今回は、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の感想記事第1回目です。
「ガンダムシリーズ」初のOVA作品である本作。連続ドラマ形式というよりも、1本のドラマを6本に分割したような構成であり、モビルスーツどうしの戦いよりも、一年戦争という舞台の中で精いっぱい生きた人々のドラマが描かれているように感じました。決してハデではなく、観ていてどこかほほえましいけど、同時にはかない―。そんな、しんみりとするドラマが魅力的ですね。
なお、キャラクターとモビルスーツについては、↓下記公式HPをご参照ください。
また、前作(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
第1話「戦場までは何マイル?」
1989年3月23日発売
登場した敵他:ザクⅡ改、リック・ドムⅡ、ハイゴッグ、ズゴックE、ガンダムNT-1 アレックス、ジム寒冷地仕様、ジム・コマンド
「俺の父さん運輸会社にいるからさ、前に港で見せてもらったんだ。サイド7に運ぶ連邦のモビルスーツ!」
STORY:連邦とジオン公国の戦争が始まって、数か月。地球ではドンパチやってるみたいだけど、僕の住むサイド6は平和なもんさ。イヤなことだらけの学校と、つまらない日々の生活以外はね。ある日、ドロシーにバカにされたのが悔しくて、港にモビルスーツを見に行ったけど、生憎そこにはモビルスーツのモの字もなかった。でも次の日、突然ジオン軍が僕たちの町にも攻めてきたんだ!落っこちていったザクⅡ改を追いかけてみると、そこにいたのは…。
「ガンダムシリーズ」初のOVA作品となる『0080』。その第1話となる今回は、主人公であり民間人の子供であるアルと、彼を取り巻く人々とその生活、一方で激化しつつある連邦とジオン公国の戦争が描かれることになりました。戦闘シーンは少ないですが、そのシーンにおける作画の濃密さはハンパないものがあり、またドラマの方もアルの性格や人間性にスポットが当てられていてGood。ロボットアニメというよりも、純粋なアルを主人公としたドラマとして、今後の展開が楽しみです。
一年戦争末期。ジオン公国軍の一部隊であるサイクロプス隊は、連邦軍の北極基地に新型兵器があるという情報を入手して現地に急行。ハーディ・シュタイナーを隊長に、ズゴックEとハイゴック3機が出撃し、北極基地を襲撃します。対する連邦軍は、ジム寒冷地仕様で応戦。サイクロプス隊は着実に北極基地にダメージを与えていくも、新型兵器が搭載されていると思われるスペースシャトルの発進阻止には失敗。さらに、部下の1人であるアンディを失うのでした。Aパート前半で展開されるのは、サイクロプス隊と連邦軍北極基地での死闘。連邦軍が細身のジム寒冷地仕様で応戦しているのに対し、サイクロプス隊は比較的体躯の大きいズゴックEやハイゴッグで襲撃。その火力の差は歴然としており、連邦軍はどんどん追い詰められていきます。ズゴックE、ハイゴッグ、ジム寒冷地仕様と、本作がデビューとなるモビルスーツが次々に登場。特にハイゴッグは、元となったゴッグからはいい意味で似ても似つかないほどのスタイリッシュなデザインになっています。ゴッグはそのデザインやカラーリングのおかげで、どこか可愛げもあったけど、ハイゴッグは完全に敵を倒す兵器って感じだからなぁ。そんなズゴックEおよびハイゴッグは北極基地の内部へと侵攻しますが、連邦軍もただやられているわけではなく、密かに新型兵器の宇宙への射出準備を敢行。サイクロプス隊の攻撃を潜り抜け、なんとかスペースシャトルを打ち上げます。これを阻止せんとアンディのハイゴッグが無茶な攻撃を仕掛けますが、失敗。アンディは戦死してしまうのでした。ハイゴッグとジム寒冷地仕様の戦いは、銃撃の雨あられはもちろんのこと、倒される際の動作にも注目したいところ。次々に風穴があいて弱った金属がグニャリと曲がり、そして倒れて爆発するという、かなり細かい演出がなされています。これ全部手描きなんでしょ?スゲェ手間かかってそうだな…。
