お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-14(第40~42話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第14回目です。

 

物語も40話台に突入。引き続きホワイトファングがその勢力を増し続け、さらにそちら側にミリアルド(ゼクス)が加入することから、ヒイロたち・OZ・トレーズ・ホワイトファングという、四つ巴の戦いへと突入していきます。なかなかカオスな状況になっていますが、不思議と視聴者に混乱を与えないのは、各陣営に所属するメインキャラたちが非常に濃いから…なのかな。

 

なお、前回(第37~39話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第40話「新たなる指導者」

1996年1月26日放送

登場した敵他:ビルゴ、リーオー、トーラス

「リリーナ…。ロームフェラの中にあるお前は、やはり偽りの平和しか生み出していない!」

 

STORY:急速に宇宙で勢力を拡大するホワイトファングの一方で、ロームフェラ財団上層部では、リリーナとデルマイユ公爵の間では亀裂が生じ始め、財団の大多数は前者につこうとしていた。そんな彼女を、新たなる戦闘を招く種だとして、排除を決意するヒイロ。財団総会に潜り込んだ彼は、銃の引き金を彼女に向けて引いてしまうのか?同じ頃、宇宙では、孤独な戦いを続ける五飛/アルトロンガンダムが、ホワイトファングと交戦。しかしこの戦いの様子は、ホワイトファングの地球への宣戦布告に利用されてしまう。その宣戦布告の際、ホワイトファング代表として現れたのは―!

 

サブタイトル通り、財団とホワイトファングがそれぞれ、自分たちにとっての新たなる指導者を得ることになる一編。前者が選んだのはリリーナ(地位的には以前からトップではあったけど)であるのに対し、後者が選んだのは彼女の兄であるミリアルド(ゼクス)でした。そうした両者のぶつかり合いも激しくなり、デルマイユ公爵もその中で戦死してしまう等、こちらの面でも大きな動きがあった今回ですが、そうした戦局に対し、ヒイロたちガンダムパイロットが、どちらかと言えば一歩引いたところにおり、状況を俯瞰して見れているのがポイント。地球・宇宙ともに戦闘を選択した現状の中で、彼らはこれからどう立ち回っていくんだろう。

 

世界統一国家樹立を名目にし、抵抗する世界各所のゲリラ狩りを開始したOZ。もちろんゲリラも全力で抵抗していましたが、ビルゴの前に押されつつありました。そんな中、財団本部へ向かっていたヒイロウイングゼロガンダムが、あるゲリラの戦闘に介入。火星に感謝するゲリラでしたが、ヒイロは彼らに対し一言も言わず、先を急ぐのでした。序盤では、ハワードの解説を通した、現在の戦局の勢力図の説明が挿入。現在宇宙は、地球(財団&OZ)・ホワイトファング・OZ宇宙軍・ハワードらピースミリオンの4つにわかれており、その周囲から一歩引く形で、各ガンダムパイロットやコロニー市民たちがいることが語られます。ハワードの解説で注目したいのが、彼らはOZとOZ宇宙軍を似て非なる存在と捉えていること。OZ宇宙軍は、別に地球のOZと対立しているわけではありませんが、独自の軍拡等を行ってますし、確かに地球のOZとひとまとめに考えるよりかは、別個のものと考えたほうが良いでしょう。このようなハワードの解説のあとは、地球でのOZとゲリラの戦いが描写。途中でリリーナ暗殺に向かうヒイロウイングガンダムゼロが介入し、ここでの戦闘はゲリラの勝利に終わります。勝手に感謝し、ガンダムを味方だと思い込むゲリラたちの前から、無言で立ち去るヒイロ。無言で無愛想なのは、もともと彼の性格ですが…ここでの彼は、ある種のむなしさも感じていたのではないでしょうか。

 

