今回は、『黄金勇者ゴルドラン』の感想記事第7回目です。
引き続きバラエティ豊かな通常回が続く今回ご紹介の3話。その中で、シルバーナイツの4人目の戦士:ファイヤーシルバーが登場します。ストーリー的にはファイヤーシルバー登場回(第21話)が今回ご紹介のお話の中で一番重要なのですが、話的に一番インパクトがあったのは、その前の話である第20話。これ、もういろんな意味で正気の沙汰じゃないよ…!(ほめてる)
第19話「フェニックスをつかまえろ」
1995年6月10日放送
登場した敵他:名称不明(モグラ型カスタムギア)
「ヘン!オイラたちだって、いつもは真剣に冒険してるんだぜ?」
STORY:拓矢が幼い頃読んだという絵本から、次のパワーストーンの在り処をマーイヤ文明の遺跡に定めた彼ら。早速現地の調査に入るが、そこには考古学者:マックの姿もあった。彼は要所要所で拓矢たちを助けてくれるものの、基本的には高圧的。それにより、どんどんマックと拓矢の溝は深まってしまう。やがて到達した遺跡の最深部。そこにいたフェニックスの正体とは何か!?そして、密かに尾行してきていたワルターの脅威が迫る!
ゲストキャラクター:マックとのやり取りを中心に展開されるお話。序盤に出てきた絵本、そしてフェニックスの棲み処までたどり着くまでの謎解きなど、前半に登場した要素が後半でしっかり生かされる形になっており、このお話の作り方は巧みだと感じました。マックは冒険好きで、キャラとして魅力的になりそうな予感もしましたが、ちょっと掘り下げは浅かった印象。でもまあ、1話の中で冒険+マックのキャラ描写までやり切ったんだから、なかなか詰め込んだ方と言えるでしょう。
引き続き、「×」印をヒントにパワーストーンを探す拓矢たち。そんな中、拓矢は幼いころ読んでいた絵本を引っ張り出し、そこに描かれていたフェニックスに着目することに。イマイチ気乗りしない和樹と大でしたが、拓矢だけは超ノリノリ。意気揚々と遺跡の中に入っていきますが、いきなり罠にはまって大ピンチに陥ることに…。拓矢が絵本のフェニックスに着目した理由は、そのフェニックスの両翼に大きく「×」印(傷跡?)があったから。そもそもこのフェニックスが実在するのかどうかも不明な中で、拓矢はマーイヤ文明の遺跡行きを決定します。手がかりをつかんだことで、いつも以上に機嫌がいい拓矢。そういえば、今までのお話において、パワーストーンの在り処の候補を見つけてきたのは、和樹か大ばかり。拓矢がこうして在り処の候補を見つけてくるのって、珍しいんですよね。そういったことも関係してたのかなぁ。そんな形で、マーイヤ文明の遺跡にやってきた拓矢たち。入口が狭いので、ドランたちは外で待機し、拓矢たちだけで遺跡の調査を始めることに。ところが彼らは、ワルターの放った小型監視メカの尾行に全く気付かなかったうえに、入ってすぐに遺跡の罠にはまってしまうことに。彼らを救ったのは、マックという考古学者でした。遺跡に着いたはいいものの。いつものように詳細な下調べをしていないため、手探り状態で冒険を始める拓矢たち。そのため罠にはまるというヘマをしてしまいますが、マックのおかげで助かります。このマックこそ、今回のお話で重要なキャラクター。マックがいなかったら、ほんと拓矢たち危なかったぞ…。