舞台は変わって、サイド6のコロニー「リボー」。中立コロニーで戦争とはほぼ無縁であるここには、アルフレッド・イズルハ(=アル)が住んでいました。特に不自由なく暮らす彼でしたが、学校生活に退屈しており、この日もクラスメイトのドロシーからの嫌味でケンカをし、先生に怒られてしまうハメに。その後友人のチェイやテルコットに乗せられた彼は、父のツテを使って港へ行き、モビルスーツの撮影を試みるのでした。残念ながら、それは空振りに終わりましたが…。Aパート後半より、本作の主人公であるアルが登場。今回はこれ以降、彼の行動を通じて彼の性格や取り巻く環境が描かれることになります。サイド6は中立コロニーであるため、現状一年戦争による被害は、輸送船の遅れによる物資不足程度。それ以外は平和な日常が続いていましたが、アルは学校生活等に不満を抱いていました。平和な日常が続き、そのうえでのしかかってくるイヤなこと…。なるほど、アルの感じる退屈感や不満はよくわかります。そんな彼は、ある日ドロシーにバカにされたことをきっかけにケンカ。先生に怒られてしまいますが、さらに友人らにけしかけられた彼は、港まで行ってモビルスーツの撮影を試みます。ドロシーは真面目で口調のきつい女の子。「連邦にはモビルスーツなんてない」とずっと主張していましたが、今回の終盤でこのコロニーを守るジム・コマンドが登場してるんですよね。本当にモビルスーツのことを知らなかったのかな。それとも、わざと…?そしてこの後、アルは放課後に港へ向かい、モビルスーツを捜索、しかしお目当てのものは見つからず、コンテナだけ撮影して帰ってきます。撮影は空振りに思われましたが、このとき彼は気づいていなかったのです。コンテナの1つの中に、ガンダムNT-1があったとこと…!
父に会った後、家路についたアル。その道中。彼は知り合いであるクリスチーナ・マッケンジー(=クリス)と再会します。彼女の家で紅茶をごちそうになったものの、気持ちが晴れなかったアル。それは彼が家に帰ってからも同じであり。夕食をとりゲームをした後、眠りにつくのでした。このあたりから、学校以外でのアルを取り巻く環境や人々の様子が次々に判明。クリスはアルの知り合いであり、連邦軍のエリート士官の優しい女性。それに対し、アルの両親は実質的に別居状態であり、クリスという支えができたものの、アルは学校でも家庭でも問題を抱えている少年であることが窺えます。この問題を抱えていることに対する、アルの反応の描写が興味深い。「こんな生活イヤだ!」などとセリフで言わせず、家族といる間はずっと暗い表情だったり、テレビゲームをやっている際はわざとモンスターではなく町の建物ばかり破壊してゲームオーバーになったりなど、彼の闇を感じさせる描写が連続します。特に、後者の描写にはかなりゾクッとさせられましたね。
翌朝、普段通りに登校したアル。モビルスーツが撮れなかったことをチェイらに伝えたり、またドロシーからバカにされたりする中、突然ジオン公国軍のザクⅡ改とリック・ドムⅡの襲撃が始まります。ジム・コマンドがただちに応戦するも、連邦軍は劣勢。そんな中で、ある1機のザクⅡ改が、森林公園の方へ落ちていきます。本能的にそれを追いかけたアルが見たものは…。終盤になって、突然ジオン公国軍による攻撃が開始。ジム・コマンド部隊がこれに応戦しますが、完全に不意討ちだったらしく、あまり戦闘体制を構築できないまま、次々にやられていきます。この戦闘シーンも、攻撃描写が非常に細かく描きこまれており、見ごたえ十分。さらに、今までの作品ではあまりなかった市街地戦が本格的に展開されており(過去作では『Ζ』のVSサイコ・ガンダム戦くらいでしょう)、まるで特撮映画を観ているかのような迫力を誇っていました。これは本当に素晴らしい。今後もこのレベルの迫力ある戦闘が楽しめるのか…!こうして戦闘が激化する中で、宇宙空間で被弾したのか、落ちてくるザクⅡ改が1機。そのモノアイが自分を見つめていたことに気づいたアルは、本能的にそれを追いかけます。やがて森林公園に到着した彼は、墜落し大破したザクⅡ改を発見。必死にビデオカメラに収めますが、そんな彼を、パイロットであるバーナード・ワイズマン(=バーニィ)の銃口が狙っていました。アルとバーニィの初めての出会い。ここから、『0080』の物語はさらなる広がりを見せるのです―。
第2話「茶色の瞳に映るもの」
1989年4月22日発売
登場した敵他:ザクⅡ改、ゲルググJ、リック・ドムⅡ、ケンプファー、ムサイ、戦艦グワジン、ジム・コマンド(宇宙戦仕様)
「作戦のコードネームは、ルビコン計画。本日二三〇〇時より発動する!」
STORY:落ちてきたザクⅡ改のパイロットは、バーニィっていうジオンの軍人だった。最初はケチくさいことしてきたけど、カメラ渡したら階級章くれたし、ラッキー!学校もその日は休校になったけど、次の日先生から、テストの点数が悪くて詰められたんだ。このままじゃ母さんを呼ばれちゃう。ムシャクシャしてザクⅡ改の中で夜を明かしたら、道路を走るトラックの中に、バーニィを見かけた!僕のコロニーにもジオン軍が来た。いや、“来てくれた”んだ!