上層部のみを集め、今後の方針を検討する財団。デルマイユ公爵は相変わらず武力による牽制を主張しますが、上層部内の多くはリリーナの提唱する完全平和主義に傾き始めており、彼の味方をする者は誰もいませんでした。ドロシーの提案もあり、彼はOZ宇宙軍の前線指揮にあたることを選択しますが、宇宙では想像以上にホワイトファングが勢力を伸ばしていることを、彼はあまり重視しておらず…。『W』中盤より、財団の中核として動いてきたデルマイユ公爵も、いよいよ終わりのときが。彼がいい傀儡として据えたはずのリリーナは、予想以上に財団内での支持を獲得し、逆に彼はどんどん信頼と権力を失っていきます。傍から見ると、完全にリリーナを中心に財団は結束しつつあるのですが、そこから蚊帳の外にされたデルマイユ公爵が、「財団の和を乱している。排除しなければ!」という姿勢を見せているのが、なんとも滑稽です。いやいや、財団の和を乱してるのは、今ではアンタじゃんって感じですよね。そんな彼は、ドロシーの勧めもあり、OZ宇宙軍の指揮官として自らその先頭に立つことに。そのため、財団総会を欠席してまで急遽宇宙へ向かいますが、宇宙では偶然にも、ホワイトファングによる宇宙要塞バルジの襲撃作戦が開始。デルマイユ公爵のシャトルはそれに巻き込まれ、戦死してしまいます。デルマイユ公爵死亡退場の原因は、完全にドロシーの意見によるもの。しかし、彼女もホワイトファングの襲撃までは予想していなかったようですから、このときの彼女は、デルマイユ公爵を財団総会の場から排除し、リリーナの意見を満場一致で通させる目的があったのでしょう。そんなドロシーの意見に対し、ホイホイ乗ったデルマイユ公爵。いくら彼女の真意を知らず、また孫娘であるがゆえ信頼していたとはいえ、このタイミングで自身が財団中枢から身を引くのは、その立場が危うくなる可能性も容易に想像できる気がしますが…OZ宇宙軍と組んで、一旗揚げる気でもあったのかなぁ。

 

ウィナー家の資源衛星に潜伏していたデュオたちは、ハワードの接触をきっかけに、彼と行動を共にすることを決定。同じ頃、ホワイトファングの本拠地:リーブラは、五飛/アルトロンガンダムの奇襲を受けていました。自身の正義を貫き、ホワイトファングの存在もまた悪と考えるがゆえの行動でしたが、あと一歩のところでリーブラのビーム砲を起動され、機体を大きく損傷してしまいます。しかも、この戦いの一部始終を録画されており…。宇宙要塞バルジの襲撃のため戦力を割くホワイトファングは、そのせいでリーブラの護衛戦力が手薄に。このタイミングで、これを知ってか知らずか襲撃してきたのは、五飛/アルトロンガンダムでした。アルトロンガンダムはモビルドール相手に奮闘し、ホワイトファングの戦力をある程度削ぐことに成功しますが、リーブラのビーム砲を受け、機体を損傷。離脱を余儀なくされます。五飛、そして視聴者から見れば、OZもホワイトファングも似たようなもの。本拠地と戦う目的が違うだけで、その組織体制や目指す支配体体制はほぼ同じなんですよね。それ故に五飛はホワイトファングにも牙をむくのですが、そうした現状に本当に気づいていないのか、あるいは目をそらしているのか、カーンズたちが誰一人として五飛の考えに理解が及ばず嘆いているのが、ある意味滑稽です。そして、挙げ句の果てには、アルトロンガンダム排除のため、自軍のモビルドールを犠牲にしてまでリーブラのビーム砲を発射。いよいよホワイトファングは、本当に「立場が違うだけでやっていることはOZと一緒」になってしまいました。彼らがその愚かさに気づく日は来るのかな。いや、このぶんだと、おそらく最終決戦までこのまんまだな…。

 

