お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『∀ガンダム』ちょっとした感想 ∀-5(第13~15話)

今回は、∀ガンダム』の感想記事第5回目です。

 

今回ご紹介の3話は、ゲストキャラ:ウィル・ゲイム(3代目ウィル・ゲイム)を通して、ディアナのキャラクター性の掘り下げと、ウィルの末路を描くお話に。夢にあふれていたはずなのに、1つの過ちから主人公たちと行き違いになり結果破滅していくという、「ガンダムシリーズ」らしいドラマが展開されました。ディアナがかなり人間味のある人物であることがわかったのはいいけど…まあ後味は良くなかったよね。

 

なお、前回(第10~12話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第13話「年上のひと」

1999年7月2日放送

登場した敵他:ウォドム、ウァッド

「ご先祖様の恋を確かめに、月まで行きたいんでしょ?」

 

STORY:地下回廊にまでディアナ・カウンターの手が迫っていることを悟ったシドたちに言われて、ロランたちは中をさまよっていると、外への出口を見つけ、キングスレーの谷に出た。そこで、キエルに扮したディアナは、かつて自分が地球降下時に出会った男性の子孫であるウィル・ゲイムと出会う。同時にロランは、ウィルと行動を共にしディアナに憎しみを抱く女性:テテス・ハレと出会う。彼らがキングスレーの谷にいる目的とは何か?そしてディアナは、ウィルから初代ウィル・ゲイムの話と遺品を見聞きし、一人静かに涙する―。

 

これから数話にわたってストーリーにかかわることになる、ウィル(3代目ウィル・ゲイム)とテテスたちの登場回。今回は初回ということで、ロランたちと彼らとの接触、そしてディアナがウィルに対して並々ならぬ思いを抱いている理由が描写されることになりました。思い出話の中で次々に明かされる、ディアナに関する新情報は驚きの連続。それと同時に、彼女がいかに人間味あふれる女性であるかが窺い知れました。本当、女王がこれなのに、なんでディアナ・カウンターはあんな感じなんだか…。


前回、コレン/イーゲルを排除したロラン/∀ガンダム。これによりディアナ・カウンターの攻勢も落ち着くかに観られましたが、すぐにポゥ配下の部隊が接近していました。作業員全員の非難を優先することを決めたシドは、ロランとキエルに扮したディアナにも退避を指示。そのまま地下回廊を進み、別の地域に出ます。そこはキングスレーの谷であり、シドはここにも何やら遺跡が眠っていそうであるとにらみます。時同じくして、ディアナは偶然、この何で穴を掘り続けている男性を発見して…。序盤では、前回発見した地下回廊を探索および逃亡するロランたちの姿が描写。特にロランは、イーゲルの武器だったミンチドリルを入手しており、これを使えばポゥの部隊程度排除できそうに見えましたが、あえてそれをせず、穴掘りのために使用していました。ミンチドリルは明らかにイカつい武器なので、これを見ればほとんどの人が「戦闘に使おう」と考えそうですが、それをしないのがロラン。ロランって本当に穏やかで平和的な人間ですよね。たまにそれが貫き通されすぎて、ちょっと怖くなるときもあるけど…。そんなロランたちが、地下回廊を抜けて出てきたのがキングスレーの谷。そこで、彼らは、穴を掘り続けているウィルに出会います。

 

男性がウィルであることを知ったディアナは、思わず自分がディアナであると名乗って飛びつき、再会に感激。ですがそのウィルは、ディアナの考えるウィルではなく、その孫にあたる男性でした。それをディアナが知った直後、突然彼女に襲い掛かってくる女性が1人。彼女はウィルと行動を共にするテテスであり、ディアナに並々ならぬ恨みを抱いているようですが、ここはロランの機転でなんとか丸く収まります。これらをキッカケに、お互いのことを知ったウィルは、ロランたちを自分が掘る横穴の最深部へ案内。そこには確かに、宇宙船と思われる遺跡がありました。彼がこれを発掘していた目的とは…。Aパート後半では、ウィルとテテスの人物描写と、ディアナの過去の描写を中心に展開。ディアナが自らのことをディアナと名乗るのには、かなりリスクがあると感じられますが、その理由が「かつての恋人(に似た男性)と出会ったため」ということであれば納得出来るでしょう。ただ、ちょっとあれこれしゃべりすぎた感はあったかな…。そんなディアナの回想により、彼女の過去とウィルとの関係性が描写。実はディアナは、120年前に地球に1年ほど滞在しており、そのときにお世話になり、また厄介になったのが、初代ウィルでした。ディアナ含む月の人間が、実は120年前に地球に降下してきていたという事実には驚き。このときの地球と月の関係性は、良好だったのでしょうか。

