お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-6(第16~18話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第6回目です。

 

ウイングガンダムの復活、さらばトールギス今回ご紹介の3話では、モビルスーツとストーリー、どちらにも動きのあるお話が連続。しかし、ストーリー自体はヒイロたちに優しくはならず、容赦ない展開が待っていました。このあたりのお話のひねりっぷりは、「なるほどな」と感じるところもチラホラ。『W』の、もっと評価されるべき箇所だと感じました。

 

なお、前回(第13~15話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

第16話「悲しき決戦」

1995年7月21日放送

登場した敵他:トールギス、エアリーズ、リーオー

「時代の中で、もう一度自分を探しているのか?…兵士の定めだな。」

 

STORY:アハト調査官の部隊の攻撃を潜り抜け、ヒイロたちは南極基地へとやってきた。ヒイロとの決戦を待ち望んでいたゼクスは、ウイングガンダムを完璧に整備した状態で待っていたが、当のヒイロはそれを嫌い、あえてガンダムヘビーアームズを選択する。そして始まる両者の決戦!一進一退の攻防が続く中で、南極基地攻撃を企むOZの部隊が、そしてノベンタ夫人からの手紙を携えたリリーナが、それぞれ現地へ向かっていた。そして、決戦が終局を迎えようとするときに現れるリリーナ!そこで彼女は、自分とゼクスの関係性を知る。この決戦が生む結果とは、一体何か―?

 

ついに決戦、ヒイロVSゼクス今回は、前回の次回予告やそのサブタイトルからも明らかなとおり、ヒイロゼクスの一騎討ち回。ゼクスが愛機のトールギスで挑むのに対し、ヒイロは諸事情から自機ではないガンダムヘビーアームズを駆ってぶつかることになりました。戦闘シーンの描きこみは素晴らしく、また各登場人物もそれぞれ自分なりの思いや覚悟をもって戦いに臨むor見守るという形になっているのはGoodなのですが、いかんせんその思いや覚悟が、ちょっと別方向に突き抜けているような印象。そのシーンのみで考えると「いいこと言っているな」とか「面白い言い回しだな」と感じますが、今までのお話の流れから考えると「…そうなのか?」と首をかしげたくなるようなものも散見されました。それでもなお、妙な説得力を持っているのは…出演陣の演技力のおかげなんだろうなぁ。

 

ノインのシャトルによって、南極基地に到着したヒイロたち。彼らを待っていたのは、決戦を待ち望んでいたゼクス本人でした。早速ドックへと彼らを案内し、自分たちの技術を結集して修復したウイングガンダムを披露したゼクスでしたが、当のヒイロは、感謝したものの決戦当日はその機体ではなくガンダムヘビーアームズを使うことを選択。設定された決戦日である明朝まで、自身で機体の調整を始めます。そんな、決戦にはやるゼクスの姿と、ロームフェラ財団の行動を見て、一抹の不安や迷いが脳裏をよぎるノイン。彼女のそれらを、ゼクスは見抜いていました。序盤では、南極基地の様子と、ヒイロゼクスの初めての邂逅が描写。両者劇中に何度も登場しているうえ、何度もモビルスーツ戦で相まみえていることから、今回が初対面であることにはかなり驚かされました。そういえば確かに、お互い顔を合わせたことはなかったよな…。そうしたやり取りを経て、舞台は南極基地のドックへ。そこには、ヒイロが自爆させたはずのウイングガンダムがあり、ゼクスは自分たちの技術を結集して修復したことを自慢します。対して、ヒイロの反応は複雑なものでした。ウイングガンダムのことを披露するゼクスの姿は、かなり嬉しそう。何かよこしまな感情があるわけではなく、純粋に「私はここまでやったんだぞ!」というのをヒイロに伝えたいんだろうなぁという感じがひしひしと伝わりました。そんな様子を見せるゼクスに対し、今の状況とゼクスの過去を踏まえて、迷いや不安が生じるノイン。そんな彼女に、ゼクスは自分の考えを伝えます。ゼクスはピースクラフト家再興のためとはいえ、OZに尽くしてきた身。そんな彼が、今はガンダム固執し、そのせいでロームフェラ財団から疎ましく思われている―。ゼクスのことを慕うノインとしては、確かに苦しい状況ですね。でも、これに対する回答は、「(できるかどうかは別として)ゼクスガンダム固執するのをやめること」だと思うんだけど…どうなんだろう。

 