五飛「人形とはいえ、味方の損害も構わず敵を撃つか!?同じだよ貴様ら。それではOZと変わらない。宇宙に必要無き存在だ!」

 

ドロシー等からの支援も受け、財団総会に出席し、自身の考えを語るリリーナ。ヒイロは近衛兵として潜入しており、彼の存在にリリーナも気づいていましたが、彼女は彼に殺される覚悟で、引き続き演説を行います。リリーナの演説、そして彼女に賛同する財団の多くを見た結果、ヒイロは彼女を殺さない選択をします。こうして、地球は新たなる道を進み始めるかに思われましたが、直後ホワイトファングからの宣戦布告が入電します。その指導者として登場したのは、なんとミリアルドでした。五飛の戦いと同時並行で描かれていたのが、財団総会の様子。リリーナは自身の考えと理想を語り、また自身を暗殺せんとするヒイロの存在に気づきますが、直後エリッジ公爵をはじめとする財団の構成員たちから多大な支持を得ます。そのさまを見たヒイロは、リリーナ暗殺を取りやめるのでした。本当にギリギリのところで、リリーナの暗殺を中止したヒイロ。シーン構成やセリフ的に考えれば、財団内で支持を集めるリリーナのさまを見た彼が、彼なりに彼女に賭けてみることにした…というふうに捉えられますが、実際のところどうなのでしょう?ちょっとリリーナに対する情が入った感じがあるのも、否めないよねぇ。このように、リリーナが暗殺されずよかったよかった…と思われた最後の最後で挿入されたのが、ホワイトファングによる地球への戦線布告。カーンズがそのメインを担当する中、終盤にホワイトファングの代表として登場したのは、ミリアルドでした。結局、ミリアルドはホワイトファングに身を置くことに、ヒイロが言うとおり、この行動は、彼がエピオンを通じて見た未来ゆえのことだった…のかなぁ。そう語り、ミリアルドと敵対する意思を明確にするヒイロは、ウイングガンダムゼロからどんな未来を見てるんだろうか―。

 

ヒイロゼクス。エピオンが見せた未来から、お前はそれを選んだか。ウイングゼロが見せた未来から、俺が選んだのは…これだ―(と、指鉄砲でミリアルドを撃つ)。」

 

 

 

第41話「バルジ攻防戦」

1996年2月2日放送

登場した敵他:ガンダムエピオン、ビルゴ、ビルゴⅡ、トーラス、リーオー、エアリーズ

「あの子、少し変わったみたいね。前は、研ぎ澄まされたナイフのように、近寄りがたかったけど―。」

 

STORY:地球にて、トレーズによるロームフェラ財団の政変が起きていた頃。宇宙では、OZとホワイトファングの、宇宙要塞バルジを舞台にした戦闘が始まっていた。ここでの戦闘が宇宙での主導権を握ることから、両者一歩も譲らず、OZは一般コロニーの被害を無視してバルジ砲を発射する。その行為の前に、ミリアルドとの接触を図るデュオたちは、戦慄するのだった。そして、ホワイトファング殲滅を狙う宇宙要塞バルジは、今再びバルジ砲の発射準備に入った。ガンダムデスサイズヘルでも、ガンダムサンドロックでも間に合わないこの状況下で、宇宙要塞バルジにとどめを刺したのは、あのガンダムエピオンだった。

 

財団に政変が起き、リリーナが女王の座を追われるというなかなかの展開が挿入されていたものの、基本的にはサブタイトル通り、宇宙でのホワイトファングとOZによる攻防戦がメインとなった今回。デュオたちがガンダムエピオンのパイロットがミリアルドであることを知って愕然とし、さらに宇宙要塞バルジをたった一太刀で落としてしまうという途方もない強さに戦慄するさまが、まざまざと描かれていました。ガンダムエピオンに乗っているときのミリアルドは、若干イッちゃってる感じ。やはり彼は、まだガンダムエピオンを乗りこなし切れていない…のか?また、今回よりようやくOPが一新。物語も40話台に突入し、いよいよ最終決戦の予感をさせてきてくれています。