 

横穴から地上へ戻ったロランたち。その後ディアナは、ウィルから初代ウィルにかかわる話を聞かされ、1人涙します。一方のロランは、テテスと行動することになり、温泉に入ることに。そこで彼は、テテスがムーンレィスの血を引く人間であることを見抜きますが、直後ポゥの部隊がキングスレーの谷に襲撃をかけてきます。すぐに∀ガンダムのもとに戻ったロランは、ウァッドについては地下回廊におびき出して落盤に巻き込ませて行動を封じ込め、ポゥのウォドムについては、ビームサーベルで斬りつけ頭部を破壊することで、完全勝利をおさめます。目の前にいる人間がディアナだと気づいていないウィルは、自分が聞いたという初代ウィルのことを話し始め、それによりディアナは、初代ウィルが自分の頼みをキッカケに死んでしまったことを知ります。ディアナが初代ウィルとの別れ際に頼んだのは、ゴクラクチョウの羽根。初代ウィルはディアナの月帰還後、それを探しに旅に出て確かにそれを入手しますが、帰路の途中で事故に遭ってしまっていました。この話を聞いたときの、ディアナの静かな深い悲しみの演出はGood。声にして感情を表すタイプではないからこそ、モノローグと涙のみでそれを表現しているのが、ジーンときましたね。この直後、攻撃を仕掛けてきたのがポゥの部隊。今度こそ∀ガンダムを回収すると息巻くポゥでしたが、逆にウォドムを完全に破壊され敗走するという無様な結果に終わります。今までのウォドムは、∀ガンダムの攻撃を受けて中破する程度でしたが、今回は完全に頭部を破壊され戦闘不能にまで追い込まれることに。ロランが強くなっているということがわかると同時に、ポゥのどうしようもなさがハッキリと演出されていました。

 

ディアナ・カウンターを退け、ウィルの家によせてもらうことになったロランたち。そこを訪れたディアナは、一部は変わってしまったものの、かつて自分が訪れたときにあった水車小屋や、滞在していた滞在していた離れがあることを視認し、深い感動を覚えます。そんな彼女に、ウィルが持ってきたのは、離れに残されていた初代ウィルの遺品。箱の中から出てきたゴクラクチョウの羽根を目の当たりにした彼女は、1人涙するのでした。終盤で挿入される、ウィルの家の描写。そこは初代ウィルの家と同じであり、わずかに残された建物から、ディアナは往時のことを思い出します。これだけでもディアナの感情が手に取るようにわかるのですが、ラストでウィルが「これが初代ウィルの遺品だ」と言って、ゴクラクチョウの羽根を渡してくるのが、素晴らしい演出です。今回は、かなりジーンと来るシーンがとても多い一編だったなぁ。

 

 

 

第14話「別離、再び」

1999年7月9日放送

登場した敵他:ゴールドスモー、キャノン・イルフート

「ウィル・ゲイムの家系は、いつもこうなのですか?私の意思に反して、旅立っていく。少しだけ、気持ちがずれたままで―。」

 

STORY:イングレッサ・ミリシャがルジャーナ・ミリシャと合流し、ルジャーナ・ミリシャの発見したモビルスーツ部隊に驚いていた頃、ウィルたちはついに、キングスレーの谷で宇宙船を発掘した。翌朝にイングレッサ・ミリシャにそれを連絡しようと考えたロランたちだったが、ムーンレィスに帰ろうとしているテテスは、ウィルをそそのかして、ディアナ・カウンター側につかせようとする。テテスの言葉に乗ったウィルは、一足先にディアナ・カウンターのもとへ向かい、その道中ゴールドスモーとルジャーナ・ミリシャの戦闘に巻き込まれる。追いかけるロランたちは、ウィルの過ちを止めることができるのか?

