お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-13(第37~39話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第13回目です。

 

母ミューラの死という大きな代償を払いながらも、何とかモトラッド艦隊を退ける(正確には、停戦協定で撤退させる)ことに成功したウッソたち。今回ご紹介の3話では、そんな停戦協定などお構いなしに襲ってくる、ベスパの一部の軍人たちとの戦いが描かれます。40話台から始まる最終決戦が控えているので、若干単発回感チックもあるお話が続きますが、ドゥカーの死やV2ガンダム光の翼のデビューなど、見逃せない展開が続きます。

 

なお、前回(第34~36話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第37話「逆襲ツインラッド」

1993年12月10日放送
登場した敵他:ドムットリア、ジャバコ、ゾリディア、ツインラッド、バイク戦艦リテシア

「ここで死ぬってことは、海岸にいるクジラや魚のように、骨になっていっちゃうってことよ!こんなひどい臭いを出して…!」


STORY:停戦協定が結ばれ、すっきりしないながらも、かりそめの平和が訪れました。ゴメス艦長から休暇をもらい、カサレリアに里帰りしようとするウッソたちは、洋上で楽しいひと時を過ごします。しかし、そんな時間をぶち壊すように、ドゥカーの部隊が停戦協定を破り、奇襲をかけてくるのです。リーンホースJr.からの支援も受けられず、苦しい戦いを強いられる中、エリシャとマルチナは、上陸した島に打ち上げられた大量の骨を目の当たりにし、死の恐怖に震えるのです。ウッソたちは、このまま魚の骨とともに戦死し腐ってしまうのでしょうか?


今回と次回は、ドゥカーとの対決編。その前編に当たる今回は、彼の部隊からの奇襲を受ける中で、エリシャとマルチナが死の恐怖におびえながらも、それを克服し自分たちで新たな希望を見つけ出すという、彼女たちの成長をも描いたお話になりました。戦闘シーンは緊迫感にあふれているものの、日常パートは穏やかかつ楽しげに進行。オデロたちの掛け合いも軽妙であり、ほほえましく観ることができましたね。


前回、ミューラの死の直後に結ばれた停戦協定。それによりベスパとの戦いは当然に終わり平和が訪れますが、ウッソはベスパの動きが気になっていてもたってもいられませんでした。そんな彼を見かねたマーベット等の尽力により、ウッソはオデロたちとともに休暇をもらえることに。ホワイトアークに乗ってカサレリアへと向かう道中、釣りなどをして楽しみます。それは、オデロたちによる彼への配慮でもありました。Aパート前半では、傷心のウッソを何とか励まそうと、マーベットやオデロたちがあれこれ手を打つのがその中心。休暇をもらえることになった彼とともにカサレリアへ向かうこととし、甲板から釣りに興じます。何が釣れるのかスージィが想像を膨らませたり、オデロたちの呼びかけで、ウッソがV2ガンダムで釣竿を作ってそのまま釣りをしたりなど、平和で楽し気なシーンが連続。ただのほほんとしているだけでなく、オデロやウォレンがウッソのことをいたわろうとしているという本心や、エリシャとマルチナが潮のにおいに嫌悪感を示すなど、各キャラの細かい動きもキチンと描写されているのが興味深いです。いや~、しかしこのシーンは本当に、いい意味で『V』とは思えないくらい平和なパートだったなぁ。ここ最近、というか本編の大半が悲壮な戦いを繰り返してるせいで、余計にそう感じましたね。


停戦協定により動けなくなったベスパでしたが、打倒リガ・ミリティアに燃えるドゥカーは、アインラッドを改造したツインラッドを整備。レンダやメカニックのシシリー・フィツィーネに指示して、自身のバイク戦艦リテシアを中心とした小隊を結成します。そして、海中よりホワイトアークに接近し、一気にミサイルと大量のモビルスーツを投入して奇襲。不意討ちを食らったホワイトアークは、急いで戦闘態勢を整え、応戦を始めます。ザンスカール帝国の上層部が停戦協定を結んだので、配下のベスパがそれを守らなければならないのは当然のこと。しかし、ドゥカーはその停戦協定をハナから守る気などなく、むしろ地球クリーン作戦がいったん終わったことで動きやすくなったことから、独自に戦力の整備を進め、そのままホワイトアークへの奇襲を行います。ドゥカーの気持ちはわからんでもないけど、彼は軍人でしかもそこそこの地位に昇進してるんだから、停戦協定を破ったら軍法会議で裁かれる可能性があったんだよなぁ。それを覚悟しての奇襲作戦だったんだろうか…?そんなドゥカーの奇襲作戦では、多くの新兵器が投入。アインラッドを2つくっつけて強化したツインラッドの他、ドムットリアやジャバコといった新型モビルスーツも登場します。今回登場の新兵器は、全て過去に登場した兵器の発展機になっているのが注目ポイント。ツインラッドはアインラッド、ドムットリアはゾロ、ジャバコはシャイターンの意匠が色濃く残っていました。中でも今回、目覚ましい活躍を見せたのがドムットリア。V2ガンダムには及ばなかったものの、なかなかの機動性を発揮していました。