不愛想なマックに反抗心を持ちながらも、特に手がかりもないため彼の後をつける拓矢たち。やがて彼らは、フェニックスの棲み処にたどり着くには3つの試練を乗り越える必要があることを知ります。慎重に行こうとするマックに対し、その場のノリで試練を乗り越えようとする拓矢たち。お互い時には衝突しながらも、なんだかんだで試練を突破していきます。マックは子供があまり好きじゃないタイプのようで、拓矢たちへの対応は冷淡。しかし、彼の言っていることはどれも正しいことばかりですし、おまけに拓矢たちがピンチの時はしっかり助けてくれているので、登場時からそこまでイヤミなキャラクターには見えませんでしたね。まあ、本来の視聴者である子供たちから観れば、「イヤミな大人」に映るのかな…。そんな彼と拓矢たちが見つけた、フェニックスの棲み処にたどり着くための3つの試練。それはそれぞれ「小さな騎士」・「王の歌」・「真実の扉」が関係しており、それが指し示すものを選択することで、目的地にたどり着けるようになっていました。この3つの試練もなかなか凝っていて、「小さな騎士」=カブトムシとその飛行ルート、「王の歌」=床に敷き詰められた音階の石板を正しく踏むことを指している形に。マックは自身の資料を基に慎重に進みますが、対する拓矢たちは、行き当たりばったりで試練を強行突破していきます。「小さな騎士」=カブトムシを発見したのは拓矢のお手柄でしたが、そのあとの「王の歌」の試練では、先にマックがクリアしていて「正しく踏んでいかないといけない」ということがわかっているはずなのに、ムチャクチャに踏みまくって強行突破。案の定トラップが発動して死にかけ、マックに助けられます。いやいや、こればっかりは拓矢が悪いでしょ!
何とか2つの試練を乗り越え、第3の試練の場所へと到達した拓矢たち。マックのあまりにも不愛想すぎる態度に怒った拓矢は、とうとうすねて帰ると言い出します。しかしその時、彼が偶然トラップを発動させてしまったことで、彼らは一転大ピンチに陥ることに。拓矢の機転で「真実の扉」の試練を突破した彼らは、ついにフェニックスの棲み処にたどり着き、そしてその真実を知るのでした。第3の試練「真実の扉」とは、壁一面に描かれたフェニックスのシルエットの中から、本物のフェニックスのシルエットを探し出すというもの。あまりにも気が遠くなりそうな作業になる上に、引き続きマックから冷淡な対応をされてしまった拓矢は、すねてやる気をなくし、帰ろうとしてしまいます。ここでの彼の行動はてっきり何かのフリなのかなと思いましたが、どうやら本当に帰ろうとしていたらしい。嫌なことがあったとはいえ、彼が冒険を投げ出そうとするなんてこれまた珍しいなぁ。そんな彼は、壁に手を突いた拍子にあるスイッチを押してしまうことに。それにより突然周りの壁が動き出し、早く「真実の扉」の試練を突破しなければ圧死してしまうという状況に追い込まれます。大の尽力もむなしく扉が迫ってくる中、拓矢の機転により「真実の扉」の試練の突破に成功します。極限の状況下で拓矢が見つけた、本物のフェニックスのシルエット。それには拓矢が印象に残っていた翼の「×」印が描かれていました。序盤に出てきた絵本が、このピンチ脱出の突破口になる形に。わずかな時間のシーンでしたが、これにはシビれましたねぇ。その後、ついに見つけたフェニックスの棲み処と、フェニックスの姿。フェニックスはやはり実在しているものではなく、絵本に描かれていた金色のフェニックスは、特定の時間に太陽光線が差し込むことにより、遺跡内部に描かれたその絵が光り輝くさまを描いたものでした。このシーンでは、マックの様子が一変し、拓矢たち以上にその発見を喜ぶ形に。実は、彼もまた拓矢と同じように、そのフェニックスの絵本に魅せられ、それを探し続けていたのでした。子供のように喜ぶ彼の姿、そしてサラッと挿入される彼のカバンから絵本が出てくるシーンが、彼の発見に対する喜びをより引き立たせてくれています。