深夜に入っても機体整備を続けるヒイロでしたが、満身創痍の身体では、さすがにそれも限界。彼が仮眠をとっている間、今度はトロワがバトンタッチされる形で、機体整備を進めます。そして迎えた決戦の時。両者真っ向からぶつかり合い、当初は遠距離戦主体の戦いとなりますが、やがてガンダムヘビーアームズ側の弾薬が尽きたことから、接近戦へと切り替わります。そこで、左腕に仕込まれたビームサーベルに気づいたヒイロは、トロワの計らいに感謝するのでした。Aパート後半から、ヒイロゼクスの決戦がスタート。満身創痍で自機ではないガンダムヘビーアームズで戦うことになったヒイロでしたが、そうしたハンデをほとんど感じさせない、ダイナミックな攻撃を見せてくれました。ガンダムヘビーアームズが遠距離戦向きの機体であることから、このシーンでの戦闘は、距離をとってお互い飛んだり跳ねたりというダイナミックな戦いっぷりが連続。両者の機体の魅力が存分に発揮されていた戦闘シーンでした。でもさ、ここまでぐいぐい動かすなら、やっぱりヒイロにはウイングガンダムを使ってほしかったなぁ。そんな形で戦いは続きますが、ガンダムヘビーアームズはやがて弾切れを起こし、接近戦へ変更トロワの言いつけ通り左腕の武装を解除したヒイロは、そこにビームサーベルの柄が仕込まれていることに気づき、ウイングガンダムの時の要領で接近戦に対応していきます。このビームサーベルは、非常にトロワの優しさを感じるシーン。キャサリンの話の時もそうだけど、彼、無口だけどかなり優しいですよね。

 

ヒイロゼクスの決戦を見守る、トロワとノイン。トロワはこの戦いは戦局に影響を与えないため無駄であると切り捨てる一方、ノインはこの戦いはゼクスにとって大きな意味があると説きます。そんな中、ロームフェラ財団から指示を受けたOZの大規模部隊が南極基地へ接近。これを察知したトロワは、「決戦をさっさと終わらせる」ためにウイングガンダムで単独出撃し、その部隊を迎え撃ちます。そしてその中で、別ルートでヒイロの下へ向かおうとするリリーナのシャトルを目撃します。Bパートからは、トロワとノインのやり取りが描写。ヒイロゼクスが決戦に出ているので当たり前の流れですが、ここでのやり取りは、両者の性格や考え方の傾向を知ることができる、割と重要なシーンになっていました。感情を捨て、任務を遂行することを重視するトロワに対し、兵士とはいえ感情や“自分”そのものがあり、戦いを通じてそれを探そうとしているノイン(&ゼクス)。普通の作品なら、トロワが悪役でノインが味方役になりそうなものですが、それが逆転しているのが面白いです。そうした構図になっているのはGoodなのですが、ノインの言いたいことがイマイチ視聴者に伝わり切っていないのが難点。言わんとしていることはわかるんだけど。「うーん…そうなのか?」って感じでしたね。そして、このやり取りを経て、トロワもOZの部隊相手に出撃。ウイングガンダムに乗るのは今回が初めてのはずですが、全く戸惑うことなく乗りこなして見せていました。トロワの腕でここまで動かせるなら、やっぱりヒイロにはウイングガンダムを…(しつこい)。

 

ヒイロゼクスの決戦は終局へ差し掛かり、ヒイロゼクストールギスの左腕の挙動がおかしいことを察知し、攻勢を強めます。しかし、彼の左腕のケガが悪化したことで、逆にゼクスに追いつめられる結果に。そして、とどめの一撃を食らいそうになったそのとき、シャトルに乗ったリリーナが介入してきます。戦いにはやるゼクスを倒すようヒイロに指示するリリーナでしたが、ノインの口から、彼が自分の兄であることを知って…。決戦が終局に差し掛かったことで、ゼクスもじょじょに自分の感情をあらわにするように。戦士として、兵士として戦いに矜持を求めていたものの、そんなことお構いなしにただ全力で純粋にぶつかってくるヒイロに、一種のあこがれを抱いていたことが明かされます。ゼクスから見て、ヒイロが今まであった兵士やパイロットとは全く違う毛並みの人間であるというのはよくわかるんだけど、「純粋にぶつかってくる」って印象は、ちょっと変じゃないかとも感じるなぁ。だって、ヒイロはコロニーで訓練を受け、任務を拝命したから地球に来てガンダムで行動をしてるんだから、むしろゼクス以上に大人のしがらみや任務等にがんじがらめのはずなんですよね…。そんなゼクスの攻撃は、感情とともにヒートアップ。ついにヒイロを追い詰めるまでに至りますが、リリーナの介入により妨害されます。最初こそ自分の正体を隠していたゼクスでしたが、ノインによって、自身が兄であることをリリーナに知られてしまうのでした。リリーナに対するゼクスの正体バレは、意外にあっさり。リリーナ本人も衝撃を受けてはいたものの、既にピースクラフト家の王女という自覚があるからか、表立った動揺は見せてはいませんでした。なんだよ、これならゼクスも、さっさと正体明かしとけばよかったのにね。