リーンホースJr.が駆け付けられない代わりに、地球連邦軍のロンドンデリー部隊の支援を受けられることになり、それが来るまで持ちこたえることになったウッソたち。ホワイトアークは、付近の島に着陸し、ウッソらモビルスーツパイロットたちは、各々自機を操って粘り強い戦いを見せます。しかしその一方で、補給を担当していた残りのメンバーのうち、エリシャとマルチナが、島に広がる骨の山と死肉の腐乱臭にまいってしまい、戦意喪失。弱気になる彼女たちの心を支えたのは、ウォレンとシャクティでした。奇襲を受けた上にそもそもの戦力も最低限のものしか持ち合わせていなかったことから、苦戦するウッソたち。それでもなんとか戦い続けます。今回の戦闘シーンで特徴的なのは、V2ガンダムの活躍シーンが短い点。序盤こそホワイトアーク上から攻撃をしていましたが、それから敵の目をそらすため、また海上ですばしっこく動くために、トップファイターとなって戦闘終盤まで乗り切ります。V2ガンダム時より攻撃力も防御力も落ちる形になりますが、そこはウッソ、持ち前のセンスと技術でそれをカバー。相手の戦法をまねして、水柱や波を盾に使って反撃に出るさまは、さすがでしたね。また、オデロとトマーシュも連携プレーを見せたほか、マーベットは最前線に立ってホワイトアークを徹底的に防御。モビルスーツ戦において、個々人の活躍がしっかりと描写されており、Goodでした。このように頑張っているウッソたちに対し、死の恐怖にさいなまれ、一時的に戦意喪失していたのが、エリシャとマルチナ。彼女たちは、島に漂着していた魚の骨の死臭に悩まされ、それが死の恐怖へと変わっていきます。前半では楽しげだったのに、後半に来て急転直下、生々しいシーンが連続。ここでは作画にもかなり力が入れられており、彼女たちが感じた恐怖が、はっきりと伝わってきました。そんな彼女たちを支えたのが、ウォレンとシャクティ。特にウォレンはマルチナが好きなこともあって、今までにないくらいの頼もしさを見せます。「生きてる間に、やれることをやればさぁ…、きれいに死ねるさ」―。彼から、こんなにかっこいいセリフが飛び出すとはねぇ。


ウッソたちの戦いは最終局面に入り、連携プレーでツインラッドを数機撃破。さらにロンドンデリー部隊が到着したことで、彼らの本格的な反撃が始まります。V2ガンダムのトップ・リム改めトップファイターの攻撃により、シシリーを失い戦艦の主砲をも破壊されたドゥカーは、撤退を決断。これにより戦闘は終結し、帰還したウッソたちは、島で焚火を囲み、戦いへの決意を新たにするのでした。ロンドンデリー部隊が駆け付けたことで、形勢逆転し、ウッソたち側が一気に有利に。中でもウッソは、トップファイターを変形させてシシリーの乗るドムットリアを撃破したほか、そのままバイク戦艦リテシアに張り付いて主砲を直接破壊するという戦果を挙げ、ドゥカーを撤退に追い込みます。ヴィクトリーガンダムの発展機であることから、トップファイター単体でもかなり使い勝手がよく、そして十分に戦えることが証明された今回の戦闘。V2ガンダムも、柔軟な使い方ができるんだなぁ。こうして戦闘は終わり、焚火を囲んで一休みするウッソたち。いい意味で死を恐れなくなり、死臭や潮のにおいを克服したエリシャとマルチナの顔は、明るいのでした。オデロに言及され、露骨に焦るウォレンが見もの。なんだか…スゲェ甘酸っぱい恋だなぁおい!

