お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム』ちょっとした感想 Phase-9(第25~27話)

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今回は、機動戦士ガンダム』の感想記事第9回目です。

 

始まったオデッサ作戦、そして帰ってきたアイツ!物語も2クール目終盤にさしかかり、折り返し地点へ。今回ご紹介の3話では、以前から名称が登場していたオデッサ作戦の敢行、シャアの再登場と、またも物語が大きく動く形となりました。オデッサ作戦、あれだけ言われてた割には1話で終わっちゃったけどね…。

 

なお、前回(第22~24話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第25話「オデッサの激戦」

1979年9月22日放送
登場した敵他:ドム、戦闘機ドップ編隊、大型陸戦艇ダブデ、戦艦ザンジバル

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「あなたみたいな方のおかげで、何十人となく無駄死にしていった人がいるんです!わかりますか!?」


STORY:オデッサ作戦の火ぶたが、切って落とされた。連邦軍ジオン公国軍、両者激戦を繰り広げる中、Gアーマーのテストを兼ねてパトロールをしていたアムロとセイラは、連邦軍に潜んでいたスパイの正体をつかむ。スパイとの決着後ホワイトベースに戻ったアムロは、ガンダム黒い三連星に挑んでいく。やがて戦局が劣勢となったマ・クベは、あろうことか禁止兵器である水爆の使用を決断した。発射されたミサイルを、ガンダムは破壊できるのか!?


数話前から、その開始が予告されていたオデッサ作戦今回のお話は、全編にわたってそれにかかる連邦軍ジオン公国軍の激しい戦いが繰り広げられます。前回辺りから登場した連邦軍に潜むスパイ(エルラン中将とジュダック)や黒い三連星との決着が次々についていくさまは爽快。でも、後者の方はあれだけ強い兵士たちってアピールされてた割には、けっこうアッサリやられちゃったなぁ。


連邦軍の計画していたオデッサ作戦が、ついに決行。連邦軍が装備を整えて進撃する一方で、マ・クベ黒い三連星の扱いに少々手を焼いていました。同じ頃、ホワイトベースはその修理があらかた終わり、ブライトも戦線復帰。Gアーマーのテストを兼ねて付近のパトロールを行いますが、そこでジオン公国軍の大型陸戦艇ダブデから飛び立つ、不審なドラゴン・フライ(連邦軍の軽連絡機)を目撃し、ブライトにそのことを伝え、機体を追跡するのでした。ついに始まったオデッサ作戦。序盤のシーンでは、その戦闘シーンが描かれると同時に、連邦軍側とジオン公国軍マ・クベ)側双方の様子も描写されます。連邦軍側は作戦をする側なので、当然準備万端の状態ですが、一方のマ・クベ側は、若干統率がとれていない状況。スパイが集めた情報をもとにフォーメーションを組みますが、その一翼を担うガイアら黒い三連星たちは、マッシュの弔い合戦だと言って好き勝手なことばかりしていました。この戦いは連邦軍の勝利に終わるんだけど、もう序盤の時点でマ・クベの方に勝ち目ないってわかりますよね。こんな感じなんだから…。オデッサでこのような戦闘が繰り広げられていた頃、アムロとセイラはGアーマーのテストを兼ねてパトロールに出撃。オデッサ作戦の作戦範囲ギリギリまでを航行しますが、そこでダブデから飛び立つ不審なドラゴン・フライを発見、追跡を開始します。ジオン公国軍の兵器から、何の追撃も受けずにドラゴン・フライが飛び立つなんておかしい―。これを見たアムロたちは、マチルダのことを思い出し、連邦軍内でのスパイの潜入を疑います。スパイ(ジュダック)の方も、特にカモフラージュしないだなんてうかつだったよなぁ。このガバガバさで、よく今までバレなかったな…。


