ダイナミックなカミングアウト
だからなんだ?俺は守りたいものを守る!初の三浦有為子脚本回となった、今回の『ウルトラマンタイガ』。次回予告ではどことなく不穏さを感じさせるような感じになっていましたが、いざ実際に観てみると、『タイガ』の世界観を維持しつつしっかりとキャラクターも描かれており、さらに戦闘もてんこ盛りという、ストーリー面・特撮面ともによくできた良回に仕上がっていましたね。
第7話に続き霧崎=トレギアは未登場でしたが、その時と違って今回は彼が事件に関与していないため、嫌らしい暗さも一切なし。ストレートなドラマになっていて、見やすくもなっていました。
なお、前回(第8話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
ホマレの幼馴染であるマイコ登場回となった今回。中盤以降は戦闘がメインになるので純粋なストーリーパートはいつもより少し短めでしたが、その中で既存キャラクターを生き生きと描きつつ、「ホマレの秘密の暴露→マイコの秘密の発覚→彼女の行動を受けて決意するホマレ」という流れがしっかりと詰め込まれており、お話として完成度の高いものになっていたように感じました。終盤のホマレのカミングアウトが割とあっさりしていたような気がしますが、まあこれはこれでいいでしょう。
仕事も落ち着き、トレーニングに精を出すヒロユキとホマレ。それを終えた帰り道、彼らは宇宙人と思われる集団に追跡される女性を救出します。E.G.I.S.本部に連れ帰って話を聞いてみると、なんと彼女はホマレの幼馴染であるマイコ。そんな彼女に、仕事のにおいを嗅ぎつけたカナたちですが…。時には戦闘をすることもあるヒロユキとホマレですが、身体能力に優れているのはホマレの方。ヒロユキはいつも気合を入れてトレーニングに挑んでいますが、267連敗中で一度も彼に勝ったことはないのでした。人間離れしたジャンプやキックを見せ、ヒロユキを翻弄するホマレ。宇宙人だからあんな芸当ができるんだよね。そうとも知らずに(結果的に今回のラストで知ることにはなりますが)元気に挑むヒロユキが、ちょっとかわいそうだったなぁ…。そんなトレーニングを終えた帰り道、彼らが出会ったのはマイコ。宇宙人に追われていたため助けてE.G.I.S.本部に連れ帰りますが、カナとピリカはそんな彼女にビジネスチャンスを見出します。実は、怪獣や宇宙人災害向けの保険プランを検討していた保険会社から、調査依頼を受けていたE.G.I.S.。どう調査するか悩んでいた矢先に、宇宙人からの被害に遭ったという人物(マイコ)がやってきたのですから、そりゃあ目をつけるよね。マイコのことを聞くや否や、ウキウキしながらあれこれ彼女に勧誘していたカナとピリカ、本当に生き生きしてたなぁ。君らそんなキャラだっけ?とはちょっと感じたけど…。
マイコの護衛にあたることになった、ヒロユキとホマレ。公園の防犯カメラ等を確認していると、マイコを襲撃する謎の影が。その正体はキール星人でした。ヒロユキが離れていたため単身キール星人に挑むホマレでしたが、結果的にマジャッパの復活を許してしまいます。マイコをつけ狙っていたのは、キール星人ら宇宙人の集団。マイコは代々受け継いできた小瓶を持ち歩いており、実はその中にはマジャッパが封印されていたというオチでした。マジャッパ復活シーンでは、ホマレが誤って小瓶を手放す→キール星人の銃弾がヒットして割れるという構図が印象的。その前後で描写される、ホマレのトンファーがキール星人の銃弾をはじき返しまくる描写も面白かったです。E.G.I.S.の装備であるあのトンファー、平然と宇宙人のビームとか銃弾も弾き返せるのか。驚異的な強度だぁ…。