前回がアルメインで話が進んでいたのに対し、今回はどちらかといえばバーニィがお話の主人公。彼の素性とサイクロプス隊へ配属されることになる顛末、そしてキリング中佐主導のルビコン計画が動き始めるなど、ジオン公国軍側の動きがよく描かれています。アルのパートは日常生活のシーンが引き続き多めですが、破壊された市街地やジオン公国軍が攻めてきたことを歓迎するような彼の描写など、彼の胸中が窺えるシーンが多くあったのが印象的でしたね。
前回、墜落したザクⅡ改でバーニィと遭遇したアル。彼はそんなことお構いなしに銃やザクⅡ改を見せるようねだり、対するバーニィも、アルが子供だと油断したからか、それほど強硬策をとらずに彼のことを知ろうとします。やがて、アルからビデオカメラを奪ったバーニィは、その中にガンダムNT-1につながる映像が収められていることに気づき、アルに自身の階級章とそのフロッピーディスクの交換を持ち掛け、交渉成立。バーニィはアルにこのことを黙っておくよう伝え、友軍とともに宇宙へ戻っていくのでした。バーニィがアルに容赦なく銃を向けるという、緊迫感あふれる状態で終わった前回ですが、今回の序盤の描写は、その雰囲気と真反対。バーニィは軍人になりたてなうえもともと気が優しいからか、あっさりアルに近づき、銃を見せてあげるふりをしてビデオカメラを取り上げるなど、そこまで強硬手段を使わずに対応。さらに、アルが自分の階級章に興味を持っていることに気づき、それの代わりにビデオカメラ(のフロッピーディスク)を引き渡すよう持ち掛けます。その雰囲気や表情、そして声からも、穏やかな好青年といった印象のバーニィ。とても軍人っぽい感じはしません。やり方もところどころ優しさがにじみ出てるし、彼、今後軍人としてやっていけるのかなぁ?まあ、それが彼のいいところでもあるのかもしれないけど…。こうしたやり取りを経て、バーニィは友軍のザクⅡ改で宇宙へ離脱。アルは、「このことは絶対に秘密」というバーニィとの約束を守ることを誓うのでした。
市街地の惨状をアルが目の当たりにし、そして彼の学校が休校になっていた頃。月のグラナダにあるジオン公国軍基地では、キリング中佐とシュタイナー以下サイクロプス隊が、バーニィのつかんだフロッピーディスクを元に、ガンダムNT-1の強奪作戦を立案していました。作戦のコードネームは、「ルビコン計画」。作戦開始時間が迫る中、サイクロプス隊に新たな兵士が加わります。その兵士こそ、バーニィでした。Aパート後半は、ジオン公国軍の動きの描写が主。サイクロプス隊を取り仕切るキリング中佐が初登場し、彼らがこれからどんな作戦を展開しようとしているのかが、ここで分かります。キリング中佐はいかにも悪そうで厭味ったらしい人物で、しかも案の定部下たちからは嫌われ気味の情感として描写。コイツ、絶対最終的にサイクロプス隊を捨て駒にしそうだな…。そんな中佐に対し、シュタイナーは不満を感じながらも作戦の準備を進めることに。そんな中、中佐が引っ張ってきたという、新たな兵士が彼の前に現れます。その兵士こそ、ガンダムNT-1のコンテナの映像(アルが撮影したもの)を入手してきたバーニィでした。キリング中佐は、シュタイナーに対しては「ある程度経験のある兵士」みたいなことを言っていましたが、実際のバーニィは、まだ戦場に出たばかりのほとんど新米の兵士。ああ、やっぱりキリング中佐、サイクロプス隊のことを使い捨て部隊か何かと捉えてるんだろうな…。
