あきらめなければ、必ず未来をガッチャ出来るはず!
俺は…自分の力で、未来をガッチャしてみせる!今回の『仮面ライダーガッチャード』は、年内最終放送回にふさわしい、年明けからのドラマの新展開を予感させる要素が次々に挿入された一編に。冥黒の三姉妹側の新キャラ(上司)であるグリオンの登場と、それの放つ圧倒的な強さのオロチマルガム。そして、くじけかけた宝太郎のもとに颯爽と現れる仮面ライダーガッチャードデイブレイクと、ドラマ的にも特撮的にもノンストップで飽きない構成となっていました。
近年は、クリスマス回が年内最終回を兼ねるため、自然とキャラの退場等の大きな展開が挿入されがちだった平成ライダーですが、今回の『ガッチャード』は、確かに敵の脅威とガッチャードデイブレイクの謎という意味では、そうした大きな展開があった一方で、お話自体は単発回として成立しており、十分楽しむことが可能になっていたのが興味深いポイント。てっきり年明けの次回まで引っ張るものだと思っていたので、これはいい意味で驚きでした。ある種の配慮がなされていて、Goodでしたね。
なお、前回(第15話)の記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
世間はクリスマス一色。多くのケミーをガッチャした宝太郎に待っていたのは、大忙しの店の手伝い。半ばムリヤリりんねを巻き込んで、忙しいながらも平和に楽しくクリスマスを過ごす彼らでしたが、その裏で、冥黒の三姉妹が新たな動きを見せ始めていることに、全く気付いていませんでした。さらに時同じくして、スパナは師匠でもある研究者の枝見鏡花と接触していて…。今回は、中盤以降戦闘メインの緊迫感あふれるドラマとなるため、序盤ではやや穏やかめなドラマが展開。りんねが半ばムリヤリ宝太郎の店を手伝うことになり、いざ手伝っているときはまんざらでもなさそうな感じだったのは、とても微笑ましく感じられました。ですが、ここで見逃せないのが、りんねが「この前変身して〜」と、現在公開中の冬映画で彼女が変身する仮面ライダーマジェードのことについて触れている点。過去作でも映画のことについて触れることは多々ありましたが、公開直後の放送回という、こんなにも早く触れてくるのは初めてではないでしょうか。平成ライダー系の映画がより初動型の興行になっているがゆえの措置なのかなぁ?こうした微笑ましいドラマの裏では、先日発表された追加レギュラーキャストが、各陣営に次々に登場。冥黒の三姉妹の前にはグリオンが、スパナの前には鏡花が現れ、ドラマ進めていました。スパナ思いの鏡花と対になるかのごとく、グリオンは冥黒の三姉妹のことをあまり大切には思ってなさそう。クロトーかラケシスのどちらか一方は、少し早めに退場しちゃう可能性も出てきたな…。
市街地上空に出現する、謎の黒雲と鈴の音。そこから現れたのは巨大なヘビであり、加治木を含む市民たちを次々に石化していきます。偶然居合わせた宝太郎は、ガッチャードに変身して挑もうとするも、相手が自分を狙っていると知って動揺したほか、大きさも強さも段違いのため、押されてしまうことに。それでも、そのヘビが再出現した際にはライトニングジャングルで1体を撃破し、マルガムの正体を突き止めますが、別のヘビの頭によりりんねたちまでもが石化されてしまい…。中盤、オロチマルガムの頭が登場してから、物語は一気にシリアス路線へと急展開。宝太郎はガッチャードとなって必死に戦うも、蛇の頭を1体倒せた程度で本体を叩けず、りんね含む仲間たちほぼ全員が石化されてしまうと、急速に追い詰められていきます。オロチマルガムの頭が操演でわざわざ表現されていたり、玩具販促のため過去登場したフォームも大量登場する等、見どころの多かった中盤の戦闘。ですが、ここはドラマや各キャラの所作にも注目したいところです。ギリギリのところまで追い詰められても、自身の力と考えのみで「あきらめない」ことを選択した宝太郎、最初は抵抗するも、宝太郎に「敵は仮面ライダーである自分を狙っている」と聞かされて、素直に引き下がり避難誘導に徹するスパナと、各個人のキャラの良い部分が、色濃く出ていました。
自分の無力さを嘆きながらも、決してあきらめない宝太郎。そこへ謎のオレンジ色のガッチャードが現れ、黒雲の中からオロチマルガムを引きずり出し、それと戦いながら宝太郎に選択を迫ります。宝太郎の出す答えは、もちろん自力で未来をガッチャすること。再び立ち上がりスーパーガッチャード クロスエックスレックスに変身した彼は、その力でオロチマルガムを撃破し、ジャマタノオロチを回収のうえ、石化された人々を救うのでした。宝太郎のもとに現れたのは、謎のライダー:ガッチャードデイブレイク。宝太郎たちの敵ではなさそうですが、宝太郎に意図的に試練を与えていること、そして圧倒的な強さを誇っているあたり、クセはあるもののなかなか興味深いキャラであることが窺えます。誰が変身者なのか気になるところですが、全くの新キャラである可能性もゼロではないんだよね…。そんなガッチャードデイブレイクの言葉に対して、自分で未来をガッチャすることを選択した宝太郎。再び変身した彼は、クロスエックスレックスの力でオロチマルガムを撃破し、石化されたりんねたちを元に戻します。てっきりガッチャードデイブレイクがケリをつけるのかと思いきや、最後にキメてくれたのはガッチャード。しかも、これによりりんねたちは解放され、最悪の状況から脱します。ちょっと前の平成ライダーなら、りんねたちが石化したまま次回に続いていただろうから(実際、私もそうなると思って観ていた)、この潔さは新鮮だなぁ。そして、この潔い幕引きにより、単発回のドラマとしてもしっかり成立しているのがGoodでした。
年が明けても止まらない、マルガムの出現。普段と同じくガッチャードに変身して戦う宝太郎だったが、マルガム自体も強化していたうえ、ガッチャードデイブレイクがまたも現れ、宝太郎に今の自分では勝てないと言い放つ。宝太郎の力は、本当にここまでなのか!?
年が明けて1月7日放送の次回は、引き続きガッチャードデイブレイクがかかわってくるお話になりそう。宝太郎に一度試練を与える格好になるので、これがまた、ガッチャードが新たな力を手に入れる布石となるのでしょう。一方で、スパナの変身するライダーとも、一部アイテムを共有するみたいだし(『ドライブ』のデッドヒート系と似ている)、この話もそこまで長くは引っ張らないつもりでしょうね。
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…というワケで、記事は「『王様戦隊キングオージャー』第42話 ちょっとした感想」に続きます。
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