 

ホワイトファングは、大規模なモビルドール部隊を組織し、宇宙に向けて発進。向かった先は、宇宙要塞バルジのある宙域でした。OZもホワイトファングの接近を察知していたようで、大量のトーラスを取りそろえ、防衛ラインを突破されたと同時に戦闘を開始、ホワイトファングとOZの、一大決戦が始まります。月面基地を失っているOZにとって、宇宙要塞バルジは宇宙最後の砦であり、ここでの対決を制したものが宇宙の主導権を握るというのは、誰の目にも明らかでした。前回ちらっと触れられていた、「ホワイトファングが大部隊を宇宙要塞バルジに向けて派遣している」というのは、これのこと。ホワイトファングはビルゴの他、ツバロフ特佐の残した設計図をもとに改良したビルゴⅡを実戦投入し、OZに決戦を挑みます。対するOZが放ったモビルドールは、トーラスでした。序盤では、OZの視点から見たバルジ攻防戦の始まりが描写。攻められる立場からの視点になっているため、戦闘開始時の緊迫感がハンパなくてGoodです。そうして始まった戦闘は、先述の通り、主にビルゴ&ビルゴⅡVSトーラスの戦いに。いくらトーラスが可変型モビルスーツ(モビルドール)で、かつ宇宙での機動性ならビルゴに勝るとは言えども、OZ側が1機もビルゴを持っていないのは、少し不自然な印象を受けます。月面基地を失って以降、ろくな補給も受けられてなかった結果なのかな…(地球から宇宙への輸送ルートを、ホワイトファングが押さえていないとは思えないし)。

 

地球にて着実にOZの前線基地を破壊していたヒイロウイングガンダムゼロは、ある基地でサリィと再会。彼女が持ってきたのは、ようやく修理を終えたガンダムヘビーアームズでした。トロワの居場所が分かったことを知った彼は、サリィの勧めどおり、ガンダムヘビーアームズを持って宇宙へ行くことを決断します。同じ頃、財団本部では、トレーズがトレーズ派を率いて中枢部を占拠。あっという間に制圧を完了してしまい、リリーナは女王の座を追われるハメになるのでした。今回も、ストーリー展開の都合上ヒイロの出番が少なくなるため、彼の活躍はAパート後半の地球側での描写に集中。サリィと再会した彼は、途中敵の追撃を受けたため明確な返事はできなかったものの、宇宙へ出て戦いに身を投じるとともに、トロワのもとにガンダムヘビーアームズを届ける決意を固めます。サリィの言う通り、この彼の判断は、序盤の彼からでは想像できなかったようなもの。以前から何度も触れていますが、やはりヒイロ自身もまた、この戦いを通して心を成長・変化させてきたと言えるでしょう。そんな彼の一方で、新たなる時代の流れに翻弄されていたのがリリーナ。彼女がほとんど気が付かない間に、財団本部はトレーズおよびその配下のトレーズ派の兵士たちによって制圧され、トレーズが財団のトップに立つことを宣言。リリーナはあっという間に本部から追い出される格好になってしまいます。わずか2分ほどで、あっという間にトレーズの手に落ちた財団本部。あまりに描写がさっぱりしすぎてており、戸惑いのあまりちょっと笑っちゃいました。トレーズの入念な準備による賜物なのか、それとも単に財団本部の防衛力が低すぎたのか、どっちなんだ?

