お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『新機動戦記ガンダムW』ちょっとした感想 W-12 (第34~36話)

今回は、新機動戦記ガンダムW』の感想記事第12回目です。

 

第28話でチラッと登場したガンダムエピオンが、今回ご紹介の3話より本格的に登場。ヒール側(トレーズ専用機)になるはずの機体ですが、なんと本格登場からしばらくは、主人公であるヒイロが乗るという展開となりました。詳細は後述しますが、この展開は本当にガツンと衝撃を受けましたね。『W』、キャラの濃さ以外にも、もっと評価されるべき点があるんじゃないかなぁ?

 

なお、前回(第31~33話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第34話「その名はエピオン」

1995年12月1日放送

登場した敵他:ガンダムエピオン、ビルゴ、リーオー、トーラス

「俺の目の前に立ち、俺の命を奪う者。それが…敵だ。」「その戦いには、決着はつかないな。君の戦いの敵とは…運命のことだ。」

 

STORY:大ピンチのヒイロウイングガンダムを救ったのは、トレーズ派の兵士たちの捨て身の行動だった。その後、トレーズの通信に導かれるように、ルクセンブルクの古城へ向かったヒイロは、そこでトレーズと遭遇。会話を交わしたのちに魅せられたのは、ガンダムエピオンだった。それに乗り、自らの未来を見るようトレーズに指示されるヒイロ。その通り機体に搭乗したヒイロは、やがてウイングガンダムゼロに搭乗したときと似たような感覚に襲われ、戦いの鬼になると同時に、激しい嫌悪感に見舞われるのだった。一方宇宙では、ゼクスウイングガンダムゼロを入手していた…。

 

第28話でチラッとその姿を見せていた、ガンダムエピオンの初登場回。しばらくの間身を潜めていたトレーズの会心の作でしたが、それはウイングガンダムゼロと似て、パイロットに強い作用を与える恐怖のモビルスーツでした。今回は、ヒイロとトレーズの哲学的なやり取りがなされたり、ウイングガンダムゼロガンダムエピオンの活躍が描かれたりと、お話面でも戦闘面でも見どころがたくさんあった一編。しっかし、トレーズは結局…いったい何を求めているんだろう?

 

前回、ビルゴの部隊に追いつめられ、大ピンチだったヒイロウイングガンダム。バスターライフルも破壊され、万事休すという状況でしたが、彼を救ったのは、トレーズ派の兵士たちの捨て身の行動でした。ウイングガンダムが損傷してしまったヒイロは、それを放棄し、トレーズの声に導かれるまま、ルクセンブルクにある古城へ。そこの地下深くでは、トレーズが1人、ヒイロの来訪を待ち構えていました。前回あれだけピンチだったヒイロを救ったのは、リーオーに乗るトレーズ派たちの特攻。モビルドールのビルゴたちも、さすがに単純な捨て身の攻撃を予測することは出来なかったらしく、驚くほどあっけなくやられていきます。トレーズ派の兵士たちが「トレーズ様万歳!」と叫んで散っていくさまは、はかなさMAX。そこまでトレーズの人格や思想が、魅力的なものとは思えないけど、財団の考え方に比べれば…って感じなのかなぁ。そんな、トレーズ派たちのおかげで、九死に一生を得たヒイロウイングガンダムを放棄した彼は、そのまま同じルクセンブルク内にある、トレーズの幽閉されている古城に乗り込みます。一応幽閉されている身なのに、今までとほぼ変わらない生活をし、ちゃっかり城の改造までしちゃっているトレーズ。トレーズが巧妙なのか、財団の監視がガバガバなのか、どっちなんだ…。

 