 

決戦が落ち着きを見せたとき、トロワが抑えきれなかったOZの部隊の残存勢力が接近。トロワも合流し共闘を申し出ますが、ゼクスはなんとトールギス単独で相手をすると言い張り、勝手に立ち向かってしまいます。彼の思いと覚悟を汲んだヒイロたちは、リリーナを連れてその場を脱出するのでした。ラストシーンでは、ゼクスが自ら100機近いエアリーズとリーオーの混成部隊に立ち向かう展開が挿入。「リリーナやヒイロたちを安全に脱出させ、ピースクラフト家の再興を確実なものにするため」という考え方はわからなくもないですが、いささか行動が突飛に感じられました。この展開だと、次回からゼクスの出番はしばらくお休みかな。それで、そのうち新機体でも引っ提げて再登場するパターンだったりして…。

 

 

 

第17話「裏切りの遠き故郷」

1995年7月28日放送

登場した敵他:リーオー、トーラス、トラゴス

「誰よりもコロニーを愛するがゆえ、戦う道を選んだのだ。ガンダムは必死なのだ。わずかな力で戦っている―。」

 

STORY:宇宙へもその支配圏を拡大するOZは、レディ・アン主導の下、旧連合軍の残党を排除したり、宇宙機雷の撤去に尽力したりなどして、着実にコロニーの市民たちの支持を獲得しつつあった。OZの巧みなやり方に怒りを覚えたデュオとカトルは、次なる戦いの場所は宇宙であると確信し、シンガポール基地を真っ向から襲撃するという、わざと目立つ行動をとった。しかし、シンガポール基地の守りは固く、コロニーの指導者たちの多くは、OZに接近しガンダムから距離を置く道を選んだ。カトルたちの戦いは、ムダに終わってしまうのか?そのとき、彼らの身も心も救ったのは、他のガンダムたちの存在だった!

 

ガンダム”は、時代の捨て石となってしまうのか!?今回は、最近出番がほとんどなかったデュオ・カトル・五飛が主役となった一編。今まであまり描かれていなかった、連合軍乗っ取り後のOZの宇宙での勢力拡大の状況や、そうした状況を表面的にしかとらえず、愚かにもOZに賛同するコロニー指導者たち、そんなか彼らから見捨てられる格好となったデュオたちが、キッチリと描写されていました。デュオたちにとってはかなりつらい展開の連続になりましたが、彼らの行動を受けヒイロやトロワも立ち上がったり、何とか無事5人とも宇宙に上がったりと、一定の希望も残されているのがポイント。地味に、ガンダムパイロット5人が、不完全ながらも心を1つにするお話でもありましたね。

 

連合軍の中枢を乗っ取ったOZの勢力は、既に宇宙圏へも拡大。かつてコロニーを抑圧していた連合軍の残党狩りを行い、また随所に設置された宇宙機雷の撤去作業を行うなどして、コロニー指導者を中心に、OZはコロニーからの支持を着実に得つつありました。一方で、OZの真のたくらみに気づいており、こうした状況が到底良くは思えないのが、ガンダムパイロットたち。いち早くこのことに気づいたデュオとカトルは、宇宙へあがるべく、行動を開始するのでした。序盤で描かれるのは、現在の宇宙の状況。かつては以前のお話の冒頭で述べられていた通り、各コロニーは連合軍からの過剰な締め付けによる統治が行われていましたが、OZが連合軍の中枢を乗っ取ったことで、その体制は崩壊。「連合軍とは明確に違う」というイメージを植え付けるために、連合軍の残党狩りを行うなどのコロニー側に資する活動をいくつも行い、着実にコロニーの支持を得つつありました。宇宙でのOZの活動の指揮を執っていたのは、最近出てきていなかったレディ・アン。コロニー議会等に顔を出す際は、わざとイメージを変えたメイクをしていましたが、その過激な性格と強引な作戦スタイルは、そのままでした。最初本人とはわからないくらいのメイクで登場したレディ・アン。その名前が再び明かされ、トレードマークであるメガネが登場した途端、視聴者の誰もがOZのコロニーに対する真意を察したことでしょう。しかし、コロニーの一般市民や指導者は、OZの実情を知らないため、疑う者はほぼ皆無。数少ない先んじて気づいている者たちこそ、デュオとカトルでした。

