お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダムΖΖ』ちょっとした感想 ΖΖ-8(第22~24話)

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今回は、機動戦士ガンダムΖΖ』の感想記事第8回目です。

 

前回より、作風がガラッと変わってシリアスさが増した『ΖΖ』。それにプラスして、物語も折り返し地点にやって来たことから、ハマーンやプルに関するお話も大きく動き出すことになります。そして、ちょくちょく単発回も挿入されるけど…これまたなかなかハードなんだよなぁ。

 

なお、前回(第19~21話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第22話「ジュドー、出撃!!」

1986年8月2日放送
登場した敵他:戦艦サダラーン、ミンドラ、エンドラ級戦艦、ドライセン、ズサ、ガ・ゾウムガルスJガザCガザD

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「今足元にいる、愚かなる人間たちに思い知らせる時が来たのだ。今や地球圏は、我々ネオ・ジオンのものだと!」


STORY:修理された百式も配備されて、打倒ハマーンを掲げる戦艦アーガマ。それはいいんだけど、なんかジュドーの様子がおかしい。ビーチャたちの提案で爆弾取り付けてΖΖガンダムで出撃するなんて、さすがに危ねぇよ!皆の制止も聞かずに出ていったジュドーだけど、爆弾のロープにイーノが絡まっていることに気づいていなかった。イーノは何とか無事だったけど、ジュドーはその後ハマーンの戦艦サダラーンに乗り込んじゃった。ハマーンに取り込まれるな、ジュドー


第19話で初めて接触を果たした、ジュドーハマーン今回はそんな彼らが再会し、ジュドーの能力を見込んだハマーンが、彼をアクシズ改めネオ・ジオンに引き込もうとするお話です。戦闘面でも、新型モビルスーツドライセンが登場する他、新幹部級キャラのラカン・ダカランが登場するなど、なかなかの充実っぷり。ビーチャたちのムチャすぎる作戦を除けば、割と楽しんで観れた一編でした。


月のグラナダを離れ、ハマーンたちの艦隊追撃のため地球圏へ向かう戦艦アーガマ。修理を終えた百式が配備されるなどのプラスなニュースも飛び込んできますが、その一方でジュドーたちは不穏な動きを見せていました。ビーチャたちのムチャな作戦を、最終的には受け入れたジュドーでしたが、彼らの目的はまた別にありました。一方のハマーン側では、アクシズという名を改めて自分たちをネオ・ジオンと自称。ホログラフィーを投影し、自軍の士気を高めるのでした。『Ζ』の最終回で大破し、胴体だけになってしまっていた百式が、ついに戦線復帰。しかし、今回はパイロット不足のせいで出撃までには至りませんでした。いや~、久々にその姿が出てきた時は、興奮したなぁ!このように徐々に戦力を増強していく戦艦アーガマですが、一方でジュドーたちには何やら不穏な動きが。ビーチャたちの作戦に乗せられてしまったジュドーが、出撃準備をしていました。ビーチャたちの作戦とは、ΖΖガンダムに大量のプラスチック爆弾をセットし、敵艦に接近しては起爆していくという特攻スレスレの危険なもの。さすがのジュドーも当初は反発しますが、リィナのことをちらつかされて、半ばヤケクソになってそれの実行を受け入れます。このビーチャたちの作戦の厄介なところは、表向きは「ΖΖガンダムに全くダメージはない」と言っていたものの実際はかなりのダメージが予想される上に、ビーチャたちがこうしたことを提案した理由が、ジュドーに痛手を負わせて自分たちの地位を向上させるため。やっぱりコイツら、エンドラから帰ってきた際、宇宙空間に放り出しておいた方がよかったな…。


