お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-14(第40~42話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第14回目です。

 

ファラの再登場とハンゲルグの登場、そしてピピニーデン&ルペ・シノの死!40話台に突入したことで、『V』の物語はいよいよ最終決戦の様相へ。その幕開けとなる今回ご紹介の3話では、敵味方双方の出演陣面で、大きな動きがありました。やっぱり一番見逃せないのは、ファラの再登場。彼女のイカれっぷりが、ベスパを、そして『V』の物語を、より狂気じみたものへと変化させていきます。

 

なお、前回(第37~39話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第40話「超高空攻撃の下」

1994年1月7日放送

登場した敵他:ザンネック

「パパを殺した人が、パパのお墓を教えてくれるわけがないでしょう?そういう風に、簡単に人を悪者みたいに言うことは、なりません。」

 

STORY:停戦協定を破って、宇宙で軍備を拡充するベスパに対抗するため、ウッソたちは、宇宙に上がる準備を進めることになりました。武装解除されているラゲーン基地で、それに携わっていたウッソは、マチスの家族であるワーカー母子と出会ってしまうのです。そしてその夜、ラゲーン基地は突然上空からの急襲を受け、辺りは一面火の海に。ワーカー母子を救ったウッソは、彼女たちをマチスの墓の下へ送り、どこからか聞こえる鈴の音に苦しみながら、上空へと向かいます。そこにいたのは、魔術師のような恰好をした新たなモビルスーツ:ザンネックただ1機のみだったのです!

 

前回のマチスとの戦いの後日譚に当たるお話。戦争にかかわる兵士たちのむなしさは、「ガンダムシリーズ」で何度も描かれてきましたが、その兵士を取り巻く家族に目を向けドラマを生み出したのは、『ガンダム』以来ではないでしょうか。一方の戦闘面では、新型モビルスーツのザンネックが登場。ウッソやシャクティたちの情報収集と予想から、そのパイロットがファラであることは明らかなのですが、終始彼女がその姿を現さないのが、これまた面白いアプローチだなと感じました。

 

マチスとの戦いを終え、カサレリアで夜を迎えたウッソたち。しかし彼らは、どこからか聞こえる鈴の音に悩まされ、なかなか眠りにつけないでいました。そのまま翌朝を迎え、ジン・ジャハナムの指示により宇宙に上がることになったホワイトアークのブースター装着作業に、ウッソは同行。武装解除されたラゲーン基地でそれに当たる彼は、突然何者かから石を投げられます。それは、マチスの娘たちによるものでした。今回、劇中で何度も、そして効果的に使用されているのが鈴の音。この時点では、まだファラのフの字も出ていない段階ですが、導入部分から用いることで、視聴者をお話に強く引き付けることに成功しています。その翌朝、ウッソが向かったのはラゲーン基地。停戦協定の関係で、ベスパも地球連邦軍双方の兵士や家族たちが同居する形となっていたそこで、連邦軍側として宇宙に出る準備をしていた彼は、少女たちから石を投げられてしまいます。石を投げたのは、マチスの娘たち。そこに、彼女たちの母親であるレーナ・ワーカーが現れます。娘たちはまだ小さいため、「モビルスーツに乗って復讐する!」という発想もなければ、物理的にも乗れない状態。だからこそ、こうした小さな抵抗で精いっぱいの怒りを見せるのですが、こうした地味な攻撃が、逆にむなしさを引き立たせています。マチスに限らず、兵士たちも人の子なのだから、その背後には誰かしらの家族がいる。当たり前のことのはずなんだけど―。

 

