お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-12(第34~36話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第12回目です。

 

打倒・モトラッド艦隊、そして母との別れ!今回ご紹介の3話で、前回より登場しウッソたちを苦しめるモトラッド艦隊との戦いに決着がつくことに。しかし、その戦いはあまりにも多くの犠牲者を出したうえ、生き残った者たちも狂気にかられ、誰しもが深い傷を負うという、子供向け番組としてはあまりにも重すぎる展開となりました。特に、第36話のモトラッド艦隊との決着編は、あまりにも凄惨。これを金曜夕方5時から放送していただなんて、ちょっと信じられないな…。

 

なお、前回(第31~33話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第34話「巨大ローラー作戦

1993年11月19日放送
登場した敵他:ゾリディア、ゲドラフ、ゾロ、アインラッド、バイク戦艦アドラステア、バイク戦艦リテシア

「あのタイヤ付きを止める盾となれ、壁となれ!モビルスーツ!!」


STORY:一時的にモトラッド艦隊を見失ったリーンホースJr.でしたが、オデロの働きと地球連邦軍の協力により、北米大陸へ向かっているという情報をつかみました。しかしその時、既にモトラッド艦隊は順次タンピコの街より上陸し、「地球クリーン作戦」を始めてしまっていたのです。巨体で街を、人を蹂躙する艦隊は、ウッソたちの総力を挙げた攻撃でも、全く止まる気配を見せません。そんな中、旗艦であるバイク戦艦アドラステアの中にミューラの影を見たウッソは、なんとしても艦隊を止めるために、禁忌の技に手を出してしまうのです!


恐ろしき、地球クリーン作戦の全貌!今回から、モトラッド艦隊の当初の目的である地球クリーン作戦が開始。それは、巨体を誇る艦隊そのもので、街や人々を丸ごとすりつぶすという、シンプルながら、だからこそ恐ろしい作戦でした。ウッソたちも必死に攻撃を加えますが、全く艦隊は止まる気配はなく、先行して攻撃を加える連邦軍の正体もすりつぶられるなど、絶望的な展開が連続。純粋にそれを止めるためにウッソが引き起こしたモビルスーツの核爆発も、結果的に地球を汚すだけで艦隊を止めることはできず、苦々しさだけが残りました。ミューラがいるため直接攻撃がしにくいというカセも、さらなるドラマを生み出してくれてましたね。


ドッゴーラと戦っていたせいで、モトラッド艦隊を取り逃がし、見失ってしまったリーンホースJr.。地球連邦軍とも協力して情報収集にあたる中、海中でアンダーフックの警護に当たっていたオデロのガンブラスターが、バイク戦艦リテシアを捉えます。それを追跡すると、モトラッド艦隊に到達。位置がバレて逆に先制攻撃を食らうことになるオデロでしたが、オデロの連絡を受けて駆け付けたトマーシュとの連携により、ゾリディアとアインラッドを鹵獲。さらにその中に乗っていたカテジナ配下のパイロット:ゴズ・バールを捕虜にします。北米大陸に向かうモトラッド艦隊を最初に捕捉したのは、オデロ。今回は全編にわたって彼の活躍が目覚ましく、序盤のこのシーンでは新型モビルスーツ:ゾリディアとやり合って、トマーシュの介入を経て作戦勝ちしてゾリディアとアインラッドを鹵獲しゴズを捕虜化。中盤以降のタンピコでのモビルスーツ戦も制し、ミューラに固執し感情的になるウッソを落ち着かせるなど、一モビルスーツパイロットとして十分すぎるくらいの活躍を見せています。つい数話前までは、ガンブラスターを着艦させることすら四苦八苦してたのに、この成長っぷりには驚かされると同時に、なんだか嬉しくなっちゃいましたね。そんなオデロの活躍と地球連邦軍の情報網により、モトラッド艦隊の目標が北米大陸であることが確定。リーンホースJr.とホワイトアークは、現地へ向かいます。