ヒイロを迎え入れたトレーズは、わざと無防備な姿をさらし、ヒイロに暗殺のチャンスを見せますが、ヒイロは発砲できずじまい。それどころか、トレーズの巧みな話術の前に、自分の弱さを露呈させる結果になってしまいます。そんな彼に対し、トレーズが見せたのは、自身が開発したというガンダムエピオン。まるで神でも作り上げたかのように豪語するトレーズを前に、ヒイロはある種の恐怖と侮蔑を覚えるのでした。Aパート後半から、ヒイロとトレーズのやり取りが、かなり時間をとって描写。その思想が正しいものかどうかは別として、自分の生きるべき道や運命を悟り、それに沿って生きようとするトレーズと、一見すると自分を保っているように見えて、実は中身がない(その行動をしている大義や明確な理由がほとんどない)ヒイロが、対比される形で描かれていました。悔しいですが、ここでの会話の話術は、トレーズのほうが上。確かにヒイロは、生きるために今まで戦い続けてきたけど、「なぜそこまでして生きたいのか」・「生き抜いた先に何があるのか」ということを、ほとんど考えて無かったもんなぁ。まあ、そうしたことを深く考えずに、がむしゃらに生き抜くさまもまた、人間らしいと言えるけど…。そんなヒイロは、続いてトレーズからガンダムエピオンの機体を見せられることに。神でも作ったかのように語るトレーズの姿は、ある意味狂気じみていました。第28話でチラッと登場したガンダムエピオンが、正式にこのシーンでデビュー。『G』のマスターガンダムの意匠も入った、「勇者シリーズ」に出てきてもおかしくなさそうなゴテゴテデザインには、ちょっとびっくりしました。

 

宇宙にてウイングガンダムゼロを発見したOZの一部隊は、上からの指示に従い、破壊を画策。しかし、そこにゼクストールギスが現れ乱入したため、その宙域は一気に戦場と化してしまいます。ゼクスの介入を予想していたOZは、用意していたモビルドール・トーラス部隊を投入しまくり、トールギスを自爆に追い込むことに成功。しかし、ゼクスはまさかのウイングガンダムゼロに乗り換えるという選択をし、その脅威的なパワーで、部隊を返り討ちにして全滅させるのでした。宇宙では、未だゼクストールギスで活躍中。ウイングガンダムゼロとそれを破壊せんとするOZの一部隊を発見した彼は、ウイングガンダムゼロの奪還に成功しますが、その代わりトールギスを失う結果になりました。長きにわたってゼクスの愛機として活躍してきたトールギスも、今回で爆散。でも、ウイングガンダムゼロゼクスが乗り換える気があったからとはいえ、モビルドールのトーラス部隊相手にトールギスがやられちゃうのは、パワーバランス的に「?」と感じちゃうなぁ。だって、前回は大量のビルゴ部隊相手にほとんど損傷せずに立ち回ってたし、ハワードと出会うきっかけとなった、トレーズの放ったキャンサー等のモビルスーツ部隊にも、大破しかけても機体は放棄せず戦い抜いてたし…。とにかく、こうしてトールギスを放棄し、ウイングガンダムゼロに乗り換えたゼクスは、とてつもない強さを発揮。OZの一部隊をあっという間に全滅させ、悠々とピースミリオンにウイングガンダムゼロを持ち帰ります。搭乗時間が短かったからということもあり、正気を保ち続けたまま、ウイングガンダムゼロを乗りこなしたゼクス。彼なら、この機体を使いこなせる…かも?

 

ガンダムエピオンに搭乗したヒイロは、そのままルクセンブルクの戦場に直行。OZのビルゴ部隊相手に奮闘しますが、その途中でじょじょに精神に異常 をきたし、敵味方の区別なく襲い始めてしまいます。そして、ある程度状況が落ち着くと、ヒイロ自身も勝機を取り戻すことに成功。なんとかトレーズのもとに帰還しますが、先ほどまでの自信は消え失せており、ガンダムエピオンの持つ恐ろしさに打ちひしがれていました。終盤でヒイロの操縦によるガンダムエピオンの戦いっぷりが描写。のちにボス級キャラの機体となるものを、最初に主人公が乗るという異例の展開にまず驚きですが、その後展開されるガンダムエピオンの恐ろしさに、さらに驚かされました。ガンダムエピオンは、システム構造こそ違えど、搭乗者の精神にじょじょに作用していくというものは同じ。ヒイロウイングガンダムゼロのときと同じく、強烈な幻覚を見てしまい、錯乱状態に陥ります。ウイングガンダムゼロに比べて、ガンダムエピオンも大概な機体。でも、ヒイロの錯乱状態から察するに、ウイングガンダムゼロのほうが、まだモノに出来そうな予感がしますね。ガンダムエピオンは…もうこれ人が操れる機体じゃないでしょ。最終的には、これにトレーズが乗って!ヒイロと一騎討ちをする形になるのかなぁ?