フェニックスの発見に喜んだのもつかの間、そこに現れたのはワルターとカーネル。彼らはモグラ型メカを使ってパワーストーンの引き渡しを迫りますが、ここにパワーストーンがないことを知って逆上。暴れ始めます。またもピンチになる拓矢たちでしたが、ここで現れたのがスカイゴルドラン。モグラ型メカはスカイゴルドランによって倒され、拓矢たちとマックはお互いをたたえ合い、別れるのでした。今回登場したワルターのメカは、初めてその名称が不明という形に。今まではなんだかんだで彼がそのメカの名称を呼称してくれてたんだけど、セリフを挿入し忘れちゃったのかなぁ。モグラ型メカは遺跡の中で暴れまわり、あわや崩落寸前にまで陥りますが、ここでスカイゴルドラン登場!遺跡を守りながら戦ったため少々苦戦しましたが、最後はスーパー竜牙剣・疾風迅雷斬りによって勝利をおさめるのでした。遺跡の崩落を防ぐため、極力モグラ型メカの攻撃を自身で受け止めていたスカイゴルドラン。しかしこれでは防戦一方になるため、一度ゴルドランと空影に分離し、空影がモグラ型メカの武装を破壊し、スカイゴルドランに再合体するというトリッキーな戦法を見せます。なるほど、スカイゴルドランはこんな戦い方もできるんだなぁ。そして、ワルターへの勝利後、偶然、フェニックスの壁画とだぶって拓矢たちの目に映るスカイゴルドラン。本当のフェニックスは、実はスカイゴルドランだったのかもしれない―。
第20話「ワルターの大冒険」
1995年6月17日放送
登場した敵他:ヒーローメカ ワルキオン
「そう…。犬のように3回回って、鼻に指を突っ込んで、「パロパロ」と言え!」
STORY:パワーストーンのことはそっちのけで、自分の主演映画の撮影を始めたワルター。撮影は快調に進み、その映画に拓矢たちやゴルドランの登場シーンさせるため、彼らはわざと拓矢たちをおびき寄せることに。最初はワルターの罠にはまってしまう拓矢たちだったが、ワルターの真意を見抜いた彼らは、壮大な復讐を思いつく!拓矢たちにいいように遊ばれ、人間の尊厳を失ってしまうワルター。ヤケクソになった彼は、ゴルドランたちに勝てるのか!?
ワルター、すっぽんぽんになる!ギャグテイストな作風である『ゴルドラン』ですが、今回はおそらく、作品の中でもトップクラスのギャグ回に。サブタイトルだけ見るとワルターが主役の回に見えますが、実際は彼がかわいそうになるくらいの仕打ちを受けるお話でした。そりゃあ、もともと悪さをしていたのはワルターだけど…、いくらなんでもやりすぎだぞ、拓矢たち!?
何を思ったか、突然自分が主演の映画の撮影を始めたワルター。脚本から監督までをも自身で務め、撮影は快調に進行。そして、残すは拓矢たちとの対峙シーンやゴルドランとの決戦シーンの撮影のみになり、ワルターは彼らをおびき出す作戦に出ます。一方、そんなことを知らない拓矢たちは、ワルターの行動を知り、彼が向かったとされるカラカラ砂漠へ。現地に到着した彼らは、砂漠にある村に足を踏み入れますが…。今回は、完全にパワーストーン探しから外れた単発回。今まであれだけパワーストーン探しに固執していたワルターも、今回ばかりはそんなことをそっちのけで映画撮影に励みます。あまりにもパワーストーンが入手できないから、現実逃避しちゃったのかな…。そんな彼が撮影していた映画が、自身が主演兼脚本兼監督を務める『ワルター・ワルザックの大冒険』。