北米大陸へと向かったリーンホースJr.は、洋上で戦火に燃えるタンピコの街を視認。それもそのはず、既に街にはモトラッド艦隊がバイク形態で上陸を果たしており、その巨大なタイヤで街を踏みつぶしていたからでした。現地の連邦軍の小隊は壊滅寸前であり、ウッソたちも出撃しますが、新規投入されたゾリディアの他、ゲドラフやゾロといったモビルスーツ部隊の足止めを食らって時間を浪費することに。それによる街への被害の拡大が、ウッソたちをさらに焦らせていきます。Aパート後半から、モトラッド艦隊の目的である地球クリーン作戦が開始。それはモトラッド艦隊の備えるタイヤで、ロードローラーのように街をすり潰し、ザンスカール帝国の勝利後そこに新たな世界を築くというものでした。クロノクルらの言う通り、(そもそも戦争が地球にとっていいのかという問題はさておき)火薬や大量破壊兵器を使わないという意味では確かに地球にやさしい作戦と言えますが、やられる側とすれば容赦なく人含めてすり潰されるという、このうえなく非人道的な作戦。しかし、その巨体の前に、地球連邦軍の一小隊が力及ぶはずもなく、また加勢に出たウッソたちも、カテジナが率いるゾリディア・ゲドラフ・ゾロの部隊に苦しめられます。連邦軍の小隊が倒されるシーンは生々しく、先陣を切って突っ込んでいったジャベリンは艦隊に潰され、建物で陣を張っていた残りのメンバーは砲撃を受けて全滅と、壮絶な最期を遂げます。これで作戦名が「地球クリーン作戦」なんだから、もうあらゆる意味で皮肉なもんだよねぇ。また、この後のシーンでは、ウッソたちによるモビルスーツ戦が挿入。さらに狂気に取りつかれていくカテジナと、そんな彼女に怒りを爆発させ、V2ガンダムで取っ組み合いを挑むウッソが、強く印象に残りました。


モトラッド艦隊の武装を直接叩くしかないと悟ったウッソたちは、モビルスーツをあらかた倒した後、各艦に張り付いて武装を攻撃。その中でウッソは、バイク戦艦アドラステアの一室にミューラがいるのを目撃し、攻撃の手を止めてしまいます。その後、彼はミューラの救出に固執するようになり、ビームサーベルを使ってそこだけを切り取ろうとする作戦を決行。部分的には成功しますが、ミューラ救出はかなわず、依然モトラッド艦隊は止まる気配はありませんでした。後半からウッソたちは、力でモトラッド艦隊を真っ向から止めるのは不可能であるため、武装等を破壊して丸裸にし、戦闘不能にさせようという作戦に方針変更。タンピコの街を傷つけないために、モビルスーツ・モトラッド艦隊どちらも爆発させずに戦う必要があったからでした。普通の市街地戦ならその考えは正しいけど、既に個々の市街地は半分くらいが壊滅状態。ここまでやられちゃったなら、逆に爆発でもなんでもさせてでもここで食い止める方が、より有効なんじゃないかなぁ?そしてこの後、モトラッド艦隊に張り付き攻撃を加えるウッソでしたが、その最中ミューラが、バイク戦艦アドラステアの中にいるのを目撃。このことを彼は終盤まで誰にも報告せず、独断で彼女を救い出そうとします。ビームサーベルで街頭の部屋だけを切り取り、その後バイク戦艦アドラステアを叩こうとしたウッソ。しかしそれは、周囲の攻撃により妨害されます。まあ、そんな大胆かつムチャな戦法、ウッソであっても上手くいくはずないよね。