ワーカー母子と出会ったウッソでしたが、彼女らがすぐ立ち去ってしまったため、会話ができずじまい。しかしその夜、ラゲーン基地がはるか上空より何者かに急襲され、戦火の中で彼らは再び出会います。ワーカー母子を救出したウッソは、ホワイトアークに彼女らを乗せて出発。シャクティたちと合流すべく、機体はカサレリアへと引き返しますが、ウッソにはもう一つ別の目的がありました。Aパート後半より、突然戦闘が勃発。ラゲーン基地は何者かの攻撃を受け、急転直下、戦場と化してしまいます。ここで、「リガ・ミリティアに超高空からビーム攻撃する兵器はない」ということが明かされ、また「ラゲーン基地はもともとベスパのもので、現地の兵士もまだ残っているのだから、ベスパが積極的に攻撃するはずがない」という前提があることから、敵の正体の謎が深まっていくドラマ展開が面白いです。まあ、敵の正体は、ベスパ所属のファラの乗るザンネックだったんだけどね。彼女が真っ先にここをまず攻撃したのは、多分…自分の過去と決別するためだったのかなぁ。一方のシャクティたちは、この直前、ウッソの山小屋内にあるコンピュータールームで、鈴の音に関する調査を開始。「中世ヨーロッパで、ギロチンなどの死刑執行人が鈴を身に着けていた」という情報に着目し、敵の正体におおよその見当がつき始めます。シャクティたちが出会った中で、ギロチンと死刑執行に縁深かった人物―。そう、ベスパ所属のファラしかいない!

 

V2ガンダムに搭乗し、出撃前にワーカー母子を手に乗せたウッソ。彼が向かったのは、付近に建てたマチスの墓でした。ウッソ自身も、彼女らの姿を見て嗚咽しますが、ラゲーン基地への攻撃が激化したことから、シャクティにその場を任せて出撃。リーンホースJr.への攻撃をそらすため、ホワイトアークで上空へあがり続け、ついに敵の機影を捕捉します。その正体は、たった1体のモビルスーツ:ザンネックでした。今回で最も印象深いシーンが、ウッソのはからいで、ワーカー母子がマチスの墓を訪れるシーン。最初はウッソの話に半信半疑だったレーナでしたが、彼の乗機がV2ガンダムであること、またその彼がマチスの墓に自分たちを案内してくれたことから、「ウッソこそマチスの命を奪った相手であるが、優しさも備えている少年だ」ということを理解します。これを受けて彼女は、娘たちに「ウッソがマチスを倒したパイロットではない」とウソをつくんですよね~。誰一人自分の感情や本音を直接的に表現していませんが、その行動から各々の本心が読み取れるようになっているのは、本当に秀逸です。そんなやり取りを経て、ウッソたちは上空へと出撃。そこで目の当たりにしたのは、ザンネックの姿でした。ベスパの今まで登場したモビルスーツは、どれも変わった形をしていましたが、ザンネックもその1つ。とんがり帽子をかぶった魔術師のような格好に、両肩には三日月形の粒子加速を装備しています。厄介なのは、その身体に装備しているあらゆる兵器がビーム系であり、全方向に向けて対応が可能である点。ビームシールドで防御を固めながら攻撃を仕掛けてくる相手に、ウッソたちは苦戦します。ザンネックの驚異的な性能にはびっくり。ベスパのモビルスーツの技術は、ここまで来たのか…!

 

モビルスーツ1体相手であればと、一輝に出撃し攻撃を仕掛けるウッソたち。しかし、ザンネックは全周囲にバリアを張り巡らしており、さらにあらゆる方向へビームを発射することが可能。おまけに巨大なビームキャノンであるザンネックキャノンで攻撃してくることから、想像以上の苦戦を強いられることになります。そして、効果的な一撃を与えられないまま、ザンネックの撤退を許してしまうのでした。Bパート終盤まで、ウッソたちの苦戦は継続。ホワイトアークもメガ粒子砲を撃って援護しますが、ほとんど効果がなく、結局痛手を負わせることができずに取り逃がしてしまいます。単独で宇宙から大気圏に突入し、さらにこれだけの激戦を繰り広げ、ほぼ無傷で宇宙に帰っていくザンネック。防御力も含めたその能力は、もはやV2ガンダムと同レベルの実力を持っていると言っても過言ではないでしょう。こんな強いモビルスーツ、なんでファラが使えることになったのかな…。

 

宇宙に上がることになり、カサレリア、そしてそこにあるミューラの墓に別れを告げに来たウッソ。そこにちょうど、ワーカー母子もやってきます。ウッソの計らいに感謝の意を表した彼女らは、ここでの定住を決めたようでした。ラストシーンでは、カサレリアに別れを告げるウッソたちの姿が描写。同時に、カサレリアへの定住を決意したワーカー母子の姿も描かれます。まわりまわって、最終的にマチスの希望通り、カサレリアに住むことになったワーカー母子。マチスの魂も、きっと救われることでしょう。

 

 

 