 

宇宙要塞バルジでの攻防戦は、ホワイトファングのやや優勢で進行。そんな中、デュオ・トロワ・カトルは、どうしてもミリアルドに会いたいと考えるノインの護衛に当たるため、危険を承知でこの宙域に侵入していました。そして、案の定OZと接触し交戦状態に。そんな中、ガンダムエピオンが現れ、OZだけでなくデュオたちにまでその牙をむきます。ガンダムエピオンのパイロットがヒイロではないとデュオが直感した直後、宇宙要塞バルジよりバルジ砲が放たれて…。デュオたちサンクキングダム側にとって、今回のバルジ攻防戦は、直接的にはあまり関係のないもの。しかし、ノインのどうしてもミリアルドに会いたいという希望から、その争いの真っただ中に、彼らは突入していくことになります。ノインの要望はムチャなものなのですが、本人もそれを自覚しており、またデュオら周囲の人間たちも、それに理解を示して協力しようとしているのがいいポイント。彼らの絆の強さが感じられましたね。こうして戦場に突っ込んでいった彼らが目の当たりにしたのが、かつてヒイロが乗っていたガンダムエピオン。その攻撃するさま等から、パイロットはヒイロではないと直感しますが、実際のパイロットがミリアルドだったという事実には、さすがの彼らもショックを受けます。ミリアルドの決断を、デュオたちが知った瞬間。このときのミリアルドは、若干狂気じみており、ガンダムエピオンに飲まれている節も感じられます。このような状況下で、彼らをさらに襲ったのが、バルジ砲。各機全速力でその場を離脱したので、被害は免れますが、それはホワイトファングのモビルドール部隊の戦力を大きく削ぎ、そして周囲の一般コロニーに被害を与えています。トロワがトーラスで向かうも間に合わず、損傷してしまった一般コロニー。これで、一般市民からの印象面でも、OZはさらにその信頼を失うことは必至ですね。

 

宇宙要塞バルジは再びバルジ砲の発射準備に入り、デュオとカトルはその阻止に奔走。しかし、両者の機体性能をもってしても、なかなか宇宙要塞バルジにたどり着けません。彼らよりも先に現地に到着したのは、ミリアルドのガンダムエピオンであり、その一太刀で、宇宙要塞バルジの指令室どころか、宇宙要塞バルジそのものを一刀両断して破壊。これにより、宇宙の主導権はホワイトファングの手に渡ることになりました。終盤では、再びバルジ砲を撃たんとする宇宙要塞バルジを、何とか食い止めようと必死に行動するデュオたちの姿が描写。彼らに比べて機動力で劣るノインのトーラスは、ガンダムエピオンを羽交い絞めにして動きを封じ、ミリアルドの本心を訊きだそうとしますが、結局それは振りほどかれてしまい、宇宙要塞バルジにとどめを刺したのは、そのガンダムエピオンでした。ガンダムエピオンは、ビームサーベルのみで宇宙要塞バルジに突進。司令室部分を破壊しそれで終わるかと思いきや、そのまま下へ下へとビームサーベルの太刀筋を進め、宇宙要塞バルジそのものを真っ二つにしてしまうということをやってのけてしまいます。その大規模な攻撃には仰天。パワーバランスどうなってんの?とツッコミたくなりましたが、ガンダムエピオンはウイングガンダムゼロと同等の力を持っており、そのウイングガンダムゼロは単独でコロニー1つを破壊することができるだけの力を持っている設定ですから、一応設定上矛盾はないんですよね。しっかし、これで宇宙の主導権はホワイトファングが握ることになり、自然と宇宙/ホワイトファングVS地球/財団&OZという構図が出来上がっちゃったなぁ。どちら側にもつくはずのないヒイロたちガンダムパイロットは、これからどう立ち回るんだろう。

 

 

 

第42話「リーブラ発進」

1996年2月9日放送

登場した敵他:トーラス、ビルゴⅡ、リーオー、

「それが俺の未来か。やはりアイツ(ヒイロ)ら…アイツらと同じになるんだ!」

 

STORY:ミリアルドとトレーズは、それぞれ自身の組織の結束力を強め、抵抗する勢力を押さえたことで、宇宙・地球での支配力を強め、両者の対立はピークに達していた。そうした中で、五飛は己の正義を貫くため、アルトロンガンダムで孤独な戦いを続ける。ホワイトファングのビルゴⅡ部隊の攻撃の前に損傷し、ピンチに陥る彼だったが、そこへ現れたのがヒイロたちだった。再び敵が出現するとき、ヒイロは五飛にウイングガンダムゼロに搭乗するよう誘導し、実際に搭乗した五飛は、それによる戦いの中で、己の未来を見るのだった。同じ頃ミリアルドは、リーブラが完成したこともあり、“人類最後の戦争”を行うべく、トレーズに挑戦状をたたきつけた―!

