お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンブレーザー』第25話(終) ちょっとした感想

人類は“真の勇者”になれるか?

 

 

 

アースガロンはこれより…地球に甚大な被害をもたらすヴァラロンの排除を最優先とする!宇宙船団はその後、可及的速やかに対処する―!いよいよ『ウルトラマンブレーザー』も、今回で最終回。その内容は、V99の正体が明かされると同時に、ブレーザーとSKaRDによるヴァラロンとの総力戦が展開され、地球側も、そしてV99側も新たなる未来へと踏み出すさまが描かれました。

 

「V99は侵略者ではなく、地球側に撃墜されたことをキッカケに、ずーっと復讐し続けていた」という種明かしは、本当に衝撃的。そして、この最終回でのカギとなったのが、そのV99との対話であったのが、『ブレーザー』の作品テーマがコミュケーションであることを改めて思い出させてくれました。我々はいつの間にか、ゲントたちがコミュケーションをとる相手をブレーザーのみだと思いこんでいましたが、V99もまたその対象だったんですね。いやぁ、これには脱帽でした。

 

なお、前回(第24話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

地球に降りてきてしまったヴァラロンをいかに打ち破るのか、そして来襲するV99にどう対処するのかが主軸となっていた今回。上述したV99とのコミュケーションのほか、そのコミュケーションをあきらめないエミたち、また時系列は前後しますが、お互い承知のうえで最後の変身(映画があるので正確には最後の変身ではないんだけれども)に挑むゲントとブレーザーの姿等、まさに『ブレーザー』にふさわしいドラマ展開、そして最終回に仕上がっていました。かなりドラマは駆け足気味だったけど、それでもここまでキレイに完結させたのは、称賛に値するでしょう。

 

前回、ブレーザーが身を呈して守ってくれたこともあり、奇跡的な脱出を果たしたゲントたち。彼らはアースガロンMod.4でブレーザーを抱きかかえ、地球に帰還しますが、既にヴァラロンが第2形態となって東京都心を蹂躙していました。急ピッチでアースガロンMod.4の修理が進められる中、ゲントの体調不良もピークに達し、テルアキたちの勧めでいったん戦列を離れることに。しかし、ゲントが実際に向かったのは、大河原医官ではなくブレーザーのもとでした。今回は、冒頭でゲントたちの生存を描いたのち、すぐに地球を蹂躙するヴァラロンのさまが描写。最終回にふさわしいドハデな破壊活動をしており、まさに「サード・ウェイブ」にふさわしい暴れっぷりでした。ただ欲を言えば、ヴァラロンが第2形態に変化するさまを、もっとしっかり描いてほしかったですね。尺の都合でカットされたのかもしれませんが、「いつの間にか第2形態になってるよヴァラロン」という感じが、とてももったいなかったなぁ。そんなヴァラロンに対抗すべく、SKaRDはアースガロンMod.4の修理を開始。しかし、それには1時間を要することになり、またゲントが立つのもやっとのほどの体調不良に見舞われていたことから、テルアキたちは、ゲントに大河原医官のもとへ向かうよう進言します。それを受けて、彼らと別れたゲントでしたが、実際に彼が向かったのは、ブレーザーのもとでした。ここで、ゲントとブレーザーによる対話と、再度の一体化描写。ブレーザーを無理させないために、「地球は人類自身の手で守る」と「ウルトラシリーズ」の歴代隊長と同じムーブをして、最後の戦いに挑もうとするゲントに、ブレーザーは自らの声で「俺も行く」と返答します。ここでブレーザーがしゃべったのは、本当に衝撃。まさか人語が話せるようになるとは、ちっとも思っていませんでしたからね。第1話では、得体のしれないヒューマノイド宇宙人だったブレーザーが、ゲントとここまで心を、そして言葉を通わせられるようになったのかと思うと、とてもジーンと来ました。そして、このブレーザーの希望を受けたゲントは、再度一体化して変身。さらにファードランアーマーへと強化変身して、ヴァラロンに立ち向かいます。変身する直前、ゲントが涙ながらにテルアキと通信するシーンが挿入されるのですが、ここでのゲントの涙が、ゲント&視聴者とテルアキとで、それぞれ受け取り方が全く違うのがとても面白いところ。ゲント&視聴者は、ゲントがブレーザーと心を通わすことができ、再度ともに戦えること等に対して涙しているのだと認識している一方、テルアキはそのさまを見ていないので、「大河原医官からドクターストップをかけられた(ゲントのウソ)」ことに対して、ゲントが悔し涙を流していると認識しているんですよね。1つのシーンでこれだけ多様な表現・感じ取り方をまとめて描き出しているのには、舌を巻きました。

