はそこまで押しが強い彼ではありませんが、ゼロシステムを使いこなしてやるという絶対的な信念と、この戦いを切り抜けるという強い意志が、彼に打ち勝つ力を与えていましたね。

 

前回、リーブラに接触したリリーナは、そのまま着艦しミリアルドと再会。彼を何とか説得しようとしますが、その話し合いは平行線に終わり、ミリアルドはガンダムを叩くべく、ビルゴⅡ部隊でピースミリオンに消耗戦を仕掛けます。ヒイロを除くデュオたちが出撃し応戦しますが、ビルゴⅡ部隊は新たな戦術プログラムを組み込まれており、その強さの前に大苦戦。デュオたちは何とか勝利するも、一度の戦闘だけで多大な損害を出してしまいます。序盤では、ミリアルドとリリーナのやり取りが挿入。リリーナはなんとか兄の過ちを正し戦闘を回避しようとしますが、それがミリアルド本人に伝わることはありませんでした。最初は頑なだったものの、リリーナの指摘を受けるに連れ、態度が軟化していったミリアルド。それは、兄の妹に対する情もあるのでしょうが、その他にも、彼女の論理(これはこれで理想論なのですが)に思うところがあり、言い返すことが出来なかったからという節も感じられました。ミリアルドには、まだ人間的な一面が残っているんだなということを感じさせてくれましたね。そんなミリアルドが、最大の脅威と感じているのが、ヒイロガンダムパイロット。物量面で彼らを上回るミリアルドらホワイトファングは、彼らに消耗戦を仕掛け疲弊させる作戦を取ります。投入されたビルゴⅡ部隊は、ガンダムエピオンのプログラムを参考にした戦闘プログラムが組み込まれており、さすがのデュオ/ガンダムデスサイズヘルも大苦戦を強いられるのでした。パワーアップしたビルゴⅡの強さはかなりのもの。装甲面が強化されたわけではないので、攻撃が効かないわけではないのですが、人間が考えるような戦術を駆使する戦闘スタイルに変更されており、今まで単独戦闘重視だったガンダムパイロットたちとは相性の悪いものでした。個々の力ではなく、連携で挑んできたミリアルド。考えてみれば当たり前の作戦ですが、その戦闘スタイルもガンダムパイロットたちと対になるものになっているのが、興味深いですね。

 

リーブラ内に部屋を与えられたリリーナに、ミリアルドを倒させ新たなる戦闘を起こさせようとけしかけるドロシー。しかし、その程度のあおりで揺らぐリリーナではなく、ドロシーはそんな彼女を軟禁状態にしてしまいます。同じ頃、ピースミリオンに戻ったデュオらは、ヒイロを交え今後の対応を検討。しかし、全員の意見がバラバラで、「ビルゴⅡ部隊を叩く」という点以外は共通しておらず。この有様にカトルは強い危機感を覚えます。そんな彼の表情を、ヒイロは見逃しませんでした。ドロシーのあおりに、やはり屈しなかったリリーナ。特に、ドロシーから「目的のためのミリアルド暗殺」示唆された際、彼女は最も強烈な抵抗を見せます。ここでの彼女は、きっと養父ドーリアンが暗殺されたときのことを思い出したのでしょう。さすがのドロシーも、これに気圧されていた点も見逃せません。一方、ピースミリオンでは、ウイングガンダムゼロを除くガンダム各機が修理中。ミリアルドが次も攻めてくることは容易に予想でき、また現状では消耗戦の末の敗北は濃厚と悟っていたヒイロを除くデュオらガンダムパイロットはあれこれ作戦を出し合います。しかし、何一つお互いで一致するものはなく、カトルはこのままでは勝てないと危機感を覚えます。このシーンにおける作戦会議は、どのキャラの提案も一理あるもの。今までのように、自分のこだわりだの戦闘スタイルだのを優先させずに考えているところが(五飛だけその節が少し残っているけど)、彼らがいかに追い詰められているかを物語っています。

 