ホワイトベースがドムの接近をキャッチし、連邦軍内でのスパイの存在を確信する中、不審なドラゴン・フライが連邦軍のビッグ・トレーに着艦。Gアーマーも後を追う形で着艦します。最初は怪しまれていたアムロでしたが、何とかビッグ・トレー内に入ることに成功。エルラン中将と面会し、スパイの存在を指摘します。しかしアムロは、彼もまたスパイであることまでは見抜けていませんでした。正体を現したエルラン中将の攻撃を受けるアムロでしたが、彼は連邦軍兵士たちに捕らえられることに。スパイの件にケリをつけたアムロたちは、急いでホワイトベースに戻ります。Gアーマーで着艦し、コクピットから降りるも、いきなり連邦軍兵士から銃を突きつけられるアムロ。まあお互い初対面なので怪しまれるのは仕方ないですが、アムロがしっかり名乗った後も疑い続けるのは、ちょっと無いんじゃないかな?マチルダレビル将軍から、ホワイトベースの船員やGアーマーの情報が伝達されてるはずなんだからさ…。そんな連邦軍兵士らを説得し、船内に入ることができたアムロ。彼は乗っていたエルラン中将と1対1で面会し、先ほどのドラゴン・フライに乗っていた兵士こそスパイなのではないかと指摘します。アムロにスパイのことがバレたと感じたエルラン中将は、ついにその正体を明かしてアムロを抹殺しようとしますが、連邦軍兵士により阻止されるのでした。アムロからスパイのことを指摘されても、情報を握りつぶすかジュダックだけ処分する形にするなどして、自分もスパイであることをことを隠すことができたはずのエルラン中将。しかし、彼はそういったことはせず、アムロの抹殺を優先します。「ボロを出さなかったらよかったのに」とも思っちゃいますが、エルラン中将とジュダックはこの直後に連邦軍を裏切ってジオン公国軍に加勢する予定だったから、このタイミングで少しでもスパイのことがバレるのはなんとしても避けたかったんでしょうね。しかし、この行動が結果的にエルラン中将もスパイであることが完全にバレる形になり、ジュダックともども拘束されるハメに。これが、今回の戦いでのマ・クベの敗因の1つになりました。


アムロたちがホワイトベースに戻ってきてみると、ガンキャノンガンタンクがドムと交戦中。2体とも奮闘していましたが、やはりドムには一歩及ばず苦戦を強いられていました。アムロガンダムに分離して戦闘に参加。一方のGファイターは戦闘中に被弾したため、一時撤退し、損傷の少ない後部をコアファイターにドッキングさせ、再出撃してガンダムに加勢します。Bパート前半部分は、ホワイトベースとドム(黒い三連星)の戦いが中心。ガンダムもこれらに対し戦いますが、それ以上の奮闘っぷりを見せたのが、ガンキャノンガンタンクでした。ガンタンクは途中キャタピラを破壊されて撤退したものの、ガンキャノンは終盤まで戦い抜いてくれました。なんだかんだでドムの攻撃の被弾率を最低限にとどめ、ほとんど当たらないものの攻撃を叩き込んでいるガンキャノン、本当に頑張ってるなぁ。カイの操縦もかなりうまくなってきましたね。一方のガンダムも負けてはおらず、ドムに対して徹底的に応戦。相方となるGファイターは被弾して一時的にホワイトベースに戻りますが、なんとガンタンクコアファイターを代わりにドッキングして出撃してきます。Gファイターコアファイターともドッキングできることが、今回判明。Gパーツに比べるとコアファイターの方が軽量だからか、より機動力がアップしているように見えました。Gファイター、なかなか柔軟な使い方ができるんだなぁ。


エルラン中将らの加勢もなく、また黒い三連星ガンダム相手にてこずっていることから、徐々に連邦軍側に追い込まれていくマ・クベ。この戦いに負けるわけにはいかないマ・クベは、禁止されているはずの水爆の使用をちらつかせ、レビル将軍を脅します。しかし、レビル将軍はこれに屈さず戦闘を続行。ホワイトベースガンダムに水爆ミサイルの破壊を指示し、ガンダムはドムの妨害を受けながら、ドムもろとも破壊に成功します。切り札すらも阻止されたマ・クベは戦艦ザンジバルで撤退。オデッサ作戦は、連邦軍側の勝利に終わるのでした。予定していた追加戦力が集まらず、防衛ラインが形成しきれなかったことで、連邦軍に突破され劣勢に陥るマ・クベ。これに対し彼は、なんと使用禁止兵器である水爆を持ち出し、それを脅しの道具に使います。勝つためには手段を選んでいる場合ではないとはいえ、このシーンにおけるマ・クベのやり方は卑怯&姑息。しかし、塩沢兼人さんの鬼気迫る演技により、そこまで小物感を感じず、逆にある種の狂気を感じるシーンになっているのが興味深いです。マ・クベは水爆により連邦軍の動きが鈍ると予想していたようですが、当の連邦軍はその予想に反して攻撃を続行。ガンダムも水爆ミサイルの破壊指示を受け、ドムと戦いながらマ・クベのもとに接近します。オルテガ機そしてガイア機と、次々にドムを倒していったガンダムは、ビームサーベルで水爆ミサイルを切断して破壊に成功。敗北を悟ったマ・クベは一足先に逃げ出しており、これによりオデッサ作戦連邦軍側の勝利で終わるのでした。終盤の戦闘は「水爆ミサイルを破壊できるか否か」にスポットが当てられているため、黒い三連星との決着はあっさり。特に、リーダー格であるガイアとの戦闘はスパッと終わってしまいます。強敵として登場した割には、あまりにもあっけない最期だったなぁ。まあ、これが戦争か…(?)。そして戦闘終了後、今回の戦いで多大な功績を残したアムロたちは、レビル将軍と対面。拍手を受けるのでした。