翌日、登校したアルは先生に呼び出され、テストの成績が悪いことを詰められるハメに。意気消沈した彼は、その日の夜、気晴らしも兼ねてバーニィのザクⅡ改のもとへ向かいます。武装は撤去されていたものの全天周モニターは生きており、アルはその中で一夜を過ごすのでした。一方のバーニィは、ルビコン計画に従事。小型貨物船に偽装した特務艦で出撃し、味方が仕掛けた陽動作戦による戦闘の最中を突っ切り、なんとかリボーへの入港に成功します。テストの成績で先生から詰められ、さらに母親にそれがバレて外出禁止になることを恐れるアル。彼が思いついた気晴らし方法は、残されていたバーニィのザクⅡ改に触れることでした。アルは偶然コクピットに乗り込んでしまい、さらに全天周モニターの軌道に成功。面白いと感じた彼は、一晩そこで明かすことに決め込むのでした。憧れのモビルスーツに乗り込むことができ、さらに起動までしてしまったアル。高笑いしてレバーを動かすような動作してたから、「まさかこのまま学校に向かって破壊する気じゃないだろうな!?」と心配になりましたが、彼はただそのままそこでじっとしているだけでした。よかった、アルがそこまで悪い子じゃなくて…。同じ頃、バーニィはルビコン計画に従事。その第一段階である、小型貨物船に偽装した特務艦をリボーへ入港させる役割を任されます。しかし現実は、流れ弾に当たって死んだという設定の死体とともに船に乗せられるわ、流れ弾の恐怖におびえながら戦闘宙域を突破しなければならないわと散々。それでも何とか、バーニィはリボーにたどり着きます。今回の戦闘パートの要となるのは、このシーン。連邦軍がジム・コマンド(宇宙戦仕様)で応戦する一方、ジオン公国軍はザクⅡ改、ゲルググJ、リック・ドムⅡと多彩なモビルスーツで攻撃をかけ、連邦軍を追い込みます。このシーンにおけるジオン公国軍のモビルスーツの機動性は圧倒的。ビームライフルをたたきこむザクⅡ改やゲルググJの姿は、カッコよかったなぁ。
バーニィは特務艦をリボーへ入港させるも、港の検査官に引っかかり、正体がバレそうになる絶体絶命のピンチ。しかし、ここで先行して潜入していたシュタイナーたちの迫真の演技により、なんとかその場を逃れます。こうして無事特務艦から荷物を降ろした彼らは、トラックに積み市街地を走行。しかし、その様子を偶然アルに見られてしまいます。バーニィの姿に気づいた彼は、必死にトラックの後を追いかけるのでした。検査官の質問にも的確に答えられるよう、あらかじめ偽造IDや偽の身分も用意されていたバーニィ。しかし、荷物を降ろす際必要な信任状を持っていなかったことから、窮地に立たされます。結局はシュタイナーが信任状を持ってたからよかったものの、あと数分遅れてたら、バーニィの正体は完全にバレてただろうなぁ。メチャクチャおどおどしてたし…。それよりもビックリしたのは、シュタイナーの演技力の高さ!多分彼、軍人よりも役者の方が向いてると思うぞ。こうしたやり取りを経て、なんとか積み荷(=ケンプファーの部品)を降ろすことに成功した彼ら。トラック複数台に分けて輸送しますが、そのさまを偶然アルに見られてしまいます。アルはジオン公国軍が攻めてきたのだと直感し、トラックを追いかけるのでした。ジオン公国軍が「来てくれたんだ」と表現し、嬉々としてトラックを追いかけるアル。この時の彼は、“戦争”というものに対して、強い興味と退屈な日常を破壊してくれるかもしれない期待の2つがあったのでしょう。
第3話「虹の果てには?」
1989年5月23日発売
登場した敵他:ケンプファー、ザクⅡ改、ゲルググJ、リック・ドムⅡ、ガンダムNT-1 アレックス
「バーニィも、人殺したことあるの?」「えっ?…殺したか、ないけどな。」
STORY:トラックから振り落とされちゃったけど、警察の手を借りてバーニィたちのいる倉庫を見つけた。そこで隊長のシュタイナーさんから、部隊バッジをもらった。これで僕も、ジオン軍の兵士だ!この日以降、バーニィと僕は腹違いの兄弟という設定で、一緒に行動することになった。そして僕らは、執念の調査で連邦軍の基地を見つけたんだ。バーニィと一緒に、その中にいよいよ潜入。そこで僕は、確かに見た。連邦の新しいモビルスーツの姿を!