 

 

 

第35話「ウーフェイ再び」

1995年12月8日放送

登場した敵他:ガンダムエピオン、トーラス、エアリーズ

「ナタク、俺を導いてくれ。俺を、正しき道へ―!」

 

STORY:月面基地を無事脱出していた五飛は、故郷のコロニーに帰り、竜紫鈴(ロン老師)の下で修業に励んでいた。しかし、OZがそのことをつかんでいないはずがなく、モビルドール・トーラス部隊が急襲。コロニーの滅びを悟っていた竜老師は、コロニーの自爆の道を選び、五飛は怒りと正義に燃え、OZを返り討ちにする。そこへ続いて現れたのは、ゼクスウイングガンダムゼロだった。同じ頃地球では、財団とOZの、ルクセンブルクを襲撃した戦力が、サンクキングダム周辺を包囲。来る大規模戦闘に備え、ノインはトレーズ派や連合軍の残党をかき集め、またカトルにマグアナック隊へガンダムサンドロックの機体受け取りに向かわせるが―。

 

月面基地でのウイングガンダムゼロの一件以降、全く消息不明だった五飛、そしてトロワの様子が描かれる一編。五飛の乗機であるアルトロンガンダムの活躍が存分に描かれた一方、記憶喪失になり恐怖に打ちひしがれるトロワや、国を守るべく完全平和主義とは真逆の行動に出ざるを得なくなるノインたちと、むなしさを感じさせる描写も多々ありました。五飛をバックアップし導く竜老師、単発ゲストキャラとは思えないくらいの存在感と重要性を放ってたけど、まさか最期はあっけなくコロニーごと自爆するとは、思わなかったな…。

 

月面基地からの脱出に成功していた五飛。彼は今、故郷のコロニーに身を寄せており、かつてお世話になった竜老師のもとで、アルトロンガンダムにふさわしい戦士になるための修行に励んでいました。五飛自身が、竜老師から様々なことを学びなおす中、彼の居場所を嗅ぎつけたOZが、コロニーを急襲。五飛はすぐさまアルトロンガンダムで反撃に出、宇宙へと飛び出しますが、コロニーを盾に取られたことで、一瞬その攻撃を躊躇してしまいます。序盤では、五飛の修行の様子が描写。彼を見守る立場として登場するのが、今回のみの単発ゲストである竜老師なのですが、その単発ゲストとするには惜しすぎるくらいの、強烈なキャラクター性とインパクトを持っていました。着実に強くなりつつも、どこか迷いを捨てきれていない五飛を、厳しい口調ながらも、優しく導こうとする竜老師。うーん、これはまさに、老師O以上に立派に老師をやっていましたね。ただ、彼女の言うことはどれも含蓄のあるものであり、今回だけで観ると「深いなぁ」と感じるものですが、今までのストーリー展開等を踏まえると、「そうなのか?」と首をかしげたくなる発言もチラホラ。最近の『W』、1話1話でのこなすことや展開に重きを置きすぎて、前後との整合性をあまり考えてない感が凄まじいな…。そんな、竜老師とともに修行に励む五飛でしたが、OZがそのことを察知していないはずがなく、モビルドール・トーラス部隊を派遣して襲撃。しかし、その程度の攻撃にひるむ五飛、そしてアルトロンガンダムではありませんでした。月面基地での一瞬の活躍以来、久々の登場となったアルトロンガンダム。今回が実質的なデビュー回になることもあってか、その活躍が存分に描かれていました。システム等はシェンロンガンダムをベースとしつつも、その強さや使い勝手の良さは、格段にアップしている印象を受けたなぁ。

 

竜老師「力とは心じゃ。心とは、己との戦いのことじゃ。お前がお前自身に打ち勝っていかなければ、お前の敵は永遠に倒すことができない…。」

 