 

 

 

第26話「復活のシャア」

1979年9月29日放送
登場した敵他:ゴッグ、巨大潜水母艦マッド・アングラー、潜水艦ユーコン、高速艇シーランス

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「子供じみているだろ?そう…。私のプライドを傷つけた、モビルスーツだからな!」


STORY:オデッサ作戦を乗り越え、ベルファスト基地に入港したホワイトベース。そこでアムロたち船員は、正式に軍人となること、そしてジオン公国軍が開発したという新たなモビルスーツの情報を伝えられる。そしてホワイトベースの整備が進む中、海中より敵モビルスーツゴッグの急襲が始まった!ガンダムハンマーにも耐えるその重装甲を、打ち破れるかガンダム?そして、これの所属するマッド・アングラー隊を率いるのは…あのシャアだ!


シャア、14話ぶりに再登場!オデッサ作戦に勝利し、補給基地でひと段落するホワイトベースの船員たち。しかし敵であるジオン公国軍は攻撃の手を緩めず、ホワイトベースを破壊せんと、ゴッグによる攻撃を仕掛けてきます。今回はゴッグとの戦闘がその中心。その一方で、今後カイに深くかかわることとなるキャラクター:ミハルの初登場も見逃せません。


オデッサ作戦の勝利に貢献し、北アイルランドにあるベルファスト基地に入港して、補給を受けることになったホワイトベース。そこで彼らは、自分たちが正式な軍人になることと、ジオン公国軍が開発しているというモビルスーツの詳細を知らされ、衝撃を受けます。同じ頃、民間人スパイであるミハルからの情報を受けたシャアは、自ら高速艇シーランスに乗り込み、ホワイトベースの姿を確認するのでした。オデッサ作戦を乗り越えたからか、ホワイトベースの雰囲気も幾分か明るい感じに。アムロたち戦闘要員同士の連携や人間関係も、より強固になってきたような印象を受けました。そんな彼らが、下船した直後知らされたのが、自分たちが正式な軍人になることと、ジオン公国軍が開発しているという新型モビルスーツたちのことでした。うすうす覚悟しており、各々自身としても兵士の自覚が出てきていたアムロたちでしたが、今回の軍人になれという命令はほぼ強制的だったため、衝撃を受けることに。そりゃあ、「軍人にならない」という選択肢が用意されていても、その代償が1年間の刑務所服役じゃあ、ほぼ選択肢がないも同然だもんねぇ…。また、このシーンではジオン公国軍が開発しているモビルスーツも登場。今回登場するゴッグの他、のちのち登場することになるギャンなどの姿もあります。連邦軍もなんだかんだで、ちゃんと情報収集してたんですね。このようにアムロたちがしていた頃、海底ではジオン公国軍のマッド・アングラー隊が潜伏。ミハルからの連絡を受け、ベルファスト基地に入港したのがホワイトベースだと確信したシャアは、自らその偵察に向かうのでした。第12話で表向きには左遷されて一時退場していたシャアが、ここで再登場。キシリアから直々にマッド・アングラー隊の隊長と言う重要役職を任されていたからか、腐ることなく以前のままでした。やっぱりシャアが出てくると、なんだかこう、物語が引き締まる感じがしますね。