ジュドーとビーチャたちの会話を聞いていたシンタとクムですが、クルーたちは聞く耳を持ってくれず、ジュドーの出撃準備はやがて完了。出撃直前でイーノとアストナージが気づきますが間に合わず、ジュドーはそのまま出撃してしまいます。一方戦艦サダラーンでは、ラカン・ダカランがミンドラへと移動し、その後ズサが地球圏へ向かうΖΖガンダムをキャッチ。戦艦アーガマの攻撃が近づいていることに気づくのでした。シンタとクムは早い段階からジュドーの出撃についてあれこれ訴えていましたが、艦内のクルーのほとんどは聞く耳を持たずじまい。ようやく偶然通りがかったルーがその話を聞き、事態の深刻さを察知します。シンタとクムの話を聞かなかったのは、完全にクルー側が悪手を打った形。彼らも時々悪さをするけど、普段は嘘ついたりしないんだから、もうちょっと真面目に聞いてやればよかったのに…。ルーの話を聞きつけたイーノとアストナージは、コクピットに乗り込もうとするジュドーを止めようとするも失敗。勝手にハッチを開けて出撃してしまいますが、その際イーノの身体に爆弾のケーブルが巻き付いてしまい、彼はそれに引っ張られて行きます。ジュドーが偶然気づいたおかげで助かったイーノでしたが、それでもなお戦艦サダラーンへの追撃をやめようとはしませんでした。以前からそうですが、リィナのことになると周りが見えなくなり、一気に猪突猛進型になってしまうジュドー。彼の気持ちはよくわかりますが、これが彼の欠点でもありますよね。爆弾巻き付けて、それを盾にリィナの居場所を探ろうだなんて、少し考えればムチャな作戦だってわかるのにね。


ハマーンの艦隊に追いついたジュドーは、まずはエンドラ級戦艦1機を撃破。その後戦艦サダラーンへ近づこうとしますが、その際ハマーンの声を聴きます。彼女の声に引き寄せられる感覚を覚えたジュドーは、危険を承知で彼女の誘いに乗り、戦艦サダラーンの中へ。そこで彼を待ち受けていたのは、ハマーンの勧誘でした。彼女の術中にはまりそうになるジュドーでしたが、間一髪ネオ・ジオン兵の邪魔が入り、それを振り切って脱出します。エンドラ級戦艦1機を、半ば偶然もあって撃破したΖΖガンダム。この時ガルスJも巻き込まれて大破しています。ビーチャたちが取り付けたプラスチック爆弾、どんだけ強力なのよ!?そしてこの後、ΖΖガンダムが接近したのが戦艦サダラーン。ニュータイプどうしとして特有の波長を感じたハマーンは、「リィナはこの艦の中にいる」とウソをついて招き入れます。罠であることを覚悟の上で乗りこんだジュドーを待ち受けていたのは、なんとハマーンからの勧誘でした。ジュドーが戦艦サダラーンに乗り込むや否や、ハマーンは彼に接近。部下や親衛隊の進言も聞かずにエレベーターへと向かい、ジュドーと1対1になる環境を作ります。そこで彼女は、とくとくと彼に対し、ネオ・ジオンに寝返るよう語り続けるのでした。「君は今までのニュータイプとは違う」と前置きしたうえで、ニュータイプはともに歩まなければならないとか、エゥーゴニュータイプがいるべきではないなど、『Ζ』の頃から主張し続けていたことを話し続けるハマーン。それを聞いているうちに、ジュドーはだんだんと彼女に取り込まれそうになっていきます。確かに、その話が正しいかどうかは別として、ずーっと相手の主張を並べられてそれを聞き続けていると、頭がポーっとしてきて、だんだん判断能力が鈍ってくるもんね。でもジュドーハマーンと再会して2番目に感じたことが「いい匂いがする」って、お前…!このようにジュドーハマーンに取り込まれる寸前まで行きますが、そんな彼を救ったのが、先ほどのネオ・ジオンの兵士たち。ジュドーを敵としか見ておらず、ハマーンを守るために行動する彼らは、容赦なくジュドーに向けて発砲。これにより彼は正気を取り戻し、戦艦サダラーンから脱出していきます。肝心なところでハマーンを邪魔してしまった、ネオ・ジオンの兵士たち。とはいえ、このシーンにおける彼らの行動は当然(ジュドーハマーンの事情を知らないため)でもありますけどね。