コロニーの滅びを悟った竜老師は、五飛にすべてを託してコロニーごと自爆。故郷の崩壊を目の当たりにした五飛は、感情を高ぶらせ、残りのOZの部隊を攻撃し、撤退に追い込みます。同じ頃地球では、ノインがサンクキングダムを包囲する財団とOZの大軍を察知。この国を守るために、ルクセンブルク方面に散っていたヒイロやトレーズ派残党、連合軍残党などに呼びかけて集結させ、またカトルを、ガンダムサンドロックを修理・保管するマグアナック隊のもとへ向かわせるのでした。故郷のコロニーを盾に取られるという、最大のピンチを迎えた五飛。どうやってこれを乗り切るのかと思いましたが、まさか竜老師側がコロニーを自爆させるとは思ってもみませんでした。確かに、この戦乱の世に絶望し、コロニーの滅びを悟る気持ちはよくわかるけど、だからっていきなり自爆するのは、極端すぎないか?というか、竜老師とその弟子たち以外にも、このコロニーにはたくさんの民間人いるよね!?こうした竜老師の行動により、五飛はなんの障害もなくトーラス部隊の全滅に成功。それらを操っていた部隊を撤退に追い込むことには成功します。一方同じ頃、地球では、サンクキングダムが危機に瀕していました。財団とOZの戦力は、ルクセンブルクでの戦いでかなり消耗したかと思われましたが、そんなことは全然無かった様子。そのままの勢いでサンクキングダムを取り囲み、このまま襲撃を受けるのは、時間の問題でした。このサンクキングダムのパートでは、自分たちの国を守るため、完全平和主義の思想に逆行して軍備を拡張せざるを得ない、ノインたちのはかなさが印象的。やっぱり、抑止力の内平和などありえないのかなぁ。ちなみに、この軍備増強のシーンでは、ヒイロガンダムエピオンを持ち込む描写も存在。ええ、トレーズはあの機体をくれたのか!?

 

五飛の活躍っぷりを察知したゼクスは、来るOZとの決戦にはガンダムパイロットの協力が必要だとし、仲間になるようコンタクトをとることを決断。ウイングガンダムゼロで接近しますが、月面基地での一件、そしてゼクスがかつてOZに身を置いていたことを覚えていた五飛は、彼を敵とみなし、問答無用で先制攻撃を仕掛けます。ゼクスはやむを得ず反撃しますが、戦いの最中、じょじょにウイングガンダムゼロにのまれていくような感覚を覚え、誤ってピースミリオンを損傷。アルトロンガンダムには逃げられてしまい、ゼクスの思惑は失敗に終わるのでした。Bパートに入ると、ゼクスが登場。五飛を自分の仲間に引き入れようとするも失敗し、彼のアルトロンガンダムと戦うハメに陥ります。こうして実現した、ウイングガンダムゼロとアルトロンガンダムの対決シーンでは、ゼクスが初めて「ウイングガンダムゼロにのまれる」という感覚を実感。さすがの彼も平常心を保てなくなり、ピースミリオンを誤射した末、アルトロンガンダムを逃してしまうというミスを犯してしまいます。前回の描写だと、なんとか乗りこなせそうな雰囲気を見せていたゼクスでしたが、そんなことはないことが今回で判明。本当、ウイングガンダムゼロを完全に乗りこなせるパイロットって、いるんだろうか…。ちなみに、このウイングガンダムゼロとアルトロンガンダムの戦闘シーンの前後では、五飛がOZを倒すのは今ではないかと語る描写が存在。確かにOZは、軍備面では格段にパワーアップしている一方で、モビルドールを倒されるとすぐ尻尾を巻いて逃げていることから、精神面ではむしろ弱体化している印象。モビルドールを上手くなんとかすれば、十分叩けそうな感じではありますよね。

 

五飛「命のやり取りを、機械に託せば、人間は堕落する。OZを倒すのは、今なのかもしれんな。」

 

とあるコロニーで、記憶喪失状態でふらふら歩いていたトロワは、偶然キャスリンらサーカス団の面々と再会。すべてを察した彼女たちは、トロワを快く受け入れ、サーカス巡業を再開します。時々聞こえてくる「ガンダム」のワードや、ふと去来する自分の正体の謎に苦しむトロワを見て、キャスリンは、決して彼にガンダムの記憶を呼び覚ましてはいけないと決意します。今回、今までのドラマと同時並行で描かれていたのが、トロワのドラマ。ヴァイエイトの自爆に巻き込まれた彼は、そのショックで記憶喪失になっており、自分の名前(コードネーム)がトロワであることを理解するのがやっとの状況。そんな彼を介抱したのが、かつて彼が身を置いていた、キャスリンらのサーカス団でした。これらのシーンでは、キャスリンらの優しさが強く感じられてGood。トロワが実はガンダムヘビーアームズパイロットだと知っている彼女らにとって、トロワはOZに目をつけられかねない厄介な存在のはずですが、それ以上に、「今まで過ごしてきた仲間だから」という思いを優先させているのが、いい感じです。常に自分は孤独だという感じで、ずっと過ごしてきていたトロワでしたが、そんな彼を本気で思ってくれる人々が、こんなにもいたんですよね。

