お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-5(第13~15話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第5回目です。

 

前回より出番が極端に減少していたヒイロですが、今回より再びドラマにかかわってくるように。しかし一方で、未だにウィングガンダムは失われたままであるため、「主人公は活躍しているのに主人公機がほとんど出てこない」という、「ガンダムシリーズ」としてはかなり異質なドラマ展開がなされます。その分、人間としてのヒイロや、その他パイロットたちの活躍に重きを置いているのは面白いんだけど、いささか突飛なところもあったかな…。

 

なお、前回(第10~12話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第13話「キャスリンの涙」

1995年6月30日放送

登場した敵他:トールギス、キャンサー、エアリーズ、リーオー

「貴様らそれでもOZの将兵か!? そのような横暴、いや下等な思い上がり、恥を知れ!」

 

STORY:ゼクストールギスの訓練に励む中、OZ内部では、ノインの教え子である将兵:アレックスとミュラーが、OZという後ろ盾と大義を曲解し、旧連合軍に対し横暴の限りを尽くしていた。ノインの元いた基地のささいなことに不満を持ち、ゼクスに嫉妬した彼らは、翌日のモガディジオ基地襲撃作戦の際、ゼクスを囮にしようと企てる。半ばその作戦を知っていたゼクスは、自らの意志で参加するが、アレックスたちの横暴の前に激怒し、自らの手で2人を倒すのだった。一方、ヒイロの影響を受け、自爆覚悟でOZの前線基地に乗り込んだトロワは、ガンダムヘビーアームズで最後の攻勢を仕掛ける。彼の正体を知り、絶句するキャスリン。彼女の涙と言葉は、トロワの心を救えるか―?

 

サブタイトルや前回の次回予告だと、トロワとキャスリンが主人公であるような印象を受けますが、実際はほぼゼクスが主人公という形の一編。本編時間の8割はOZの内部の話であり、トロワたちの出番は、最後の5分ほどにとどまりました。ゲストキャラクターであるアレックスとミュラーを通じて、OZという強大な後ろ盾を持ったことによる兵士の暴走、そして終盤のキャスリンの行動を通じて変化するトロワの心情等、1つ1つの要素を観れば、『W』という作品で重要であると同時に、いつか絶対に描かれるだろうなと思われたものばかり。しかし、それぞれの組み込み方があまりにも唐突であり、作劇としては残念感が否めないお話でもありましたね。

 

トールギスの訓練に余念のないゼクスは、誘導ミサイル等を利用した危険な訓練を敢行。戸惑いながら部下たちはそれを実行し、ゼクスはそれを巧みに回避して的確に破壊していきます。ゼクスは、トールギスを完全にモノにしつつありました。同じ頃、OZの将兵であるアレックスとミュラーは、キャンサーとエアリーズそれぞれ1機のみで、連合軍基地を襲撃。その容赦ない攻撃の前に、基地は投降しますが、彼らは「処刑」と称して、投降した兵士たちを全滅させるのでした。序盤でまず描かれるのが、ゼクスによるトールギスでの訓練の様子。過去にも、彼が操縦の習熟のために訓練に励む描写は何回かありましたが、今回は実弾を多用した、最も激しいものに。トールギスが鈍重であり、また高機動性のせいでパイロットにGがかなりかかることも以前から描写されていますが、今回はモーションブラーやピントをズラすなどの演出が加えられており、よりゼクスが実際に感じている負荷がリアルに描写されていました。このシーンはかなり見応えがあったなぁ。一方で、これらのことから「あ、今回ってトロワが主役じゃないんだ」とも確信したけど…。こうしたゼクスのカッコいい訓練シーンの次に展開されるのが、OZの将兵であるアレックスとミュラー。彼らはOZの理想と精神に傾倒するあまり、「旧連合軍派を一掃する」という極端な思考に取り憑かれており、基地の1つを自分たちだけで全滅に追い込みます。アレックスたちの狂気はかなり大げさに描かれており、子供でもそれに気づけるほど。こうした極端なキャラ付けが、彼らを印象深いキャラクターにしてくれています。

 