 

宇宙に出るべく、自分たちがいる地域から最も近くかつ大規模な施設があるシンガポール基地へ、真正面から攻撃を仕掛けたデュオとカトル。さすがに巨大基地であることから軍備も半端なく、リーオーやトラゴスの大群の前に、デュオのガンダムデスサイズやカトルのガンダムサンドロックは、じょじょに劣勢を強いられていきます。このような状況を地球からの衛星通信で観ていた若きコロニー指導者たちは、名誉顧問などの年長者の意見を無視し、コロニー議会がOZに対し友好関係を深める旨の声明を発表。これにより、表向きにガンダムパイロットたちは地球とコロニー双方から迫害される形となり、厳しい現実にさすがのデュオたちも突っ伏してしまいます。真正面から大規模基地を襲撃するという、大胆すぎる行動に出たデュオとカトル。それは決してヤケを起こしたからではなく、とにかく宇宙へ出ることを優先したため。OZがコロニー側に歩み寄っていることから、自分たちが宇宙に出れば、コロニーを危険にさらすような攻撃はしない→自分たちも安全にコロニーに行けるだろうという考えからでした。彼らの考え方は一理ありますが、今回終盤のレデイ・アンの行動から考えると、ガンダムパイロットが宇宙に出てコロニーに潜伏しても、OZは容赦なく攻撃してきそうだなぁ…。そうした一縷の望みをかけて、大胆な攻勢に打って出たデュオたちでしたが、大規模基地であるシンガポール基地の守りは固く、さらに各コロニーの指導者たちがOZへの接近とガンダムとの決別を宣言したことから、心身ともに追い詰められていくことになります。サブタイトル通り、故郷に裏切られることになったデュオたち。彼らの今後の戦いに、果たして意味はあるのか―。

 

武器弾薬もギリギリの状態になり、さすがのデュオたちもそろそろ限界。2人ともあきらめかけたそのとき、五飛のシェンロンガンダムが現れ、さらに別の中継回線により、ヒイロウイングガンダムとトロワのガンダムヘビーアームズも行動を開始したことを知ります。これに勇気づけられたデュオたちは、最後の反撃を開始しシンガポール基地をほぼ制圧することに成功。カトルは、デュオと五飛を先に宇宙にあげるべく、自爆覚悟で最後の戦闘に臨みますが、ガンダムサンドロックが自律行動をしてカトルを逃がしたことから、彼は機体と引き換えに、デュオたちから少し遅れて宇宙へあがることに成功するのでした。絶望的な状況下で、さっそうと登場したのが、五飛のシェンロンガンダム。「攻撃されるのは、自分たちが正しいからだ」・「正しい者は強くなければならない」と、いつも通りの持論を展開して加勢し、さらに中継映像でウイングガンダムガンダムヘビーアームズの勇姿を確認し、デュオたちは再び立ち上がります。この、五飛とシェンロンガンダムの登場が猛烈にカッコよくてGood。さらにその後次々と挿入される、ヒイロウイングガンダムとトロワのガンダムヘビーアームズの活躍により、視聴者のテンションはデュオたちと同じくどんどん高まっていきます。このあたりの怒涛のプラス展開は、テンションがぶちあがる素晴らしい描写の連続。でも、ヒイロが平気でウイングガンダムを操縦していたのには、ちょっと違和感がありましたね。これだったら、前回の決戦でもウイングガンダム使えたじゃん…。こうした展開を踏まえ、最後の奮戦を見せたデュオたちは、シンガポール基地壊滅寸前まで追い込み、ロケットやシャトルの強奪に成功。しかし、最後の勢力が残っており、カトルがガンダムサンドロックによる自爆で、一人で決着をつけようとします。しかし―。自爆しようとするカトルを、彼の意思に反して地上に降ろし、さらに自ら敵の方へと歩いて行ったガンダムサンドロック。その描写から察するに、トロワの操縦やプログラミングによる行動ではないようです。感動的な描写だけどさ、いつから『W』の世界のガンダムに、自律システムが導入されたんだ?