リーブラが地球に接近するのに合わせ、ビルゴⅡ部隊が再びピースミリオンに接近。今度はガンダムエピオンも出現したため、ガンダムパイロット全員が出撃することにしますが、その際ヒイロは、ウイングガンダムゼロのシステム=ゼロシステムの一部を、ガンダムサンドロックに組み込みます。以前のトラウマがあり、最初はそれを使うことをためらっていたカトルでしたが、再び追い詰められるデュオたちを目の当たりにして、ついにそのシステムを使うことを決意します。ピースミリオン内で別行動を取っていたヒイロが、ここでようやく戦線に合流。しかしそれは、協力してビルゴⅡ部隊を迎え撃つためというよりかは、出撃してくるであろうガンダムエピオンを相手にするためでした。ヒイロが今まで別行動を取っていたのは、今のままでは自分たちは勝てないことをいち早く察知しており、ゼロシステムの調整を行っていたため。誰よりもガンダムパイロットが連携できていないことを問題視しているカトルに気づいていた彼は、そのゼロシステムの一部をガンダムサンドロックに勝手に組み込み、これを使って他のメンバーを統率しろと言い出します。カトルはウイングガンダムゼロに最初に乗ったメインキャラであり、同時に一番やらかしたことでトラウマを抱えているキャラ。その彼にゼロシステムを使わせるというのは、トラウマを乗り越えるという点と、他のガンダムパイロットに気後れせずに引っ張るという点の、2つの成長ポイントを与える形になっているのが、非常に面白いです。今回は、父が死亡した回と同じ位、彼にとって重要な一編であったと言っても過言ではないでしょう。そんなカトルは、最初こそゼロシステムに恐怖していたものの、徹底的に追い詰められるデュオたちを目にして、そのシステムの起動を決意します。

 

ゼロシステムを起動させたカトルは、強烈なリーダシップを発揮し、ガンダムパイロットたちを統率。これによりデュオたちの動きも明らかに変わり、戦局は大きく変わります。そして、戦いの末ビルゴⅡ部隊はほぼ壊滅状態。追い詰められたドロシーは、リーブラの主砲を発射させますが、大きな成果を得ることはできませんでした。強い決意と意志でゼロシステムを起動したカトルは、それにのまれることなくシステムを活用。今までとは全く違うリーダーシップを発揮してガンダムパイロットたちを指揮し、戦況を一気に覆します。そしてその末に、この戦いにおけるビルゴⅡ部隊のバックには、システム意外に操っている人間がいることを察知します。その正体はドロシーでした。Bパート後半で、デュオたちは形勢逆転。動きが良くなるカトルたちに爽快感を覚えると同時に、追い詰められることで初めて『W』の物語上で挫折を味わうドロシーの姿に注目させられます。カトルの指揮の前にビルゴⅡ部隊がほぼ壊滅すると、錯乱していきなりリーブラの主砲を発射しろって言い出すんだもんなぁ。絶対に安全な位置からあれこれ言っているときは強気に見える彼女ですが、本当の彼女はそんなに強い人間ではないんですね。そして、発射されるリーブラの主砲。ピースミリオンや各ガンダムはギリギリのところでこれを回避し、それなりの損害を出したものの直撃を避けることに成功。対するリーブラは大きく損傷してしまい、ミリアルドはヒイロウイングガンダムゼロどの戦闘を中止して、リーブラに戻らざるを得ませんでした。ドロシーのせいで、割を食うことになったミリアルドらホワイトファング。ここで初めて、彼らに綻びが見え始めた感じがします。ヒイロの言うとおり、このままではミリアルドにプラスの未来は無いように感じられますが…どうなんだろう。

 

ヒイロゼクス(ミリアルド)。ゼロの予測に、お前の未来はない。エピオンの予測は違うのか―?」

 

 

 

第45話「決戦の予感」

1996年3月1日放送

登場した敵他:メリクリウス、ヴァイエイト、ビルゴⅡ、ビルゴ、トーラス

「どんなに上手く真似しても、しょせんはお人形さんなんだよ!人形ごときに負けてて、ガンダムパイロットが務まるか!」

 