 

 

 

第38話「北海を炎にそめて」

1993年12月17日放送
登場した敵他:ドムットリア、ジャバコ、ゾリディア、ツインラッド、バイク戦艦リテシア

「皆をこんな目に遭わせちまった失敗の責任は、とらしてもらう!」


STORY:ウッソたちを倒し損ねたドゥカーたちは、すぐに戦闘態勢を再構築し、北海の廃プラント付近の海底に潜んでいました。そこを、偶然オデロのガンブラスターが通りかかり、レンダたちの乗るドムットリアとツインラッドの部隊を目撃してしまうのです。同乗させていたエリシャにカッコつけようとしたオデロは、攻撃してきたレンダたちに応戦しますが、逆にピンチに陥ってしまいます。やがてそこに駆け付けたウッソたちも、ドゥカー渾身の作戦とレンダの気迫の前に押され、同じくピンチに陥ってしまうのです。仲間に危機が迫る中、オデロはどのようにして、戦いの突破口を開くのでしょうか?


ドゥカーとの戦い後編に当たるお話であり、彼とレンダの退場回。次回予告ではオデロが一方的に悪いような表現をされていましたが、実際は今回の戦いで最も戦果を挙げ、その終結に尽力した形になっていました。彼は確かに戦闘のキッカケを作りましたが、それも偶然が重なった結果だからなぁ。どっちかといえば、敵の陽動に引っかかって深追いし、ホワイトアークを危機に追い込んだウッソの方が、責められる要素を持ってた気がしますね。また、前回のウォレンに対して、今回はオデロとエリシャの恋が進展する描写も挿入。彼女をホワイトアークに帰還させ再出撃する際の二人のやり取りが、最高にイカしていました。


前回、停戦協定を破ってまでホワイトアークを奇襲したものの、失敗に終わったドゥカー。しかし、彼の闘志はさらに燃え上がり、レンダもV2ガンダム撃破に固執するようになります。そしてレンダは、ドゥカーの思いを聞いた直後に出撃。海上の偵察を行いますが、それを偶然偵察に出ていたオデロが目撃します。エリシャとのいいムードをぶち壊された上に、さらに発見され攻撃を受け、散々な目に遭うオデロ。エリシャを守るため1人で奮闘しますが力及ばず、廃タンカーのガス爆発の中に消えるのでした。今回は、ドゥカー側の様子からお話がスタート。レンダがこの戦争が終わった時に地球に住む際の家を想像したり、ドゥカーがついにレンダとの恋を実らせようと紳士的にアプローチしたりするさまが描かれます。2人が親密になるのは別にいいんだけど、やってることも言ってることも死亡フラグがビンビン。極めつけは「この戦争が終わったら…」という話を直球でしており、この時点で、ドゥカーとレンダが今回で戦死するんだろうなぁということの予測がつきました。そんなやり取りを経て、レンダはドムットリアとツインラッドで出撃。海上を偵察していると、偶然同じ海域を偵察していたオデロのガンブラスターを発見。戦闘へと突入します。オデロが無理を言ってエリシャを連れ出し、上手いこと2人きりになったまでは良かったものの、ここで運悪くレンダの襲撃を受けるハメに。ここでの戦闘が、今回の戦いのきっかけになるけど、オデロ側が先に攻撃したわけじゃないから、彼がそこまで責められる必要はないんじゃないかなぁと思うんだけどねぇ。