 

ウィル&テテスとかかわるお話の中編である今回は、ウィルが宇宙船を発見するという、自分の夢への大きな一歩を踏み出す一方で、テテスの言葉により道を踏み外して雲行きが怪しくなる一編。ロランやキエルに扮したディアナの言葉もまるで聞かず、テテスの言葉に従って突き進んでいくウィルには、危険さと、この先待っているであろう悲しい結末を予感させました。今回は新たなモビルスーツのデビューシーンも多く、ルジャーナ・ミリシャのボルジャーノンのほか、ウィルたちが密かに掘り出していたというキャノン・イルフートも登場。どれも『ガンダム』登場したモビルスーツをモチーフにしているデザインなのが面白いです。

 

ウィルのもとに身を寄せるようになってから、彼の発掘作業に協力しているロランたち。∀ガンダムの力を加えたそれは、今までにないほど急ピッチで進み、ウィルはついに宇宙船らしき機械を発見します。ロランの調べの結果、まだ動きそうであることを確認したウィルは、喜ぶのでした。同じ頃、イングレッサ・ミリシャは、近隣地域のルジャーナ・ミリシャと合流。カプル等のモビルスーツ部隊を持っていることで、上から目線だったソシエたちでしたが、ルジャーナ・ミリシャ側もモビルスーツ部隊を持っていて…。今までのお話では、地球側の軍隊=ミリシャは、グエンの管轄するイングレッサ・ミリシャしか出てきませんでしたが、今回より別地域ルジャーナのルジャーナ・ミリシャも登場。いかにも中世ヨーロッパという感じの軍隊でしたが、取り揃えている発掘したモビルスーツは、カプルよりも高性能で人形のボルジャーノンでした。今回より、味方機としてボルジャーノンが登場。その見た目は明らかに『ガンダム』のザクⅡもしくはザクⅠ(ギャバン・グーニー専用機のみ)でした。過去作をモデルにしたモビルスーツが登場するというのは、『Ζ』や『ΖΖ』でも見られましたが、ここまでまんまなのは『ΖΖ』のドライセン以来じゃないでしょうか。というか、モビルスーツが発掘されるマウンテンサイクルって、イングレッサ以外にもあるのね。『∀』の地球には、一体どれだけのモビルスーツが埋まってるんだろう…?

 

ディアナ・カウンターが、地球の一部地域での建国を宣言して交渉を有利に進めようと画策していた頃、ロランたちは、今日の発見をイングレッサ・ミリシャ側に連絡することに決定。付近の家の電話が不通だったことから、翌朝一番でイングレッサ・ミリシャに向かうことにします。その夜。迷うウィルのもとへテテスがやってきて、月に行くことを目的とするのなら、ミリシャよりもディアナ・カウンターに着いたほうが良いと言い出して…。Aパート後半から、ウィルの運命に暗雲が立ち込めることに。地球を脱出してムーンレィスの市民となることを画策しているテテス(地球とムーンレィスのハーフ)は、ウィルが宇宙船を発見したことをいいことに、それをディアナ・カウンターに売り込むことを提案。ウィルも、ミリシャに渡すよりもそちらのほうが月に行く近道になりそうだと考え、ホイホイ乗ってしまいます。このシーンでは、もう少しくらいウィルの迷いがほしかったかなという印象。でも、ウィルが月に行きたいという思いは前回から何度も描写されているし、そのチャンスが目の前にあると思ったら、やっぱり今回の描写のように、すぐ飛びついちゃうのが自然なのかなぁ?とにかくこれにより、ウィルは破滅への道を歩み出すことになってしまいます。

 

翌朝、不審な物音を耳にしたロランとディアナが外に出てみると、立っていたのはウィルと、見慣れないモビルスーツ=キャノン・イルフートに乗ったテテス。彼らはディアナ・カウンターのもとへ行くと言い張り、ロランたちの言葉を無視して去ってしまいます。∀ガンダムを出して、谷付近で何とか追いついたロランたちでしたが、谷底では偶然にもハリーとルジャーナ・ミリシャの戦闘が起きており、ウィルたちがそこに飛び込んだことで、ロランもそれに巻き込まれてしまいます。ウィルがディアナ・カウンターの元へ向かうために使ったのが、キャノン・イルフートという機体。ジムキャノンをモデルにしたような感じのモビルスーツでしたが、元のジムからはかなりデザインに変化が加えられていました。ウィルはこれを宇宙船の前に掘り出していたみたいだけど、一体どれくらい時間がかかったんだろう?ディアナ・カウンターの襲撃があった前から、ずっと発掘作業やってたのかなぁ。そんなウィルを追うロランたちが接触してしまったのが、ハリーのゴールドスモーとギャバン率いるスエサイド部隊の戦闘。ハリー側が依然として殺傷攻撃ができないこともあり、意外に互角の戦いを繰り広げていました。今回デビューのボルジャーノンの戦闘シーンが、ここで挿入。その攻撃スタイルも武器もザクそのものであり、なんだか「ここまで露骨にやられると面白いな」と感じちゃいました。

 