西部劇や60~70年代の日本映画をミックスしたテイストの映画であり、撮影はとうとう拓矢たちやゴルドランたちとのシーンを残すのみ。彼は、拓矢たちをロケ地のカラカラ砂漠におびき出すことに成功し、撮影を始めるのでした。ワルターが作った映画なので、当然劇中では彼がヒーローとして描かれることに。拓矢たちは悪の組織:メケメケ団という設定になっており、ワルターのメカ:ワルキオンに倒される筋書きになっていました。ストーリーにも驚かされるけど、このシーンを撮影するために、いちいち拓矢たちをおびき出しては隠し撮りしてたっていうんだから、とんでもない執念だなぁ。一方、そんなことを全然知らない拓矢たちは、ワルターの動きを察知してカラカラ砂漠に急行。現地に降り立ちますが、灼熱地獄の過酷な環境にまいってしまいます。ワルターの暗躍(実際は映画撮影のため)により、出動回数が最近増えていたらしい拓矢たち。それはまあいいんだけど、それを綿密にタイムカードとして記録し、「ドランの親玉にバイト料請求する」なんて言ってる拓矢、かなりヤバいぞ…。
カラカラ砂漠の中に、村を見つけた拓矢たち。実はワルターがセットしたロケ地でしたが、それを知らない彼らは村を訪問。彼らは村人から突然敵視され、長老にけがを負わせたという濡れ衣を着せられた上に、村人たちから襲われるハメになってしまいます。当初は状況をうまく飲み込めていなかった拓矢たちでしたが、ワルターの姿を目撃したことで、全てを察することに…。カラカラ砂漠に突然出現した村は、ワルターが映画撮影のためにセットを組み作られた架空の村。村人たちも全員ワルターが雇ったエキストラであり、彼の書いた脚本通りに行動し、拓矢たちに接触していきます。このエキストラの中に長老役の老人がいるのですが、なんだかいろんな意味で危ないおじいさんという印象。常に目を見開いている上に耳も遠いし、おまけにセリフもサッパリ覚えていないという有様です。このおじいさん、本当に大丈夫なのか!?一方、村人たちが全員エキストラだと知らない拓矢たちは、普段通りに彼らと接触。どう見ても友好的態度を見せない彼らにビビりますが、たまたま長老を小突いたことがキッカケで村人から襲われ、さらにヒーロー気取りで現れたワルターと遭遇します。エキストラたちはとにかく拓矢たちにやられるように指示されていたのか、小突いただけで服がはじけ飛んだり、何もしていないのにいきなり倒れたりする始末。おいおい、これでいいのか?このように、今回の前半は拓矢たちにとって突飛な展開の連続であり、それに混乱する彼らでしたが、ヒーロー役でワルターが出現したこと、そしてワルターがエキストラたちにギャラを手渡ししているところを目撃し、一連の出来事がワルターによって仕組まれたことを知ります。ワルターに対して、いつも以上に並々ならぬ嫌悪感と復讐心を示す拓矢たち。もう、正義の味方側の顔してないよ…。
拓矢たちに気づかれたことを知らないワルターは、そのまま撮影を続行。とある島でロケを敢行しますが、そこに偶然拓矢たちも居合わせていることを知り、自分から彼らに奇襲をかけます。ところが、彼は奇襲をかけた岩山に閉じ込められてしまい、そのまま謎の振動に苦しめられ、昏倒してしまうことに。しばらくたってから目覚めると、彼の前には大仏が鎮座しており、パワーストーンを渡すのと引き換えに、とんでもない命令をしてきます。やむを得ずそれに従うワルターでしたが、大仏の正体は…。Bパートになって始まるのが、拓矢たちのワルターに対する、いくら何でもやりすぎたと感じる復讐劇。彼らはワルターをおびき出すために、わざとロケ地の島を訪れ岩山へ誘導。