補給を求めてレイクビクトリア基地にやってきたアレックスとミュラーは、ノインがモスクワに出張していること、そして戦闘経験のある兵士がゼクス以外1人もいないことを知り激昂。師であるノインの知人でもあるゼクスに嫉妬した彼らは、そのゼクスを部下として自分たちの部隊に組み込み、モガディジオ基地の襲撃を企てます。この提案に対し、ゼクスはあっさりと承諾。特に2人に反論等もしなかった彼は、指示どおり朝4時にトールギスにて出撃し、アレックスらの部隊として、現地に向かいます。アレックスたちが基地襲撃後に訪れたのは、偶然にもゼクスのいるレイクビクトリア基地。自分たちのいた地点から一番近かったこと、そして恩師であるノインがいることを期待してやって来た彼らでしたが、ノインが未だモスクワに出張中であり、かつレイクビクトリア基地が現状ゼクストールギスの整備のためだけの基地になっていることに対し、不満を募らせていきます。このあたりのアレックスたちの反応は、あまりにも子供じみたもの。まあ、百歩譲ってレイクビクトリア基地が半ばトールギス専用になっていることに文句を言うのはわかりますが、「割ける兵力がない」と何度も言っているのに「兵士を出せ!」と詰められても、基地の兵士側としてはどうしようもないよなぁ。そして、アレックスたちがこのような反応を見せるぶん、引き立つのがゼクスの紳士っぷり。彼らの皮肉をものともせず、また裏にある意図にうっすら気づきつつも、あえて彼らの部隊とともに行動しようとしているさまがGoodでしたね。

 

ゼクスをはじめとするOZの部隊の接近を察知したモガディジオ基地は、備え付けてあったノベンタ砲を使用し応戦。トールギスはその直撃を受け、アレックスとミュラーゼクスの死を確信しますが、トールギスは無傷。その高機動性と圧倒的な火力にものを言わせて、返り討ちに、モガディジオ基地を投降に追い込みます。ところが、連合軍基地の襲撃を「処刑」と捉えているアレックスたちは、そんなことはお構いなしに基地を攻撃。その戦いっぷりに、ゼクスは激怒します。これに対し、アレックスたちは一方的な因縁をつけてゼクスを抹殺しようとしますが、そんなことにひるむゼクス、そしてトールギスではなく、逆に彼らのモビルスーツに真正面から立ち向かって撃破するのでした。Bパートより、モガディジオ基地での戦闘が描写。アレックスたちのキャンサーやエアリーズもしっかり奮闘していましたが、やはり最も活躍が目立ったのは、ゼクストールギスでした。基地の最終兵器ともいえるノベンタ砲が直撃してもピンピンしており、大ぶりな動きを見せながら敵を一掃していくさまは、もうガンダム以上のカッコよさを誇っていましたね。正直、現段階ではウイングガンダムよりも魅力あるよな、トールギス…。そんなゼクスの奮闘もあり、モガディジオ基地は壊滅寸前。司令官より投降の意思を確認したゼクスは、当然攻撃を中止しますが、アレックスたちは「処刑」どころか「粛清」と称して基地の兵士たちを殲滅。さすがにこの行動を看過出来なかったゼクスは、トールギスで彼らに立ち向かい、彼らに、自らの命をもってその罪を清算させるのでした。アレックスたちの横暴を前に、さすがのゼクスもブチギレ。トールギスで圧倒的な“差”を見せつけ、彼らを葬り去ります。この戦闘シーンも、かなり演出が凝っていてGoodなのですが、そのぶんドラマ面は若干おざなりになっていた印象。「アレックスたちがゼクスに嫉妬している」という話の登場は、唐突な感じが否めないし、戦闘終了後ゼクスが「ノインは教官として、兵士たちに戦闘だけでなく頭も鍛えさせるべきだ」みたいなことをひとりごちりますが、その肝心のノインが今回登場しないため、イマイチ彼の発言に深みを感じられません。これだけのお話を展開するのなら、回想あるいはモスクワからの通信等、何らかの形でノインを劇中に登場させるべきでしたね。