 

五飛、ついにヒイロたちに合流か?今回のお話は、サブタイトル通り、ホワイトファングのリーブラが完成し、それによりホワイトファングの動きがさらに活発化するお話に。しかし、それ以上に重きが置かれていたのが、五飛の実質的なヒイロたちへの合流のさまでした。あのままでは絶対にヒイロたちと同じ道を行きそうにない感じだった彼を、1話にしてヒイロたち側に引き寄せるのは、かなり力技な展開だなと感じましたが、その根拠に、搭乗した者に未来を見せるウイングガンダムゼロの特性を上手く利用していた巧みでしたね。5人のガンダムパイロットの集結ももうすぐだな。そして、地球VS宇宙の最大の戦争の始まりも…。

 

前回、ガンダムエピオンをはじめとするホワイトファングにやられた宇宙要塞バルジ。生還者のほとんどがようやく地球に帰還しますが、その数はわずかであった上、中には昏睡状態のレディ・アンもいました。意識が持たない彼女を見舞ったトレーズは、自分の考える世界の統一と平和を実現するため、財団全体に向けた演説を開始。それを中継で視聴していたミリアルドは、彼にある種の失望を覚えます。冒頭では、トレーズをはじめとする地球のロームフェラ財団&OZの様子が描写。宇宙要塞バルジがあれだけハデなぶっ壊れ方をしたにもかかわらず、生存者が18名いることにまず驚きですが、彼らとは別に昏睡状態のレディ・アンもいたことに、さらにビックリしました。ツバロフ特佐からの銃撃を受け、てっきり死んだものだと思っていましたからね。地球に戻ってきた彼女が、今後目覚めることはあるんだろうか…。そんな彼女を見舞ったトレーズは、水面下で地球にいる自分たちへの抵抗勢力を着実に鎮圧。そして、リリーナとは違う視点からの世界国家樹立の必要性を人々に訴えかけますが、演説で語った内容は、彼の本心ではありませんでした。地球の結束を確実なものとするため、一種の茶番を演じたトレーズ。世界を統一し、平和を実現するという思想は悪くないけど、そのためには相手の排除も厭わないというのは、悲しい考え方でもありますよね(これはミリアルドにも言えることですが)。

 

宇宙で生き残っていたOZの一個小隊は、地球のトレーズに合流すべくその道を急いでいましたが、ホワイトファングのモビルドール・ビルゴⅡ部隊と接触。戦闘になり劣勢を強いられます。そうした中で、突然戦闘に介入してきたのが、五飛/アルトロンガンダム。機体を大きく損傷させながらもビルゴⅡ部隊の大半を排除するその姿に、OZの一個小隊は本当の戦士の在り方を見、最後に残ったビルゴⅡ部隊を特攻により排除。これにより戦闘は終結します。今回のヒイロたち側の主役は五飛であるため、Aパート後半より前面に登場。アルトロンガンダムで果敢にビルゴⅡ部隊に突撃し大多数を撃滅しますが、それ相応の被害も食らってしまいます。ビルゴⅡは、現状『W』において最新式のモビルドールであるため、強く、五飛が苦戦するのも無理はないこと。ですが、この直前に「お前らは弱すぎる!」・「それでは倒せんぞ!」と煽った結果これですから、なんとも言えない気持ちになりました。直前のセリフとイマイチ噛み合ってないんだよなぁ。まあ、だからといって、そのシーンで五飛に弱音を吐かせるのは、彼らしくない感じになっちゃうけど…。そうした自ら敵陣に突っ込み、己の正義を貫く五飛のさまに刺激を受けたのが、OZの残存兵。そこに兵士としてあるべき姿を見た彼は、武装が残されていないことから、ビルゴⅡ部隊に特攻し、その命と引き換えに部隊を全滅させます。初めて登場した、ガンダムに共感するOZ一般兵。これは、OZの人間たちも変わることができるということの表れ&におわせ…なのか?