戦艦アーガマは、ラカンの乗るミンドラから激しい攻撃を受けており大ピンチ。しかもラカンはミンドラを特攻させるという大胆すぎる攻撃を仕掛けてきますが、これはブライトのとっさの判断により何とか回避します。戦艦アーガマへの攻撃に失敗したラカンは、戦艦サダラーンの危機を知り、新型モビルスーツドライセンに乗ってΖΖガンダムに応戦。その機動性を前にΖΖガンダムもまたピンチに陥りますが、ΖΖガンダムの的確な反撃と、ΖガンダムガンダムMk-Ⅱの反撃の前に、ドライセンは大破するのでした。ラカンは声こそかなり落ち着いたものをしていますが、その見た目や作戦のスタイルはかなり大胆。初登場回である今回は、いきなりミンドラで戦艦アーガマに特攻を仕掛けるというトンデモ攻撃を行っています。これ、戦艦アーガマがメガ粒子砲を推進力にしてギリギリのところで回避したからよかったけど、もし攻撃が成功したらどうするつもりだったんだろう?ラカン自身も脱出できなかったはずじゃあ…。こうして戦艦アーガマへの特攻には失敗したラカンですが、直後戦艦サダラーンの危機を知り、ドライセンに乗って現場に急行。ΖΖガンダムと相まみえます。その機動性でΖΖガンダムとほぼ互角に戦うドライセンでしたが、ΖΖガンダム武装、そしてΖガンダムガンダムMk-Ⅱの加勢の前に敗れるのでした。ドライセンは、『ガンダム』に登場したドムおよびリック・ドムをベースに開発された機体。このドライセンを機に、『ΖΖ』に登場するネオ・ジオンモビルスーツとして、旧型機のデザイン改修版タイプのものも多く登場するようになっていきます。ドムは最初こそ強かったものの、リック・ドムになったあたりから一気に弱体化した(というよりも、アムロガンダムが強くなりすぎた)ので、「ドライセンもそんなに強くないんじゃないか…?」と思っていましたが、そんなことはなし。むしろΖΖと互角に立ち回るくらいの強さを見せてくれました。武装の多さ・強さではΖΖガンダムの方が上だけど、機動性はドライセンの方が上だよなぁ。ラカンもこの機体も、今後なかなかの強敵になりそうだぞ…。

 

 

 

第23話「燃える地球」

1986年8月9日放送
登場した敵他:戦艦サダラーン、ミンドラ、サンドラ、キュベレイMk-Ⅱ(プル機)、バウ、ズサ

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ジュドー・アーシタは…私の敵です!」


STORY:ビーチャたちが戦いに意味を見いだせない中、ハマーンたちネオ・ジオンの大気圏突入が始まった。既にダカールは敵の手に落ちてるらしいし、事態は一刻を争う!リィナを救うため、そしてハマーンたちを止めるため、ジュドーはあえてΖガンダムで出撃したけど、敵として立ちはだかったのは、グレミーに洗脳されたプルだった!戦いの中で正気を取り戻したプルだけど、今度は大気圏の摩擦熱がジュドーたちを襲う!ジュドー、プルを救えるのか?


ネオ・ジオンの大気圏突入作戦を舞台に、ジュドーとプルの戦いが描かれる一編。彼らのやり取りによるプルの洗脳からの解放が、今回のお話の要になりますが、同時にビーチャたちガンダム・チームの残りのメンバーが、「戦う意味」を見出してその身を投じるさまも描かれているのが興味深いです。今までの軽い感じから、一気にそれぞれ芯や意思を持つようになった彼ら。成長したなと同時に、ちょっとずつ戦争に染まっていってるんだなぁ…とも感じます。