モトラッド艦隊の侵攻が続く中、第2シュラク隊のメルクリンが特攻し、大爆発。それを見たウッソは、パイロットが死んで使い物にならなくなったモビルスーツのエンジンを爆発させ、その威力で艦隊を止めようと考えます。ウッソのムチャな作戦に当初は懐疑的だったマーベットたちも、これに協力。ジャベリンを直接投げつけてV2ガンダムビームライフルで撃ち抜きますが、爆心地付近のバイク戦艦リテシアが数機撃沈した以外は大きなダメージを与えることができず、核による汚染が残るという結果に終わってしまいます。なぜか唐突に特攻をかけた、第2シュラク隊の1人:メルクリン。顔どころか今までその存在すらセリフ上にも出てきていなかったため、なぜそんな戦い方をしたのか全く不明ですが、彼女の行動はウッソにヒントを与えます。ウッソたちこの世界の人間が、モビルスーツの爆発を過剰に恐れているのは、もちろんその爆発時の衝撃もそうですが、モビルスーツの中には核融合エンジンを搭載しているものもあるため。地球連邦軍のジャベリンもその1つであり、放棄されていたその1機を発見したウッソは、モトラッド艦隊を止めるため、ジャベリンのエンジンを利用した核爆発を引き起こすことを決意します。モトラッド艦隊を止めるという“大義”のために、ウッソが強硬的な手段を選択した瞬間。彼自身にはそこまでの考えはないのかもしれませんが、この時の彼の行動は、いろいろと考えさせられるものがありましたね。そんなウッソによる攻撃は、バイク戦艦リテシアをいくつか撃沈したものの、モトラッド艦隊に大ダメージを与えることはできずじまい。ミューラを救こともかなわず、ウッソには悲しみと悔しさだけが残りました。モビルスーツの核爆発にすら耐える、バイク戦艦アドラステア。こんなの、一体どう倒せばいいんだ!?

 

 

 

第35話「母かシャクティか」

1993年11月26日放送
登場した敵他:ブルッケング、ゾリディア、ゲドラフ、アインラッド、バイク戦艦アドラステア、バイク戦艦リテシア

「ミューラ・ミゲルとウッソ・エヴィンが親子だと!?強情なのはよく似ている…」


STORY:リーンホースJr.で捕虜になっていたゴズは、スキを見てゾリディアを奪還し、V2ガンダムを鹵獲して脱走しました。しかしそれは、ウッソたちの作戦だったのです。上手くバイク戦艦アドラステアの中へ潜入したウッソとオデロは、ミューラとも再会し、彼女の手を借りて内部を爆破。騒ぎを起こして混乱に陥れることに成功します。しかし、シャクティを救出しようとしたことが、ウッソたちを追い込んでしまいます。半ば成り行きで、ミューラを置いてシャクティのみを救出することになったウッソは、母の無事を願うことしかできませんでした…。


今までモトラッド艦隊にやられ気味だったウッソたちでしたが、今回は彼らがゴズを利用して反撃を企てる一編。艦を破壊できず、またミューラが人質のままと作戦は完全に成功ではなかったものの、艦内部にダメージを与えてシャクティを奪還しているのですから、まずまずの結果といえるでしょう。また、ウッソたちがバイク戦艦アドラステアから脱出するシーンでは、ミューラが艦に残ることになった理由、そしてクロノクルがミューラ=ウッソの母と知る描写が、それぞれ違和感なく挿入。次回の展開につながっていきます。