 

傷ついたアルトロンガンダムの前を通ったのは、ヒイロとサリィの乗るシャトル。彼らはピースミリオンと合流しようとしており、五飛も誘いますが、彼本人がそれを良しとするはずがありませんでした。そんな中、再びモビルドール・ビルゴⅡ部隊が出現。出撃をはやる五飛に対し、ヒイロは彼にウイングガンダムゼロに乗って出撃するよう差し向けます。ヒイロの発言に乗り、ウイングガンダムゼロを駆る五飛は、その戦いの中で自分の未来を見るのでした。Bパートからはヒイロたちも登場し、さらに五飛がウイングガンダムゼロに乗るという、ちょっと予想していなかった展開が挿入。精神的にタフで、また己の確固たる信念を持つ彼は、ウイングガンダムゼロのシステムに飲まれることはありませんでしたが、見せられた未来に衝撃を覚えます。五飛が見た幻影は、立ちはだかるトレーズや、襲いかかってくるウイングガンダムゼロとミリアルド。そして戦いの末、彼はどんな未来を選ぼうともヒイロたちとの協力が必要であることを実感し、ヒイロと行動を共にすることを決意します。肝心の五飛の決意の部分は、わざと視聴者から見て彼が何を見せられたのかわからない形に。ちょっとモヤッとしないでもないですが、これはこれでいい描写だと感じます。こうすることで、彼がどんな未来やそこまでの過程を見せられたのか、想像が膨らみますからね。

 

帰投した五飛は、完全に仲間になったわけではないものの、ヒイロたちと行動を共にすることを決意。そんな中、リーブラを完成させ戦力の基盤を固めたホワイトファングより、ミリアルドの演説の中継が入ります。彼のこの行為により、地球と宇宙の対立は明確になり、両者来る戦争に向けての準備に突入。不穏な空気が流れるこの状況下で、ドロシーは独断でミリアルドと接触を図っていました。リーブラを完成させたホワイトファングは、勢いづく形でミリアルドの演説を全世界に中継。そこでミリアルドは、宇宙に生きる人類の正当性を語り、地球との対立を明確にします。「戦争の根絶は、もはや国家を統一するなどというレベルの問題ではない!人類の在り方に、帰結する問題なのだ。」という話から始まり、地球に住む人々を痛烈に批判するミリアルド。なんだか、『Z』とかでも観たような展開になってたなぁ。そんな彼に、真っ向から反論するサリィがいい味出していた一方、突然接触を試みてきたのがドロシー。彼女の挑戦的な態度に、ミリアルドは彼女をリーブラへと迎え入れます。戦いを求め、そこに身を置こうとするドロシー。彼女はこの戦いに、ミリアルド側の勝利の可能性を感じ取ったのでしょうか―。

 

サリィ「彼と戦うしかないわね。少なくとも私たちは、もう少し人類という生き物を、買いかぶっているわ。」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第43話から第45話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。リーブラに潜入し、艦内データを密かに手に入れたヒルデ。だが、脱出したヒルデを、モビルドール化されたメリクリウスとヴァイエイトが追撃する―!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

新機動戦記ガンダムW』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

ガンダムW』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Twitter Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!

Twitter https://twitter.com/CTF_bongore_A

Instagram https://www.instagram.com/bongore200706/