その中にはアドベンジャーが待機しており、知らず知らずのうちにワルターはその中に乗り込んでしまい、アドベンジャーが意図的に起こしていた揺れにより昏倒してしまいます。そして、拓矢たちの復讐はこれだけにとどまらず、大仏のある公園にアドベンジャーで着陸し、大仏だけをワルターと一緒に格納。「パワーストーンの精霊」を自称してワルターを信じ込ませ、とんでもない命令を出し始めます。パワーストーンの精霊の声は、拓矢が担当。単にワルターを苦しめるだけならまだいいものの(あんまりよくないけど)、ここで彼がワルターにした命令は、「そう…。犬のように3回回って、鼻に指を突っ込んで、「パロパロ」と言う」というものでした。1回だけならまだしも、なんと拓矢は「恥ずかしさが抜けきっていない」として、2回目は全裸になって同じことをやるように指示。やむを得ずこれに従うワルターでしたが、一部始終を拓矢たちに録画されていた上に、ワルターがその指示に従った後にアドベンジャーの格納庫を開放し、一般大衆にワルターの醜態を見せつけるのでした。いくら何でもこれはひどい。子供番組の主人公のやることじゃない…。でも…、やっぱり笑えます。
自身の“人間としての尊厳”をズタズタにされてしまったワルターは、ワルキオンを召喚。これに対してゴルドラン・アドベンジャー・シルバリオンが挑みますが、ヤケを起こしたワルターは、ワルキオンを5体に分身させた上に、あちこちに砲撃しまくって甚大な被害を出します。さすがのゴルドランたちも、この火力の前にたじたじになりますが、空影がワルキオンの本体を見抜いたことで形勢逆転。ワルキオンはスカイゴルドランによって倒されますが…。拓矢たちにコケにされたため、すっかり怒り心頭のワルター。彼はワルキオンを召喚してすぐに暴れ始め、ゴルドランたちが登場すると「3対1は卑怯だぞ!」と叫び、ワルキオンを5体に分身。四方八方に砲撃を食らわせ、周囲を火の海にしてしまいます。いつも以上にヤケクソな攻撃を仕掛けてきたワルター。和樹は冷静に「あれだけ人間としての尊厳を傷つけられたからなぁ」って分析してたけど、いやいや、原因はあんたたちでしょうが!このようなワルキオンの攻撃に対し、若干劣勢になってしまうゴルドランたち。彼らに逆転の機会を与えたのは、空影でした。ワルキオンの本体を見破り、スカイゴルドランに合体してそれを倒した空影。本体を見つけられた理由を、堂々と「拙者の勘でござる!」って豪語してたけど、お前そんなキャラだったかぁ!?こうしてワルターの映画撮影は頓挫することに。しかし彼の知らないところで、彼が全裸で大仏の前を回った映像が拓矢によってテレビ番組に投稿されており、拓矢は番組から賞金10万円をもらうことになったのでした。悪役を散々いじめて、おまけにそれを実質日本中に流す―。おいおい、どっちが悪役だ!?
第21話「パニック列車で名推理」
1995年6月24日放送
登場した敵他:ヘルトーマス(カスタムギア)
「炎の騎士・ファイヤーシルバー!僕を忘れてもらっちゃあ、困るねぇ?」
STORY:拓矢たちが読んだ新聞記事。それは、富豪カネアリーノが“炎の指輪”をクロスロード美術館に寄付するというものだった。クロスロードがパワーストーンの在り処のヒントと一致することに気づいた彼らは、現地へ急行。その輸送に使われるオリレゾ急行に潜り込むが、なんと炎の指輪が盗まれた上に、それを知らないワルターが列車を襲ってきた!絶体絶命の拓矢たちは、犯人を見つけ出せるのか?そして、7人目の勇者は本当に復活するのか!?
