イチカのダイナミック真偽識別
あんたの未来で何があったのか、俺は知らないし、想像もつかない。でも…俺だって、負けられねぇんだ！今回の『ウルトラマンデッカー』は、ダイナミックタイプ登場編に続く、アガムスにかかわるお話の前編。ヤプール人までもが登場し、超獣アリブンタを召喚して街で大暴れするなど、特撮パートのダイナミックさが特に目立った一編であるように感じました。
アガムスとの因縁は、おそらく『デッカー』の最終回前に解決する感じがしますが（最終回はおそらくスフィアとの決戦が主になるため）、それそのものは今回と次回だけでは解決しない感じがしてきました。もしかして、12月いっぱいまで引っ張るつもりなのかな？
なお、前回（特別総集編2）の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
カナタとアガムスの再会と、すれ違う両者の心、そしてそれに大胆に介入してくるヤプール人と、少ない登場人物ながらちょっとひねった感じの関係性を作り出してドラマを展開してきた今回。ですが、中盤以降ひたすらアリブンタとのバトルがメインになることから、今回のドラマパートはそこまで重きが置かれていなかったなという印象も受けました。カナタの苦悩はあったけど、アガムスにかかることは大きくは進展してないんですよね。やっぱり、アガムスの話は、今回と次回だけでは解決しなさそうだな…。
突然発生した、市街地の大規模陥没。地下に巨大なエネルギー反応を探知したGUTS-SELECTは、そこに怪獣を超えた存在＝超獣の存在を推測し、カナタたちが調査のために出動します。任務に当たる彼らでしたが、カナタは未だにアガムスの一件から立ち直り切れていない様子。そんなとき、紫色の影が現れ、彼を異次元空間へ連れ去ってしまいます。その犯人は、ヤプール人と、彼らと手を組んだアガムスでした。序盤にアガムスの再登場シーンとヤプール人の登場シーンを挿入した後は、すぐGUTS-SELECTの場面にジャンプ。これ以降、カナタ側の視点が中心となり、ドラマが進んでいきます。アガムスの一件でカナタが悩むのはよくわかるけど、イマイチ描写が消化不良な感じがしないでもなかったかなぁ。カナタ自身の悩みは、アガムスとの一件そのものから「アガムスをどうやったら救えるか」に変わっている（＝パンドン回のときよりも考え方が成長している）ことはきちんと描写できてたけど、それに対する周りの反応がね…。まあ、カナタ自身が、その苦悩をほとんどイチカたちに明かしてないから、仕方ないっちゃあそうなんだけど。そんなカナタは、すっかり油断していたこともあり、アガムスとヤプール人の奇襲を受けるハメに。ほとんど抵抗することができず、偽者とすり替わられてしまいます。ヤプール人のあまりの手際の良さに、笑っちゃいました。
カナタとアガムスがバチバチにぶつかっていた頃、カナタが偽者とすり替わっていることに気づいていなかったソウマとイチカは、アリブンタの潜伏する地点に誘導されてしまうハメに。しかし、ソウマが寸前で偽者のカナタの正体を見破ったことで脱出に成功し、本物のカナタと合流します。そして、地上に現れたアリブンタに対し、攻撃を開始。ところが、アリブンタは攻防ともに強固で、GUTS-SELECTの武装ではほとんど歯が立たず…。中盤では、カナタとアガムスが真正面からぶつかる様子が描写。ダイナミックタイプ登場回のときに比べて、カナタが一切ひるまずに立ち向かっていた姿が、印象的でした。アガムスがカナタ個人をつけ狙うようになった理由を、「カナタ自身もまた憎むべきデッカーの光の1つ（＝ダイナミックタイプ）を自力で手に入れたから」としていたのも、ナイスな設定でしたね。そんな、本物のカナタが奮闘している間、偽者はソウマたちをワナにハメようと画策。幸いにも、寸前でソウマが気付いたことにより、最悪の事態は回避されます。この後の戦闘シーンの時間との兼ね合いからか、ヤプール人は割とあっさり正体をばらし、本物のカナタもあっさり解放。イチカがカナタの見分けをつける際、半ばわざと頬を叩いてその反応を確かめていたのは、乱暴ながら彼女たちらしいなと感じました。