 

 

 

第36話「王国(サンクキングダム)崩壊」

1995年12月15日放送

登場した敵他:ガンダムエピオン、ビルゴ、リーオー、エアリーズ、キャンサー、パイシーズ

ヒイロ、お前にも何か希望があるのか?」「…俺にあるのは、支配と戦う意思だけだ。」

 

STORY:潜伏しているコロニーに帰還していたデュオは、ヒルデに連れられ、サーカス団の巡業を見学。そこでトロワの姿を見、コンタクトをはかるが、キャスリンの猛烈な抵抗の前に失敗してしまう。一方地球では、ロームフェラ財団とOZがサンクキングダムに宣戦布告し、未だかつてない大規模侵攻を開始した。ヒイロガンダムエピオンや、カトルのガンダムサンドロックそしてマグアナック隊も奮戦するが、広がる戦渦を目の当たりにし、リリーナは完全平和主義のもろさを痛感させられる。市民を巻き込まず、平和への理想を崩さない方法。リリーナが考えた末に出した決断は―!

 

完全平和主義は、しょせん絵空事でしかないのか!?今回は、サブタイトル通り、財団とOZの侵攻を受けた末に、リリーナがサンクキングダムの解体を決断するお話。それは決して財団等に屈することを意味しているのではなく、リリーナなりの完全平和主義の貫徹、そして新たなる平和の道への模索を意味していました。ヒイロがリリーナのことを思い、またカトルのガンダムサンドロックが復帰したため、ヒイロとカトルの奮戦が観られるのが、今回の注目ポイント。彼らの活躍が目立つ分、リリーナの動きはどうしても、軟弱なものに見えてしまいましたね。彼女なりに頑張りもがいているっていうことは、よくわかるんだけど…。

 

潜伏しているコロニーに帰還し、ヒルデと過ごしていたデュオ。彼女に勧められるがまま、サーカスの巡業へ向かいます。半ば興味なさそうに見ていた彼ですが、ライオンとともに出てきた少年がトロワであることに気づき、目の色を変えて興行後に楽屋を訪れますが、デュオをガンダムパイロットだと察したキャスリンは、彼を強烈に拒否するのでした。序盤でチラリと、デュオとトロワの様子が描写。記憶喪失状態のままサーカス巡業に同行しているトロワを、デュオが発見したことで、トロワに関わるお話は一気に進みます。今回はキャスリンのブロックで、トロワを元に戻すことには失敗したけど、きっとデュオのことです、これからもサーカス団に目をつけ、トロワの記憶回復&戦いへの引き戻しを図ることでしょう。ということは、トロワの記憶が戻るのも、そんなに時間はかからない…って感じなのか?

 

砂漠地帯を歩き続けていたカトルは、その中の街で起きている戦闘を発見。そこには、モビルドール・ビルゴ部隊に徹底抗戦を行うマグアナック隊の姿がありました。彼らの姿を見つけ、さいかいを喜んだカトルは、すぐさま用意されていたガンダムサンドロックに乗り込み、隊を率いて反撃を開始。ビルゴの部隊を壊滅させ、危機に瀕するサンクキングダムへと急いで帰還します。Aパート後半では、カトルとマグアナック隊の再会の様子が描写。ラシードをはじめとする多くのメンバーが生き延びており、自分たちのテリトリーを侵攻せんとするOZに、真っ向から抵抗を続けていました。ほとんどのメンバーが生存しているのも驚きですが、未だに序盤から登場しているマグアナックを駆り、最新式モビルドールであるビルゴ相手に奮戦していい勝負をしていることにさらにビックリ。マグアナック隊の意地を感じました。ラシードたちは本当に強いし、いいキャラしてるよなぁ。どうか、『W』のラストまで生き延びてほしいぞ。そんなマグアナック隊も、さすがにビルゴの攻撃を何度も受けていると、じょじょに劣勢に。しかし、カトルが合流し、彼のガンダムサンドロックが出撃したことで、戦局は完全にマグアナック隊の有利な形に。ビルゴ部隊を押し返し、サンクキングダムへと急行します。ガンダムサンドロック、久々の登場!マグアナック隊を引き連れ、堂々と先陣を切るさまは、カッコよさMAXでした。