 

ゲントと一体化したブレーザーは、ファードランアーマーとなってヴァラロンに応戦するも苦戦。続いて月方面にワームホールが出現し、なんとV99が宇宙船団を編成して地球に迫ってきていることが判明します。ドバシ以下地球防衛隊は、V99の撃滅を優先しようとしますが、ゲントからSKaRDの指揮を全権委譲されていたテルアキは、真っ向からこれに反発し、アースガロンMod.4でブレーザーに加勢します。一方その頃、監禁されていたエミは、意外な人物に救出されていました。中盤の前半では、ブレーザーの戦闘が描写されると同時に、監禁されたエミの脱出や、テルアキの副隊長としての決断が描写。前者についてはハルノ参謀長がいい味出していましたし(「前回あんな感じだったのに、今回は一転してかなり行動的になっている」点へのツッコミはありますが)、後者については、テルアキが地球防衛隊司令部からの指示を最後まで聞いたうえで、自分の意思でそれに反抗してみせるさまがメチャクチャカッコよかったです。このシーンでにおいて、これをテルアキがやっているのが、またグッとくるんですよね~。ゲントから全権委譲された副隊長だからと言えば、その役回りをするのは当然ではあるのですが、普段はマジメでどちらかと言えば外れたことをやらないタイプが、自らの意思で、より成し遂げたいもののために、あえて反抗するという選択をしたのがいいんですよね。ま~た自分の中でテルアキの株が上がっちゃったなぁ。もっと彼の人柄や人物像を深掘りする通常回を、観てみたかったよ。

 

ハルノ参謀長に救出されたエミは、彼とともに司令本部へ直行。ゲンカワ司令官から了解を取り付け、父タツキの遺した手記も加味して、1999年の事件の全貌を暴き、V99の正体の推測を行います。そしてアースガロンMod.4を通じて、現れたV99とコンタクトを取ったエミたちは、V99は侵略者ではないことを確信し、彼らと戦ったり、侵略したりする意志はないことを示そうとします。果たしてこれは成功するのか―?中盤の後半では、ハルノ参謀長の手により解放されたエミによる、V99関連の事項の種明かしが披露。V99は隕石等ではなく、地球付近を通過した宇宙生命体の船団のことであり、当時の隊上層部だったドバシは、これを撃墜。しかしV99からは兵器等の残骸が発見されず、「地球側が一方的に攻撃した」という格好になってしまい、V99は地球人類への報復のために、ウェイブ系の攻撃を行っていました。V99が実は侵略者でも何でもなく、むしろ地球側が侵略者のような格好になってしまっていたというオチは、過去「ウルトラシリーズ」に無かった展開ではないものの、なかなか衝撃的。そしてこれを解決するために、より強力な兵器で対抗するのではなく、あえて武装解除して戦う意思が無いとアピールしようとする試みも、なかなか大胆で現代らしい、お話としての“答え”だなぁと感じました。先人たちの過ちを繰り返さないために、あえて武器を降ろして“対話”を試みる―。ここにも、『ブレーザー』のテーマである「コミュニケーション」が生きており、グッときました。もし実際にこうしたことが起きたら、こちらが武装解除をしても相手が攻撃をやめるとは限らないし、対話できるかどうかもわからないけど、それはそれでいいじゃないですか。ブレーザー』のV99関連のオチは、ドバシを完全な悪にしないかつその当時の判断も尊重し、そしてエミたち新たなる世代は、対話により未来を作っていかんとするという、全方向に配慮しつつも、しっかりと強いメッセージを伝えてくれているように感じられました。種明かしがタツキの手記に頼りすぎている感はあったけど、あの短い時間でここまで描ききったのは、やっぱりよく頑張ったなと思いますよ。