 

ガンダムの大気圏離脱を許してしまったOZは、水面下でガンダム開発者と思われる技術者たちの拘束に奔走。最後まで研究所内に立てこもっていたドクターJを捉えたことで、5人のガンダム開発者全員が、OZの手に落ちてしまいます。開発者を確保したことで、戦いを有利に進めることができると確信するレディ・アンでしたが、ドクターJたちはそう簡単に敵の手に落ちるような人間ではありませんでした。今回の終盤で、いよいよガンダムの開発者である5人が勢ぞろい。それぞれドクターJ(ウイングガンダム)・プロフェッサーG(ガンダムデスサイズ)・ドクトルS(ガンダムヘビーアームズ)・H教授(ガンダムサンドロック)・老師O(シェンロンガンダム)であり、旧知の仲のようでした。全員多少抵抗したようではあるものの、割とあっさりOZに拘束された様子。ですが、彼らの話しぶりから、それがわざとであるのは明らかでした。いったい、OZの懐にもぐりこんで、何をしようとしているんだろう?

 

 

 

第18話「トールギス破壊」

1995年8月4日放送

登場した敵他:トーラス、リーオー、エアリーズ、キャンサー

「技術がないのではない!戦争をする責任を自分の身体で感じるため、オート機能は与えないのじゃ。」

 

STORY:ロームフェラ財団の意向で、OZは無人モビルスーツ=モビルドールの開発に本腰を入れ始めた。そうした中で、トレーズはゼクスに自分の元へ戻るよう意向を伝えるが、戦士として生きることを求めるゼクスは、その意向に反発し、トレーズの繰り出したモビルスーツ隊との戦いの中で、その姿を消した。一方、ガンダムの開発者5人を拘束したレディ・アンは、彼らにガンダムを超える新たなモビルスーツの開発を要求。当然彼らはそれを拒否するが、偶然カトルの乗るシャトルが捕捉され、さらに戦闘に巻き込まれたことから、やむを得ず協力せざるを得なくなってしまう。時代は、OZのほうへと動くのか?そしてそもそも、人間が戦いを求める理由とは何か?

 

サブタイトルからわかる通り、ゼクスらOZ側の動きに重きを置いた一編。ゼクスは今回をきっかけに、トレーズひいてはOZとの決別することになり、一方でそのOZは、ガンダムを超えるモビルスーツを手に入れんとしていました。前回よりチラッと出てきているモビルドールの話が挿入されますが、それに対し、なぜ今までモビルドールという技術が導入されなかったのか、そしてモビルドールを導入するということがどうなのかということを通じて、戦争の悲惨さやむなしさを表現しているのがGood。終盤のゼクスの描写が若干巻き気味だったけど、制作陣の伝えたい思いはひしひしと伝わってきました。

 

軍法会議覚悟で、トレーズの指定する軍艦に乗艦したゼクス。そこへトレーズからの通信が入り、自分の元に戻るか、それに従わなければ名誉の戦死をするよう迫られます。既に戦士として生きたいと考えるようになっていたゼクスの答えは、決まっていました。一方のトレーズは、ゼクスへ通信していた時は、モビルドール開発テストの立ち合い中。モビルドールの性能に絶対的な自信を持つツバロフ技師長に対し、トレーズは自らリーオーを駆り、人間とモビルドールの共闘について説くのでした。序盤で描かれるのが、ゼクスやトレーズに関わる描写。既に両者の関係性は冷え込んでいましたが、のちの描写を加味して考えると、トレーズはまだゼクスのことを信頼し、部下として使いたかったんだろうなぁということが窺えます。序盤でいきなり「名誉の戦死をしろ」なんて発言をしてたけど、後述するモビルスーツ部隊の強襲時間と数をわざわざ事前に伝えているあたり、本当はそうしたハードルを乗り越えて自分のもとに来てほしかったんだろうなぁ。そんなトレーズは、ロームフェラ財団でのモビルドールのテストの真っ最中。その威力と性能に自信を持つツバロフ技師長をはじめとする財団に対し、トレーズは懐疑的でした。モビルドールは、モビルスーツにそのままAIを乗せた無人モビルスーツのこと。確かにその機能は人間を超えていましたが、危険な代物でもありました。ツバロフ技師長を脅迫し、人間とモビルドールの共闘を訴えるトレーズ。ここにはどんな意図があったんだろう。今回だけ見てると、モビルドールはモビルスーツ以上の性能を発揮してるから、OZ側であるトレーズが嫌がる理由があんまり見当たらないんですよね。