ジュドーと触れ合いすぎたことにより、その精神が不安定になると同時に、戦いに意味を見いだせなくなってきたプル。事態を重く見たグレミーは、医療班と協力し彼女に強力な洗脳(刷り込み)を敢行。ガンダム、そしてジュドーこそ倒すべき敵だと刷り込まれた彼女は、やがて疲弊し倒れてしまいます。一方同じ頃、戦艦アーガマでは、ビーチャたちが戦う意味を見いだせなくなっており、ガンダム・チームの士気は低下傾向に。ジュドーの状態も気がかりなブライトでしたが、彼を励ましたのは、ルーとエルでした。プルをガンダム相手にまともに戦える兵士にするため、強力な洗脳を行うグレミー。今までのΖΖガンダムΖガンダムガンダムMk-Ⅱの戦闘シーンを徹底的に流して恐怖を植え付け、その上で彼女の戦闘意思を高めつつ、ガンダムそしてジュドーが敵であると刷り込んでいきます。リィナ並みに、異常なほどプルに執着を見せるグレミー。彼から見れば、プルは強化人間というある種の“作品”としての兵器ですから、ここまでこだわる気持ちもよくわかりますけどね。このようなプルと似て、同じく戦いに意味を見いだせなくなっていたのが、戦艦アーガマのビーチャとモンド。自身の言葉もイマイチ心に響かなかった彼らを目の当たりにしたブライトは、彼らを見守ることとし、そしてジュドーのことも気にかけます。このまま地球に着いたら、3人は艦を降りてしまうのではないか―。そう不安になるブライトでしたが、ルーとエルが励ましてくれるのでした。スペースノイド(宇宙生まれの宇宙育ち)であるため、地球にはハッキリ言って何の思い入れもないビーチャとモンド。そして、とりあえず今はリィナを救うことに躍起になっているジュドー。そんな彼らに、エゥーゴの信念とか「地球を守る」とか説いても、心には響きませんよね。ビーチャたちの葛藤、そしてブライトの主張どちらも理解できるものでしたから、ここは考えさせられる、非常に深いシーンになっていたと思いましたね。


プルの洗脳を終えたグレミーは、彼女をハマーンに披露するため、戦艦サダラーンへ。その直後、戦艦アーガマの接近を知った彼は、プルのキュベレイMk-Ⅱやズサ隊に出撃を命じ、自分自身もバウに搭乗します。一方、カラバからの通信を受信した戦艦アーガマは、ネオ・ジオンの行動の巧みさに驚愕。そんな中で敵影を発見したことにより、ジュドーたちに出撃命令が下ります。大気圏突入時の攻撃に乗じてリィナを救うべく、ジュドーが選んだ機体は、なんとΖガンダムでした。プルのキュベレイMk-Ⅱの他、重武装のズサ隊が出撃し、戦艦アーガマに応戦するには、この時点で十分な火力。しかし、それをわかっていながらも、グレミーはあえてバウで出撃していきます。それは作戦というよりも、自分の地位や立場を守るためでした。なんだかんだで、グレミーも戦艦アーガマ相手の作戦では失敗ばかり。また、彼にはハマーンに対して隠し通したい真の目的があったため、この戦いでなんとか戦果を上げようとしていたんですよね。まあ結果的には、今回も戦果を挙げられずに撤退するハメになっちゃうんだけどね…。一方の戦艦アーガマ側では、いよいよ大気圏突入準備に入るというところで、カラバからの通信を受信。その内容に驚愕します。ハマーンたちが、地球連邦議会のあるダカールに向かっていることを知り、その対抗策を練っていたブライトたち。ところが、カラバからの通信で、既に地球連邦議会は内部からネオ・ジオンに侵食されており、実質的にダカールネオ・ジオンの手に落ちていることが判明します。エゥーゴよりも先手先手を打っていたネオ・ジオン。『Ζ』のティターンズは、どちらかと言えば直球的な作戦をする傾向があっただけに、ネオ・ジオンはより厄介な敵だなぁという印象を受けます。


先行して出撃したジュドーは、いきなりモビルスーツからの攻撃に遭遇。その主は、洗脳されたプルの乗るキュベレイMk-Ⅱでした。プルが利用されていることを知り、さらに近くにグレミーのバウがいたことから、ジュドーはバウがプルを操っていると判断。攻撃を仕掛けていきます。同じ頃、戦艦アーガマはズサ隊の攻撃を受けており、厳しい戦局。ジュドーと機体を入れ替える形で、ルーがΖΖガンダムで出撃したのち、エルがガンダムMk-Ⅱで、ビーチャが百式でそれぞれ出撃。戦艦アーガマを守り抜くのでした。キュベレイMk-Ⅱの攻撃に苦しみつつも、中にプルが乗っており、そして彼女が洗脳されていると思われることから、なかなか本気を出して戦えないジュドー。そんな彼は、その怒りをグレミーのバウ、そしてハマーンの艦隊にぶつけます。今回ジュドーがあえてΖガンダムを選択した理由は、その身軽な機体がリィナ救出に役立つからというものでしたが、その身軽さが戦闘でも大活躍。モビルスーツ形態とウェイブライダー形態を巧みに使い分け、ネオ・ジオンを翻弄していきます。ここ最近、ΖΖガンダムの活躍が目立つ一方で(作品が『ΖΖ』なので当たり前だけど)、イマイチ活躍が描かれきれていなかったΖガンダム。今回、先述の通りバウやハマーンの艦隊相手に十分な立ち回りを見せたことで、そのポテンシャルをいかんなく発揮してくれました。Ζガンダムの一番の特徴である「可変型モビルスーツであること」を生かしてたのが、Goodだったよなぁ。一方で、ジュドー以外のメンバーの活躍も負けてはいない!ルー・エル・ビーチャは、それぞれΖΖガンダムガンダムMk-Ⅱ・百式で出撃。戦艦アーガマをズサの脅威から守り抜き、大半を殲滅します。ビーチャは今回百式に初登場ですが、そうとは思えないほどの活躍を披露。頼もしかったです。


