お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

自分の歌を歌えばいいんだよ。展覧会岡本太郎 in 大阪

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「せっかく来たんだから、土産くらい買っていけよ」と勧誘する巨人、タローマンである。

 

 

 

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今回は、7月23日(土)~10月2日(日)の日程で、大阪中之島美術館にて開催されている「展覧会岡本太郎」のレポートです。

 

9月上旬から中旬にかけて、夏休みをとり関西に帰省していた私。実家に帰る新幹線で「そういやまだ中之島の美術館で開催中だから、帰省中に行けるのでは!?」と思い立ち、なんだかんだで家族も私と同じく『TAROMAN(タローマン)』に興味を持っていたので、急遽行ってみることにしました。

 

大阪中之島美術館は、JR各線から見るとちょっと位置が中途半端なので、梅田からドーチカ(ドージマ地下センター)を通って、徒歩で攻めることに。久しぶりにあの界隈通ったけど、ちょっと小綺麗になってたなぁ。

 

なお、今まで訪れた岡本太郎関連スポットの記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

また、全ての発端となった『岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN(タローマン)』のレビューは↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

※展覧会岡本太郎は、館内の撮影につき一部を除いて許可されています。今回当ブログに掲載する画像は、すべて許可エリア内で撮影したものであることを申し添えます。

 

 

 

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展覧会岡本太郎は、川崎市岡本太郎美術館をはじめとする、日本を中心とした各地の美術館等に展示されている氏の作品を網羅し、それを時系列的に紹介していくもの。作品数が多いうえ、氏の生涯よりも作品そのものにスポットを当てているため、以前訪れた川崎市岡本太郎美術館以上に、その作風の移り変わりを感じ取ることができました。

 

時系列で見ていくと、戦前の頃は抽象性も薄かったのに対し、戦後すぐから60年代にかけては、一気にその要素が爆発し前面に出てくる形に。そして、70年代あたりの作品からは“目”の要素が追加されることで、抽象性の中にハッキリとした何かを感じ取れるようになるというのがよくわかります。

 

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そうしたこれら作品の中で、私が最もインスピレーションを感じたのが、1964年の「反世界」という作品。空間を割くかのように、無数の白い手らしきものが、中央部より飛び出さんとしている絵です。

 

見た目からして、少なくとも楽しげな感じの絵ではない印象。ですが私は、この絵から、「無数のおぞましい手」が「私たちを捕まえて「あちら側」へ引きずり込んでしまうような」恐怖(館内解説文より)ではなく、むしろあちら側の手が、殻を破ってこちらの世界へ飛び出して来ようとする渇望を感じました。

 

あちら側の手の真意はもちろんわかりませんが、少なくともあちら側にとっては、こちらの世界に手を伸ばすことに対してプラスの思いを抱いているように感じたんですよね。

 

このように、人によって多種多様な感じ取り方があり、それが成立しうるのが、絵をはじめとする芸術全ての大きな特徴と言えるでしょう。特に、その芸術が抽象的であれば抽象的であるほど、想像が膨らみますよね。

 

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こうした氏の作品の中には、『TAROMAN(タローマン)』の奇獣のモチーフとなった作品も多数存在。「あっ、この作品は!」と、足を止める人も多数いました。「痛ましき腕」や「森の掟」は、この絵において何が主役かというのがわかりやすいですが、以降の作品は、どれに焦点を当ててもそれが主役と捉えられうるという形になっているのが面白いです。

 

そして、今回含めてここ1か月ちょっとで岡本太郎作品に多数触れて感じ取ったことは、「氏の言葉はまさに芸術というものの真理を突いているな」ということ。芸術は作者の感情や考えの発露であるから、「爆発だ」という表現はまさに適切ですし、その爆発っぷりは人によって多種多様なのであるから、「美ってものは見方次第」だし「自分の歌を歌えばいいんだよ」となるんですよね。

 

また、氏の考えに立つと、いかに一般人や美術評論家の「絵がわかる」という表現がおこがましいか、よくわかります。人間は自分の感情や考えすら100%理解しきれていないのに、他人の感情や考えを100%理解できるはずがない。それはつまり、上述の通りそれらの発露である芸術が、作者から見て他人である我々に、100%「わかる」はずがないんですよね。

 

しかし、それは決して悪いことではなく、またある種の放棄ではありません。そうした他人だからこそ、他人なりに芸術を感じ、噛みしめることができるのです。

 

 

 

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そして、展覧会岡本太郎では、展示外にて、『TAROMAN(タローマン)』のフォトスポット等も設置。ミニチュア自体もなかなかの作り込み具合である一方、防衛隊の戦闘機がピアノ線を伝ってモーターでチープに動き回るさまがシュールさを醸し出しており、『TAROMAN(タローマン)』らしさがにじみ出ていたように思えました。

 

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本当、タローマンって、撮る角度によって顔のイメージが変わるよなぁ。一方から見ればまんざらでもないような表情を見せるし、また別の角度から見ると不満そうにも見える。タローマンの顔は、岡本太郎の「若い太陽の顔」等がモデルになっているのですが、氏はこの作品で、人間の二面性も表現しようとしたのでしょうか。 

 

 

 

 

 

 

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さて、この展覧会岡本太郎は、10月2日まで大阪で開催されたのち、いよいよ10月末からは東京でも開催予定。ですが、9月中旬の普通の日曜日の時点でべらぼうな混雑だったので、東京で参加するつもりの方(私もそうですが)は、相当の混雑の中を行く覚悟を決めるか、平日の中途半端な時間帯を狙うかしたほうがいいと思います。

 

そうそう、この展覧会では、グッズもいくつか売られていたんだよね。これについては、次回以降取り上げることにしましょう!

 

↓なんだこれは!?

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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