オデロとの通信が途絶えたため、そのポイントへと向かったウッソ。そこでレンダの部隊を発見した彼は、オデロの弔い合戦と言わんばかりに、トマーシュの制止も聞かず戦闘に突入してしまいます。やがてホワイトアークも駆け付けて援護射撃を行いますが、全てを予測していたドゥカーは、作戦を展開してホワイトアークの動きを封じることに成功。ウッソもレンダの執拗な攻撃を受け、ドゥカーのいるバイク戦艦リテシアの攻撃やオデロの捜索が、なかなかできないでいました。Aパート後半より、ウッソも戦闘に介入。V2ガンダムで敵のど真ん中に飛び込んでいきますが、その大胆な行動と、打倒V2ガンダムに燃えるレンダの襲撃を受けたことで、逆にホワイトアークも巻き込んで一気にピンチに陥ってしまいます。この時点でのオデロの生死は不明。幾多の死線を潜り抜けてきているので、早々簡単に死ぬようなヤツじゃないということはウッソもわかっているはずですが、それでも我を忘れて敵に飛び込んでいきます。ウッソがここまでムチャをしたのは、やはり2話前に目の前でミューラを失っているからでしょう。前回でだいぶ立ち直ったものの、同時にまだ吹っ切れきれてないことも描写されてましたしね。そんなウッソを、執拗に攻撃してきたのがレンダ。彼女はドムットリアの性能を駆使し、V2ガンダムを追い詰めていきます。ドムットリアは、ゾロに比べて接近戦時の武装も強化されており、アリやハチのアゴを思わせるハサミでV2ガンダムを攻撃。なるほど、組織名自体が“ハチ”を意味するベスパにおいて、ぴったりの武装ですね。


ウッソがV2ガンダムのビームシールドを最大出力で展開し防御に入るも、それも間もなく限界。ウッソ自身もマーベットも、戦闘中のミスが相次ぎ、戦局はどんどん彼らにとって苦しくなっていきます。そんな中、廃タンカーの中で態勢を立て直したオデロが、ガンブラスターのジェットパックの出力を全開。彼の作戦によりドゥカーたちの不意を突き、さらにウッソたちに体勢を立て直すチャンスを与えます。その後、一度ホワイトアークに戻ったオデロは、エリシャを降ろし、生還することを約束して再出撃していきます。Bパート前半になると、ウッソやマーベットの戦闘中のミスが頻発。前者はオデロが生死不明であるため焦っており、後者は生理かつわりに伴う体調不良であることはなんとなく描写されていますが、それでもちょっとひどいなぁという感じです。そういえばウッソ、レンダのドムットリアをおびき出した時は「計画通り」みたいなこと言ってたくせに、その後2・3回反撃したらあっという間に態勢崩されてあたふたしてるんですよね。結局、何をする気だったんだろう?このように窮地に立たされるウッソたちでしたが、それを救ったのがオデロのガンブラスター。彼は、序盤で廃タンカーが爆発したのを見て、自分たちの潜む廃タンカーを、漂流船としてドゥカーに撃たせるよう差し向け、その爆発により舞台全体をひるませることに成功。これにより戦局をリセットし、ウッソたちの反撃の機会を作ります。オデロの作戦自身も素晴らしいですが、それよりもGoodなのが、彼が一度ホワイトアークに帰還し、エリシャを降ろした際のやり取り。頬にキスしてもらって、それを“お守り”にして出撃だなんて、オデロカッコよすぎるよ…!


オデロが戦線復帰してから、ウッソたちも本調子に戻り、ドゥカーたちの攻撃を押し返すことに成功。レンダのドムットリアも、V2ガンダムミノフスキー・ドライブユニットのあおりを食らって大破し、バイク戦艦リテシアの艦橋に張り付きます。劣勢に立たされたドゥカーたちは撤退を決断しますが、怒りが収まらないオデロは単独で追撃。ビームライフルを乱射した結果、それがV2ガンダムのビームシールドに当たって拡散され、バイク戦艦リテシアに命中。旗艦の艦橋とドゥカーがやられたことで、彼の部隊はとうとう投降します。その時ウッソたちは、空に昇っていく一台のバイクを、確かに目撃したのでした。ウッソたちの戦いっぷりも元に戻り、それによりドゥカー隊は劣勢に。レンダはなおもV2ガンダムと激戦を繰り広げますが、ミノフスキー・ドライブユニットの放出の直撃を食らって機体が大破します。第29話あたりでも見せたこの技こそ、のちに登場する“光の翼”の原型。最大出力にせずとも、これだけの強さがあるんですね。そんなウッソたちのもとに、ロンドンデリー部隊も駆け付けたことで、ドゥカー隊は完全に劣勢に。撤退準備に入りますが、そこを怒りに燃えるオデロの猛攻を受け、バイク戦艦リテシアの艦橋は大破。中にいたドゥカーと、ドムットリアからちょうど戻っていたレンダは、その爆発に巻き込まれ戦死し、彼らとの戦いに決着がつくのでした。ドゥカーとレンダの死は、今までの他の兵士たちの死にざまとは描写が異なっており、戦死にかかる直接的な描写がない分、彼らの魂が天に昇っていくさまが描写。その様子をウッソたちはハッキリと見ており、これによりドゥカーたちの死を悟ります。敵であり、やりくちも決してきれいではなかったドゥカーとレンダ。でも、彼らの魂が天に昇るさまがどことなく美しかったのは、彼らの愛は間違いなく本物で、きれいだったということの表れなのでしょう。