ガンダム・チームの怒涛の活躍の前に、劣勢になるグレミー。プルがジュドーの尽力で正気を取り戻し、ハマーンの艦隊が大気圏突入準備に入る中、キュベレイMk-Ⅱのバリュート展開が間に合わなかったことを見届け、撤退していきます。半ば見捨てられた形になったプルは泣き叫びますが、ジュドーの決死のバックアップでなんとか大気圏突入に成功。ジュドーたちは、初めて地球の大地を踏むことになるのでした。ジュドーをはじめとするガンダム・チームの攻撃を前に、劣勢を強いられるグレミー。描写は前後しますが、先述した通り、最終的には戦果を挙げられずプルを見捨てた状態で撤退するハメになります。プルに対して「運があったら生きてまた会おう!」って、自分が手塩をかけて作りだした兵器に対してとしては、えらくサッパリとした別れの言葉だったなぁ…。まあ、大気圏突入が近づいていたので、余裕がほとんどなかったというのはよくわかりますけどね。そんなグレミーからも見捨てられた形になったプルは、最初こそまだグレミーの洗脳が残っていたものの、ジュドーの決死の声かけにより正気を取り戻すことに成功。しかし、既に地球の引力に機体が引っ張られており、バリュートの展開も間に合わない状態でした。彼女を救うため、ジュドーウェイブライダー形態のΖガンダムキュベレイMk-Ⅱを直接載せ、そのまま大気圏突入を断行。奇跡的にこれは成功し、ジュドーたちは生まれて初めて地球にやってくるのでした。『Ζ』でのジャブロー降下時、そして今回のガンダムMk-Ⅱの大気圏突入でも利用されていた、Ζガンダムウェイブライダー。今回はΖガンダムキュベレイMk-Ⅱの大気圏突入にもフル活用され、2機とも無事突入させることに成功しています。絶対、バリュートよりウェイブライダーの方が有用性高い兵器だよなぁ。なかなか導入が進まないのは、やっぱり…コストの問題なのかな。

 

 

 

第24話「南海に咲く兄妹愛」

1986年8月16日放送
登場した敵他:カプール、マリン・ハイザックガルスJ、ズサ、ザク・マリナー、ザクⅡ

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「タマンが命を落として、泣くのは誰だ?悲しむのは誰だ!?」


STORY:戦艦アーガマが降り立った地点は、アフリカ大陸近くの海上。無事着水できてやれやれと思ってたけど、ネオ・ジオンはさっそく攻撃を仕掛けてくるし、ジュドーはまたまたいなくなっちゃうし、災難続きだった。いなくなったジュドーは、現地民のタマン・アヌ兄妹の所に身を寄せるけど、彼らの住む地区の住人たちは、ネオ・ジオンの手で戦争の道具にされようとしていた。やめるんだタマン!目先のお金で、アヌを泣かせちゃいけないんだ!


