日本人の流行に敏感な霧崎さん
だから、しんどい日は、ペアルックアンドおサボり同盟のピリカちゃんと一緒に、おさぼりしよっ？トライスクワッドメンバーのデビューも終わり、大筋の物語はいったん落ち着いた感のある『ウルトラマンタイガ』。今回は前回のホマレに続き、E.G.I.S.のメンバーの1人：ピリカに焦点を当てた回になりました。
宇宙人との友情、いる世界の違いから生まれる悲劇。そして、怪獣セグメゲルの猛威―。制作陣の訴えたいこと、やりたいことはよくわかるのですが、そこから発想を広げ、そしてそのやりたいことに注力してしまったせいか、お話の構成は結構アンバランスだったように感じました。もう一押し欲しかったなぁと同時に、個人的には非常に勉強になった一編でしたね。
なお、前回（第4話）の感想記事は↓コチラです
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
初っ端からセグメゲルを登場させ、中盤でピリカとアオイ（セゲル星人）との友情を描写、後半ではタイガたちの2度目のバトルとその裏にあったピリカの悲劇を描くという、なかなか構成としては豪華（バトルシーンが2回挿入されている等）だった今回。訴えたいテーマはよくわかりますが、やっぱりもう一押し足りなかったなぁという印象が強かったです。決して、お話自体は悪いものじゃないんですけどね。
怪獣セグメゲルが突如市街地に出現。どさくさに紛れてヒロユキはこっそりとE.G.I.S.を抜け出し、タイガとなって戦います。左腕を負傷しつつも辛勝したタイガ。これで事件は解決かと思われましたが、それはある人物の情報提供によりひっくり返されることになり、E.G.I.S.はセグメゲルを操る宇宙人探しに乗り出すのでした。冒頭から戦闘シーンが挿入される形になった今回。詳細については後述しますが、全体的にかなりスピーディーに戦闘が繰り広げられていたのが興味深く感じました。あれは意図的な演出なのか、それとも本編時間の都合でスロー再生処理ができなかったのか…、気になるところです。この戦闘の中でタイガが負傷したことに伴い、ヒロユキも負傷。さらにスキンヘッドの男性＝ダマーラ星人から情報がもたらされ、セグメゲルはまだ死んでいないこと、そしてそれを操っている宇宙人の存在が明らかになります。OPが終わって本編が始まった後、唐突に登場したダマーラ星人。あまりにも唐突だったので、思わず配信で初登場シーンを見逃してしまったかどうか確認してしまいました。HPの紹介によると、セグメゲルによって星を破壊された宇宙人とのことだけど、だったらもうちょっと掘り下げ欲しかったなぁ。せっかく名前も与えられてるんだし…。というか、E.G.I.S.は一応民間警備会社で宇宙人専門というわけではないから、ダマーラ星人がいきなり訪ねてくるのもおかしいんですけどね。誰かから口コミで聞いたのかなぁ。
負傷に伴い内勤となったヒロユキの代わりに、ショッピングモールでの調査に乗り出したピリカ。その店内で見つけた商品をきっかけに、アオイという女性と仲良くなります。仕事で悩んでいそうな彼女にやさしく接するピリカ。徐々に打ち解けてきたと思ったその矢先、1つの情報が彼女たちの中を引き裂きます。ショッピングモールでお目当ての服を見つけ、仕事ほっぽり出してそれにくぎ付けになるピリカ。それでいいのかということはさておき、ここのピリカはかわいいです。このシーンで彼女が出会うことになったのが、アオイという女性。彼女は自分の仕事に悩んでいるようであり、それに対しピリカは必死に励まし友達になろうとします。しかしここで、ヒロユキよりある情報がもたらされるのでした。ピリカとアオイの出会いこそ、悲劇の始まり。実はアオイこそセゲル星人であり、今回の一連の事件の犯人でもありました。「ピリカとの友情と、自身の使命の間で揺れる」というのは、いい要素。これを推していくのはいいのですが、彼女が使命から脱出できない理由の描写も推してくれると、なおよかったなぁと思います。彼女が使命から逃れられない理由は、「神であるセグメゲルの命令は絶対だから」なのですが、今回の描写を見る限りだと、セグメゲルはやっぱりセゲル星人の怪獣兵器にしか見えないし、セグメゲルを“神”とあがめている感じもあまりしないんですよね。声だけの登場でもいいから、アオイには仲間がいて、彼らから使命を果たすよう強要される…なんて描写があれば、彼女の苦悩がもっと興味深いものになったことでしょう。