ヒイロの影響を受け、刺し違えること覚悟でOZの前線基地の壊滅を狙うトロワは、サーカス団の興行に乗じて、その前線基地を襲撃。基地を壊滅状態に追い込み、あとは自爆するだけというところまで持ち込みます。そんな中、キャスリンは自らガンダムヘビーアームズの前に立ってそれを妨害。さらに、コクピットを開けたトロワに対して平手打ちを食らわせ、思いとどまるよう説得します。これを受けたトロワは、自爆を中止して撤収。正体がバレたことによりサーカス団から去る決意をしますが、彼とヒイロを見送るキャスリンたちの目は、優しいものでした。終盤でようやく、トロワたち主人公側が登場。その大半は彼とガンダムヘビーアームズの活躍に割かれており、ヒイロの登場は本当に最小限でした。ガンダムヘビーアームズの活躍は、今までのトールギスの戦闘に負けないくらい、描写が細かく迫力あるもの。それは素晴らしいのですが、各登場人物の行動原理がしっちゃかめっちゃかになっており、「これでいいのか?」という感じがありました。一番謎なのは、メインで活躍しているトロワ。OZの前線基地に堂々と入れることから、これを利用して襲撃をかけるという考え方は理解できるのですが、だからって「これが俺の最後の戦いだ」として自爆を決断したり、サーカス団の前にその機体を晒すという目立ちすぎる行為をとったりするなど、あまりにも極端すぎる考え方のもと動いています。前回でヒイロの影響を受けているとはいえ、状況に絶望してこうした行動に走るのは、ちょっとおかしいぞ?そんなトロワも、最後はキャスリンのおかげで自爆を思いとどまり生還。正体がバレたことから、ヒイロとともにサーカス団を去ることになりますが、見送るキャスリンたちの表情は明るいのでした。あれだけ散々いろいろやられたにも関わらず、笑顔で2人を送り出すキャスリンと団長。いや、キャスリンはわかるけど、団長はそれでいいのか!?まあ、本人たちは不満とかなさそうだし、これでいいのか…。

 

 

 

第14話「01(ゼロワン)爆破指令」

1995年7月7日放送

登場した敵他:リーオー、エアリーズ、トラゴス

「人殺しに形式など何もありません。もしそうであれば、それは命をもてあそぶ戯れです。がむしゃらな死の方のほうが、戦争では正直な生き方です。」

 

STORY:OZの台頭に伴い、そのバックにいたロームフェラ財団が、本格的に行動を開始した。支配階級との結びつきを強め、モビルスーツの力をもって地球圏統一連合やOZとの関係を深めてきた彼らの真の目的は、世界の絶対的な支配であり、それを知ったリリーナは怒りを爆発させる。一方、ノベンタ元帥殺害の罪の意識にさいなまれるヒイロは、トロワの協力を受けながら、親族への謝罪行脚を開始した。最初に会いに行ったのは、元帥の娘シルビア。戦場と化したマルセイユ基地で出会ったヒイロに対し、彼女は銃の引き金を引くのか―?

 

前半ではOZのバックにいる巨大な(本作の立ち位置的に)悪の組織:ロームフェラ財団の紹介が、後半ではシルビアに出会おうとするヒイロたちと、ロームフェラ財団からの指示に抗おうとするゼクスの行動が楽しめる一編。サブタイトルは「01(ウイングガンダムのこと)爆破指令」となっていますが、その話題が出てきたのはわずか3分ほどでした。お話としてはそこそこ興味深かったけど、サブタイトルは「ヒイロとシルビア」とか「ヒイロの贖罪」とか、そんな感じのほうが良かったんじゃないかなぁ。

 

