決してくじけない3人組
これから起きること、絶対内緒にしてくれよな!今回の『ウルトラマンデッカー』は、ストロングタイプの初登場回。ストーリー上では、HANE2/ハネジローとの連携模様に焦点が当てられており、なにがなんでも連携をものにしようとするカナタたちのがむしゃらさ、そして後半でのカナタとハネジローの秘密の共有など、面白いアプローチがいくつか挿入されており、ドラマを盛り上げてくれていました。
人間とAIの交流のドラマは、たいていAI側が人間に感化され、それに歩み寄るというパターンが多いですが、今回の場合は逆で、戦闘およびシミュレーションにおいては、カナタたちがハネジローに合わせた形に。そのぶん、オフのシーンでハネジローをカナタたちに合わせるようにさせる形で、上手いことバランスをとっていました。順当さと特異さを両立した、カナタたちとハネジローの関係構築。彼らの絆の今後の深まりようも、注視したいところです。
なお、前回(第2話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
上述したとおり、ストロングタイプの初登場回であるものの、ストーリー上の中心はハネジローとの連携に重きが置かれていた今回。ハネジローとのムダないざこざもなく、カナタたちの中でのケンカもなかったため、純粋に努力する彼らの姿を楽しむことができました。終盤の戦闘では、結局ゴモラを救うことはできませんでしたが、これがのちのち何かしら尾を引いたりするのかな…?
前回、晴れてGUTS-SELECTへの入隊を果たしたカナタたち。TPUのアサカゲ ユウイチロウ博士とも出会った彼らに課せられた最初のミッションは、ガッツファルコンの操縦習熟と、HANE2の操縦するガッツホークとの連携でした。しかし、ガッツファルコンの操縦にすらあまり慣れていないカナタたちは悪戦苦闘。「技術以外でのHANE2との交流が必要」と考えたカナタは、腹を割って話そうとしますが…。今回は序盤から、カナタたちの訓練シーンが挿入。ただでさえガッツファルコンの操縦に慣れていない彼らが、いきなりHANE2と上手く連携できるはずもなく、失敗を繰り返します。失敗のしかたは三者三様でしたが、ソウマが結果的に怪獣に特攻する形で墜落→失敗していたのは、一番ムチャクチャで笑っちゃいました。実戦でこうなったら、笑える状況ではないけどね…。このように、訓練において失敗続きの彼らでしたが、一切くじけることはなく、HANE2と腹を割って話して絆を深めようとしますが、思ったほど効果はありませんでした。この一連のシーンでは、腹を割って話そうとするカナタたちのさまに目が行きがちですが、その直前の3人のやり取り(屋上で話し合っているシーン)に注目したいところ。ここでは、誰1人訓練が上手くいかないことを嘆いていないほか、ちゃんとお互い仲間のどんな点がダメだったのか、きちんと共有しているのがGoodです。カナタたち3人の絆が深まっているのが、感じられますね。
依然上手くいかない、HANE2との連携。どれだけ失敗してもあきらめないカナタたちは、無理を押して何度も訓練に挑みますが、そんな中市街地にゴモラが出現。カナタたちに初の出動命令が下ります。ムラホシ隊長の指示で、ガッツファルコンに搭乗したカナタは、ガッツホークとの連携でゴモラの尻尾を破壊することに成功。しかしその直後、ゴモラはスフィアに取り憑かれてスフィアゴモラとなり、カナタはガッツファルコンやガッツホークもろともスフィアのバリアに巻き込まれてしまいます。中盤のゴモラ出現シーンより、戦闘パートへ移行。詳細は後述しますが、近年の作品では珍しい、リアリティある戦闘描写が展開されており、見ごたえがありました。今回カナタがガッツファルコンのパイロットに選ばれましたが(何かしらの意図があってか、あるいは偶然なのかは不明)、イチカもソウマも、自分たちが選ばれなかったことで全く腐ることなく、自分たちに課せられた任務を全うしようとする姿にも、好感が持てましたね。前回でも触れましたが、「自分たちが今何をすべきで、何に全力投球すべきか」という考え方をブラさずに徹底できることが、カナタたちのいいところであると感じます。