第41話「父のつくった戦場」

1994年1月14日放送

登場した敵他:ザンネック、ジャバコ、ブルッケング、バイク戦艦アドラステア、バイク戦艦リテシア、戦艦シノーペ

「父さんも母さんも、いつもそうなんだよ。やることが遅くって…いつもこうなっちゃうんだ!」

 

STORY:宇宙へあがったウッソたちは、依然ザンネックからの超高空攻撃を受けていたものの、それを突破することに成功しました。そして、別のジン・ジャハナムの指示に基づきハイランドに向かうと、そこにはウッソの父:ハンゲルグがいたのです!思いもよらぬ父との再会に、ウッソは震えます。やがてリガ・ミリティアは、本格的に地球連邦軍と連携することとなり、ザンスカール帝国の計画しているというエンジェル・ハイロゥの存在が明かされました。そしていよいよ、その破壊に向けた最初の艦隊戦が勃発するのです。

 

ついに登場、ハンゲルグ!物語も40話台に突入したことで、いよいよ戦いも終盤へ。今回は、ウッソの父:ハンゲルグが登場し、地球連邦軍との提携が描かれたほか、ベスパとの艦隊船の幕開けについても触れられました。ハンゲルグは、親という視点で見れば決してできた人ではないのですが、本編を観るとそこまで彼に嫌悪感を覚えないのが面白いポイント。彼がウッソの前に現れた際心から謝罪していること、そしてウッソを戦場に出している際に親としての迷いを見せていること等より、彼の本当の人間性が垣間見えるからなのでしょう。

 

ザンネックの攻撃に耐え抜き、宇宙に上がったリーンホースJr.とホワイトアーク。しかし、そんな彼らをまたザンネックが、そしてジャバコが急襲します。超高空攻撃を繰り返してくる相手に対し、ウッソはV2ガンダム光の翼をフルに利用し、攻撃と防御どちらにも活用して敵を翻弄。シュラク隊等味方の突破のアシストも行い、攻撃を再び切り抜けます。戦闘を終えて一息つくウッソでしたが、自信の発した一言で、シュラク隊の新規メンバーたちからからかわれ続けるのでした。前回に続く形で、序盤ではザンネックとの戦いが描写。宇宙に出てからはジャバコも加勢しリーンホースJr.を攻撃しますが、ウッソの機転が戦局突破の機会を生み出します。前回は初めての戦闘だったこともあり、ほとんど手が出なかったウッソでしたが、2回目の戦闘で同じ轍を踏むはずがなく、V2ガンダム光の翼を利用した柔軟な戦いっぷりを披露。ザンネックキャノンすら翻弄するその攻撃の前に、ザンネックはやがて撤退していきます。第39話で、史上最強クラスの武装であるようにも表現された光の翼ですが、今回それを防御に利用。さらに、V2ガンダムが前転する形でミノフスキー・ドライブユニットを前方に突き出すことで、通常のビームのように用いて攻撃するという荒業も披露されます。理論的にはどちらも「やろうと思ったらできそう」という感じの技ですが、それをぶっつけ本番で実際に成功させてしまうのが、ウッソの驚異的なところ。いや、本当によくやるよ…。そんな彼に対し、イマイチ活躍をしきれなかったのが、シュラク隊の補充メンバー:フランチェスカ・オハラ(フラニー)とミリエラ・カタン。彼女たちは宇宙での戦闘は初めてのようで、ザンネックとの戦い以前にジャバコ相手に苦戦。その割には調子のいい性格をしていることから、あまりいい印象は受けませんでした。ジュンコの名前を知っていることから、ある程度の訓練や実戦経験を積んでるんだろうし、調子がいい性格自体は悪くないと思うけど、結果をあまり出せてなかったからなぁ。彼女たちも、いつかどこかで戦死しちゃうんだろうな…。

 