ノインにかくまわれて以降、彼女と行動を共にすることとなったリリーナ。サンクキングダムの関係者として、彼女が出席することになったのは、ロームフェラ財団のパーティーでした。一部の支配階級によって構成され、武力による力の支配と、支配階級の存在の重要性を訴えるその思想を前に、パーティーの出席者は絶賛。さらに、トレーズの演説で盛り上がりは最高潮に達します。これに対し、真逆の考えを持つリリーナは、居ても立っても居られなくなり、行動を起こしますが…。Aパートでは、OZ側の描写が主。今まで、名前しか出てこなかったロームフェラ財団が、いよいよその姿を現します。ロームフェラ財団は、主に世界各国の支配階級や資産家によって構成されており、世界平和とそのためのより良い支配と、耳障りのいいことばかり主張しておりますが、実際は財力とモビルスーツの力という支配をもって、一般大衆を支配しようという、欲望まみれの財団でした。支配階級と結びつきを持っていることから、財力もコネも一級品。これはかなり厄介な組織ですね。そんな財団の一員でもあるのが、OZを率いるトレーズ。財団はOZを連合と同じく支配構造を作るための駒と捉えているようですが、トレーズは逆に財団をも利用して自分の野望を達成しようとしていました。この手の財団は、表舞台に立つ悪役の背後にいる真の黒幕という描かれ方をすることが多いですが、『W』の場合、トレーズ=OZのほうも相手を利用してやろうと目論んでいることから、ある種同列の立ち位置にいるのが面白い設定。そのうち、OZと財団が決別するときも来るのかなぁ。そして、こんな財団の思想に対し、真っ向から反論しようとしたのがリリーナ。しかしそれは、ノインのはからいにより未遂に終わります。以前のお話でノインにかくまわれてから、彼女と行動を共にするようになっていたリリーナ。髪型が全然違ってたから、最初誰だかわかんなかったよ。

 

ロームフェラ財団のウイングガンダムに対する決定は、コロニーに対する見せしめとしての爆破指令。ノインからそのことを伝えられたゼクスは、とりあえずそのことを承諾しますが、内心では爆破する気などさらさらありませんでした。ノインはここでの通信を機に、ゼクスにリリーナに対して自分の正体を明かさないのかと問いますが、当のゼクスは明確な回答を出しませんでした。財団はガンダム憎しの感情ばかりに流されており、見せしめのために爆破を指示。それを渋々ゼクスに伝えるノインでしたが、当のゼクスはあまり気にしていない様子でした。ゼクスみたいに修理してやろうというのは確かにやり過ぎだけど、敵を知るためにパーツを保管し研究するのは、ある意味当たり前の行動。その発想に至らないあたり、財団の構成員の大半は、戦いというものを知らないのだろうなぁということが窺えます。思想はあっても、温室の中からしか物事を見てないから、大局が見れないんだね…。そして、このやり取りのあと、ゼクスにリリーナのことを報告するノイン。彼女はゼクスに、その正体をリリーナに明かすべきと進言しますが、ゼクスは何も答えませんでした。自身の手は血に汚れていることもあり、素性を明かせないとするゼクス。彼なりの優しさのつもりなんだろうけど、うーん…。

 

 

ノベンタ元帥殺害の罪にさいなまれるヒイロは、彼の親族の情報を調べ上げ、謝罪行脚をし裁きを受けることを決意。最初に選んだのは、元帥の娘であるシルビアでした。彼女のいるマルセイユには、連合の残党の基地があり、ヒイロとトロワが訪れたときは、OZの襲撃を受けている真っ最中。トロワがガンダムヘビーアームズで連合側を支援する中、ヒイロはシルビアを脱出させることに成功。そして元帥の墓の前で、自分のことを正直に話します。彼の告白を前に、シルビアの取った行動は―。Bパートで、ヒイロたち主人公側が前面で行動開始。意図しない形でマルセイユ基地の連合軍残党を支援することになった彼らは、シルビアと会うことに成功します。今回のガンダムの戦闘シーンは、ここにおけるガンダムヘビーアームズのもののみ。トロワ、ガッツリ連合軍とOZに姿見られてたけど、よかったのかなぁ?まあ、前者は玉砕、後者は彼自身の手で全滅させられてるから、情報が漏れることはないか…。こうした戦闘を経て、ヒイロはシルビアと対面し、拳銃を渡してその審判を委ねることに。彼女のとった行動は、ヒイロの射殺ではなく、「卑怯者」として彼をなじることでした。自分なりに罪を清算しようとしたヒイロ。しかしその不器用さは、逆に彼をより生き永らえさせることになりました。ヒイロの気持ちはわからなくもないけど、「ノベンタ元帥を殺しちゃったので、親族に謝罪行脚します」というのは、今までの彼の行動を踏まえれば、若干突飛な印象。コロニーから指令が来なくなってから、彼の行動はいささか迷走してる感じがしますね。

 