 

V99と対話し、彼らを戻すことに成功したものの、依然としてヴァラロンは残ったまま。これに始末をつけるべく、ブレーザーとSKaRDは、最後の力を振り絞った総力戦に挑みます。そして、デマーガをはじめとする地球怪獣たちの協力と、サトコやジュンのくれた力が組み合わさったことで、最後はブレーザー渾身のブレーザー光線が、ヴァラロンをつんざき勝利を収めるのでした。終盤では、V99が去ったものの残ってしまったヴァラロンに対する、ブレーザーとSKaRDの奮闘が描写。詳細は後述しますが、若干『ガイア』最終回っぽい雰囲気もある最終決戦となりました。でも、デマーガ等の地球怪獣は爆弾の処理(=自分たちの生態系の防御)のみに徹し、ヴァラロンとの決着はちゃんとブレーザーとアースガロンMod.4がつけるという構成になっていたのは、いい塩梅でしたね。最後の最後で見せた渾身のブレーザー光線は、もう感動しちゃいましたよ。それにしても、V99がヴァラロンを置いていった理由は何だったんだろう。『マックス』のデロス人みたいに、自分たちでは止めようがないからなのか、あるいは地球人類をまだ信用しきれておらず、ある種試す形でわざと置いて言ったのか…?

 

市街地に被害は出たものの、ヴァラロンという脅威を排除し、そしてV99と対話することができたゲントたち。修理中のアースガロンを見上げながら、V99への思いをはせたあと、ゲントが帰ったのはもちろん我が家で―。ラストシーンでは、修理を受けるアースガロンと、無事サトコたちのもと帰ったゲントの姿が描写。V99の新天地にかかるエミのセリフに対するゲントの回答が、『ブレーザー』という作品を締めくくるには100点満点のせりふでした。いやあ、本当に…ありがとう、『ウルトラマンブレーザー』!

 

ゲント「あのワームホールの繋がる先に、彼らの目指す新天地があるのなら…、ずっと、ずーっと遠い銀河の“ブレーザー”。まばゆい光の向こう側―、なんだろうな。」

 

 

 

◎特撮面

第1話以来の、実在の場所(東京・品川)を舞台とし、最終決戦にふさわしいドハデな描写が連続した今回。凝ったミニチュア特撮・CG合成もそうですが、ウルトラ広場が見えかけることを承知で、あえてブレーザーを接写して激しいアクションを撮りぬいている大胆なカメラワークも、強く印象に残りました。ヴァラロン(第2形態)も、TVシリーズのラスボス怪獣にふさわしい強さをしっかり見せてくれていましたし、総合的に観て完成度の高い特撮描写だったと言えるでしょう。

 

東京都心・品川エリアに上陸し、市街地を蹂躙するヴァラロン。アースガロンMod.4が修理中であるこのとき、ゲントたちはろくに反撃することができていませんでした。ゲントはブレーザーのもとを訪れ、彼を案じ自分たちの力で地球を守り抜くことを誓いますが、ブレーザー自身の強い意思を受け、再度一体化することを決断。ブレーザーブレスで最後の変身を遂げます。ヴァラロンが品川を蹂躙するさまは、近影についてはミニチュアセットによる特撮、遠景については実景合成にて表現。後者の表現の場合、合成した怪獣が実景から浮いてしまうことがよくありますが、今回の場合、ヴァラロンにプラスして、それに着弾する爆薬についても実際のものを用い、それを丸ごと合成することで、「いかにも合成により生み出した映像」という違和感を軽減することに成功していました。この手の表現の場合、爆発描写についてもCG合成で済ませてしまうことが多いですから、ひと手間かけている分、リアルさが通常のそれとは段違いでしたね。なるほど、こうした表現の仕方もあるのかぁ。