ベルファスト基地にホワイトベースがいる―。そう確信したシャアたちは、これを破壊するため、潜水艦ユーコンからゴッグ2機を派遣。うち1機が水中機雷の1つに引っ掛かったことにより、連邦軍側もその接近をキャッチします。自分たちの今後のことを考えていたアムロたちは、ゴッグの出現により再び戦場に引き戻されることに…。Aパート後半で、今回の目玉ともいえるジオン公国軍の新型モビルスーツゴッグが初登場。初登場だからか、その出撃シーンや街を蹂躙するシーンに多くの時間が割かれていました。これだけ優遇されてるってことは、グフやドムに次ぐ「強い敵モビルスーツ」って立ち位置にするつもりだったのかなぁ。いや、でも今回シャアから「安物の量産型モビルスーツ」って言われてるし、次回以降は倒されることも多くなるから、単なる初登場補正かな…。そんなゴッグは、水中機雷に引っ掛かって連邦軍側に存在を知られてしまったものの、そのまま上陸を強行。街を破壊し始め、さらに潜水艦ユーコンからの支援攻撃を受け、どんどん連邦軍基地へと近づいていきます。上陸後のゴッグも描写に力が入れられており、そのゆっくりと立ち上がるさまは、観る者に「ヤバい敵が来た」と感じさせ、戦慄させてくれます。これほどまでに新型モビルスーツの初登場を丁寧に描いたの、今回が初めてじゃないかな?


出撃命令を受けたホワイトベースでしたが、あいにくガンダムビームライフル使用不能ガンキャノンは修理中、ガンタンクはオーバーホール終了間際と言う状態。そのため、とりあえず動けるガンダムが先行して出撃します。しかし、ゴッグの装甲は硬く、ガンダムハンマーすら防いでしまうほど。これに衝撃を受けたアムロは一時撤退し、ガンダムAパーツとコア・ブロック、Gファイター後部を合体させた「Gブル」で出撃し、至近距離から砲撃することで勝利をおさめるのでした。ガンダムゴッグの陸上での機動性はほぼ互角か、むしろ前者の方が高い印象。しかしガンダムは武器を大幅に制限されていたため、予想以上の苦戦を強いられてしまいます。バルカン砲をいとも簡単に防ぎ、強化されたガンダムハンマーをもまともに押し返すゴッグ。なるほど、確かにジオン公国軍の兵士たちが、その装甲に自信を持つだけのことはあるな…。しかし、こんなことでひるむアムロではありません。「ビームライフルがあれば装甲を破れるのに」と考えていたアムロは、Gファイターの整備状況を確認し、いったんホワイトベースに帰還。そのままガンダムのBパーツを分離して、残りをGファイターの後部パーツとドッキング。こうして陸上重戦車形態:Gブルとなり、ゴッグにギリギリまで接近しビーム砲を叩き込むことで、勝利をおさめるのでした。今回の戦闘においても、Gファイターが重要なカギになることに。新たな変形形態Gブルが、ガンダムをも苦戦させたゴッグを打ち破ってみせます。Gファイターがこれだけ活躍するのは、玩具販促のためであることには間違いないのですが、それを抜きにしてもこのGファイターの柔軟さと強さには驚かされますね。


ゴッグ1機がやられたことを知り、一時撤退するもう1機のゴッグ。今までの経緯から敵の本拠が海底にあることを直感したアムロは、再びガンダムへと合体し、そのまま水中へと飛び込みます。水中はゴッグの得意なフィールドであり、また初めての水中戦闘ということもあって一度はゴッグに追い込まれるガンダムでしたが、ビームサーベルを2本使って何とか勝利。こうしてアムロたちは、ジオン公国軍の攻撃を阻止したのでした。ゴッグを追いかけるため、アムロはGブル出撃の際に用意させていたGファイター前部パーツとガンダムBパーツの射出を要請。そのまま空中に浮きあがってGアーマーとなり、そのままガンダムGファイターへ分離。海へと飛び込みゴッグを追います。ガンペリーによる空中換装では実現できないような、高度な分離・合体を一気に何度もやってみせたGファイター。いやあこれ、やっぱり兵器としてはかなり優秀ですよ。まあ、リアリティがあるかと言われれば、そうでもないかなと思うけど…。こうして水中にもぐったガンダムでしたが、水中戦闘は初めてなうえに、何より水中はゴッグの得意な領域。最初はいいようにゴッグにやられてしまいます。しかし、ガンダムビームサーベルを相手のモノアイに突き立てて視界を奪い、その状態でさらにもう1本のビームサーベルを食らわせて撃破に成功。浮上してフラウたちに無事を伝えるのでした。相手にカメラモニターを破壊されそうになったため、逆に破壊し返したガンダム。この攻撃はかなり有効でしたね。そして、ゴッグはもう1本のビームサーベルを食らい撃沈。もしかしてゴッグ、確かに装甲は硬いけど、至近距離から攻撃を食らうと防ぎきれないなんて弱点があるのかな?