ロームフェラ財団のアハト調査官の立ち合いを受けながら、ゼクスは彼らの目の前でウイングガンダムを爆破。ゼクスのことが信用できず、また彼の裏切りによって財団内での成り上がりを目指すアハト調査官らは、爆破現場につき自ら調査を行うと主張します。それを受け入れたゼクスたちは、余裕の表情。それもそのはず、このウイングガンダムの爆破には、裏がありました。終盤、ゼクスやアハト調査官の目の前で、木っ端微塵に爆破されるウイングガンダム。アハト調査官はゼクスを疑いその残骸の調査に乗り出しますが、ゼクスの作戦は彼の一歩上をいっていました。サブタイトル通り爆破されたウイングガンダム。しかし、爆破されたのはトールギスの予備パーツで作られたダミーであり、本物のウイングガンダムは、ほぼ完全に、修復され海底に隠されていました。トールギスの予備パーツを使うとはなかなか考えたなと思いましたが、それ以上に巧みに感じたのが、その事実をわざと直接的に描写していない点。ゼクスと部下たちの会話で、それが察せられる形になっています。とにかくこれで、ようやくウイングガンダムがほぼ元通りになったし、そろそろヒイロによる奪還も近いかな。

 

 

 

第15話「決戦の場所南極へ」

1995年7月14日放送

登場した敵他:エアリーズ、リーオー

「誤った過去は誰もツラいもの。でも、あなた方はまだ若いのです。未来を作り出すことを考えてください。」

 

STORY:ノベンタ元帥の親族への謝罪行脚を終えたヒイロたちだったが、彼を殺そうとする者は誰もいなかった。OZの追手を振り切った彼らは、その地からの脱出を試みるが、そこに現れたのはノインだった。ゼクスヒイロとの決戦を臨んでいることを伝える彼女に、疑念を持つトロワだったが、ヒイロゼクス人間性を信頼し、彼女に同行する。しかし、ゼクスのいる南極行のシャトルには、彼らを抹殺しようとするアハト調査官らの影があった。ノインたちは攻撃に出るも失敗、援軍として駆け付ける部下たちも窮地に陥る。このピンチを救う者は、一体誰だ!?

 

ヒイロたちがゼクストールギスとの決戦のため南極へ向かい、その道中アハト調査官の小隊を全滅させるお話。ハデな戦闘シーンは終盤のみに挿入され、それまでは登場人物の人間ドラマが中心に展開されました。何よりも強く印象に残ったのは、手紙と写真のみでの登場となったノベンタ夫人。自分の夫を殺されているにもかかわらず、ヒイロたちをいたわり、その未来を託すとは、かなりの人物だなぁと感じました。いくらヒイロたちがまだ少年だからとはいえ、普通、あんなふうに考えることはできないよ…!

 

ノベンタ元帥の一族への謝罪行脚を続けていたヒイロたちの旅程も、とうとう終了。しかし、彼に手を下す者は、誰ひとりいませんでした。目的を終えた彼らは、この地から脱出しようとしますが、そんな彼らをOZの調査隊が追跡中。それを巻き葬った彼らは、ガンダムヘビーアームズを隠している倉庫へと戻りますが、そこに現れたのはノイン。彼女から言われたのは、なんとゼクスのいる南極基地への同行でした。前回から謝罪行脚をしているヒイロたちですが、その残りのぶんは、彼らのセリフで序盤にまとめて描写。結局、ヒイロの思いに反して、彼を殺そうとする者は誰もいなかったようです。彼の発言やその後の描写から察するに、なじったり追い返したりした人はいたようであるものの、殺そうとするそぶりすら見せなかった様子。やっぱり、ノベンタ一族は皆人間が良くできてる…というべきか?そんなヒイロたちの行動を、察知しないわけがなかったのがOZ。スパイを派遣して密かに彼らを追跡させますが、それに気づかぬ彼らではなく、トロワの手により葬り去られます。偶然通りかかったトラックを利用して、相手を巻きさらに事故を誘発させるというのは鮮やかな手際でしたが、バイクから飛び降りて一般住宅の洗濯干し用のロープに飛び乗るなど、どこか見た目として笑える行動が散見。それを皆大真面目にやってますから、かなり滑稽に見えるのが何とも言えません。いや、身体能力が凄まじいのは間違いないけどさ…。