デッカーに変身したカナタは、真正面からアリブンタに突撃。ありったけの攻撃を叩きこみますが、途中でアガムスがテラフェイザーを召喚したこともあり、大ピンチに陥ります。ですが、デッカーは、「絶対に負けられない」という気持ちのもと、タイプチェンジと各能力を駆使して反撃。アリブンタをダイナミックタイプで撃破し、テラフェイザーを再び機能停止に追い込み、爆発に飲み込まれそうになるアガムスを救います。こうして、アガムスと再び話す機会を得たデッカーでしたが…。詳細は後述しますが、今回は戦闘シーンがかなり長めに確保。前半ではデッカーの苦戦がかなり目立ちましたが、そのぶん後半からの戦闘は、タイプチェンジの駆使具合も、戦闘のスピーディーさも、目を瞠るものがありましたね。そうした戦闘を経て、アガムスを救うため、最後の力を振り絞り、身を呈して彼を守ったデッカー。しかし、アガムスはヤプール人とすり替わっており、デッカーはヤプール人の能力で、宇宙へと飛ばされてしまいます。果たして、デッカーの運命は？次回に続く―！
◎特撮面
アリブンタにテラフェイザーと、強力な敵が次々と現れた今回。その脅威、そしてそれらに対するデッカーの後半からの反撃が、超ダイナミックに描かれていたのがGoodでした。どちらかと言えばアクションに重きを置いたシーンづくりになっており、それが坂本監督演出と良い化学反応を起こしてくれていましたね。
巨大なエネルギー反応の正体は、超獣アリブンタ。なんとか地上に脱出したカナタたちと、ガッツファルコン&ガッツホークを操縦するハネジローによる、2方面からの攻撃が展開されます。しかし、アリブンタの防御力は高く、続いて現れたデッカーを地中へ引きずり込もうとするほどの勢いで…。戦闘シーン序盤は、アリブンタがメイン。ちゃんと蟻酸を吐いてガッツグリフォンを墜落に追い込んでいたほか（このときの、ガッツグリフォンのやられ演出もGood！）、デッカーを地中に引きずりこみながら襲うなど、オリジナルへのオマージュを演出しつつ、見ごたえのある絵を作り出していました。特に、地中に引きずりこみながらデッカーと戦うシーンは圧巻。これを実際のセットで組み、そして撮影していることに、舌を巻きました。
デッカーはストロングタイプにチェンジし、アリブンタから距離を取ることに成功。しかし、今度は蟻酸攻撃を受けて怯まされたうえ、さらに出現したテラフェイザーの猛攻をくらい、大ピンチに陥ります。このままデッカーは、ダウンしてしまうのか！？中盤では、これでもかというほどデッカーがズタボロにやられるさまが描写。アリブンタ&テラフェイザーの猛攻には、「ここまでやるか！？」と衝撃を受けました。ピンチ描写として大変素晴らしいこれらシーンでしたが、欲を言えば、デッカーがアリブンタの蟻酸をくらい、ビルに突っ込んでしまうシーンの際、蟻酸によりビルがドロッと融ける描写も欲しかったなぁ。演出的に難しいのは、よくわかるんだけどさ…。
やられっぱなしのデッカーでしたが、カナタが気合いを入れ直し、ミラクルタイプにチェンジ。その固有能力を存分に活かし、短時間のうちに形勢を完全にひっくり返してしまいます。その勢いのままテラフェイザーを機能停止に追い込んだデッカーは、さらにダイナミックタイプへとチェンジし、アリブンタを下すのでした。後半から、デッカーの怒涛の反撃が開始。今までにないくらい、ミラクルタイプの能力や攻撃技が披露され、あれだけ苦戦を強いられていたアリブンタ&テラフェイザーを、一気に追い込んでくれていました。このミラクルタイプの攻撃には、様々な要素が込められており、その攻撃スタイルが『ダイナ』のミラクルタイプをベースにしているのはもちろん、アリブンタとテラフェイザーに大ダメージを与えた攻撃が、『A』においてエースとゾフィーが見せた技と同じになっていました。いや〜、ここまでやるかと唸らされましたね。そのあとのダイナミックタイプの活躍も、短時間ながらインパクト大な攻撃を見せてくれており、迫力満点でした。本当に今回は、上述したとおり、坂本監督演出がガシッといい感じにはまっていましたね。
ヤプール人の力により、月面基地へと飛ばされてしまったカナタ。スフィアのバリアに覆われた地球へは、デッカー単独の力で戻ることはできない！カナタはこのまま、スフィアの巣窟と化した月面基地に閉じ込められてしまうのか？そこに、強力なあの先輩が現れた！
次回は、再びケンゴ／ウルトラマントリガーが登場！9月頃に展開された前後編以上に、戦闘面での彼とカナタとの連携が楽しめそうです。でも、なんでケンゴは月面基地にいるんだろう？そして、ここからカナタはどうやって地球に帰るのか？次回が楽しみでしょうがありませんね。
読むしかねぇ…。第19話の感想記事も、読むしかねぇんだ！
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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