マーベットとシュラク隊が引き続きモトラッド艦隊を追撃する中、捕虜となっていたゴズは、リーンホースJr.の独房で食事中。その中で彼は、フォークを使って手錠を壊し、さらに自機のゾリディアに乗り込んで、V2ガンダムを抱えてそのまま脱走してしまいます。完全に彼にやられた格好のリーンホースJr.でしたが、実はこれはすべて作戦の一環。ゾリディアのコクピットにはオデロが、V2ガンダムコクピットにはウッソがそれぞれ隠れており、バイク戦艦アドラステアに到着するまで、ずっと息をひそめながら機会をうかがっていました。ウッソたちがゴズを利用して敵陣に乗り込もうとしていることは、視聴者目線では早い段階から公開。ゴズは、リーンホースJr.の食事に文句を言い、堂々とリガ・ミリティアパイロットを装ってゾリディアを奪還しV2ガンダムを強奪していきますが、全てウッソたちの計画通りであることに全く気付いていませんでした。ゴズの脱走手順は意外にガバガバで、フォークで手錠を破壊して脱獄したのはまだしも、ベスパのイエロージャケットの制服を脱がずにヘルメットだけ拝借するという、明らかに怪しい格好でして格納庫に立ち入ります。せめてここでスーツも拝借すれば、まだ違和感なかったのに…。こんなガバガバっぷりで脱出成功した時点で、敵の術中にはまってるって考えが至らなかったのかなぁ?こうしてゴズは一路バイク戦艦アドラステアに向かいますが、各モビルスーツには、ウッソとオデロが待機中。ゴズの乱暴な操縦のせいでひどい目に遭いますが、何とか耐え忍びます。ウッソたちが耐えるシーンはコメディチック。ハロが「ヤベェぜ、兄貴!」と口走るなど、いつもとは違うセリフを連発するのが笑えます。本当にいつ覚えたんだよ、そんな言葉…。


何も知らないゴズは、バイク戦艦アドラステアに帰投し隊に合流。そのスキに、ウッソとオデロは、学徒動員されたメカニックとして潜入に成功します。オデロが女性兵士にうつつを抜かすなどのハプニングがあったものの、偶然も重なって彼らはミューラの監禁されている独房を発見。彼女は既に単独で警備兵を倒しており、脱出を図っていました。ウッソとの再会に、ミューラは彼を抱き留めます。見習いメカニックの学徒兵として、潜入に成功したウッソとオデロ。Aパート後半では、彼らが四苦八苦しながらも、何とかミューラのもとにたどり着くさまが描かれます。基本的はマジメに潜入している彼らですが(敵の本陣に来てるから)、オデロはエリシャに似た敵の女性兵士にデレデレするなど、これまたどこかコメディチックなのが笑えるポイント。脱線するオデロとそれを引き戻すウッソと、いいコンビになっているのが感じられました。そんな2人は、とうとうミューラの独房へと到達。彼女を救出しようとしますが、既に彼女は警備兵を倒して脱走を図っていたところであり、オデロは彼女にプラスチック爆弾等を渡して、破壊工作の手伝いをしてもらうことにします。本職は研究者であるミューラですが、ウッソに武術面での英才教育を施した実績もあることから、体術にもたけている様子。すぐさま独房越しに警備体制を把握し、ウッソたちが来る前に兵を無力化して、武器を強奪していました。結果論だけど、この調子であれば、むしろウッソたちが来なかった方がスムーズに脱出できてたかもね。


ミューラにプラスチック爆弾を渡したウッソとオデロは、艦内での陽動を彼女に任せ、シャクティの救出のために艦上部へ直行。彼女を発見し保護します。直後、ミューラによる破壊工作が加速し、艦内は混乱。これに乗じてウッソたちは脱出を図りますが、ベスパの兵士たちと遭遇。一度はシャクティを人質にする形でその場を切り抜けますが、クロノクルが駆け付け、その関係性を暴露されたことから、再びピンチに陥ってしまいます。ミューラから「シャクティはもっと上の部屋にいる」という情報を聞いたウッソたちは、そのまま艦上部へと直行。ミューラによる破壊工作の第一弾が始まったことに乗じて、消火器を利用して警備を突破し、ついにシャクティと再会します。しかし、当の本人は、ウッソとの再会を喜んでいませんでした。バイク戦艦アドラステアに乗せられ、丁重な扱いを受けているとはいえ実質捕虜状態になっても、まだクロノクルとの交渉をあきらめていなかったシャクティ。うーん、気持ちはわかるけど、さすがに見通しが甘すぎるな…。そんな彼女を無理やり連れだしたウッソたちでしたが、すぐに警備兵と遭遇。シャクティを人質扱いして兵をどけようとしますが、クロノクルが現れてウッソがシャクティの友人であることを看破されたことにより、ウッソたちは窮地に立たされます。やむを得ない事情があり、本気で人質にしようとは考えていなかったものの、ウッソが戦いのためにシャクティを盾に使ったというこの場面。いろいろと考えさせられるものがありますね。


