お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

芸術は爆発だ。川崎市岡本太郎美術館

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べ ら ぼ う な 夢 は あ る か ?

 

 


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今回は、川崎市多摩区の生田緑地内にある、川崎市岡本太郎美術館」のレポートです。

 

先月中旬より放送された、『岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN(タローマン)』の影響で、すっかり岡本太郎という人間とその思想に興味を持った私。「今行ったら絶対混んでるだろうな」と思い、10月中旬の「岡本太郎展」東京開催に併せて行くことも考えましたが、やっぱり思い立ったが吉日・善は急げということで、先週末の8月6日(土)に訪れました。

 

最寄り駅は小田急向ヶ丘遊園駅であり、歩いて約15分ほど。向ヶ丘遊園駅は、名前の由来である向ヶ丘遊園が存在した頃のほか何度も降りたことのある駅ですが、そういえば生田緑地まで歩いたことはありませんでした。自分が子供の頃から馴染みのある土地の近くに、こんなべらぼうなものがあったとはなぁ。

 

なお、全ての発端となった『TAROMAN』のレビューは↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

川崎市岡本太郎美術館は、基本的に館内の撮影は許可されています。今回当ブログに掲載する画像は、すべて許可エリア内で撮影したものであることを申し添えます。

 

 


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川崎市岡本太郎美術館は、そのデザインや構造こそ個性的なものの、美術館としての展示順は非常にオーソドックスなもの。岡本太郎の生涯を追いながら、生前氏が創り上げた作品の数々を追っていくというものです。

 

作品の数は、大小様々でありかなりの量があるため、1つ1つの細かい解説は割愛。一部、「岡本太郎展」に提供しているため館内に無い作品といくつかあったようですが、有名な作品から「ちょっとこれは知らなかったぞ」というものまであり、想像以上に楽しむことができました。


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ちなみに、『TAROMAN』で登場した、TAROMANの顔(「若い太陽の顔」)・風来坊の隣にいた犬っぽい動物(「動物」)・赤い手・青い手・河童星人の円盤(「河童像」)もキチンと存在。作品を見た瞬間、「ああ、これか!」と膝を打ちました。

 

 

抽象画っぽく見えて、力強い。でたらめに描いているように見えて、実は緻密。そんな岡本太郎の作品の実物を間近で見て痛感したのは、「氏の溢れ出る爆発したパッション」と、「見る者をに訴えかける構図の不明瞭さ」でした。

 

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まず、「氏のパッション」。これは『TAROMAN』のレビューでも述べていますが、氏の作品はどれも、筆致や色彩からかなりの力強さを感じます。しかも、それはでたらめに爆発しているものではなく、ラフを描き、きちんと線引きによる色の境界が明確にされた上で表現されているもの。ここに私は、氏の強い情熱と抱く論理を、絵という媒体で表現しようとする理性を感じます。

 

もし、本当に何も考えずでたらめに描いていれば、こうした緻密な一面を感じられることはないでしょう。ラフから完成品を見ると、意図的に構図が崩されている作品もあることから、いかに氏が、作品において彼なりに計算していたかがよくわかります。そういう意味では、彼の作品はある意味論理的なものと言えるでしょう。

 

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続いて、「見る者をに訴えかける構図の不明瞭さ」。これは、作品をいくつも見てふと気づいたのですが、氏の描く絵の中には、時々「どちら側見た構図なのだろう?」と不思議に思うものがあるのです。

 

普通の絵なら、その絵画技法だの何だのはともかく、「これはどこから見た視点か」とか「この絵は誰が主役か」というものくらいなら、一般人でもなんとなくわかるもの。例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」なら、「中央にいるモナ・リザが主役だな」ということがわかりますし、フェルメールの「牛乳を注ぐ女」であれば、「女性がシチュー皿(?)に牛乳を注いでいる構図を描いているんだな」ということがわかります。

 

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では、個人的に今回最も強い衝撃を受けた岡本太郎の作品「遭遇」を見てみましょう。

 

左の生物と右の生物の遭遇を描いたのであろう、この作品。ならば、この絵における“主役”はどちらでしょうか。

 

大きく描かれているのは右の生物なので、一見するとこちらが主役と思えますが、他方遭遇により受けた“衝撃”は、左の生物のほうが大きいように見えます。

 

右の生物が左の生物に遭遇したことの衝撃を表現しているともとれるし、左の生物が右の生物に遭遇したことに驚き、そのオーラに圧倒されているようにも見える。この不明瞭な構図、そしてそれによる考察のし甲斐が、岡本太郎の作品にはあるのです。

 

「どっちも主役なんじゃないの」と言っちゃえば、それで終わりなのかもしれませんが、この作品には、そうしたざっくりとまとめられるようなものではない“何か”が潜んでいる―。そんな印象を私は受けましたね。

 


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そしてこうした氏の作品の数々に圧倒されていると、最後は著作へと話題が移り、彼の文筆業面での活躍の紹介へ。生前氏が、これほど多くの本やエッセイを書いているとは知りませんでした。確かにこれを見ると、岡本太郎という人物の職業を、単に画家とくくることはできませんね。言うならば創作者、さらに氏の言葉を借りれば、まさに「職業:人間」という表現が、適切だと言えるでしょう。

 


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その他特設展として、小松美羽氏の展覧会も館内で開催。幾多の修行や経験を受け、現在のきらびやかな(という表現は語弊があるかもしれない)作風に至ったさまは、まさに苦悩し七転八倒してきた、彼女の人生を感じ取れたように思えました。なるほど確かに、創作というものは人を写す鏡と言えますね。

 

 

 

 

 

 

途方もない、様々な意味でべらぼうな作品が数多く展示されていた、川崎市岡本太郎美術館。この日は、ここを訪問したあと、港区にある岡本太郎記念館にも足を運びました。

 

というわけで、次回以降では、その岡本太郎記念館のレポートをお送りします。お楽しみに!

 

↓なんだこれは!?

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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