STORY:リーブラが打撃を受け、ホワイトファングの動きが沈静化したことで、ピースミリオンにつかの間の休息の時が訪れたが、ホワイトファングもロームフェラ財団&OZも軍備増強を図っており、決戦の時は迫っていた。そんな中、ヒルデが輸送船のパイロットに変装してリーブラに潜入。リーブラの各種データをコピーし脱出した。これに気づいたホワイトファングは、ピースミリオンの攻撃を兼ねた追加の部隊として、モビルドール化されたメリクリウスとヴァイエイトを放つ。そこには、ヒイロとトロワの戦闘データが!ボロボロになるヒルデを救出に駆け付けたデュオ/ガンダムデスサイズヘルは、この2機に勝つことができるのか!?


サブタイトル通り、来る決戦の時に備え、宇宙側と地球側がそれぞれ軍備を拡大しているさまが描かれるお話。しかし、それは序盤にちょろっと描かれるのみで、基本的にはリーブラに潜入したヒルデ、そして彼女を追撃するメリクリウス&ヴァイエイトとの戦闘に重きが置かれていました。メリクリウスとヴァイエイトには、それぞれヒイロとトロワの戦闘データがコピーされているため、間違いなく強敵だし、使いようによってはストーリーを大きく動かすこともできうる存在ですが、今回の終盤であっさりデュオに倒されてしまう形となりました。ちょっともったいない感じもするけど、この思い切りの良さ、嫌いじゃないですね。彼に力を与えたのは、やっぱり…ヒルデを思う気持ちなのかな。


前回、主砲を無理に発射したため、多大な損害を出したリーブラ。そのおかげで宇宙での戦闘も沈静化し、つかの間の落ち着きを取り戻します。しかし、そのままぼーっとしているピースミリオン・ホワイトファング・財団&OZではなく、各陣営態勢の立て直しと軍備の再拡充を行っており、決戦の時は確実に近づいていました。このような状況下で、ガンダム討伐にはやるカーンズは、優先的にヒイロガンダムパイロットたちを叩くことを進言し…。一番軍拡を活発化させていたホワイトファングが静かになったことで、しばしの平穏を取り戻した宇宙。しかし、それは嵐の前の静けさともいうべき状態であり、各陣営準備を進めていました。Aパート前半では、ピースミリオンガンダムパイロットたち)・ホワイトファング・財団&OZの様子が描写。特に活発に準備を進めていたのが財団&OZであり、資源衛星MO2に大規模拠点を設立し、モビルスーツを大量に搬入していました。MO2に対し、割と堂々と兵器をシャトルで輸送していく財団&OZ。通常であれば、宇宙にいるホワイトファングが黙っているはずがないのですが、「リーブラの修理に注力していてそこまで手が回らない」という設定をキチンと挿入していたのがGoodでしたね。


リーブラに近づく輸送船。中に乗っていた女性パイロットの正体は、あのヒルデでした。彼女は上手くリーブラに潜入し、コンピュータールームに侵入してそのデータのコピーに成功。脱出を図る道中で、ドロシーと行動を共にするリリーナを目撃します。リリーナが見せられていたのは、モビルドール化された、かつてヒイロとトロワが乗っていた、メリクリウスとヴァイエイトでした。その後、ドロシーが離れたことでリリーナと接触し、宇宙への脱出にも成功したヒルデでしたが、ホワイトファングに気づかれてしまい追われるハメに。ドロシーの進言も受けて、カーンズが出撃させたのは…。再びデュオと行動を別にすることになったはずのヒルデが、ここで再登場。輸送船を使ってる単独で潜入しただけでなく、楽々とコンピュータールームに侵入して情報を奪取し、そのまま脱出準備に入ります。いくらヒルデが、かつてOZの志願兵として最低限の訓練を受けていたとはいえ、このあたりの潜入のスムーズっぷりはちょっとやりすぎな印象。ホワイトファングが、一般人の寄せ集め部隊ならまだわかるけど、彼ら一応元OZ宇宙軍のはずだからなぁ…。こうして脱出を図るヒルデが偶然目撃したのは、格納庫でドロシーからモビルドールの説明を受けるリリーナの姿。彼女たちの前にあったのは、かつてウイングガンダムゼロのデビュー編で登場した、メリクリウスとヴァイエイトでした。メリクリウスとヴァイエイト、まさかのここで再登場。しかも、モビルドール用に再製造したのではなく、かつてあった機体を回収して改造したらしい。ええ、あれだけ大破してたのに、修復できたの!?