 

 

 

第27話「女スパイ潜入!」

1979年10月6日放送
登場した敵他:ズゴックゴッグ、巨大潜水母艦マッド・アングラー、潜水艦ユーコン、高速艇シーランス

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「いいじゃねぇか。弟や妹の面倒を見てるあんたの気持ちは、よくわかるぜ。」


STORY:Gファイターについてアムロたちが会議する一方、軍人生活に嫌気がさしたカイは、ホワイトベースを降りてしまう。その直後、彼は少女ミハルと出会い家に寄せてもらうが、その正体を見抜く。しかし彼は、わざとそのことを口外しないでいた。そのミハルの情報をもとに始まる、ジオン公国軍の攻撃。新型モビルスーツズゴックの出現。ガンキャノンがピンチだ!仲間たちの危機、そして業火に燃える街を見つめるカイは、一体何を思うのか!?


メインライターである星山さん自身が一番魅力を感じていたという、カイを主人公に据えた一編。今回の一件を通したカイの心の成長はもちろんのこと、ミハルの抱える事情、そして新登場のモビルスーツズゴックとのバトル等、ドラマ面・戦闘面ともに魅せてくれるお話になっていました。いやぁ、やっぱり星山さんの書く話は、『ガンダム』の中でも特に見ごたえのあるお話に仕上がってますよね(もちろん、他の人のお話も面白いですが)。


Gファイターの使用経験に基づき、会議にてその長所や課題について語るアムロたち。どんどん軍人気質に染まっていく彼らを見て、カイは再びホワイトベースを降りる決断をします。最低限の荷物とアムロたちからの餞別を持った彼は、街をふらふらとさまようことに。その道中、彼は少女ミハルと出会って家に招かれます。冒頭、アムロたちが会議をしているという設定で、Gファイターの解説が挿入。既に劇中で何度も描写されていますが、改めてGファイターの兵器としての柔軟性・多様性に驚かされました。制作陣は玩具っぽいということで嫌っていた人が多いみたいだけど、そうかなぁ。これもやっぱり、立派な『ガンダム』の兵器ですよ。このようにアムロたちがGファイターについて論議している一方で、それを冷ややかな目で見つめていたのがカイ。彼は軍人生活が合わなくなったと言い出し、ホワイトベースを降りて街に出ていってしまうのでした。ホワイトベースを降りる決断をする直前のカイは、どこか寂しそう。その時のセリフから察するに、民間人だったのにどんどん軍人気質に染まっていくアムロたちを見て、一種のむなしさや寂しさを覚えたのでしょう。ちなみに、彼がホワイトベースを降りると言い出したのはこれが3回目(アムロ機関直後の脱走を含める)ですが、前2回と違い、アムロたちもそんなにカイを非難することなく送り出しています。これに対し、カイもドライながら彼らのことを案ずるようなセリフを発言。今までとは違う送り出し方・送り出され方になったのは、アムロたちとカイとの間に、ある種の信頼が出来てきていたからなのでしょう。


ミハルの家に招かれたカイ。彼はパンなどを食べさせてもらいますが、ミハルの様子に不信感を抱いていました。やがてそれは確信へと変わりますが、彼女の思いを汲んだカイは、あえてそのことを口外しないことに。やがてミハルの伝えた情報をもとにシャアの攻撃が開始され、潜水艦ユーコンからズゴックゴッグが出撃。これに対し、ガンダムGファイターガンキャノンが出撃します。前回のお話でも述べた通り、ミハルは実はスパイ。この手のお話の場合、「スパイと接触した主人公の味方側(今回だとカイ)は最後までスパイの正体を知らず、それが悲劇を生む」という展開が一般的ですが、今回は早い段階でカイがミハル=スパイだと気づく異色の構成になっており、それがまた別の興味深いドラマを生み出しています。ミハルもスパイにしてはやり方がガバガバなんですよね。食事中にいきなりホワイトベースのこと訊きだしたり、わかりやすいカゴの下に銃を隠したりしてたら、そりゃすぐバレます。まあそれが「彼女はスパイ活動になれてない=正規の軍人じゃない」ってことの証明でもありますが。全てを察したカイでしたが、ミハルの様子から彼女にも事情があると考え、わざとホワイトベースの情報をいくつか教えることに。それをもとにシャアはズゴックゴッグの出撃を指示し、上陸してきたそれらに対し、ガンダムガンキャノンが挑みます。カイとミハルのこの1対1のシーンこそ、今回のAパートの見どころ。お互いその正体と何を考えているか気づきつつあるんだけれども、それを端的に語らせていないのが非常に興味深く、これが深いドラマを生み出しています。