ピンチに陥ったカナタは、HANE2に固く口止めしたうえでデッカーに変身。スフィアゴモラに挑みますが、それは強大なパワーと防御力を持ち、さらに背後に病院があるという状況から、思うように戦えません。しかし、デッカーの意思により出現したストロングタイプのカードと、GUTS-SELECTの徹底的なアシストのおかけで、最後はデッカー ストロングタイプのドルネイトブレイカーで勝利。HANE2はハネジローと呼ばれることになり、口調も幾分砕けた感じになるのでした。にっちもさっちも行かなくなったカナタは、HANE2にガッツファルコンの遠隔操縦を任せ、自身はデッカーに変身。スフィアゴモラに挑み、様々なアシストを受けながら勝利をおさめます。ここで、HANE2にカナタ=デッカーであることが、先行してバレる形に。なるほど、本編後に挿入される「カナタのウルトラディメンションナビ」で、当然のごとくHANE2が出てくるのは、こういう形で2人(1人と1体)が秘密を共有するからだったんですね。そんな戦闘終了後、一応HANE2とともに戦えるようになったカナタたちは、親しみがもてるよう、HANE2を「ハネジロー」に改名。さらに話し方も砕けた感じにさせ、仲を深めて行くのでした。今回で本当の意味で出来上がった感のある、GUTS-SELECTのチームワーク。これからどのような活躍を見せてくれるのかが、楽しみです。
◎特撮面
ビルの多い市街地でのバトルになり、ミニチュア破壊等の見どころが多かった、今回の特撮・戦闘パート。実際の火薬による爆破とCGエフェクトを組み合わせたり(これは前回でも観られましたね)、限られたミニチュアセットのスペースを広く見せる&有効活用するために、ダイナミックにグルっと撮影したりと、様々な工夫を楽しむことができました。特撮パートの出来&手間のかかりようは、第1・2話を超えているといっても過言ではないでしょう。
突然、市街地に出現したゴモラ。とにかく迎撃の必要があると判断したムラホシ隊長は、上空からカナタのガッツファルコンとHANE2のガッツホークで、地上からはイチカとソウマで、それぞれ攻撃にあたるよう指示します。ゴモラの尻尾を切断する等の戦果を挙げたカナタたちでしたが、スフィアの登場により戦局は一変し…。今回登場したゴモラは、単体でもかなりの強さを誇っており、わがもの顔で市街地を蹂躙。GUTS-SELECTもそんなことは許さまいとして、怒涛の迎撃を行います。市街地を破壊しまくるその姿は、久々に強いゴモラを観たな!という印象。『マン』に登場したオリジナルの個体を思い出させる、素晴らしい破壊&活躍っぷりでした。
ガッツファルコンの操縦をHANE2に任せ、カナタはデッカーに変身。真正面から戦いを挑みますが、パワー系の怪獣であるスフィアゴモラに、フラッシュタイプの基本攻撃はほとんど歯が立たず、さらに避難作業中の病院をかばう必要があったことから、防戦一方の苦しい戦いを強いられます。戦闘シーン中盤では、スフィアゴモラの登場と、その攻撃に苦しむデッカー フラッシュタイプの姿が描写。第1・2話の苦戦描写とは違い、今回はかなり追い詰められている感が強く出ていました。これは、スフィアゴモラの猛攻の描写と、病院を守らなければならないという設定のおかげ。見た目的にも設定的にもカセを作り出すことで、戦闘シーンに緊迫感を与えることに成功していました。
デッカーの意思により出現した、ストロングタイプのウルトラディメンションカードを使って、カナタはストロングタイプへとチェンジ。スフィアゴモラに引けを取らないパワーを手に入れたデッカーは、全く負けることなく、スフィアゴモラを追い詰めて行きます。そして最後は、ドルネイトブレイカーでスフィアゴモラを上空へ弾き飛ばし、勝利するのでした。終盤で、ストロングタイプが堂々登場。スフィアゴモラに全く負けることのないパワーと突貫っぷりを見せ、終始圧倒したうえで最後はビジッと決めてくれました。トリガー パワータイプや、原点であるダイナ ストロングタイプとは違い、筋肉を持ったデザインではないことから、「筋肉質ではないのに強い!」というギャップある感じがたまらないですね。フラッシュタイプ以上に好きかも、ストロングタイプ…!
ユノハナ町に落下した謎のカプセル。町長たちはのんきに写真撮影をしていたが、その中に入っていたのは破壊獣モンスアーガーだった!パワー自慢の怪獣の攻撃を食い止めるべく、GUTS-SELECTの新たな武装がそのベールを脱ぐ。それは、ガッツファルコンとガッツホークの合体形態:ガッツグリフォンだ!
次回は、ガッツグリフォンの初登場回。また、『ダイナ』怪獣のトップバッターとして、モンスアーガーが登場します。動いているモンスアーガー、久しぶりに観たなぁ!あと、堀内正美さんのゲスト出演も、見逃せないぞ!
読むしかねぇ…。第4話の感想記事も、読むしかねぇんだ!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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