 

復活したブレーザーはファードランアーマーとなり、ヴァラロンと交戦。修理完了したアースガロンMod.4も彼に加勢し、激戦を展開。そうした中で、エミから通信が入り、アースガロンがV99とコンタクトを撮ろうとし始めたことから、戦闘の流れが一変します。アースガロンの行動を受けて、ブレーザーもファードランアーマーを解除し、ともにV99と戦う意思がないことをアピール。ヴァラロンに踏みつけられてもなお、その姿勢を貫きとおした彼らの姿勢と、エミの言葉により、V99は地球から去っていきます。中盤の特撮描写では、ブレーザー&アースガロンMod.4とヴァラロンの戦闘前半戦が描写。大量にチップをまき散らしたり、CG合成でヴァラロンの爆弾の爆発を描いたりと、ともに大胆な特撮描写が見られた中で、特に異彩を放っていたのが、アースガロンMod.4が加勢するまでの間の、ブレーザーとヴァラロンの戦闘シーンにおいて用いられた、接写のカメラワークでした。ウルトラ広場が見えそうになるアクションシーンの接写は、『Z』あたりから時々見られるようになっていましたが、今回は今までのものと比較してより長時間で、かつブレーザーにかなり寄ったカメラワークになっているのが特徴。「ウルトラ広場が見えちゃうんじゃないか」とハラハラさせられてしまいましたが、実際はそこまで見えることはなく、むしろブレーザーの視点でヴァラロンと戦っているような錯覚に陥らせてくれるようになっており、ハンパない臨場感を与えてくれていました。そしてこの状況下で、遅れて駆け付けるアースガロンMod.4がマジでカッコいいんだよなぁ…!

 

V99は去ったものの、ヴァラロンは依然として残り続けていたため、ブレーザーとアースガロンMod.4は、それとの最終決戦に全力投球。ばらまかれた爆弾は、デマーガやデルタンダルといった地球怪獣たちによって処理されたため、2体はヴァラロンとの戦いに専念します。そして、戦闘の最中、ジュンの思いがブレーザーそしてゲントのもとに届き、左腕にまばゆい光が集中。ブレーザーは半ば本能的に十字に腕を組んだことで、ブレーザー光線が射出され、ヴァラロンをつんざき勝利をおさめます。終盤の戦闘シーンは、前半がアクション重視、後半がCGによる光学合成がメイン。前半については、ヴァラロンの舌を引っこ抜こうとするブレーザーの荒々しいファイトスタイルが観れたほか、後半ではブレーザー初の光線技:ブレーザー光線が披露されました。ブレーザー光線は、「ブレーザーがついに光線技を発射した!」という喜びもそうですが、「ジュンの声援を受けて力が覚醒し、そして本能的に腕を十字に組んだ」というのが、とんでもなく素晴らしい。まばゆく大胆な光の合成も相まって、『ブレーザー』屈指の名シーンとなっていたと言えるでしょう。もし今後、S.H.フィギュアーツでファードランアーマーが発売されるのなら、ボーナスパーツとして、ブレーザー光線のエフェクトも付属させてほしいなぁ。これ、絶対フィギュアでも再現したくなるでしょ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Z』において、ゼットとともに地球を守り抜いた防衛隊:ストレイジ。そのメンバーであるオオタ・ユカは、歴代ニュージェネレーションヒーローズの力を学んだうえで、特空機1号セブンガーの強化を模索していた。今、イグニスやマウンテンガリバーⅡⅤを交えて、約半年間にわたるユカの奮闘が始まる!

 

次回より、新番組として『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ』がスタート。メインキャストがユカとイグニスでそう取っ替えとなっている一方、タイトル自体は昨年同シーズンに放送していたものと同じなので、今期は「第2期」となるのでしょうか。昨年は独自の商品展開が行われていたけど、今回ははてさてどうなるかな?

 

 

 

 

 

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