7人目のレジェンドラの勇者にして、4人目のシルバーナイツ:ファイヤーシルバー登場!そんな今回は、後半で彼の活躍が描かれる一方、前半では列車という閉鎖空間の中で指輪が消えるという事件を主軸とした、ほんの少しだけ謎とき要素もあるお話になっていました。今回は今まで以上にメタネタのオンパレード。ファイヤーシルバーの活躍に時間を割かなければならない関係でストーリーもどんどん進み、軽快なテンポが楽しめる一編でした。
カップラーメンを作りながら、新聞を読む拓矢たち。そこで彼らは、「富豪カネアリーノが“炎の指輪”をクロスロード美術館に寄付する」という記事を見つけます。クロスロードの形が、かつてゴルドスコープに表示されたパワーストーンの在り処のヒントと一致することに気づいた彼らは、現地へ急行。シャランラの協力を得て、輸送に使われるオリレゾ急行に潜り込みますが、その車内で思わぬ事件が発生して…。炎の指輪は貴重なものらしく、富豪カネアリーノはその輸送列車:オリレゾ急行の中でパーティーの開催を企画。それにシャランラも参加することになっていたことを偶然知った拓矢たちは、彼女に頼み込み、彼女の付き人として車内に入り込みます。家の代表として来たらしいシャランラ。いつもはやりたい放題な彼女ですが、今回は人の目もあるし多少落ち着くのかなと思いましたが…。全然そんなことはなく、むしろヒートアップしてるような感じがしたなぁ。そんなシャランラに振り回されつつも、ようやく炎の指輪のお披露目に立ち会うことになった拓矢たち。しかし、炎の指輪はカネアリーノの手元からはすでに消えており、車内は騒然。そんな中、突然名探偵が出てきてすぐに犯人を特定しますが、その犯人を言おうとした直前、ワルターの襲撃のあおりを食らって昏倒してしまい、結局犯人はわからずじまいになってしまいます。いかにもシャーロック・ホームズを意識したような風貌をしている、この名探偵。特に今後何か役に立つというわけではなく、結局この後最後まで昏倒しっぱなしだったなぁ…。
オリレゾ急行の車内で炎の指輪が行方不明になっていることなど、全く知らないワルター。彼は指輪がなかなか明け渡されないことにいら立ち、線路を強制的に切り替え、オリレゾ急行を100年前から使われていないという線路に追い込みます。さらにパニックに陥る車内。その中でも、和樹や大は冷静になって炎の指輪を探しますが、一方の拓矢は…。カスタムギア:ヘルトーマスで外から一方的に襲っているワルターは、当然車内の事情を知ることができないため、なかなか自分の要求に従わないカネアリーノたちにいら立つことに。そのため、彼は親衛隊員たちに指示し、線路のポイントを強制的に切り替え、長年使われていない上に途中で鉄橋が寸断されている線路に、オリレゾ急行を追い込みます。いつも以上に強硬策に出ている、今回のワルター。彼のこの行動がストーリーに緊迫感を与えており、視聴者をさらにお話へと引き込みます。ワルターがこんなことをするものだから、当然車内は大パニック。和樹や大はパワーストーンを探すことに必死になりますが、なんと拓矢は、新聞社にこの事件の画像を高く売りつけるべく、パニックになっている人々の写真を撮りまくるのでした。「こういうパニックの状況の写真は高く売れる」と、豪語する拓矢。その後、パニック物の定番である「神頼みしだす人」・「パニックをあおる人」・「金で解決しようとする醜い富豪」・「なぜか突然産気づく妊婦」・「都合よく乗っている医者」が次々に現れ、彼はそれを撮影していきます。このあたりの流れは、メタネタたっぷりである上に、非常に軽快に進むため、テンポよく笑わされます。それにしても、拓矢がいくらなんでもゲスすぎるぞ…。