別のジン・ジャハナムの指示に基づき、リーンホースJr.らが向かっていたのは、ハイランド。そこに集結している地球連邦軍の艦隊の数々を見て、ウッソたちは、リガ・ミリティアが本格的に連邦軍と協力関係になったことを悟ります。そして、連邦軍の旗艦ジャンヌダルクに乗り込むと、ハッチに1人の男性が。彼こそがウッソの父ハンゲルグであり。リガ・ミリティアを指揮する真のジン・ジャハナムでした。Aパート後半で登場するのが、ハンゲルグ。ウッソは彼との再会に様々な感情がこみ上げてきて震え、そして彼が真のジン・ジャハナムであることを知り衝撃を受けます。ハンゲルグもミューラと同じくリガ・ミリティアの活動にその身を投じていましたが、彼女に比べて人間味、そして親としての優しさを感じるのが特徴的。ウッソと再会するや否やまず謝罪し、リガ・ミリティアの活動に力を入れていたことを告白。それについて何か言い訳をすることもなく、その後もウッソのことをしっかりと受け止め、別のクルーに呼び出されるギリギリまで、彼との時間を大切にしていました。ザンスカール帝国相手のゲリラ活動に注力したことで、ウッソを地球に置いて行っているので、ハンゲルグも親としては決して褒められるタイプではないのは事実。ですが、それに関して地球のためだのなんだの言い訳せずに、純粋にウッソに「すまなかった」と謝罪できるその姿勢が、ミューラと違った彼の優しさ、そしてその覚悟を感じさせました。ここら辺の人間性は、さすが真のジン・ジャハナムというべきでしょうか。それはいいんだけど、そのことを知ったエリシャたちが「カッコいい!」って無邪気に喜んでるのってどうなんだろう。気持ちはわかるけど、場違いなような…。

 

リガ・ミリティアの大人たち、そしてムバラク・スターン司令以下連邦軍兵士たちを集めて、ハンゲルグによる作戦説明が開始。それによれば、ザンスカール帝国はエンジェル・ハイロゥなるものを建設中であり、これを撃破することが最大の目的であるとされました。そんなエンジェル・ハイロゥの防衛の任に当たっていたのが、タシロ。また、ハイランドに集結しているウッソたちを襲撃する任務を帯びて、ピピニーデンとルペ・シノ率いるラステオ艦隊が接近していました。今回劇中で初めて登場したエンジェル・ハイロゥ。それはサイコミュ技術も使用した精神コントロールマシンであり、ザンスカール帝国はこれを使ってマリア主義を人類全員に広めようとしていました。こんなものが完成され運用されようものなら、あっという間に帝国は戦わずして全人類を支配下に置けてしまう―。ここへきて、とんでもない構想を打ち出してきましたね。そんなエンジェル・ハイロゥに関わるベスパのメンバーとして登場するのが、ファラの他タシロ、そしてピピニーデンとルペ・シノ。特にタシロは、一度カガチの手でギロチンにかけられそうになりましたが、いつの間にかちゃっかり戦線復帰を果たしていました。懐かしい敵キャラの復帰に驚かされるこのシーンですが、4人全員が、初登場時に比べてどこかおかしくなっているのも見逃せないポイント。ファラは特にそれが顕著ですが、そのほかのキャラも出世欲やウッソへのこだわりに異常なまでの執着を見せるようになっており、それが戦闘スタイルにも表れ始めます。彼女たちもまた、戦争により狂気にとりつかれ始めているんですね。

 

エンジェル・ハイロゥに向けての艦隊戦として、ラステオ艦隊との戦闘が開始。ウッソはV2ガンダムでメガビーム・ライフルによる支援攻撃を行いますが、ルペ・シノ率いるブルッケングのカウンター攻撃を受けます。しかしこれについては、直前にウッソたちがその接近に気づいたこと、また速やかに応戦態勢に移ったことから、大きな被害を出さず、彼女らを一時撤退に追い込みます。危機を脱した彼らでしたが、艦隊戦はまだ始まったばかりでした。終盤で、再び戦闘シーンが挿入。ピピニーデンとルペ・シノは攻撃を開始しますが、事前情報よりもリガ・ミリティア側の戦力が多いこと、またルペ・シノの攻撃があっという間にウッソたちに防がれたことから、思うように侵攻できずにいました。この戦闘シーンでは、地球クリーン作戦等でウッソたちを苦しめたブルッケングが再登場。ルペ・シノ機は隊長機であることを現すツノが取り付けられており、「『ガンダム』のシャア専用ザクみたいだぁ」と思っていましたが、V2ガンダムにあっという間に両手を切断されて後退しています。もうちょっと活躍シーン、観たかったな。

 

 

 

第42話「鮮血は光の渦に」

1994年1月21日放送

登場した敵他:ザンネック、ブルッケング、ゲドラフ、リグ・シャッコー、ゾロアット、アインラッド、ビルケナウ、バイク戦艦アドラステア、バイク戦艦リテシア、戦艦シノーペ