セグメゲルに対し、再び立ち向かっていくヒロユキ。タイガ→フーマ→タイタスへと多段変身を遂げて戦いますが、全身毒液まみれのセグメゲルにかつてないほどの苦戦を強いられます。先頭とその混乱の最中、アオイは自分の使命を果たそうとしますが、そんな彼女に対し逃げずに説得を続けたピリカ。彼女はアオイの心を変えることに成功しますが、それは同時にアオイとの別れを意味していました。アオイの捨て身の行動で、今回の事件は解決しますが…。セグメゲル再出現に伴い、現場に駆け付けたヒロユキ。ところが彼、ここの時点でもうギプスが外れています。細かいようですが、ここでギプスを脱ぎ捨てるシーンとかあればよかったのに…。ヒロユキは変身して戦いますが、セグメゲルに大苦戦。タイタスの強靭さをもってしても押され気味になってしまいますが、ここで勝利への突破口を開いたのは、アオイの捨て身の行動でした。当初は使命を果たそうとしていたアオイですが、ピリカの説得により徐々に心変わりが。ピリカたちを救い、そしてセグメゲルを止めるため、自分の命を賭してセグメゲルを倒すために協力するのでした。ピリカとアオイの別れのシーンも印象に残るものでしたが、それよりもさらにいいシーンだなと感じたのが、事件解決後のラストシーン。いつもと変わらぬ形で出勤したピリカでしたが、仕事を始める直前、アオイと撮った写真を見ます。特に表情を変えない彼女でしたが、このラストシーンはいい演出でしたねぇ。こういう静かな感じが、余韻を残すというか―。
◎特撮面
戦闘シーンが2度挿入され、さらにミニチュア破壊もまた豪華なものになっていた今回の特撮＝戦闘パート。破壊されるビル等もきちんとロケ地と同じデザインになっており、また実景との合成シーンも違和感なく仕上がっていましたね。
セグメゲル、初出現！一度目の戦闘でタイガは負傷してしまいますが、ストリウムブラスターのゼロ距離発射で辛勝します。しかし、これでセグメゲルが倒されたわけではなく…。序盤からいきなり描かれるセグメゲルの猛威。煽りカットや逃げ惑う群衆のバックから迫る姿などが、“迫りくる脅威”を演出しており、セグメゲルの強敵っぷりが表現されていてGoodです。そんなセグメゲルとの1度目の戦闘シーンでは、上述したようにスロー撮影がほとんど使用されず、素早く戦闘が展開される形に。激しく動き回るタイガが、なんだか新鮮でした。
セグメゲル再び出現、タイガも再登場！傷を負いながらも戦うタイガでしたが、やはり苦戦を強いられることになり、その後変身したフーマでも、大きな戦果を挙げることはできませんでした。2度目のタイガの登場&戦闘シーンでは、ビルをジャンプして飛び込んでくるシーンや、セグメゲルの攻撃をよけ大爆発をバックにしながら反撃に出るなど、かなりインパクトのあるシーンが連続。ここのタイガはすげぇカッコよく見えましたね。その後タイガはフーマへと変身しますが、こちらはイマイチセグメゲルにダメージを与えられずじまい。まあ、フーマはスピードタイプの戦士だから、パワータイプのセグメゲルとは相性悪いよね。
負傷したフーマに代わり、今度はタイタスが参戦。セグメゲルの尻尾を切断しますが、同時にダメージを受けてしまいます。毒に苦しみつつもセグメゲルを食い止めるタイタスでしたが、アオイの行動により復活。最後はエックスレットの力を借りたエレクトロバスターでセグメゲルを撃破するのでした。今回の戦闘で、一番ドハデな活躍をしたのはタイタス。登場すると同時に拳で尻尾を引きちぎり、さらに観覧車付きのビルにセグメゲルとともに突っ込むなど、セグメゲルにダメージを与えると同時に豪快な特撮を楽しむことができました。ビルに突っ込んで破壊し、その瓦礫の中で戦うシーンは燃えたなぁ～。そんなタイタスは、最後はエックスの力によるエレクトロバスターで勝利。爆散したセグメゲルに対してマッスルポーズとってたけど、まあそこは突っ込まないことにしよう…。
自分は宇宙人だと名乗る、謎の男性。夜な夜な天体観測に明け暮れるが、その背後にガピヤ星人アベルの魔の手が迫っていることに気づいていなかった。彼が狙われる理由は何か？そもそも彼は宇宙人なのか？そして明かされる、カナの過去とは！？
次回はE.G.I.S.のトップであるカナがメインとなるお話。サブタイトルでも明らかなとおり『ウルトラセブン』のアレをモデルにしたお話ですが、児童誌で公開されていたあの宇宙人の登場は、次回予告でも伏せられていましたね。さあ、お話の内容はどうなるのか…楽しみだ！
そんな第6話の感想記事は、↓コチラだ！
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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