マジャッパに対しウルトラマンフーマが挑む中、ホマレはキール星人との戦いを続行。その中で星人により自分の正体をマイコにバラされてしまいますが、それに動じることなく最終的に勝利をつかみ取ります。しかし、今度はマジャッパの戦闘でマイコがピンチに。助けに行くために走り出そうとするホマレでしたが、その時マイコの隠されていた力が覚醒。これが彼女のピンチを救い、フーマ→タイガの戦闘をアシストすることになりました。フォトンアースによってマジャッパも倒され、さらにマイコの今後について聞かされたホマレは…。キール星人によって、マイコに対し宇宙人であることがバラされてしまうホマレ。ここまでだとありがちな展開だなと感じちゃいますが、今回はそれに併せて「マイコにも秘密があった」という展開を上乗せしてきていたのが非常にGood。さらにその彼女が、ホマレとは違い他人(結婚相手)に自分のことをちゃんと明かしているという要素を盛り込み、ホマレと対比させたうえ、ホマレ自身が仲間たちに宇宙人であることをカミングアウトするというラストシーンへと持って行っていたのが素晴らしかったですね。ラストのカミングアウトは少しあっさりしていましたが、それを除けば後半のお話の展開のさせ方は秀逸。本当に今回は、お話としてよくできていた回でした。
◎特撮面
次回予告動画でも言及されていた通り、ホマレの戦闘とフーマ&タイガの戦闘が同時並行で描かれる形になった、今回の特撮・戦闘パート。大掛かりなミニチュア破壊はありませんでしたが、その分CG合成によるビルの破壊やダイナミックなフォトンアースのアクションが、視聴者に強烈なインパクトを残してくれました。
マジャッパが出現。ホマレがキール星人との戦いのためマイコとともに行ってしまったため、1人取り残されたヒロユキはまずフーマに変身。その俊敏さでマジャッパを翻弄しますが、マジャッパの放つガスにやられてしまいます。いつもはタイガに変身してからタイタスorフーマに変身しますが、今回はダイレクトにフーマに変身。いつも通り(?)のスピーディーな戦闘を見せてくれました。一方マジャッパも負けてはおらず、相手にしびれを起こさせるガスなどで対抗。結果的にフーマはこれにより戦闘スタイルを崩され、一気に劣勢に追い込まれます。意外に多彩な能力を見せ、フーマを苦しめたマジャッパ。登場直後の水を足で蹴り上げながら上陸するシーンの特撮も、よくできてたなぁ。
マジャッパは透明化能力を使い、先ほどのお返しだとばかりにフーマを翻弄。さすがの彼も苦戦しますが、ここで覚醒したマイコの能力が彼の戦闘をアシストします。その後、バトンタッチする形でタイガが出撃しますが、若干苦戦気味で戦闘は続きます。マイコの能力により、マジャッパの位置を特定したフーマ。マジャッパの方を見ずに的確にキックを叩き込む姿はメチャクチャカッコよかったですね。この後タイガがフーマに代わって戦いますが、大きく戦局を変えることはできず。マジャッパの攻撃に押され、大きなビル(茨城県警本部)を破壊してしまいます。ビルの破壊はミニチュアではなく、CGで表現。これだけなら時々ある描写ですが、CGであることを生かし、その瓦礫がマイコに降りかかるも、それを彼女自身の能力で静止させるというシーンを盛り込んできたのには驚きました。これは本当に、CGだからこそできる芸当ですよね~。
早急に決着をつけることにしたタイガは、フォトンアースへと強化変身。マジャッパの攻撃をいとも簡単に封じた彼は、一気に形勢逆転。もうほぼやりたい放題状態で攻撃を繰り出し、最後はオーラムストリウムでフィニッシュしました。フォトンアースになってから、タイガの逆転劇がスタート。片手でマジャッパの攻撃を封じ込めただけでなく、パイルドライバーまでやってのけてたのは「オーバーキルじゃないか!?」と思うくらい鮮烈な印象を残してくれました。フォトンアース、見た目は動きにくそうなのに、よくこれだけアクションするよなぁ。
かつて、ブラックキングとのコンビとして名をはせていたナックル星人。地球に暮らしていた彼に、突如戦士の心が再燃した理由は何か。今、夕陽を背負ってタイガとナックル星人の戦いが始まる!
次回は久しぶりにナックル星人&ブラックキングのコンビが登場。トレギアがガッツリお話に絡む当たり、なんだか悲劇的な展開になる予感しかしないぞ…。
そんな第10話の感想記事は、↓コチラだ!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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