ウィルたちをディアナ・カウンターに行かせないために、ハリーのゴールドスモーと戦うことになるロラン。最初こそ互角に戦っていましたが、誤ってモニターを損傷させてしまったことから、絶体絶命のピンチに陥ります。しかし、ここはルジャーナ・ミリシャのギャバンたちのアシストで、何とか窮地を脱出。しかし、ウィルのディアナ・カウンターへの接触を止めることはできず。ディアナは谷底で1人涙するのでした。終盤では、∀ガンダムとゴールドスモーの戦闘が描写。過去何度も戦っている相手であり、実際に∀ガンダム側が(ほぼ)勝利していることもあったため、今回も勝てるかなと思いきや、モニターを偶然損傷したことにより敗北するという結果に終わりました。今回の∀ガンダムの損傷はなかなかのもの特徴的な丸い頭部とヒゲがベコベコに凹んでいるさまは、観ていて痛々しかったですね。そして、今回パイロットの姿をハッキリと観ているのに、ロラン=ローラだと気づかないハリーよ…。こうしている中で、ウィルはそのままハリーとともにディアナ・カウンターの駐留地へ向かうことに。ディアナの声は届きませんでした。ウィルを待ち受ける運命は、やはり―。

 

 

 

第15話「思い出は消えて」

1999年7月16日放送

登場した敵他:キャノン・イルフート、ウォドム、ウァッド、シルバースモー

「沈んだ太陽が、もう一度太陽になろうとあがく姿は、面白い見ものでしょ?」

 

STORY:ノックスの街を抜け、サンベルト方面を疎開しようとしていたキースは、道中リリとグエンに出会ったことから、ルジャーナ・ミリシャと合流した。同じ頃、なんとしても月に行く夢をかなえるため、ディアナ・カウンター入りを果たしたウィルは、自分が利用されていることに全く気付かぬまま、フィルの前線部隊に配属され、キングスレーの谷方面へ向かう。しかし、その動きを偶然ルジャーナ・ミリシャに捕捉され、戦いに巻き込まれてしまった。それを察知したロランとキエルに扮したディアナは、戦いを止めようと現地へ向かうが―。

 

ウィルに関するお話の完結編。前回の段階で、テテスにそそのかされてディアナ・カウンター入りしようとする危うい動きがみられましたが、今回はやはりそれが悪い方向に働き、結果ウィルは命を落とす結果となりました。ウィルの死はわざとぼかされた形でサラッと描かれているのが、より虚しさを加速させている印象。それと同時並行で、グエンの再起も描かれているのが見逃せません。

 

ノックスの街をようやく抜け出し、サンベルト方面へ向かっていたキース。彼は道中、土手下に落ちた車を発見し、そこでリリと出会い、さらに病床のグエンと再会します。彼女らを助けたキースは、グエンとも知り合いであるという縁もあってイングレッサ・ミリシャに合流することになり、彼はそこでパン屋稼業を再開。リリやギャバンの強力もあり、想像以上に繁盛するのでした。序盤は意外にも、キースの描写からスタート。サンベルトへ向かう彼らが偶然遭遇したのが、リリとグエンでした。ロランと違ってキースは完全に民間人であるため、ディアナ・カウンターの向かいつつある危険地帯のサンベルトへ向かう事情は、通常無いはず。しかしそこは、キースが以前から持っているパン屋再興の夢と絡めて、「人が多い街のほうがパンを売りやすいから」と、しっかりと理由付けしている点が興味深く感じられました。なるほど、これならキースの一連の行動にも納得ですね。そんなキースは、リリやグエンと出会ったことで、ルジャーナ・ミリシャに身を寄せることに。そこでパンを売り、生計を立て始めます。リリの全面協力もあり、再びパン屋稼業が軌道に乗っていくキース。登場当初から、なんとなくその人間性がつかみにくいリリですが、こうした一面もあるのだなと感じさせられました。でも、壊れた∀ガンダムを見て「まあブサイク!」と言ってみたり、グエンを返り咲かせるためにどこまで本心かわからないような悪口を言ってみたりと、まだまだ彼女の本性がどんななのか、わからないよなぁ。

 