パワーストーン探しに行き詰った和樹は、名探偵が宝石のあった台を見ただけで犯人を特定したことを思い出し、現場へ戻ることに。そこであるものを発見し、とうとう犯人を特定します。犯人が列車後部の貨物に炎の指輪を隠していることを知った拓矢たちは、危険を冒して貨物に突入。炎の指輪を発見して呪文を唱えたとき、ついに新たな勇者:ファイヤーシルバーが復活します!現場に戻った和樹が発見した、犯人につながる重要な証拠。それは赤い動物の毛であり、光り物を集める習性があることで知られる珍獣:アフリカヒカリアツメのものでした。そう、今回の事件の犯人は動物。自身の習性で、たまたま炎の指輪や拓矢たちのゴルドシーバーなどを奪ってしまっていたのでした。そんな珍獣が列車内にいることを知り、「さすがに設定に無理あるんじゃない?」とツッコむ拓矢。これまたなかなかのメタネタ入れてきたなぁ。一応、その直後にカネアリーノが「そんなことはない」として、列車後部に珍獣を乗せた貨物があることを話して、フォローはしてるけどね…。まあ、そもそも現実世界に「アフリカヒカリアツメ」なんて動物、いないんだけどね!とにかく、犯人が動物であり、その貨物が列車後部にあることを知った拓矢たちは、車内を走って貨物に直行。途中貨物の屋根に上ったところをワルターに襲われますが、これを回避し、アフリカヒカリアツメの檻を発見。炎の指輪を見つけ出し、復活の呪文を唱えます。拓矢たちを襲うために、なんと手りゅう弾を投げつけてきたワルター。しかし、それは高速で走る列車の煽りを受けてワルターの手元に戻り、ヘルトーマスの車内で爆発します。うん、『ゴルドラン』じゃなきゃ、間違いなくワルターこれで死んでたな…。そして、拓矢たちの手によってよみがえった勇者が、ファイヤーシルバー。彼は自己紹介を使用としますが、妊婦の救急搬送を急ぐ拓矢たちに、それを遮られてしまいます。登場の仕方が斬新なファイヤーシルバー。このシーンで、ほんのちょっとだけ『ジェイデッカー』を想起させるようなセリフがあるのも見逃せません。
ファイヤーシルバーを復活させ、妊婦を救急搬送したものの、以前オリレゾ急行は止まらずピンチの拓矢たち。列車はとうとう崩落した鉄橋に差し掛かり、そのまま落下してしまいますが、それを救ったのはスカイゴルドランたちでした。今回も何もかも自分の思い通りにいかなかったワルターは、激しく怒ってカスタムギア部隊を率いてスカイゴルドランたちに挑戦。ほぼ互角の戦いをして見せますが、戻ってきたファイヤーシルバーの加勢により、一気に不利な状況に追い込まれ、最後はスカイゴルドランによって倒されるのでした。後半のシーンで目立つのが、途中から戻ってきてスカイゴルドランたちに加勢した、ファイヤーシルバーの活躍。武器であるファイヤーボウガンを巧みに操り、単独でカスタムギア部隊をほぼ壊滅に追いやったうえに、ヘルトーマスにスキを突かれピンチに陥っていたスカイゴルドランを救います。ファイヤーボウガンの興味深いところは、発射される弾(矢羽)が、相手に着弾してから炸裂するまでタイムラグがある炸裂弾のようなものになっている点。これ一発がかなりの威力を持っており、立った一発でカスタムギア1体を爆散させてしまいます。調子よさそうな性格しているのに対し、なかなかの武器、そして戦いっぷりを見せるファイヤーシルバー。うん、いいキャラしてると思うぞぉ!そんなファイヤーシルバーの快進撃により、ワルターはそのまま追い込まれてしまい、最後はいつものごとくスーパー竜牙剣・疾風迅雷斬りで倒されることに。「今週も動けない!」って叫んでたけど、そろそろ超電磁ストームの対策をした方がいいと思うぞ…。
今回はここまで。次回は第22話から第24話をご紹介予定です。『黄金勇者ゴルドラン』。これで、いいのだ!
◎今日の勇者ソング◎
今日ご紹介するのは、1995年放送の『黄金勇者ゴルドラン』使用BGM「ピンチを切り抜けろ」です。
タイトルからすると緊迫感あふれる音楽なのかなという印象を受けますが、実際は結構明るめで軽快なテンポの曲。しかし中盤では音程が変わり重くなる部分があり、その緩急のつけ方がまさに「ピンチを切り抜け」るにふさわしい曲調になっています。
劇中でもそこそこ使われてた気がするけど、他の楽曲に比べると印象薄いかなぁ。それとも、私の聞き漏らしか…?
GOLDRAN The Brave of Gold OST ~ ピンチを切り抜けろ
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