 

ヒイロたちが南極基地に来ることを知り、ウイングガンダムの修復を急がせるゼクストールギスの機体パーツを使ってまで、ウイングガンダムを完成させようとする彼の熱量は、異常なものでした。そんな彼の行動は、じょじょにOZやロームフェラ財団にもウワサとしてバレ始めており、リリーナの耳もピースクラフト家の執事パーガン経由でそれを察知。ゼクスのことを信頼するトレーズがそのことをほとんど気にしていなかったのに対し、アハト調査官はこれに乗じて手柄を立てようとしていました。Aパート後半からポツポツ描かれ始めるのが、南極基地のゼクスと、彼を取り巻く状況。一度はアハト調査官を上手くだました彼でしたが、長期間だまし続けることができるはずもなく、風のウワサとして「ウイングガンダムの修復」の話が流れ始めてしまいます。それに対する人々の反応は、様々でした。これらのシーンでは、アハト調査官がゼクスに反感を持つのは当然と感じる一方、トレーズがそんなことを全く気にせず、ゼクスを信頼しきっているのが興味深いところ。トレーズが彼をここまで信頼してる理由って、何なんだろう?彼の人間性…だけが理由じゃない気がするなぁ。

 

南極行のシャトルの中で、ガンダムヘビーアームズの調整に余念がないヒイロとトロワ。そんな中、ノインはアハト調査官の小隊の接近を知り、部下とともに出撃します。しかし、相手はゼクスの部隊を叩くため大量のエアリーズとリーオーを用意していたのに対し、最低限の武装しか積んでいなかったノインの武装は、エアリーズ2機のみ。トロワの危惧どおり、ノインたちは大ピンチに陥り、アハト調査官の部隊に囲まれてしまいます。後半から、戦闘シーンが挿入。アハト調査官はゼクスの部隊を叩く気満々で入念な準備をしていましたが、対するノインはヒイロたちとガンダムヘビーアームズ輸送のためシャトル内にほとんど武装を積んでおらず、頼りになるのはエアリーズ2機のみでした。ノインはOZの中でも卓越した戦闘技術を持つパイロットですが(それでも、以前五飛にけちょんけちょんにやられてたけど)、さすがに圧倒的な数の差は埋められずじまい。おまけに部下の単独行動がさらなるピンチを招き、自分自身が口を滑らせてしまったことで、アハト調査官にゼクスが南極基地にいることを確信させてしまいます。状況がもともと悪いとはいえ、さらに焦りゆえのミスでさらなる悪化を招いてしまったノイン。確かに頑張ってはいたんだけど、あんまりいいところなしだったなぁ。

 

ノインのピンチを察知し、シャトルは彼女の命令やトロワの指摘を無視して、彼女の応援に急行。最初こそエアリーズやリーオーを撃破するも、その数の前に撃墜されてしまいます。事態を見かねたトロワは、ガンダムヘビーアームズで出撃し、一瞬にしてその部隊を全滅に追い込むことに成功。その卓越した戦闘技術と、常に任務のことしか考えていないその姿を前に、ノインはヒイロたちの少年ゆえの純粋さに戦慄するのでした。終盤でいよいよガンダムヘビーアームズが登場。いつも通りのその強さと、圧倒的な火力とスピードを生かして、一瞬にしてアハト調査官の部隊を全滅させてしまいます。その手際はやはり鮮やかでGood。でも、ラストでアハト調査官がロームフェラ財団宛てに送っていた通信が気になるなぁ。あれがもし相手に届いていたら、南極基地が襲撃されることになるし…。そんなトロワの手際を目の当たりにして、驚くノイン。さらに彼女は、彼が自分の身体を顧みず、ヒイロや次の任務を心配していることに、戦慄します。彼そしてヒイロが純粋すぎることに、驚くノイン。任務に対して彼らがここまで冷徹に遂行できるのは、まだ彼らが少年であり、何色にも染まっていないから…という推測を、言いたかったのかな。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第16話から第18話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。トールギスガンダムの戦いは、戦争という時代の中にひとつの終わりを見た。しかし、そのパイロットたちには、過酷な運命が待ち受けていた―!

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