 

 

 

第39話「光の翼の歌」

1993年12月24日放送
登場した敵他:ゾロ改、ゾロ、オーバーヘッドホーク

「妻と子を迎えたい土地に、光の翼が飛ぶ!その翼を、ゲリラどもが作っているとは…!」


STORY:ウッソたちは、ついにカサレリアに帰ってきました。しかしそこには、ベスパを離れてゲリラと化した、元ラゲーン基地所属のマチス・ワーカーの部隊が潜んでいたのです。もはや時代遅れとなったゾロや、その改造機で立ち向かってくる彼らは、ウッソたちの敵ではありませんでいたが、決死の覚悟で束になって向かってくるその気迫に、ウッソは気圧されるのです。やがて、戦いは終局を迎え、残存部隊が一斉に出撃。爆発の光で、ミューラが死んだときのことを思い出したウッソは、光の翼を覚醒させてしまうのです…。


ゲストキャラクター:マチスを迎え、V2ガンダムの代表的な技(武装)といえる「光の翼」が、その真の力を発揮する一編。出てくる相手も序盤に登場したゾロとその亜種:ゾロ改であるため、単体であれば決して苦戦する相手ではありませんが、逆に自分たちが強くなりすぎたからこそ、それに恐怖するウッソの姿が描かれているのが、興味深いなと感じました。マチスの声を飛田展男さんが担当しており、新旧ガンダム主人公が共演しているのもポイント。それにふさわしい激戦が描かれていました。


ドゥカーとの戦闘を潜り抜け、カサレリアへと帰ってきたウッソたち。シャクティたちが懐かしきその場所を楽しむ一方で、ウッソはミューラの死を思い出し、複雑な思いでいました。そのまま元住んでいた山小屋へ向かった彼らは、人がしばらく住んでいなかったのでホコリがたまっていたものの、特に物が盗まれていないことを確認し安堵。いつか実現するであろうこの地での生活の再会に思いを馳せますが、その道中で、ベスパから分離したマチスの部隊の脇を通りがかっていたことに、全く気付いていませんでした。第9話以来、久々に登場したカサレリア。幸い戦争の傷跡はほとんど見られず、ウッソたちが住んでいた山小屋も汚れていたこと以外は無事だったため、彼らは安心します。Aパート前半では、久しぶりのカサレリアを楽しむウッソたちの様子が描写。きちんとオデロとウォレンの恋の進展具合も描かれており、微笑ましいシーンが連続しました。前々回の経験を踏まえ、エリシャがだいぶ地球のにおいに慣れていた一方、マルチナはまだまだの様子。ああ、ウォレンの恋は前途多難だな…。そんな彼らは、山小屋に来るまで森を抜けてきましたが、そこにはマチス率いる元ベスパの部隊が潜伏。彼らは、停戦協定は地球連邦軍ザンスカール帝国との間で結ばれたことから、リガ・ミリティアは関係ないという理論の下、独自の行動を始めていました。マチスの部隊は、もともとラゲーン基地所属だったものの、停戦協定後も戦闘を継続するために離反したらしい。自分たちもリガ・ミリティアと同じゲリラに堕ちているということがまず皮肉ですが、用意している武装がゾロ(マチスのみゾロ改)という最初期のものであるというのもなんだか虚しさを感じさせます。序盤でウッソたちと戦って以来、ろくに補給や新規武装の投入がなかったのかな、ラゲーン基地…。