ディアナ・カウンターへの接触に成功したウィルは、ハリー経由でディアナに扮したキエルに接触。そこで自分の目的を伝え、ディアナ・カウンター入りを果たしますが、そこにはキエルとハリーの意図がありました。同じ頃、キングスレーの谷で発掘作業に従事するロランは、キエルに扮したディアナの様子を見にウィルの家へ。そこで彼は、涙する彼女を目撃します。Aパート後半では、ディアナに扮したキエルに対して、自分の思いと宇宙船を売り込むウィルの姿が描写。キエルもハリーも、表向きには理解を示しながら聞いていましたが、実際にはそこまで彼を相手にしていませんでした。そりゃそうですよね。だって、彼が売り込む宇宙船の技術は、ディアナ・カウンター側なら持っているはずだし、ハリーたちにとってはウィルの思いがどこまで本心かわからないもんね(ハリーも珍しく「ゲスな男」と卑下する表現を使っている)その結果、ウィルが配属されたのが、最前線のフィルの部隊。こうするようにしたのには、キエルの意思も大きいようですが、その理由が微妙なところです。「ディアナだったらこう判断するだろう」と考えて配属した可能性もあるし、ウィルが知らず知らずのうちにキエルとディアナが入れ替わっていることを指摘してきたからという可能性もあるんですよね。出来れば前者であってほしいけど、はてさて…。これと時同じくして、トラックを取りにウィルの家に戻ったロランが目撃したのが、初代ウィルとの思い出の品を見ながら涙するディアナ(キエルに扮したディアナ)。悲しみのあまり、彼女はそれを地面に落として壊してしまい、ロランはそのひと欠片を拾います。おっ、ロランもとうとう、キエルとディアナが入れ替わっていることに気づきはじめたかな?

 

キャノン・イルフートに搭乗したウィルは、先導する形でポゥの部隊とともにキングスレーの谷へ向かいますが、その姿を運悪くミリシャに捕捉されてしまい、ボルジャーノンの砲撃を受けるハメに。ポゥからその真意を疑われたこともあり、ウィルは自ら最前線でミリシャ相手に戦うことになってしまいます。キャノン・イルフートで突っ込んでいくウィルは、最初こそ圧倒的な火力でボルジャーノンを圧倒しますが…。Bパートより、ギャバン率いるスエサイド部隊と、ウィルとポゥらの部隊の戦闘が描写。これによりウィルは、スエサイド部隊側から裏切り者扱いされ、ポゥらからは「ミリシャに攻撃させるために自分たちをおびき出したと思われ、板挟み状態に陥ります。これだけでも「ガンダムシリーズ」らしいドラマ展開ですが、これを受けてウィルが、ポゥの誤解を払拭するために単身スエサイド部隊に挑まざるを得なくなるという構図を生み出しているのが、非常に興味深いですね。そんな、単身スエサイド部隊に立ち向かうウィルは、最初こそキャノン砲による圧倒的な威力で敵を寄せ付けませんでしたが、弾切れを起こしたため戦局をひっくり返されてしまうことに。ウィルは軍人ではないうえろくに戦闘訓練も受けていないので、こうした戦い方になるのは仕方ないといえばそうですが…、なんというか、憐れだよなぁ。

 

弾切れを起こしたキャノン・イルフートは、接近戦に持ち込もうとしますが、たった1体でギャバンたちの部隊を相手にできるはずがなく、上半身がすべて吹っ飛んで機能停止。ポゥの部隊も、ソシエの∀ガンダムの攻撃で撤退せざるを得ず、戦闘後残ったのは、無残な姿となったキャノン・イルフートのみでした。その姿を見たディアナ(キエルに扮したディアナ)は…。終盤では、スエサイド部隊の反撃と、加勢してきた∀ガンダム(ソシエが搭乗)の攻撃により、敗走せざるを得なくなるポゥたちが描写。ポゥはいつも通り(?)泣きながら自分野不甲斐なさを呪っていましたが、ウィルは最後までスエサイド部隊と戦い、結果キャノン・イルフートの上半身が吹っ飛び行動不能になってコクピット内で死亡するという、壮絶な最期を遂げます。ウィルの死は直接的には描写されておらず、破壊されるキャノン・イルフート、ポゥのもとに入るウィル機連絡途絶の報告、そしてラストにコクピットから覗く両腕で表現。特にラストの描写では、ソシエが生きていると思って「外に出たがってる」と発言するのに対し、ロランが「…腕だけかもしれませんよ」と返す等、じんわりとヒヤッと感じさせる描写に、強い衝撃を受けました。腕だけがコクピットから覗いているということは、ウィルは最後まで外に出ようと、自分の夢を達成しようとあがいたんだろうなぁ。そして、この壮絶なさまと残酷な現実を、ただ呆然と観ることしか出来なかったディアナ。一連のお話での経験を通じて、彼女は何を思うのでしょうか―。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第16話から第18話をご紹介予定です。『∀ガンダム』。風の行方を、僕は知らない―。

 

 

 

 

 

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