追い詰められて、絶体絶命のウッソたち。彼らの前に現れたのは、破壊工作を終えたミューラでした。彼女はクロノクルに立ちはだかってウッソたちを脱出させたものの、自分自身は捕虜に逆戻り。さらに、ウッソの母という関係性を知られたことで、クロノクルが普段いる艦橋に連行され、ウッソはV2ガンダム越しにその姿を見てしまいます。強硬策に出れば救出できる可能性もありましたが、彼女の様子を見て、ウッソは攻撃せずホワイトアークへの撤収を優先するのでした。一度は何とか逃げおおせたものの、再びクロノクルに追い詰められるウッソたち。その身を挺して彼らを救ったのは、破壊工作を終えて合流してきたミューラでした。このシーンでのミューラの頼もしさに目が行きがちですが、クロノクルがミューラとウッソの親子関係を知るという点が見逃せないところ。この事実は、次回で大きな意味を持ってくることになります。そんな彼女のおかげで脱出に成功したウッソは、彼女を奪還するため、カテジナのゾリディアの攻撃を退けたのち、バイク戦艦アドラステアを直接よじ登って艦橋に到達。そこでクロノクルとともにいるミューラの姿を目の当たりにしますが、ウッソがとった行動は、強硬的な救出ではなく、そのまま撤収するというものでした。V2ガンダムと目が合った際、微笑んだミューラ。ここには彼女の、ウッソに対する様々な思いやメッセージが込められていることが、はっきりと感じられました。そんな彼女のことを信頼して、離脱していくウッソ。さあ、この判断は吉と出るか凶と出るか―?

 

 

 

第36話「母よ大地にかえれ」

1993年12月3日放送
登場した敵他:ゾリディア、ゲドラフ、リグ・シャッコー、アインラッド、バイク戦艦アドラステア、バイク戦艦リテシア

「勝負を急がせ、ゴズ・バールには、ペナルティを払わせませんとな。」「ピピニーデンにもだ!見下げ果てた先輩だ!!」


STORY:補給を終えたモトラッド艦隊の侵攻は終盤に差し掛かり、同時にウッソたちの戦いも、大詰めを迎えていました。地球連邦政府ザンスカール帝国間で休戦協定が結ばれるという噂が広まる中、ピピニーデンとゴズは、なんとしてもウッソとV2ガンダムを叩くため、ミューラを人質にとる非人道的な作戦に打って出ます。ウッソは、その卑劣さに震えますが、マーベットたちの協力もあり、ゴズのゾリディアを撃破。あとはミューラを救出するだけのところまで迫ります。ところがその時、大地の裂け目に引っかかり、バウンドしたバイク戦艦リテシアが接近。ウッソのV2ガンダムはギリギリのところで回避しますが、ゴズのゾリディアはすり潰されて―!


モトラッド艦隊との戦闘、そしてミューラとのドラマの双方に決着がつく一編。その結果は、結局ウッソたちが旗艦のバイク戦艦アドラステアを落とせずに停戦協定が結ばれ戦闘終結、ミューラは終結直前の戦闘による事故で壮絶な死を遂げるといった、特にウッソにとっては何の成果も得られず、ただ苦々しさが残る結果になりました。終盤のシーンでは、本作の中でも有名なシーンである、ウッソの「母さんです…」というシーンも登場。ここで彼が妙に無感情なのは、その直前「わかりません」と言っているように、あまりに強いショックを受けたせいなのでしょう。いくら「ガンダムシリーズ」とはいえ、展開があまりにもキツすぎるな…。