 

宇宙に依然潜伏していた、連合軍の残党の一個小隊は、コロニーへ向かう1機のシャトルを発見。それがガンダムパイロットの1人=カトルが乗るものだと推測した一個小隊は、確保を図りますが、そんな中OZのトーラス部隊が急襲します。一連の事態をレディ・アンの通信経由で知ったドクターJらガンダム開発者たちは、それまで拒んでいた「ガンダムを超えるモビルスーツ開発」に協力することを承諾。それと引き換えにカトルの生存を確保しますが、レディ・アンにはそんな気はさらさらありませんでした。そして破壊されるシャトル。しかし、それに乗っていたのは…。Aパート後半からBパート前半に描かれるのが、宇宙での連合軍残党とOZの戦闘。ここには彼らの他、ガンダム開発者たちの思惑も入り混じっていました。「敵の敵は味方」理論で、連合軍残党がカトルを死守しようとしているのが、戦局的に面白い展開。しかも彼らは、OZがなんとしてでもシャトルを破壊するだろうということを読んでおり、カトルをリーオーに乗せて逆に小隊長がシャトルに乗り、その命を賭してカトルを救っているのがGoodです。小隊長の命を賭けたファインプレー、素晴らしかったですね。一方、コロニーのレディ・アンのいる基地では、彼女の通信を通じてガンダム開発者たちが戦局を確認。その際彼らは、モビルドールをなぜ開発しなかったのかということを語り始めます。ガンダムが開発できるくらいの技術があれば、モビルドールなんてすぐ開発できるはず。それを意図的にしなかったのは、「戦争をする責任を兵士が肌身で感じるため」でした。この論理は、『W』だけにとどまらず、「ガンダムシリーズ」そのものに対する、(本作時点において)無人モビルスーツが出てこないことへの一種の回答のように感じますね。人が乗って戦うからこそ、様々な意味でモビルスーツの意味があるんですね。

 

ロームフェラ財団からエアリーズ50機とキャンサー20機が派遣されたことを知ったゼクスは、これがトレーズの自分に対するテストだと察知。その思いに応えてみせようと、真っ向勝負をかけることを決意します。しかし、さすがのトールギスでも、計70機のモビルスーツすべてを相手にすることは困難。ゆるやかに劣勢に追い込まれていきます。そして、自身の仮面が完全に砕けた時、彼はトレーズとの決別を決意し、戦線を離脱していずこへと去っていくのでした。Bパート後半では、序盤で触れられていたゼクストールギスとエアリーズ&キャンサー隊の戦闘シーンが挿入。その戦闘はかなり激しいものであり、いくらトールギスが強大な力を持つとはいえ、その戦闘継続には限界がありました。トールギスは確かに強いですが、さすがに計70機のモビルスーツを一度に相手にするのは困難。しかも相手は、これをトレーズによる一種のテストとは知らず、ガチで殺しにかかっているため、捨て身の攻撃すら繰り出してきます。こうした戦闘に対するゼクスの答えは、トレーズとの決別と、この場からの撤退でした。ゼクスがトレーズと決別するという流れはいいのですが、仮面が割れるまで戦い、割れた瞬間に「ここまでだ」としていきなり決別しちゃうのは、ちょっと展開が急な印象。もう少し序盤で、描写に含みが欲しかったですね。

 

カトルを除くガンダムパイロットたちは、各々コロニーに到着。それぞれが活動を開始する中、いち早く目覚め、社会へと潜入していたのはヒイロでした。学生としてまた別の学校に転入を果たした彼は、入学の言葉を全校生徒の前で演説することに。そこで語られたものは、戦争ひいては人類そのものの、戦いに対する問いでした。終盤で、ようやくカトル以外のガンダムパイロットたちがチラッと登場。中でも出番が多かったのは、主人公のヒイロであり、彼が転入の言葉を述べる形で、この戦争や人類の戦いの歴史に対して疑問を投げかけるさまが描写されます。ナレーションのように挿入されていたこの長ゼリフは、なかなか興味深いもの。そしてこれには、ヒイロの本心が強く表れているように感じました。それは素晴らしいんだけどさ、学校への潜入名を「デュオ」にするのはやめなよ。視聴者が混乱するじゃないか!

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第19話から第21話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。コロニーに降り立ったガンダムパイロットたちには、賛美も賞賛も無い。ただ、OZ壊滅の任務があるだけだ―。

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