またまた戦艦アーガマを抜け出したジュドーが、アフリカの現地民:タマン・アヌ兄妹とその地区の住民たちとかかわり、彼らがネオ・ジオンに利用されるさまを描いた単発回。『Ζ』では、単発回においても「一般市民とメインキャラクターが絡んでお話が展開する」というパターンがほとんどなかったため、とても新鮮に感じました。タマンの行動を通じて戦争の悲しさ・悲惨さを描こうともしていたのはGoodだけど、ラストがえらく強引に終わらせてたのは、ちょっともったいない感じもしました。


大気圏突入に成功し、アフリカ大陸北西部の海上に着水した戦艦アーガマ。しかし、カラバからはネオ・ジオンダカールを占拠したという通信が入り、さらには戦艦アーガマ自身もネオ・ジオンカプール&ザク・マリナー隊に襲われるなどしており、その戦況は決して良くない状況でした。そんな中、現地民を名乗る小さな漁船が接近。戦艦アーガマに、安全地帯への道案内を提案してきますが…。前回の大気圏突入をしながらの戦闘を乗り越え、地球への到達に成功した戦艦アーガマ。やれやれという感じになるブライトたちでしたが、ネオ・ジオンの攻勢が、彼らに休む時を与えませんでした。地球に到達した後のカラバからの通信によれば、既にダカールおよび地球連邦議会ネオ・ジオンの手に落ちた状況。わずかに残った地球連邦軍ティターンズジオン公国の残党が懐柔されるのも時間の問題であり、エゥーゴおよびカラバはかなり厳しい戦いを強いられることが予想されていました。このシーンでは、ネオ・ジオンモビルスーツにより、地球連邦議会が完全に制圧されている描写が存在。そこにはガルスJやズサの他、大量のザクⅡの姿が見えます。ダカールの防衛戦力はもともとそんなに高くなかったけど、『Ζ』の頃には可変モビルスーツアッシマーとかも配備されていたはず。あの戦力があれば、もうちょっと善戦できたと思うんだけど…、ティターンズが弱体化したと同時に、ああいう系のモビルスーツも引き上げられちゃったのかなぁ。戦艦アーガマはこうした情報に衝撃を受けますが、それにさらに追い打ちをかけたのが、カプール&ザク・マリナー隊による海中からの攻撃。ルーがΖガンダムで出るも間に合わず、戦艦アーガマはこの海域からの脱出を最優先事項とせざるを得なくなります。水中戦特化型のモビルスーツである、カプールとザク・マリナーが相次いで初登場。かつてのジオン公国軍と同じく、ネオ・ジオンもなぜか妙に水中専用モビルスーツが充実してるのね…。

 

ブライトとの作戦の相違に嫌気がさしたジュドーは、捕虜となったエルの姿を見た後、密かに漁船に紛れて戦艦アーガマから脱出。その漁船に乗っていた青年タマンの協力を得て、彼の住む島へとたどり着きます。そこでジュドーは、タマンの妹であるアヌとも対面。彼女の言葉から、タマンたちが何か危険なことに片足を突っ込んでいるのではないかと感じたジュドーは、彼女のためにタマンを追うのでした。キュベレイMk-ⅡでΖガンダムウェイブライダー形態に乗り、大気圏突入に成功したプル。彼女はネオ・ジオン側の人間であるため当然捕虜として扱われることになりますが、意外にもそれほど嫌そうなそぶりは見せていませんでした。お風呂に入れないこと(戦艦アーガマ内はシャワーしかない)以外は、特に不満がなさそうなプル。ジュドーと一緒にいれることになったからでしょうか?このあたりのセリフ回しやジュドーたちの行動も、テンポがよくて良かったなぁ。そんなプルの姿を見たジュドーでしたが、当の彼は、実は戦艦アーガマを抜け出す気満々。彼は漁船が道案内のためのお金を受け取りに来たのに乗じて、それに乗り込んで艦を抜け出します。さらにその漁船の青年タマンの協力を得たジュドーは、彼の住む島に上陸するのでした。タマンは妹のアヌ、そして父と暮らす青年。アフリカ大陸は戦争の影響で各勢力が鎬を削る戦場と化していましたが、その中でも彼は、戦争を利用して何とか生き延びようとしていました。タマンが「戦争を利用してやるんだ」と言いつつも、実際にやっていることは、お金の代償として各勢力に加担する行動ばかり。利用されてるのは、どっちなんでしょうね―。