アルがバーニィたちサイクロプス隊に深くかかわるようになり、同時にアルとバーニィが一緒に行動することが増え、そのやり取りがほほえましく感じられる一編。子供であるがゆえに興味が先行して怖いもの知らずのアルと、軍人ながらも優しさを捨てきれずにかかわっていくバーニィのコンビが、本当に兄弟のような関係に見えてきます。後半では、連邦軍の開発するガンダムNT-1が再登場。アルの積極性に驚かされました。
前回、バーニィたちの乗るトラックを偶然目撃し、その荷台につかまったアル。彼はそのままトラックの行き先を追おうとしますが、途中の交差点で振り落とされてしまいます。それでもあきらめないアルは、その際できた傷を利用して交通事故をでっちあげ、警察を利用してバーニィたちの工場を特定。その際ミーシャが警官を殺そうとしているのを目撃した彼は、なんとか警官を追い返し、そのあと無理を言って、シュタイナーに自分を仲間に入れてほしいと懇願するのでした。トラックにつかまったアルですが、当然最後までうまくいくはずがなく、途中で振り落とされてしまうハメに。このままあきらめて自分でトラックの行き先を探すのかと思いきや、アルがとった行動は、交通事故をでっちあげて警察の力を借りるというものでした。序盤からアルの行動力に驚き。確かに振り落とされた際負傷したので、交通事故じゃないといえなくもないですが、12歳の少年でここまで知恵が回るとはなぁ…!このアルの作戦は成功し、彼は警官とともにバーニィたちと再会。しかし、ミーシャが警官のスキをついて本気で殺そうとしているのを見て、アルはとっさにバーニィとの兄弟設定をでっちあげ、交通事故もウソだったとして、警察を追い払います。ほとぼりが冷めた後、アルはバーニィから叱られる一方、シュタイナーからサイクロプス隊のバッジをもらうのでした。ミーシャの行動を見て、さすがにビビったアル。ここでバーニィと知り合っていることを利用して、とっさに兄弟設定を編み出してくるとは、先ほどに続きアルの機転にまた驚かされます。アル、勉強は苦手だけど頭自体は悪くないのでしょうね。そんな彼は、この後港の情報をシュタイナーに提供したことで、サイクロプス隊のバッジをもらうことに。しかしそれには盗聴器が仕掛けられており、シュタイナーはバーニィにアルの監視を命じるのでした。
シュタイナーの指示をきっかけに始まった、アルとバーニィの関係。バーニィはアルを家まで送り届けた後、彼を見張ります。その夜、アルの母が出かけたのを見計らって、バーニィはアルの家に立ち入ろうとしますが、その際バッドで彼を殴る女性が1人。それは、バーニィを泥棒と勘違いしたクリスによるものでした。バーニィはシュタイナーに命じられ、アルの監視と合わせ、彼を家まで送り届けることに。その車内で、バーニィの戦いのことが話題になります。新米兵士とはいえ、既に何度か戦場に出ており、その中で戦友を失ってきているはずのバーニィ。アルの純粋な言動が、バーニィを時々ハッとさせます。「バーニィは人殺したことあるの?」と、ストレートに訊くアル。これに対するバーニィの回答が、一度詰まってから「殺したかないけどな」と言っているのが、優しさを捨てきれぬ彼らしいなと感じますね。その後、アルは家に戻りますが、バーニィの監視は続行。アルの母が出かけたのを見計らって、彼はアルの家に近づきますが、その際クリスに泥棒と勘違いされ殴り倒されてしまうのでした。クリスの荒っぽさにびっくりしますが、まあ逆の立場であれば、やむなしかな…。