「僕はあなたの夢にはなれませんよ!僕は…誰の道具でもないんです!」

 

STORY:V2ガンダムをはじめとするリガ・ミリティア側の攻撃に、ピピニーデンのラステオ艦隊は、一時的に後退しました。しかし、それはあくまでも態勢の立て直しのためであり、タシロの支援が受けられず野心にかられた彼は、大胆な再攻撃を賭けてくるのです。ウッソもV2ガンダムで応戦しますが、その中で、自分に異常なまでに固執するルペ・シノの攻撃を受け、ピンチに陥るのです。配下のブルッケング部隊に挟まれ、攻撃をよけきれない彼を救ったのは、新開発のメガビーム・シールドでした!そして、今ここに、ルペ・シノそしてピピニーデンとの決着がつくのです。

 

前回登場のメガビーム・ライフルと合わせて、V2アサルトバスターガンダムの主要武装の1つとなるメガビーム・シールドの初登場回。間接的にラステオ艦隊を撃沈する形となり初登場にふさわしい活躍を見せてくれましたが、それ以上に描写が注力されていたのが、ベスパの軍人たちのドラマでした。思惑があって動かないタシロに対し、いらだちと野心を覚えるピピニーデン。そんな彼を利用してやろうとするルペ・シノ。また、ピピニーデンたちを利用しようとしながらも、エンジェル・ハイロゥで動かないクロノクルが気になって仕方がないタシロと、三者三様の思いとドラマが展開。下手な野心や欲を持たなければ、ピピニーデンもルペ・シノも、きれいな一兵士で入れたかもしれないのにね…。

 

前回、ルペ・シノを撤退に追い込んだことで、ラステオ艦隊に打撃を与えたウッソたち。その後も彼らの優勢は続き、ラステオ艦隊は一時撤退します。ウッソはタシロとの合流を防ぐため追撃しようとしますが、マーベットの指示を受けて撤収。つかの間の休息を得ます。一方、依然劣勢のラステオ艦隊率いるピピニーデンは、タシロのシュバッテン艦隊が動かないことに思惑が隠れていることを察知し、逆に自分が成り上がるためにそれを利用しようと決意。ルペ・シノと結託しますが、彼女もまた、周りを利用して成り上がろうとしていることに気づいていませんでした。リガ・ミリティア連邦軍と協力し、想像以上の戦力を備えていたため、それを予期していなかったラステオ艦隊は劣勢。ピピニーデンは、一時撤退して背後のタシロに応援を求めるという当然の行動に出ますが、当のタシロに支援する気が全くないことにいらだちを覚えます。タシロが動かなかったのは、エンジェル・ハイロゥの防衛のため。ピピニーデンに対して何の思い入れもないことから、彼の艦隊を捨て石にして、エンジェル・ハイロゥを守り切ろうとしていました。タシロの思惑はわからんでもないですが、形だけでもそれを隠せばいいのに、あやふやな命令ばかり出してピピニーデンに本心を悟られているのがちょっとお粗末。カイラスギリー艦隊を率いてた頃は、そういうことはもう少しうまくできそうな感じがしてたけど、彼自身も狂気にかられてヤキが回ってきたのかなぁ。そんな彼に対し、自分を捨て石にする気満々であることを悟ったピピニーデンは、逆にそれを利用してやろうと計画。わざとシュバッテン艦隊付近まで後退して彼らを戦闘に巻き込ませ、リガ・ミリティアとの戦闘に紛れてタシロを討とうとしていました。もしかしたらこの戦いで死ぬかもしれないということもあり、壮大で大胆な手に打って出たピピニーデン。初登場時はクロノクルのいい先輩って感じだったのに、ミューラを盾にするわそのまま敗走するわで自分の価値を落とし、そしてとうとうここまで成り下がったかという感じです。「あわよくばエンジェル・ハイロゥをわがものにして…」なんて、実現可能性の低い皮算用をしてる当たり、小物感が丸出しです。そんな彼がかわいそうなのが、自分と関係を深め恋人だと思っていたルペ・シノもまた、自分のことを利用しようとしていたこと。不要な欲と野心が、ピピニーデンを滅ぼすことになったんだな…。

 

