今回は、『機動戦士Vガンダム』の総括感想記事です。
90年代、ひいては平成初のTVシリーズ作品となった『V』。モビルスーツのデザインが個性と魅力で溢れている一方で、そのストーリーは、シリーズトップクラスのハードなものでした。全編通して観ると、「楽しい」の一言で簡単にまとめられるような穏やかな作品では決してありませんでしたが、そうしたことを加味しても、私はこの『V』が、「ガンダムシリーズ」の中でトップクラスで好きな作品だと言えますね。
なお、前回(第49~51話[終])の感想記事は↓コチラです。
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次作『G』や次々作『W』に比べると、メディア露出も少なく、「ストーリーがハード」という側面ばかりクローズアップされてしまっている『V』。しかし、実際に本編を観てみると、この作品ほど、過去作に比べて人間の未来に希望を持たせてくれる作品はないと言えます。
本作に出てくる“大人たち”は、言ってみれば皆悪者。侵略戦争を仕掛けてくるザンスカール帝国側は言わずもがな、味方であるリガ・ミリティア側だって、ある者はいいようにウッソら子供たちを戦争に狩り出し、ある者は反戦だのなんだの訴えて現実から見て見ぬふり。その大小に差はあれど、大人たちはある種皆悪いヤツとして描かれています。マーベットやシュラク隊の面々は、最後までウッソたちを支援してくれましたが、やむを得ないとはいえ結局最後まで彼らを戦争に狩り出したという意味では、他の大人たちと同じでしょう。
それに対して、ウッソら子供たち。もちろん、子供であるがゆえの悪さや未熟さはありましたが、基本的にウッソやシャクティ、そして彼らを取り巻く仲間たちは、皆勝利に向かって純粋に戦争に身を投じていきました。一番口が悪かったのはオデロであり、身勝手な行動が多かったのはウッソでしたが、両者ともに少なくとも「リガ・ミリティアを貶めてやろう」と思って何かアクションを起こしたことはありませんでした。そういう意味では、本作における子どもたちは、純粋で良い者という扱いなのです。
このような構図がある中で、本作のストーリーを考えてみると、その純粋で良い者たちであるウッソら子供たちが、戦局を切り開き地球側の勝利をもたらしたということがよくわかります。「だってウッソは主人公だし」といえばそうかもしれませんが、やはりここには、制作陣の強いメッセージが込められているように感じますね。
そして、その子供たちが勝利し、未来をつかみ取り、地球で平穏な暮らしを始める―。これは、カミーユが精神異常をきたした『Z』最終回や、ある意味ハッピーエンドとはいえ故郷を去ることになった『ZZ』最終回に比べれば、ウッソたちは当初から求めていたものをちゃんとつかみ取っていることがよくわかります(多大な犠牲を払ったけど…)。ここに、制作陣の未来への希望、そしてそれを切り拓くのはメインターゲットである子供たちだということが、ひしひしと感じるのです。
こうした希望を感じさせる最終回のラストというのは、『ガンダム』以来ではないでしょうか。カテジナが重度障碍者となるというダークな要素も盛り込まれていましたが、あれは全ての本作における悪い大人たちの業を背負った、彼女にらしい末路と言えるでしょう。ゆえに、本作最終回は、どちらかといえばハッピーエンド寄りと言っていいと私は思います。
絶望的な状況の連続でも、くじけずに立ち向かい、勝利をつかみとったウッソたちの姿。これこそが、『機動戦士Vガンダム』の訴えてくれた未来への希望、そして人間讃歌なのです。そういう意味では、これほど「ヴィクトリーガンダム=勝利のガンダム」という名称がふさわしい作品は無いでしょうね。
さて、モビルスーツに目を向けると、上述のとおり個性的なヤツらが多かったのが印象的。それにプラスして、そのほとんどがかなり機能的なシステムを持っていたのが興味深かったですね。ザンスカール帝国のモビルスーツは、どれも『ガンダム』のときに比べるとかなり変わった見た目してるけど、『F91』のクロスボーン・バンガード系モビルスーツからの発展と考えると、そこまで違和感は無いですしね。
ちなみに私の推しは、V2ガンダム・ヴィクトリーガンダム・シャッコー・ジャバコの4機。ザンスカール帝国系のモビルスーツはほとんど現行ガンプラで商品化されてないから、30周年を迎える来年あたりにドドンと出ればいいのにな〜。
時は未来世紀。人類は、荒廃した地球を捨てて宇宙宇宙コロニーに生活する者と、地球にとどまり生活を続ける者に分かれ、その格差は拡大。地球の荒廃は、さらなる悪化の一途をたどっていた。
そんな中、コロニー国家間の覇権をかけて行われる機動兵器“ガンダム”による格闘大会「ガンダムファイト」の、第13回大会開幕の年を迎え、各コロニー国家から、ガンダムとそれに乗るパイロット:ガンダムファイターが地球に向かって放たれた。ガンダムにとっては、地球は戦いの場=リングなのだ。そして、そのガンダムファイターの中には、ネオジャパン出身の男性:ドモン・カッシュもいた―。
みなさんお待ちかね!
いよいよ開幕しました!ネオジャパンの代表ドモン・カッシュ!
最初の挑戦相手はネオイタリアのファイター!地球をリングにした注目の第1戦!
シャイニングガンダム対ネロスガンダムのゴングが、今鳴り響きます!
…というわけで次回からは、1994年放送の『機動武闘伝Gガンダム』の感想記事が始まります。お楽しみに!
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☆ガンプラ Pick Up!
『Vガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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