 

世界支配のために、もはやサンクキングダムは用済みと判断した財団とOZは、宣戦布告し、ありったけの戦力を投入して侵攻を開始。この国を守るため、ノインはリリーナの意向を聞く前に、ヒイロらとともに出撃していきます。カトルのガンダムサンドロックとマグアナック隊も合流し、サンクキングダム側はかなりの抵抗を見せますが、それでも財団とOZの物量作戦の前には、追い込まれつつありました。Bパートからは、サンクキングダムを舞台とした、ヒイロたちVS財団&OZの大規模戦闘が描写。その激しさ、さらにヒイロガンダムエピオンやカトルのガンダムサンドロック、そしてマグアナック隊の大奮戦が迫力たっぷりですが、その中で、きっちりとヒイロの本心が描かれているのが見逃せません。リリーナとの再会後も、表向きには「サンクキングダムには一時的に滞在しているだけ」・「完全平和主義などに興味はない」というスタンスで、ツンとしていたヒイロ。ですが今回は、ガンダムエピオンに乗っている際に「暴走しないでくれ」と願っているように見える様子を見せたり、万が一自分が暴走したときのことを考慮して、わざと隊列から離れて単独戦闘を繰り広げる等、リリーナそしてサンクキングダムを彼なりに思っていることが、明確に触れられています。なんだ、やっぱりヒイロは、リリーナのことをしっかりと考えてるんですね。そんなガンダムエピオンは、今回は幸い暴走せずに戦い抜くことに成功。前回時点だと、ウイングガンダムゼロよりも危険な機体という印象を受けたけど、今回のを観る限りだと、そのウイングガンダムゼロよりも使える余地があるのかな、ガンダムエピオン…。

 

戦局的に追い詰められたリリーナのもとに現れたのは、ドロシー。「完全平和主義など絵空事」と吐き捨て、戦いこそ人間の本質であると疑わない彼女に対し、リリーナはそれでもなお、自身の理想を信じて疑わず、また揺らぐことはありませんでした。しかし、戦闘が市街地にまで拡大し始め、一般市民にも被害がおよぶと判断したリリーナは、全方面へ通信回線を開き、サンクキングダムの解体と、自身の身柄をOZに引き渡すことを宣言。自分の身を危険に晒す手段に出た彼女の判断を前に、さすがのドロシーやデルマイユ公爵も、圧倒されるのでした。ヒイロたちが戦っている最中、心理的な戦争を繰り広げていたのが、リリーナとドロシー。もはや状況が状況であるため、自分の本心を隠さず、堂々と完全平和主義を批判するドロシーに対し、リリーナはやはり最後まで屈することはありませんでした。外では戦争が起きており、一般人にも被害が及びかねない状況で、さすがに「武力を持たない平和の実現(=完全平和主義)」を唱えるのは、さすがに厳しい状況。しかしリリーナは、だからといってドロシーの意見を良しとせず、自分の身を呈して戦闘をやめさせ、これ以上の武力の使用を中止させる手段に出ます。そして、彼女の通信をもって、サンクキングダムは財団とOZの管理下に入り、リリーナによる統治体制が崩れ、サンクキングダムは事実上の崩壊に至るのでした。そんなに簡単に国を解体させていいのか?…とも思える、リリーナの大胆な行動ですが、「とにかく戦争を中止させる」という点に重きを置くのなら、十分アリな判断。しかし、財団の下になったからといって、サンクキングダムそして世界に平和が訪れるとは思えないし、デルマイユ公爵はリリーナを“象徴”として利用する気満々なんだよなぁ。リリーナは今後、いいように使われて時代に翻弄される、悲劇のヒロインになってしまうのか―?

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第37話から第39話をご紹介予定です。『新機動戦記ガンダムW』。廃墟となったサンクキングダムでは、2人のガンダムパイロット:ヒイロゼクスが戦う。だが、その戦いは時代が必要としない戦いであった―。

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