山小屋に降り始める突然の雨。狐の嫁入りかと思われましたが、それはマチスの部隊がホワイトアークを急襲したことに伴う、水柱によって起こったものでした。オデロたちをワッパでホワイトアークに帰したウッソは、先にホワイトアークに向かうためパラグライダーで飛翔。V2ガンダムに乗り込み、戦線に合流します。マチスの部隊はゾロで構成されており、より強力なモビルスーツとの戦いを乗り越えてきたウッソが、苦戦する相手ではありませんでした。ウッソはオデロたちよりも先にホワイトアークに戻るため、久しぶりに山小屋からパラグライダーを引っ張り出して使用。しかし、ウッソを確認したカレルが早くV2ガンダムを切り離したこと、また流れ弾でパラグライダーが撃墜されたことから、ウッソは空中から川の中へ、突っ込みながら搭乗するハメになります。第2話で初めてシャッコーに乗り込んだ時と同じ構図になっているのが面白いポイント。彼自身も「また空中で…!?」と愚痴っているのが、笑いを誘います。その後、ここから終盤までずっと戦闘パート。ウッソたちがV2ガンダムヴィクトリーガンダム、そしてガンブラスターを使用しており、数の面を除けばマチスの部隊に負ける要素はほぼないのですが、「自分たちが相手より強すぎるがゆえ、ウッソが恐怖する」ことから動きが遅れる→ピンチに陥るという演出がなされているのが興味深いです。今までとは違ったアプローチでの、ピンチ演出でしたね。


着実にウッソたちに押されているマチスの部隊は、仕掛けたワナがある地点へとホワイトアークを誘導。トマーシュのガンブラスターがこれに引っかかり、改造されたゾロのブーツの急襲により危機に陥ります。駆け付けたウッソがV2ガンダムで応戦する中、ホワイトアークがキャノンを発射。その光、そしてそれにより起きた爆発でミューラの死がフラッシュバックした彼は、ミノフスキー・ドライブユニットを最大出力で噴射。それにより発生した“光の翼”で、マチスの部隊はほぼ壊滅するのでした。Bパートに入ると、一時的にウッソたちが劣勢に。マチスの誘導に引っかかったトマーシュが、深く突っ込みすぎたことで、ガトリング砲を装備した大量のゾロのブーツの攻撃にさらされ、ピンチを迎えます。1つ1つは弱くても、束になれば厄介というのは世の常。さらにマチスの部隊は玉砕覚悟で挑んできていることから、今まで相手をしてきたモビルスーツやその部隊とは、また違った強さがありました。ゾロの部隊だけで、ここまで今のウッソたちを苦しめるなんて、本当に大したものですよ。そんなマチスの部隊に対して、気おされ気味だったウッソでしたが、ホワイトアークのキャノンの光とその爆発を見てから一変。「いかにカサレリアの地を汚さずに敵を全滅させるか」を考えた結果、ミノフスキー・ドライブユニットを最大出力で噴射し、それにより発生するメガ粒子で部隊を撃滅するという、光の翼を用いた技を使います。以前からミノフスキー・ドライブユニットが武器に転用できることは言及されていましたが、ここまで出力を上げて使用されたのは初めて。V2ガンダム最強の武器ともいえるこの光の翼ですが、そのデビューが単純に喜べるものになっていないのが、『V』らしさを感じます。


ただ1人残ったマチスは、命を賭けてV2ガンダムに特攻。マーベットのヴィクトリーガンダムが攻撃しますがブーツのみしか破壊できず、ハンガーのみで襲い掛かってきます。ビームサーベルで貫かれる寸前のところでそれを受け止めたウッソは、コクピットから出て、中のマチスとコンタクト。その思いを知ったウッソは、救出しようとしたものの間に合わず、マチスは死亡。彼に敬意を表する形で、ウッソたちは墓を作り、シュラク隊のメンバーと同列で埋葬するのでした。最後の力を振り絞り、半ば特攻するように突っ込んでくるマチス。そんな彼の攻撃は、ヴィクトリーガンダムV2ガンダムによって阻まれ、目的を達成することはありませんでした。このシーンで、ウッソとマチスが初めて対面。マチスの思いを彼が知るシーンは、深く印象に残るものになりました。でも、「カサレリアを自分と家族の第2の故郷にしたかった」っていうのは、ちょっと身勝手な論理じゃないかな…。こうして戦いは終結。ウッソたちは戦死したシュラク隊のメンバーの墓をこのカサレリアの地に建て、さらにその隣マチスの墓を建て、人の死の多さと戦争のむなしさに嗚咽します。このシーンでは、以前から挿入歌として使用されている「ひなげしの旅のむこうに」の、シャクティ歌唱バージョンが効果的に挿入。この歌が鎮魂歌であるような演出がなされていました。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第40話から第42話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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Vガンダム』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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