ホワイトファングが派遣していた、先行のビルゴⅡ&ビルゴ部隊が、ピースミリオンの防衛ラインに接触。これによりヒイロたちガンダムパイロットも出撃します。連携することを覚えた彼らは、決して余裕がある状況ではないものの、優勢で戦闘を展開。しかしその時、どこかからかすれた無線通信が入電します。その通信の主こそヒルデ。彼女の叫びを聞いたデュオは、カトルの勧めもあり、無線の発信ポイントへと向かいます。Bパートより、本格的な戦闘描写が挿入。まず、ガンダムたちとカーンズが派遣した先行のビルゴⅡ&ビルゴ部隊が戦いますが、カトルをリーダーとした連携攻撃を行うガンダムパイロットたちは、そこまで押されずに戦闘を展開します。ビルゴⅡのもともとの攻撃力が高いので、余裕ではないものの、今回は前回に比べるとかなりスムーズに戦いを進めていたガンダムパイロットたち。このあと、デュオ/ガンダムデスサイズヘルが離脱しなければ、さらに早い段階で部隊を全滅できていたことでしょうね。ガンダムパイロットたちもしっかり結束してたし、なんだよ君ら、やればできるじゃん!


ヒルデのトーラスと合流したデュオが目撃したのが、メリクリウスとヴァイエイト。ヒルデの発言により、それらにヒイロたちの戦闘データが組み込まれていることを知った彼は、一度は戦慄したものの、果敢に挑戦していきます。一度は追い詰められたガンダムデスサイズヘルですが、「モビルドールに人間は負けない」という強い意志で、次々に2機を撃破し逆転勝利。同じ頃、ヒイロたちもビルゴⅡ&ビルゴ部隊を全滅させていたことから、今回のカーンズの作戦は完全に失敗に終わるのでした。終盤で、デュオがメリクリウスとヴァイエイトに遭遇。それぞれにヒイロとトロワの戦闘データが組み込まれていましたが、強い意志に突き動かされるデュオの敵ではありませんでした。終盤で、今回の目玉とも言える、ガンダムデスサイズヘルVSメリクリウス&ヴァイエイトの戦闘が挿入。その気になれば、最強クラスの敵として数話は引っ張れそうなものですが、なんとどちらもデュオの手で倒され、退場してしまいます。デュオはガンダムパイロットの中でも、特に感情を露わにするタイプであるため、メリクリウス&ヴァイエイトを相手にしたときのある種の恐怖、そしてそこからの立ち上がりがしっかりと視聴者にも伝わるのはGoodでしたが、せっかく強敵として復活したんだから、メリクリウス&ヴァイエイトはもう少し活躍してほしかったかな。そんなデュオの戦闘と時同じくして、ヒイロたちもビルゴⅡ&ビルゴ部隊を撃破。カーンズの作戦は失敗に終わります。結局、今回のカーンズの作戦は、ホワイトファングの戦力をムダに消耗しただけ。ピースミリオンを叩いたうえで財団&OZの戦いに臨みたい気持ちはよくわかりますが、もう少し足元を固めてから行動に出るべきでしたね。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第46話と第47話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。あくまで地球への進路を突き進むリーブラ。それに立ち塞がるピースミリオン。巨大な両者の激突は、更なる悲劇を生み出そうとしている―。

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