タマンのことをつけたジュドーがたどり着いた場所は、島の中にある洞窟。そこにはカプールとザク・マリナー数機が配備されており、タマンたちはネオ・ジオンの兵士の指示で、その操縦訓練をさせられていました。戦争に加担するのを止めようとするジュドーでしたが、タマンはそれを拒否。そのまま戦艦アーガマ撃沈のため、ネオ・ジオンの兵士とともに出撃してしまいます。一方、戦艦アーガマ内では、エルたちがジュドーが消えたことに気づき、さらにはプルもコアファイターで逃走してしまったため、2人の捜索を開始。その捜索は難航するのでした。戦艦アーガマよりも、2倍以上のお金を出してくれるところがあるとして、定期的に島の洞窟に出入りしていたタマンたち。そこで彼らがしていたのは、ネオ・ジオンの兵士たちによるモビルスーツの操縦訓練。ネオ・ジオンの兵士たちは、自分たちの他に地球の現地民も戦力として投入するという禁忌を犯しており、タマンたちは目先のお金につられてそれに加担していたのでした。このシーンで興味深いのが、ネオ・ジオンの兵士たちが皆、最新型のカプールではなく、どちらかと言えば旧式のザク・マリナーに乗りたがっている点。普通なら新しい機体の方に乗りたがりそうなものですが、彼ら曰くカプールは「地球のことを知らない宇宙のヤツらが造ったモビルスーツだ」として信頼しておらず、過去に実戦経験のあるザクⅡをベースとしたザク・マリナーに信頼を寄せていました。なるほど、そういう考え方もあるんだなぁ。さらに、こうしたことによりタマンがカプールに乗るハメとなり、のちにΖΖガンダムと相まみえる展開になっているのも、非常に面白いです。一方同じ頃、戦艦アーガマでは、ジュドーが消えたとして大騒ぎ。エルとイーノは、プルの能力を頼ってジュドーを探そうとしますが、プルは単独で彼を探すため、コアファイターに乗って逃走。エルたちはコア・ベースとコア・トップにそれぞれ乗って、2人の捜索をするハメになるのでした。


プルと合流したジュドーは、アヌにタマンを救うと約束しコアファイターで戦艦アーガマ方面へ。さらにエルたちと落ち合って、Gフォートレスへと合体します。そしてギリギリのところでタマンたちに追いつき、ΖΖガンダムとなって戦艦アーガマへの攻撃を阻止することに成功。ギリギリまでΖΖガンダムパイロットがジュドーであることを知らなかったタマンは、戦い続けようとしますが、ジュドーの必死の説得で改心。自分たちの島にモビルスーツはいらないとして、カプールを洞窟に特攻させて完全に破壊。こうしてタマンたちの島に、再び平穏が戻るのでした。プルやエルたちと合流後、ぶっつけ本番で地球上で初の合体を敢行し、さらにはそのまま海中へと突っ込んでいくジュドー。確かに「目の前の爆発でも耐えられるようにできてる」から、ちょっとの水圧は平気なんだろうけど、よくビビらずに突っ込んでいけるよなぁ…。そのままGフォートレスでタマンたちを追ったジュドーは、彼らが戦艦アーガマを攻撃する直前に追いつくことに成功。ΖΖガンダムに変形して立ち回りますが、タマンら民間人を傷つけたくないという思いが、ジュドーを戦いにくくします。今回のモビルスーツ戦は、ネオ・ジオンの兵士たちの機体とタマンら民間人の機体が混じっているため、ジュドーにとってはかなり戦いにくい状況。しかし、それを除けば彼がほとんど苦戦している様子はありませんでした。『ガンダム』のアムロですら、初の水中戦は四苦八苦してたのに、ジュドーは割とあっさり適応してたね…。やがてジュドーは、ネオ・ジオンの兵士たちの機体を破壊することに成功。民間人機は戦いの最中ネオ・ジオンの兵士たちに破壊されたため、残るはタマンのカプールのみ。当初はΖΖガンダムを何が何でも倒そうとするタマンでしたが、ジュドーの言葉に心打たれ、改心。島の洞窟内のモビルスーツ関連施設を破壊するのでした。タマンの葛藤やそれに対するジュドーの考え方のぶつかり合いは、いいドラマを生み出していましたが、そのあとのドラマのたたみ方がかなり強引。タマンが改心するのはいいけど、洞窟破壊までさせるのは、ちょっと急すぎたんじゃないのかなぁ…。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第25話から第27話をご紹介予定です。『ガンダムΖΖ』。人ごとなのに、涙出ちゃう…。

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ガンプラ Pick Up!

ガンダムΖΖ』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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