街が戦火に包まれる中、ジオン公国軍兵士から呼び出されたミハルは、次なる指令を受けることに。そのスキにミハルの家を出ていったカイは、ベルファスト基地で戦うガンダムたちを見つめます。水中でゴッグと戦い、勝利をおさめるガンダムに対し、その機動性と攻撃力に翻弄され、ギリギリまで追い詰められてしまう。ガンキャノン。自分の愛機が、仲間たちが追い詰められているのを見つめ続けたカイは―。ミハルに与えられた次の指令は、連邦軍兵士に成りすましてホワイトベースに乗り込むというもの。しかし彼女に渡されたのは、報酬と偽造された制服と艦長の推薦状のみであり、潜入方法はすべて自分で考えろというものでした。ミハルのホワイトベース潜入はシャアの意向によるものでしたが、この扱いから考えて、ミハルの扱いは使い捨ての駒みたいなものですよね。せめて、潜入ルートくらいもうちょっと教えてあげればいいのに…。一方、戦火に包まれる街とガンダムたちの戦いを見つめていたのはカイ。彼は自分に戦いはもう関係ないと言い聞かせますが、ガンキャノンがどんどん追い詰められていく姿を見て、かつての自分を思い出すのでした。ガンダムゴッグに水中で勝利した一方で、ガンキャノンズゴックに大苦戦。ズゴックに初登場補正がかかっているのもそうですが、ガンキャノンを上回る機動性・攻撃力により、砲塔は次々に破壊されて力でも押され、腕を引きちぎられる寸前にまで陥ります。ガンキャノンのピンチシーンは今までいくつもあったけど、ここまでのものは今回が初じゃないかなぁ。こうしたガンキャノンの姿を見て、カイは過去の自分を回想。特に、セイラから「軟弱者!」と言われた時のことを思い出します。それを踏まえて、一言ぽつりと「確かに、軟弱者かもな」とつぶやくカイ。ここに、彼の色々な思いが凝縮されていることが窺えます。


いてもたってもいられなくなったカイは、民間人からバイクを借り、ベルファスト基地へ帰還。途中流れ弾を受けるも無傷でそれを乗り越え、ホワイトベースまでやってきます。彼が見つけたのは、修理が終わったばかりのガンタンク。彼は迷わずそれに乗り込んで出撃。ガンキャノンをアシストし、さらにガンダムと協力してズゴックを見事撃破します。戦闘終了後、カイはホワイトベースへの帰還を決意。彼は仲間たちから迎え入れられますが、その裏でミハルが潜入していたことには気づいていませんでした。ホワイトベースに帰還し、ガンタンクに乗り込んで出撃するカイ。結果的に彼は軍人生活に戻ることになってしまいますが、その瞳に迷いはありませんでした。このカイの出撃が、ガンダムたちに逆転勝利をもたらすんだからGoodだよなぁ~。ガンタンクガンキャノンの窮地を救い、その直後ガンダムも浮上。ガンダムは一度ズゴックに海に引きずり込まれてしまいますが、会場付近におびき寄せてそのまま海面に飛び出させて、それをガンタンクに狙い撃ちさせることに成功。最後はガンダムビームサーベルで一刀両断されるのでした。このシーンで興味深いのが、カイとアムロが一切連絡を取り合っていないこと。お互いの信頼、そして海が盛り上がったことにより「敵が出てくる」というカイの直感が、見事な連係プレーを生み出しました。これまた素晴らしいシーンだなぁ!そしてラスト、ホワイトベースに帰ってくることになったカイは、アムロたちに迎え入れられることに。彼らは一切カイを非難することなく、仲間として再び受け入れるのでした。カイに対しアムロたちが不信感や嫌悪感を抱いていなかったのは、やはり上述したような仲間としての信頼があったからなのでしょうね。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第28話から第30話をご紹介予定です。『機動戦士ガンダム』。君は、生き延びることができるか…?

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ガンプラ Pick Up!

今回紹介したお話に登場したモビルスーツガンプラを、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

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