友軍より補給を受けたモトラッド艦隊は、再び侵攻を開始。北米大陸をだいぶ北上していたことから、作戦も終盤に差し掛かりつつありました。マーベットたちによる執拗な追撃に悩まされる中、先行しているピピニーデンより、艦内にいるゴズを自分に預からせてもらう代わりに、彼の行動に口出ししないようにとの連絡が入ります。部下であり信頼する先輩である彼の言葉に、快諾するクロノクルでしたが、当のピピニーデンが考えていた作戦は、彼の想像を絶するものでした。地球クリーン作戦もいよいよ終盤。と言ってもまだ北米大陸を縦断しているに過ぎないので、地球全土をやる前提にしてはあまりにも終盤が来るのが早すぎる感じがしますが、おそらくクロノクルの部隊は第1陣として北米大陸の制圧を任されており、今後第2、第3の部隊派遣で、各大陸を順々に制圧してく算段だったのでしょう。このように、今のままの調子でやっていれば、ウッソたちは倒せずとも作戦は何とか成功に持ち込めそうだという状況下で、悪い提案をしてきたのがピピニーデン。彼は、クロノクルにゴズが独断行動することの了解を取り付けますが、その裏には、クロノクルが最も忌み嫌うであろう卑劣な作戦がありました。この直後のゴズのシーンから察するに、ミューラを人質にとる作戦の首謀者はピピニーデン。彼とゴズが結託したというよりかは、彼がゴズの弱み(前回の失態等)に付け込んで無理やり引き込ませた感じになっています。さらにこの作戦のいやらしいところは、表向きはゴズが独断で全てをやった形になっており、首謀者のピピニーデンが出てこないこと。今回だけで一気に株を落としたな、ピピニーデン…。


休息を経て、ウッソやオデロたちも再び出撃。相変わらずいくらモビルスーツを攻撃しても、タイヤを攻撃しても止まらないモトラッド艦隊にいら立ちが募る中、オデロが発見したダムを使って洪水をおこし、何とかひるませることに成功します。同じ頃、ゴズはリガ・ミリティアに寝返ると装い、ミューラを人質にとってゾリディアで出撃。彼女を直接左手で握っており、そのまま現れたゾリディアを前にして、ウッソは、積極的に攻撃できなくなってしまいます。核爆発を使っても止まらなかったモトラッド艦隊を足止めしたのは、ダムによってせき止められていた水の力。ダムの存在をいち早くキャッチしたオデロは、号令をかけ、ウッソたちとともにそれを破壊。洪水をおこします。確かに、核に比べれば水はクリーンなものなので、この手段は有効。下流の街への影響が心配になりますが、ウッソたちが戦っていたのは山谷が連続する荒野だったので、それほど大きな影響はなかったことでしょう。こうした状況下で、ゴズはいよいよミューラの人質作戦を開始。「リガ・ミリティアに寝返る」とウソをついた彼は、彼女をゾリディアの左手に握らせて出撃。そして、ウッソのV2ガンダムを発見したところでその正体を現し、堂々とウッソの前に立ちはだかります。ゴズは誰にも作戦のことを言わずにミューラを無理やり連れ出したため、クロノクルは混乱。この混乱が、ミューラのゴズに対する信頼を生みます。ミューラがもう少しゴズの怪しさを察知してもよかったんじゃないかなと感じますが、ここはゴズの作戦勝ちかなという印象でしたね。