クリスの家に招かれ、誤解も解けたバーニィ。彼とアルがクリスと話すうち、アルとバーニィはだんだん本当の兄弟のようになっていきます。その翌朝、アルはサイクロプス隊の倉庫へ行き、新型モビルスーツ:ケンプファーを目撃。同じ頃、クリスは連邦軍兵士のテストパイロットとして、ガンダムNT-1のシミュレーションを行っていました。クリスの家に招かれ、アルの腹違いの兄で、元軍人で今は工場勤務の若者という“設定”を話すバーニィ。ここでアルと仲良く話し、そして彼女の家を去る際肩車をしてあげる姿を見ていると、彼らが本当の兄弟のように見えてきます。彼らの出会いが戦争によるものじゃなければ、もっとよかったろうにね…。そして夜が明け、バーニィらサイクロプス隊は、ケンプファーの組み立て作業に従事。そのモビルスーツの姿にアルが圧倒されていた頃、クリスはガンダムNT-1のシミュレーションを行っていました。前回、組み立て途中の姿で登場していたケンプファーが、今回完成された姿で登場。丸っこいながらもゴツさを感じるデザインは、他のジオン公国軍のモビルスーツとは一線を画していますね。一方、ガンダムNT-1も、今回シミュレーション内でその戦闘能力を披露。ニュータイプ専用機として開発され、マグネットコーティングによる反応速度の速さを前に、クリスはついていくのがやっとでした。「ニュータイプ」そして「マグネットコーティング」など、『ガンダム』終盤でも耳にしたワードがここで登場。「ホワイトベースに配備されるみたいだぜ」という整備士の発言から、当初ガンダムNT-1はガンダムに代わるアムロ専用機になる予定だったことが窺えます。
ケンプファーの組み立てののち、アルとバーニィに与えられたのは、連邦軍の秘密基地の捜索。実質的にはアルのお守りであるためやる気ゼロのバーニィに対し、アルはやる気十分。カメラで必死に探し回り、本当に連邦軍の秘密基地のヒントをつかみます。地下通路からの侵入を試みるも失敗した彼らは、今度はアルの提案で宇宙空間を伝って基地内への潜入に挑戦。これは成功し、アルが先行してその中に立ち入ります。彼が目撃したのは、開発中のガンダムNT-1でした。「連邦軍の秘密基地の捜索」といえば聞こえがいいですが、実際はアルを倉庫から遠ざけるための方便。それを知っているバーニィはどうもやる気が出ませんでしたが、アルはやる気満々で基地探しに奔走し、本当に基地を見つけてしまいます。アルはエリア内の警備員の中に、第1話に登場した港でいた整備士がいるのを発見。それを手掛かりに地下通路からバーニィとともに潜入し、基地内への立ち入りには失敗するも、ここに連邦軍の秘密の何かがあることを突き止めます。アルの執念と記憶力が生んだ成果。今回またまた彼に驚かされてしまいましたね。アル、もしかしたら本当に、軍人としての適性あるかも…。そんなアルの成果をバーニィも認めますが、立ち入る方法が不明であるため調査を切り上げることを提案。しかしアルにはそんな気などさらさらなく、なんと宇宙空間を伝って侵入する気でいました。反対するバーニィでしたが、アルにけしかけられたため結局やることに。こうして彼らは基地内に立ち入り、アルが先行して深部へ。そしてそこで、ガンダムNT-1の姿を目の当たりにするのでした。宇宙空間に張り出しているデッキどうしをワイヤーでつなぎ、基地の真下のデッキから潜入しようというアルの作戦。確かに方法としてはありですが、宇宙空間に放り出されるかもしれない危険があるものです。アルも多少ビビっているようなそぶりを見せましたが、それでも強行したのは…やっぱり、興味が勝ったんだろうなぁ。
今回はここまで。次回は、第4話から第6話(終)をご紹介予定です。『機動戦士ガンダム0080』。バーニィ、アイツに勝てる?
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☆ガンプラ Pick Up!
『0080』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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