ラステオ艦隊が後退しているスキに、それらを一気に叩くことにしたリガ・ミリティアの指示を受け、ウッソたちが出撃。モビルスーツが入り乱れる戦場で、着実に艦隊の戦力を削いでいきます。シュラク隊のフラニーもVガンダムヘキサで出撃しモビルスーツを次々に叩きますが、新装備:メガビーム・シールドを使いこなすことができず、また敵のカウンター攻撃を食らって機体が大破。宇宙へと脱出します。メガビーム・シールドの上に乗って死を覚悟した彼女でしたが、すんでのところでオデロのガンブラスターがそれを救います。このシーンから、新兵器:メガビーム・シールドが登場。メガビーム・ライフルが当初からV2ガンダムに装備された(主にハンゲルグの意向)のに対し、メガビーム・シールドは以前から開発中のガンダムモビルスーツ用の武装だったため、最初に装備したのはフラニーのVガンダムヘキサ。しかし、あまりにも出力が大きすぎることから扱いきれず、その真価を発揮する前に、敵の攻撃もあってVダッシュガンダム自体が大破。フラニーはそれにむなしさを覚えます。ここでは、フラニーのウッソに対する思いが描写。前回はお調子者のお姉さんという感じでしたが、その根底には、繊細な感情があることが判明します。なんだかんだで、いいキャラしてるじゃないか。フラニー…。

 

ラステオ艦隊の旗艦へと切り込むウッソのV2ガンダム。彼のもとに、両肩にキャノンを装備した、ルペ・シノのブルッケングが現れます。ウッソを純粋できれいな子として付け狙う彼女に対し、ウッソはビームサーベルを振るいますが、配下のブルッケングの挟み撃ちを食らって大ピンチ。ビームライフルも溶かされ長距離対応の武装がなくなってしまいますが、そこへメガビーム・シールドが到着。それを利用してルペ・シノをひるませたウッソは、ビームサーベルを突き立てるのでした。Bパートの大部分を使って描かれるのが、ウッソとルペ・シノの決戦。第29話でのことをいまだに根に持っている彼女ですが、欲と野心まみれのピピニーデンに愛想をつかしたことから、いつしかウッソをきれいな子供(男性)と考えるようになり、彼を手中に収めることに以上にこだわるようになっていました。ルペ・シノがピピニーデンに愛想をつかすのはわかるのですが、ウッソへのこだわりはちょっと突飛かなぁという感じ。一応、第29話で母性があることやウッソに執着を見せるシーンがあるので、その伏線はあるといえばそうなんだけど、うーん…。そんな彼女の一方的な思いは、ウッソにとっては迷惑千万。その執拗な攻撃に苦しめられますが、メガビーム・シールドが突破口を開きます。メガビーム・シールドは、それ単体でシールドになるのはもちろん、それから発せられる巨大なビームバリアが、攻撃にも防御にも転用できるのが最大の特徴。これにより敵の攻撃を防ぐだけでなく敵を跳ね飛ばすことが可能であり、ウッソはこれを利用してルペ・シノに大ダメージを与えます。

 

機体が大破寸前のルペ・シノは、旗艦ラステオへと接近。しかし、修理のためにドックに入るのではなく、ちょうど出撃準備をしていたピピニーデン専用モビルアーマー:ビルケナウにとりつきます。そして、ウッソへの言葉を口走った後、彼女のブルッケングが大爆発。ビルケナウもラステオもその爆発に巻き込まれたことで、両者ともに撃沈。こうして、ラステオ艦隊は意外な形で崩壊し、撤退していくのでした。ピピニーデン専用モビルアーマーとして、華々しくデビュー…と思いきや、出撃直前に爆発し活躍を全く見ることができなかったビルケナウ。『V』においてネタにされるシーンの1つですが、本編のドラマを観ていると、この散り方にも深い意味があるんだなぁと感じさせられます。欲と野心にまみれ、小物に堕ちたピピニーデンに、これ以上の皮肉な最期はないと言えるでしょう。そんなこのシーンでは、ルペ・シノがブルッケング越しに自らビルケナウに張り付いているのも見逃せないポイント。彼女のセリフから察するに、「つまらない男」であるピピニーデンを葬り去ろうとしていたのだろうとしていたのでしょうが―、ほんのちょっとだけ、彼に何か思うところがあったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第43話から第45話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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