クロノクルは、ゴズとピピニーデンを痛烈に批判し、カテジナにミューラの奪還を指示。その結果、ウッソとゴズの戦いに彼女が介入してくる形になります。混乱する戦局と、ウッソの気迫に気圧されたゴズは、やがて錯乱してメチャクチャな攻撃を連発。スキだらけになったところを、ウッソのV2ガンダムとマーベットのヴィクトリーガンダムがそれぞれ突き、ゴズのゾリディアは大破します。ところが、そのゾリディアは、あろうことかバイク戦艦アドラステアの主砲部に落下。V2ガンダムビームサーベルで腕を切り落として救出しようとしますが、出力調整が困難でした。ゴズ、そして彼を指示するピピニーデンが人質作戦を決行したと知り、激怒するクロノクル。彼が、自分の納得できない作戦に意見することは過去何度もありましたが、今回は今までで一番痛烈に、そして批判というより罵っている格好になっているのが、彼の強い怒りを感じさせてくれます。人質作戦は汚い手だとし、ピピニーデンを「見下げ果てた先輩だ」と言い切るクロノクル。でもクロノクル自身こそ、バイク戦艦アドラステアのタイヤで街ごと人を踏みつぶすという、非人道的な作戦をやってるんだよなぁ…。大義のためなら、それは構わないって考えなのかな。そんなゴズのやり口に苦しむウッソでしたが、クロノクルの指示を受けたカテジナの介入により、じょじょに調子を取り戻すことに。最終的にはマーベットとともにゴズのゾリディアを撃破しますが、運悪くそれはバイク戦艦アドラステアの主砲に落下してしまいます。ゾリディア自身は既に動けないので、あとはミューラを救出するだけ。ここで、「ビームサーベルの出力調整が難しいので、なかなかすぐに腕を切り落とせない」という設定を付加することで、ドラマを深めているのがGoodです。


バイク戦艦アドラステアよりも、まずは周囲のバイク戦艦リテシアを止めることに注力することにしたオデロたちは、見事先行する1隻を足止めすることに成功。戦闘不能にまで追い込みます。これによりバイク戦艦アドラステアの進路がふさがれ、食い止められるかに思われましたが、バイク戦艦リテシアははまった大地の裂け目からバウンドし、そのままバイク戦艦アドラステアの主砲部分に落下。ウッソはギリギリそれを回避しますが、大破したゴズのゾリディアがそれをよけきれるはずもなく、そのまま主砲もろともすり潰されてしまいます。直後、艦橋に連絡が入り、連邦政府との休戦協定が結ばれたことを知ったクロノクルは、歯ぎしりしながら白旗を上げるのでした。オデロたちは方針を変更し、バイク戦艦リテシアを中心に攻撃。これは確かな戦果を挙げますが、その結果ミューラの死を招いてしまいます。ミューラの死ぬ瞬間に対し、さすがのウッソも今までにないくらい絶叫。彼の受けた強烈な衝撃が、手に取るようにわかりました。これだけでもかなり胸糞の悪い展開ですが、直後停戦協定が結ばれたので、ウッソたちが戦う必要がなくなったというのが、それを加速させているのがポイント。ウッソが攻撃しようとしても、既にクロノクル側が白旗を挙げているため攻撃することはできず、それがウッソの悔しさを加速させています。突然出てきた停戦協定ですが、これはどちらかといえばザンスカール帝国が持ち掛け、互いの上層部だけで決定したものらしい。ベスパに学徒動員をやってるくらいですから、ザンスカール帝国の実情は、本当はかなり苦しいはず。ロメロの分析の通り、戦力を増強するための時間稼ぎというのが、その実態なのでしょう。


戦闘終結後、ウッソたちはミューラの遺品を捜索。と言っても、回収できたのは、すり潰された際吹っ飛んでいった、ミューラの生首が入ったヘルメットだけでした。マーベットがそれに絶句する中、ウッソとシャクティは、ただ泣き叫ぶことしかできませんでした。血が滴るヘルメットをマーベットに見せるシーンは、かなり衝撃的。これを子供番組で、しかも子供のキャラクターにこうした役回りをさせるなんて、なかなかのものだよなぁ。でも不自然なグロテスクさではなく、どちらかといえば深いむなしさ、そして悲しさを感じさせるのが、この『V』という作品のメッセージ性を高めてくれているようにも感じましたね。

 

ウッソ「なんで…あと5分早く、戦争をやめろって…!」

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第37話から第39話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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機動戦士Vガンダム』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

Vガンダム』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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